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レンズを持つ、交換する楽しみ

2011年10月03日 00:00

壁のある風景

壁のある風景

Pentax K20D, SMC P24mmF2.8

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポッ,プアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。また複数枚の掲載の場合、写真上の左右をクリックすると画面が遷移します。



10月1日の記事にも書いたが、一眼レフを初めとするレンズ交換式カメラの楽しみは交換レンズにある。

18-200mmや28-300mmと言った高倍率ズームレンズを装着しちゃうと、それだけである程度の写真を撮れてしまい、もはやそれはレンズ交換式のシステムであっても、カメラとレンズが一体化した「写真を撮る道具」でしかない。

目の前にある気になる風景全てを撮りたいのだったらその手のズームレンズは撮影効率を考えると最適だ。事実、描写に関して満足しているSimgaの17-70mmを入手してからの私は、テレ側が70mmしかないにせよ、単焦点レンズをほとんど使っていない。17-70mmを1本だけ持ってお散歩写真、そんなスタイルになりつつある。

でもこうやって改めて「それってどうよ?」と考えると、実に勿体無いと思う自分もいる。24mmF.28、28mmF2.8、35mmF2、そして50mm、55mmレンズに至ってはF1.4を筆頭に4本も、望遠レンズは90mmF2.8、135mmF2.8、200mmF4を所持している。半分が電子接点もない大昔のレンズだが、どれも単焦点レンズだけあってそこそこの描写力を持っている。明らかにズームレンズとは異なるグレートな描写をするレンズだってある。

とは言え、勢い込んで「今日は絶対に良い風景を物にするぞ!」なんて時は素直にズームレンズしか使わない。これは今後も変わらないだろう。でも写真を撮るのは二の次、散歩がメインで道中に面白い風景があったら撮る、そんなお散歩写真なら単焦点レンズだけで挑んでも良いと思い始めている。

要するにカメラ、写真雑誌が一時期提唱していた「フォトスローライフ」なるものだろう。余談だが、この言葉は大嫌いだ。廃れつつあるフィルムカメラ文化に光を当てよう、そんな心意気は許せるものの、所詮、カメラ店の救済措置でしかない気がするからだ。

いや、カメラ店の救済目的ならまだいい。かつてお世話になったお店が潰れるのは感慨深い。でもそれに踊らされちゃう人々がいるからなのか、お店がこのご時世に於いてもいい気になって未だに強気なのか、本来ならプレミアが付く筈も無いレンズがやたらに高騰している現実・・・。

要するに田中長徳一派が悪い!。田中長徳氏、意外と好き。年配者に対して大いに失礼だが、カメラマンの中で一番知性を感じる。カメラマンは感性で写真を撮るのだと思うが、氏の場合は知性で写真を撮っている気がしてならない。

知性がカメラマンにとって邪魔にならないのを証明した唯一のカメラマンではなかろうか?。当然、氏の執筆されるカメラ、写真エッセイは秀逸だと思う。とは言え、彼のせいで古いレンズが高騰したのもまた事実。そこんところは胸糞悪い。

余談が過ぎた。話を本筋に戻そう。写真に結果を求めないで、撮影過程を楽しむ、カメラとレンズを持ってお散歩している自分の酔う為には機能的なズームレンズじゃ駄目だ。単焦点レンズ、しかも全てが面倒なマニュアルフォーカスレンズ・・・。

本当はカメラもフィルムを用いるカメラ、それも手でフィルムを巻き上げ、露出も電子制御でなく機械式、その方がカッコイイのだろうが、私はそこまでマニアックではないし、フィルムに戻るのだったらブローニー、6x6と心に決めているので、それまではフィルムカメラには手を出すつもりはない。

ズームレンズやAFレンズを使うと必ず欲が出ちゃう。簡単に写真を撮れるから、結局、あっちも撮ろう、こっちも撮ろうとガツガツしてしまう。それじゃぁ自分に酔う余裕がない。フォトスローライフとは自分に酔えてこそ、自分がカッコイイと思い込んでなくちゃならないのだから、ゆったりとした時間の中に自分を置くべき。

単焦点レンズ1本勝負でも楽しいとは思うが、複数用意していればレンズを交換している時も酔える。普段なら「あぁ、レンズ交換、面倒だなぁ、やっぱりズームレンズにすりゃぁ良かった」とイライラしても、その日の撮影は自分に酔う事が目的であると心に決めちゃえば、レンズ交換と言う煩わしい作業すら美徳と感じる。

だってそうでしょう。レンズを交換すると言う事は、自分の強い、確固たる意思を持って焦点距離を決める事なのだから、ズームレンズで気軽にクルリンとは訳が違う(笑)。そりゃぁ美しい作業だ!。

一連の動きが自然な事、これも必要。被写体を見つける、装着しているレンズを考慮して被写体との距離を測る。この時、カメラのファインダーを覗いて、寄りが足りない、引かなくちゃ入らない・・・、なんて事になったらカッコ悪い。自分のレンズの画角を完全に把握している事が大切だと思う。

仮に、完全に目測を誤った・・・、近付き過ぎた、引き過ぎた~、そんな時、微動だにしちゃならない。構図が中途半端でも我慢してその場所でパチリする。だって結果は求めちゃいけないのだから。無駄な動きをした瞬間、理想のフォトスローライフは崩れる。またそうやって失敗する事で、焦点距離を自分の体に馴染ませる、一石二鳥だ。

SMC P24mmF2.8、SMC P55mmF1.8、135換算で36mm、85mm相当。PentaxがM42マウントからKマウントに移行した初代のレンズのうちの2本で1975年くらいに製造されたもの。35年が経過している。今までこの2本だけで散歩写真を行った事はないと思う。

だから本格的な秋を迎え、散歩が苦痛でなくなった今、Pentax K10Dの日干しも兼ねて、私なりのフォトスローライフでも体験、実践しようと思っている。

本日の写真はそのP24mmF2.8での一コマ。36mmと言う画角になるので広角過ぎる事もなく、狭い路地裏撮影では使い易い焦点距離と言えよう。俯瞰からの撮影で、良く見ると樽型に歪曲しているが(普段、本ブログではRAW現像時に歪曲収差はある程度修正するが、今回はJPG撮って出し)、解像力はそこそこある。大昔のレンズとは言え、さすが単焦点レンズ。

※倍率色収差はかなりある。周辺部はそこにそんな色はなかったでしょってくらい、赤と青の線が出る

特にお気に入りと言う訳でもないし、K-7のファインダーならまだしも、K20D、K10Dのファインダー、及びスクリーンだとピントの山が非常に判り辛く、浅い深度で撮影しているとピンボケ写真を量産しちゃう、私にとって非常に難しいレンズだが、フォトスローライフはピンボケすらも楽しまなくちゃ!(笑)。


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コメント

  1. equinox | URL | mlDQ20Uo

    単焦点の場合、どの位置に立つかセットしているレンズでおおよその
    目安を付けるのですが、後で前後することはあります。

    立ち位置を外した場合、私はそれ程気にしませんがなるほど、
    そんな拘りも楽しみの一つかもしれませんね。

    単焦点でスナップ撮影中に、テンションがどんどん高くなることは
    ありますが、ズームではそれは無いですね。

    意識したことは無いですが、もしかしたら酔っているのかもしれませんね~

  2. BigDaddy | URL | -

    > equinox さん

    昔、写真雑誌で活躍していた某プロ氏と出くわし、彼の撮影風景を後ろからそっと見ていましたが、なるほど、雑誌等では焦点距離を身に付けろなんて言っているプロでもウロチョロしとるわいとにんまりした事があります(笑)。でもそれが妙にかっこ悪いと思ったんです。

    単焦点でテンションが上がるのは私もそうですね。やはりどう構図するかズームよりも限界がありますから、脳みそが必死に考えているんだと思います。ランナーズハイ、クライマーズハイのように単焦点だとスナップズハイになっちゃうのでしょうね(笑)。やはり酔っているんでしょうねぇ。

  3. hidemaro2005 | URL | -

    すみませ~んw
    チョートクさん好きです。

    でも、誰だったかな、レンズ交換は「外科手術」だって言ってた人がいました。
    私のようなビンボ~カメラマンは、出来るだけ「頻繁な交換」せずに、テーマ絞って
    レンズ計画建てていくのがいいのかと思ったり・・・。

    だから、ズームは、ある意味ありがたいなと思ったりもするんです。
    邪道でしょうけどw

  4. BigDaddy | URL | -

    > hidemaro2005さん

    どうもご無沙汰しております。

    レンズ交換は外科手術ですか。確かにお金持ちは最先端医療とか平気で受けられますし、整形手術も高額ですから、言い得て妙ですね(笑)。私はちょっとやそっとでは病院へは行かないので、これもレンズ集めと一緒かもしれません(笑)。

    ズームが邪道かどうかは本人が決めるんだと思います。他人が「おまえはズームだから駄目」、これって単なるマニアのたわ言でしょう(笑)。

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