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いざ嘉右衛門町(かうえもん)へ! その3+屁理屈かましてみた

2023年11月12日 00:00

閉鎖された工場

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Sony α7II
Ai Nikkor 35mmF2



嘉右衛門町でのスナップ、本日最終日。紛れもなく3月末、春に撮影しているのだが、雰囲気は真冬・・・。

と言うのもこの日は午後を過ぎてから次第に天気が悪くなり、嘉右衛門町の夕方の空はいつ雨が落ちてもおかしくない状態だった。そして日没近く、午後5時を過ぎた頃に案の定、ポツポツと降り始め、時間も時間だし家路に就く。

ブログ用に写真を選定している時、どう見ても冬っぽい風景が多いのに気付き、だったらより一層冬っぽくしたれ!、と言う事で現像にて、よりどんよりした雰囲気にしてみた。

今日は屁理屈気味なので最初に嘉右衛門町の風景を紹介しちゃおう!。文章は文章でちゃんと読んで頂き、共感を得たい、でも一応は写真ブログなのでまずは写真で共感して頂けたらと思っている。割と良い感じの組写真になっていると思うのだが・・・。


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Sony α7II
Ai Nikkor 35mmF2



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Sony α7II
Ai Nikkor 35mmF2



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Sony α7II
Ai Nikkor 35mmF2



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Sony α7II
New Nikkor 50mmF2



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Sony α7II
New Nikkor 50mmF2



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Sony α7II
Ai Nikkor 35mmF2



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Sony α7II
Ai Nikkor 35mmF2



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Sony α7II
New Nikkor 50mmF2



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Sony α7II
New Nikkor 50mmF2



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Sony α7II
New Nikkor 50mmF2



さて!、今日もレンズのお話をば!。

35mmや28mmと言った広角系のレンズの欠点って何か?。

「樽型の歪曲!」

そんな思考は今の時代意味がない。現行のレンズはその辺は程良く修正されているし、RAWから現像するにせよ、補正情報を元にキッチリと歪曲を整えてくれる。オールドレンズであってもLightroomやRawTherapeeを使用する、これが条件であるが、多くレンズの補正用プロファイルが海外の有志達によって作られている。補正プロファイルがなくても手動で如何様にもなる。

歪曲がねぇ~・・・、そうほざいているカメラマンはオールドレンズを利用している癖に撮って出しJPGで満足しているような中途半端な人間でしかない。

オールドレンズ愛好家の中には「歪曲も味のうち!」と一切修正を加えない方もいるようだが、単に自己陶酔しているに過ぎない。他人が見たら広角レンズの樽型、望遠レンズの糸巻きな歪曲は不快でしかない。どんなに優れた風景、どんなに卓越したテクニックを持って撮影しても駄作!。歪曲して良いのは魚眼レンズで撮られた風景だけ!。

では欠点とは?。なぁに単純だ。

「撮りたい風景、被写体にしっかりと近付かないと無駄なものばかりが写ってしまう事」

この手の話になると毎度、Ricoh GR使いに対して悪口をかましまくる。今回もかましちゃおう!。GRは35mm換算28mmの画角を持つ。ネットでGRで撮影された写真を見ても28mmを28mmらしく上手に撮影している人は多くはない。無駄なものばかり写っている写真を結構の頻度で見せられてしまう。本人はそれで納得しているのだろうが、一般論として「あんた、結局、何を撮りたかったの?」って風景(特に街中、お散歩写真系において)が実に多い。寄り切れていないんだ。

観点を少々変えてみようかな。

同じ人間が28mmレンズだけでお散歩写真した時とズームレンズでお散歩した時とでどちがら優れた写真を多く撮れるか?、もしくはどちらが苦労せずに良いカットを多くモノに出来るか?。誰がどう考えても後者でしょう。ズームレンズは自分が考えた風景をズームリングを回すだけで決定出来るけれど、28mmレンズはとにもかくにも寄らなくちゃどうにもならない。

「カメラマンは足を使え!、上手になる秘訣は足だ!」

これは昭和の思考でしかない。これがまかり通るのなら何故単焦点レンズは廃れた?。何故プロカメラマンでさえズームレンズを多用する?。プロの場合、良い写真を撮れるから凄いのではない。写真と言う分野は写真撮影の基礎知識とちょっとしたセンス、そして良い風景、被写体のある場所に頻繁に行ける、これだけで小学生でも良い写真を得られる。プロは失敗がないから凄いのである。失敗をしない為には技量や経験値の他、どんなシチュエーション、風景でも対応出来る機材を所持するしかない。となるとズームレンズがメインになるのは至極当たり前。

足を使え、これは間違いではない。ズームレンズを使用していても撮影前に「この風景なら近寄って広角表現を、この風景なら望遠にズームして引き寄せ効果を利用して・・・」、そんな思考の中で焦点距離を決めるべきである。でないと「ズームレンズあるある」として狭い場所では最広角を、遠い風景を最望遠で、そんな撮影ばかりしちゃう。

しかし常に焦点距離を意識するのは所詮無理!。便利過ぎるからみんながズームレンズを使うのだから!。私だってこんな偉そうな事を言っていても特に自然風景を写す時は焦点距離なんて無視!、思い描いた風景を画角、ズーミングだけで切り取っている。ネイチャー系の風景となると撮りたい風景に近寄れない、離れられない、そんな時の方が圧倒的に多いからだ。山でも海でもそうでしょう?。

街中でのお散歩写真はズームレンズでなくともなんとかなる。GRだけで撮影すると28mmと言う画角、パースにマッチした風景だけを撮っていれば良いのだから・・・。

ところがこれを体現しようとすると必ず「見なかった事にする風景」が出てきてしまう。マッチする風景が多く見つかれば良いけれど、そうでなかったらどうにもならない、それが広角レンズ。

フィルム時代は1枚パチリする毎にお金が掛かった。だから金持ちのボンボンを除けばみんな吟味に吟味を重ねて撮影対象を選んでいたから「見なかった事にする風景」が多く出てくる。だからこそ単焦点レンズ派でも広角、標準、望遠・・・、24mm、50mm、100mmとか28mm、50mm、135mmとか35mm、85mm、200mm、そんな3本セットで撮影に挑む。

でも気軽なお散歩写真ともなるとカメラ1台、レンズ1本でウロチョロしたい。当時はフィルム1本の中で納得行く写真が数枚撮れればしめたもの。そんな意識もあったから28mmレンズ1本でお散歩写真をしていて見なかった事にした風景が多くても、「これは行ける!」と踏んでパチリした割には駄作だったにしても多くのカメラマンは納得していた。フィルム5本を消費したら最低10枚、欲を出して20枚満足する風景を写せれば良かったのだから。

それが今では現像やプリントにお金を掛ける時代じゃなくなった。失敗してもお金が掛からないから気になった風景を見つけたらその場ですぐにパチリしちゃう。しかも今撮影した風景を即座にネットに掲載出来ちゃったりもするから、己に厳しく結果を問う事すらしないカメラマンも増えてきたのではなかろうか?。駄作なのにどんどん公開しちゃう。

だからネット上では28mmと言う比較的難しい画角だけで勝負せねばならないGRで撮影された駄作がウジャウジャ見つけられちゃう。勿論、上手い人は上手いよ。でも「この人、良い写真撮るなぁ~」と感じる場合、大半が別にGRじゃなてくも良い風景なんだ。どんなレンズを使っても美しく素晴らしく見える風景を撮っているんだな。「写真が上手」、これは、、、

「誰もが認める優れた風景、共感出来る風景を目の前にしている」

この要素が無茶苦茶高い。しかもそういう写真を多く撮影出来ているカメラマンは運だけではなく、長い時間、期間粘ってこその光線具合がこれ以上ない程素晴らしい風景となる。

そうなるともはやテクニックではないでしょう?。どれだけ美しい風景に巡り会えるか、そしてじっくりと腰を据えて最高の瞬間まで待てるかだ、ある程度のテクニック、センスは必要とするが、詰まるところ「根性」、これが一番大切。これがある奴こそ優れた写真を撮れる。もう一度書こう。GRで優れた写真を見た、でもそれは根性のあるカメラマンがたまたまGRを使っていたに過ぎない。

現実には滅多やたらにそんな美しい風景に巡り会える筈もない。しかも地元の利、富士山が美しく見える、もしくは富士山麓に住んで毎日のように富士山と対峙出来る、そんなカメラマンに普段富士山を見る事が出来ない我々が勝てる要素は運を除けばひとつもない。

そこで東京に住む私は考えた。地元の利、東京を撮る事・・・。やがて題材が「東京」から「人の住む町」となる。そうなると地元の利はあまり関係なく、地方の町、村、集落でも構わない。行った先々で自分が好きな町の風景を写していれば良いのだから。

そして私自身は「町」を写すには50mmレンズが最適だと結論付け、フィルム時代から町撮りには50mmレンズばかりを使っている。ところが前回記事に書いたように時折、何となく?、日干し?、そんな兼ね合いから苦手な広角レンズ(とは言え比較的簡単に扱える35mmレンズ)で頑張ろうとしちゃう。

当初は35mmと75-150mmの2本体制、凖広角と中望遠、そんな狙いであったが、これまた何となく、、、

「35mmレンズで行けるんだったらずっと35mmレンズでいいじゃん!」

そんな気になってしまい、かなり頑張って35mmレンズで通した。ところが・・・。ここで最初の言葉、広角レンズの欠点。

「撮りたい風景、被写体にしっかりと近付かないと無駄なものばかりが写ってしまう事」

これにぶち当たる。これがいつでも行こうと思えば行ける東京都心部の風景なら「見なかった事」にする。でも栃木県で撮影しているのと、その日じゃないと撮れない風景だった。だから75-150mmレンズをセットしたところ今度は画角が狭過ぎた。結局50mmレンズの登場と相成ったのだった。そしてふと思う。「何となく」であり「日干し」の意味で35mmレンズを持ち出したが、撮影している風景は全て50mmレンズで賄えるのだから無理する必要はねえよなと。これじゃぁ、、、

「GR使いはいつも無理をして写真を撮っている。28mmと言う画角が苦なんだろ?。格好つけずに吐露しなよ!、ホントはGR IIIxの換算40mmの画角が欲しくて欲しくてたまらんだろう?」

そんなGRの悪口を叩いている自分。もはやミイラ取りがミイラになっちまっているんだな!。

先日も書いたのだけどフィルム時代、アマチュアに多大な影響をもたらした2人の広角レンズ使いがいた。私個人はこの2人と感性が全く異なっていたのでぶっちゃけ「こいつらの写真、毎回とっ散らかってるなぁ、プロの癖にセンスねえなあ!」と思っていた。でも世間では評判が良かったようで・・・。ヘタウマ写真とでも言うのかな?。とにかく一部の見栄っ張りに受けちゃった。

さらにRicohがGR1、MinoltaからはTC-1、Nikonが28Tiと言った28mmレンズを搭載した高級コンパクトカメラを出してこれがこれまた玄人な見栄っ張りに受けちゃった。Ricohに至っては超広角の21mmレンズのGR21まで出しちゃった。それから、、、

「広角レンズを扱えるようなれば立派なカメラマン、広角レンズを標準とするのがお洒落!」

そんな意識がアマチュア界全体に広がっていったような気がするんだ。でもこれって勘違いだからね。いや、広角レンズを上手に扱えればそりゃぁ立派だ。でもやみくみに広角レンズばかりを使おうとするのが過ちなんだ。

さらに上を行く玄人は28mmレンズじゃなく35mm前後のレンズを搭載してコンパクトカメラに触手を伸ばしていく。それがKonicaのヘキサーだったり、Nikokn 35Tiだったり、Contax Tシリーズだったり・・・。彼らは知っていた。28mmレンズだけで風景を切り取るのは無理があると・・・。

フィルム時代の広角レンズを搭載した高級コンパクトカメラがどんなコンセプトの上で商品として世に出たかを知る術はないものの、元々はプロカメラマンがサブカメラとしてポケットから気軽に取り出せて手元の日常を写せる便利さから出てきた商品だった筈。それがGR1の前身であるRicoh R1(30mmレンズ)だったりFujifilmのティアラ(28mmレンズ)だったと記憶している。

つまり、広角レンズ搭載のコンパクトカメラだけで写真を撮ろうってんではなく、メインは一眼レフ、ちょっとした仕事の合間にこれらを使ってスナップを!・・・、そんな用途だった。それがいつしかそれだけをポケットの忍ばせて街角スナップするのがお洒落になっちまったんだな。

確かに馬鹿でかい一眼レフでパチパチしているより、ポケットからササッと出してパチリ、スマートではあろう。若い世代で大ブームとなった「写ルンです」と言ったレンズ付きフィルムや現代のスマホ感覚にも近い。お洒落と言われればお洒落だ。でもそれには撮影された写真も格好良くなくちゃならない。

良くコメントをし合うブログ主でLeica Q2使いの方がいらっしゃる。28mmレンズ搭載だ。おっと!、この方にこの文章を読まれたら立腹されるに違いない!。ヤバイか?。

いえいえ!。私は金銭的な面でLeicaのカメラには興味はないのだが、さすがLeica。このカメラ、クロップ前提で作られているんだ。元が4730万画素、35mmクロップで3000万画素、50mmクロップで1500万画素、楽勝でA3以上のプリントが可能だ。75mmクロップでは700万画素と若干微妙な数字だが、A4プリントのクオリティはあるし、ほぼ4Kだから十分と言えば十分(クロップしてもRAWは最大画素の4730万画素を保持しているみたい)。

勿論、Q2使いの中には「何がなんでも28mmで撮る!」なる方もいらっしゃるだろうが、そこはフィルム時代のレンジファインダー機のように28、35m、50mm、75mmを楽しむ、それこそがお洒落だと感じているし、だからこそのLeicha Q2なだ。何しろファインダーはかつてのレンジファインダー機らしい仕様になっているからカメラを構えただけでフィルム時代の古(いにしえ)を忍ぶ事が出来ちゃう。

さらには後継機のQ3は6000万画素にスケールアップされ、35mmで3900万画素、50mmで1900万画素、75mmで800万画素となり、常に4K以上のJPGを出力出来てしまう(90mmクロップも追加されそれは600万画素、これでもA4プリントなら全く問題はないし、今のRAW現像ソフトウェアのクオリティならA3でも問題なくプリント出来る筈)。

実はだいぶ前の話、FujifilmのX100シリーズと言う換算35mmのレンズ一体式のカメラ、画素数が2400万にアップしたX100Fの時、「なんか欲しいかも・・・」、ふと思った時期があった。今回の嘉右衛門町でのスナップも35mmレンズを多く使っており、50mmレンズよりは寄らなくちゃならないので苦手ではあるが、35mmレンズだけでお散歩もしようと思えば可能だし、2400万画素だったら50mm前後までのクロップでも遜色ない。

ところがこのカメラ、手ブレ補正が付いていないのだな。どうやら現行のX100Vですら手ブレ補正がないみたいで・・・。もし将来、X100シリーズの新型に手ブレ補正が付加されかつX-T5以上の画素数を持つセンサーが搭載されたらクロップもLeica Q2とほぼ同じ感覚になる。これで35万円以下に価格を抑えられたらプアマンズQ2として小金持ちには人気が出るんじゃなかろうか?。まぁ35万出すのだったらNikon Zfに40mmF2か50mmF1.8を買うけどね・・・。

そろそろ終わりにしようかな。うん?、今日の結論はなんだったんだ?。まぁ屁理屈って事で・・・。

嘉右衛門町ネタは今回で終了。次回からは初夏の旅を掲載するつもりだったが、撮影した写真を見ている限り、春らしい絵はあんまりないのだな。この際だから先日訪れた群馬県の紅葉の旅、季節的にタイムリーだからそっちを先に掲載するべきか?。ちょっと考え中・・・。


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コメント

  1. tsunomagari | URL | mQop/nM.

    お写真、結構な枚数を贅沢に披露されましたね。
    やはり正面から捉えた写真が良いですねぇ(笑)

    レンズの話にはダボハゼの如く食い付く僕ですが、広角レンズは難しいですね。
    ズームレンズは万能ですが、使う僕の腕が万能では無いので単焦点派です。
    50mmレンズ派なので、35mmが若干広いと言うのはわかります。
    で、Ultron40mmを購入したですが、画角がちょうど良いのと50mmより寄れると言うことで、Zマウントでも40mmを買いました。
    今回の一時帰国時も40mmだけで撮影しました。

    FujiのX100は僕も一時期欲しかったんですが、やっぱりお値段が少々高いかな。
    今は、もう一台違うタイプのロードバイクが欲しいと思っています(笑)

  2. BigDaddy | URL | -

    > tsunomagari さん

    もっと小出しにすると文章を作るのが面倒ですし、吟味を重ねて掲載数を減らすのが良いのでしょうが、「どんより」をよりイメージして欲しいと考えいたらこの数になっちまいました。

    正面写真、風景を模様として写し込んでいるとでも言いましょうか。この辺の感性はtsunomagariさんとマッチしているのでしょう!。

    40mm、確かに魅力ありそうなんですよね。ですから本ブログでもずっとLumixの20mmF1.7が欲しいとほざいていますでしょう?(笑)。今思えば9-18mmF4-5.6なんて買わずに20mmF1.7を買っておけば良かったと後悔しています。特に換算40mmなので夜散歩で換算50mmよりも使い勝手がありそうと踏んでいます。まぁいつか買いますよ!。

    X100シリーズは手ブレ補正がついてあのお値段ならまだ判るのですけどね。Fujifilmは未だに特許の部分で手ブレ補正機構を小型化出来ないんですかね・・・。

  3. Kaz | URL | NSZPX.9E

    良い!割とどころか、たまらなく良い組写真ではないですか! 曇天の夕暮れ時のどんより現像が絶妙にハマり、昭和に撮影したようにしか見えない世界観…釜平、ヤマサみそが圧巻だし、他の写真も1枚1枚にすごく深い味わいがあります。どれも嘉右衛門でなければ撮れない唯一無二の風景で、廃墟ではありませんがこういうのをランクが高い風景と言うのでしょう。スナップの真髄を見せていただきました。

    レンズ論、ズームの意義について同感です。良い写真を撮るのが目的なのであって、「なんでも28mmで行く!」などと手段を優先してしまったら本末転倒ですよね。目的のために手段を柔軟に使い分けないと。趣味なんだから自己満足で構わないという考え方もあるでしょうけど、やはり良い写真を撮って人から評価されてこそ楽しく長続きする趣味になるのではないかと思います。

    ところで私、35mmという画角については28mmのような無駄な散漫さがなく、かと言って50mmのような主題の強さもない、絶妙とも中途半端とも言える面白い画角だと思っています。特別な愛着を感じるウィリアム・エグルストンの写真も、私は50mmより35mmのイメージです。漠然と捉えた風景から漂う空気感・世界観。私は50mmも大好きですが、こんな35mmの表現も楽しみたいと思っています。刑部人という風景画家の絵が好きなのですが、35mmのように何気ないけど確かに画家特有の風情・趣(おもむき)が感じられるのです。

    私は現状は「今しか撮れない風景」を意識していて、それを追いかける結果「季節の花(自然)風景」になっています。曇天・雨天でも、場所選びも含めいろいろ工夫が必要にはなりますが、それなりにその時だけの美しい写真が撮れると思っており、今のところはそれほど「ネイチャー写真の苦しみ」は感じていません。が、さすがに冬は花も少ないですし、町の風景も撮ってみたいと思っています。

  4. BigDaddy | URL | -

    >Kaz さん

    そこまで褒めて下さるとは嬉しい限りです。

    通常、組写真として構成する場合、同じ被写体は控えるべきですよね。同じ被写体を異なる構図で掲載する、イコール、最高作品を選べない、己の信念がなくかつ己に甘い事に繋がって実は「恥」でしかないんですよね。ブログと言う形態はフォーマットは自由ではありますが、これをやっている人、物凄く多いです。恥ずかしい事をしているのに判っていない。

    今回で言えば煙突を様々な角度から撮影しています。でも撮影者として一番惹かれたのがこの煙突、これを中心に構成するべきだと感じました。またここは取り壊される寸前でしたので(もしかするともう存在しないかもしれません)、皆さんにも色々な角度で見て頂きたいと言う気持ちもありました。

    レンズ論、趣味として、遊び心として「縛り」を設けるのは常套手段ではありますが、それを理由に強がったり、言い訳がましかったりしたら小っ恥ずかしい人になっちゃう気がしますね(笑)。

    手近な風景を写すには35mmは丁度良いのでしょうね。昔の単焦点コンパクトカメラは35~38mmくらいが多く、程良く背景も写り、スナップには適した画角だったと思います。

    またフィルム時代の話として35mmと50mmで比較すると手ブレしないシャッタースピードを考慮すると1段異なります。また被写界深度も深いので50mmレンズより1段絞り込まなくて良く、実質2段近い差があり、そうなると厳しい条件では35mmレンズを使った方が良いのですよね。午後4時までは50mmを、それ以降は35mmを、そんな人もいたと思います。


    今はほとんどのカメラに手ブレ補正があるので天気によってレンズを替える事はなくなりました。よって私に限っては柄分けは「気分次第」なんです(笑)。

    刑部人と言う方、存じ上げませんでした。ちょろっと画像検索してこの方の作品を見た限り、あくまでも私見です。35mmと言うよりも50mm~中望遠っぽい視線だと感じました。何故そう感じたかと言うと構図に無駄がないんですよ。目の前に大きく広がった風景をしっかりと切り取っている、そう感じました。これは鑑賞する人間の感性や性格が入ってきますので、何が正しいとかはないのですけど。

    花を追い掛ける、これは年中写真を撮れる、モチベーションが上がりますよね。確かに冬は花が少ないようですが、花以外に落ち葉、葉の落ちた木々(今回のトップ写真のような風景)、そんなのに目を向けて良いのかなと思いました。

    ネイチャーの苦しみは「最高の光を待つ根性」だと思います。素晴らしい紅葉を目の前にしても曇天だったり、順光、逆光過ぎてどうにもならなかったり・・・。ここだ!、と決めた風景は長い時間粘ったり、毎年訪れたり・・・。これがネイチャーの本質だと思います。ですから私はネイチャーフォトを撮れないんですよねぇ。言い換えると運が強い人こそ優れたネイチャーフォトを撮れるって事でしょうか?(笑)。

  5. Kaz | URL | NSZPX.9E

    >BigDaddyさん

    >35mmと言うよりも50mm~中望遠っぽい視線
    あっ、たしかに! 私は、はっきりした被写体がないなど主題が曖昧な風景=35mmで撮るというイメージだったのですが、考えてみればそうとも限りませんね。被写体に寄って撮ることも結構あります。私は遠くの曖昧な風景を50mm〜中望遠で切り取る、この意識が少しおろそかになっているかもしれません。改めて絵を見てみるとこの「まとまり感」のある視線、中望遠とも言えるくらい! 大きな気づきが得られた気がします、ありがとうございます。

    町の風景でも、葉の落ちた木々があるだけですごく冬っぽさが出ますね。あとは私の場合、自然風景ではありませんが、仙台ではベタなところで光のページェントとか。夏は七夕です。私は花を撮りたいというより、季節が感じられるもの(風物詩)を撮りたくて、結果花が多くなっているということかもしれません。自分で自分のことが見えていないことってよくあるものですね。

    私は今のところ悪天候でも「その時のベスト」を撮ることに満足しているところがありますが、SNSに投稿するとなると変わってくるのでしょうね。でも根性とは違うところで勝負したいです…(苦笑)。もちろん根性も大事にしつつ、「すごい写真」に勝るとも劣らない「よい写真」を目指していけたらと。なので私の場合はネイチャーだけ撮るのではいけないのかもしれないと思います。

  6. BigDaddy | URL | -

    > Kaz さん

    人間の目って平面の写真だとかなり曖昧で、ちょうどこちらのコメントを頂いた前日だかにSigmaの新しい70-200mmレンズのレビューを流し読みしていて、湖か海か、そんな風景がサンプル写真として何枚かあり、ぼぅっと見ていると35mm~50mmくらい?、と感じるんです。レンズが70-200mmだからワイドでも70mm、それが凖広角~標準に見えているんです。

    つまり望遠レンズで風景を引き寄せてもだだっ広い風景を撮っていればそれが望遠には見えない、それが人間の目なんだと思うんですよ。これは広角レンズにも言えて手前に何もない風景、崖の上から山々を撮影したような写真だと広角に見えない時もあったりします。

    ですから35mmで撮った、50mmで撮った、85mmで撮った、これって結果でしかなく、単に主になる被写体を撮るのに適したカメラマン個々の得意のワーキングディスタンスによって選ばれたレンズだと言えなくもないと感じます。また背景をボカしたいから望遠を、奥までしっかりとピントを行かせたいから広角を、そんな思考もありますよね。

    絵の場合、ボケとかパンフォーカスと言う概念はないでしょうから(色の濃淡でそれが実現するんですかね)、絵に興味ある人が見た感覚と私のように写真はそこそこ知っているけど全く絵に精通していない人間が見ている感覚ときっと違うんだと思います。

    私の場合、Kazさんとは正反対で都内での撮影は極力、木々、花を排除する方針でした。最近は新緑と紅葉くらいは撮っておくかとあまり気にしないで撮影していますが、季節感が出る写真を敢えて撮らない、そんな撮影をずっとしていましたねぇ。街=人工物であり、そこに季節感は不要、そんな思考です。東京で見せる季節感、これからの時期だったらサンタさんの人形とかショーウィンドウの冬物商品とか添景で小さく入れ込むコートを着た女性とか、やっぱり人工物で見せる事が多いですかね。

    但しそれが山里になると集落という町ですが、反対に田んぼや畑、山の木々の新緑や紅葉など四季を感じさせないとつまらん写真になるんですよね。夏はセミをドアップで撮ったり。ですからその辺を割り切っていましたね。東京では季節を見せない、山里では見せると・・・。ただそのどちらも徹底している訳ではなく、あくまでも努力目標って事で(笑)。

    悪天候でもその時のベスト、仰る通りだと思います。あとは予定を捨ててまでそこで粘れるかどうかではないでしょうか?。私は粘れない人間です。最新記事でも最後の写真、粘っていますけどほんの数分です。これまでで一番粘ったのは30分ですかねぇ。私が鉄っちゃんになれないのは短気だからでしょうね(笑)。

  7. ハッセルぶらっと | URL | b/3v8zPU

    煙突に歴史の深さを感じます。
    別会社の即席みそ汁ですが、「料亭の味」 なんで料亭がみそ汁を出すのか理解できません。
    料亭ならお吸い物(すまし汁)なので、他社のを購入しています。

  8. BigDaddy | URL | -

    > ハッセルぶらっと さん

    歴史ある味噌工場だったそうです。ここはもう少し早く訪れたかったですね。取り壊す前に見学会があったそうです。ヤマサ味噌自体はまだあるみたいで、ヤマサ醤油とは別企業です。

    料亭の味の出汁入り味噌の方はそのまま作ると出汁の味が足りず、自分で加えなくちゃならないので過去に一度買ったきりでしょうか?。でも減塩タイプは過去に何度か買ったような記憶が・・・(笑)。

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