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儀式の多い新兵器!、Techart LM-EA9! AF速度、精度など

2023年09月25日 00:00

夜散歩

2023-09-25_01

Sony α7II
smc PENTAX-M 50mmF1.4
1/5sec, ISO800



前回記事からの続き・・・。

まず記録されるEXIF情報について。

ユーザーが正しくF値をセットして捨てコマを撮影すれば焦点距離情報は正しく記録される。但し、LM-EA9が想定していない焦点距離を持つレンズ、例えば20mm、25mm、55mm、100mmレンズ、これらはそれぞれ代替で設定する21mm、24mm、50mm(もしくは60mm)、90mmがセットされる。

レンズ名は「TECHART LM-EA9」に統一されるので自分がどのレンズを使ったかは焦点距離情報を見ないと判らないので儀式である焦点距離設定を忘れたらおしまい。

焦点距離設定はEXIFにデータが記録されるのとボディ内手ブレ補正を正確に作動させる為にものであり、この設定をしなかったり、誤った焦点距離を設定してもAF自体は問題なく動作する。また日中、シャッタースピードが稼げる露出で撮影する場合、ボディ内手ブレ補正はオンにしていても働かない仕組みになる筈で、実際に使用しているレンズの焦点距離に見合ったシャッタースピード以上が確保出来ていれば失敗写真になる事はほとんどない。

とは言え、儀式は儀式。日中ピーカンでも日陰に入った途端にシャッタースピードが稼げず、手ブレ補正が働き始めたら誤った焦点距離情報をセットしていたらそこでアウト。微ブレ写真のオンパレードとなるからユーザーは焦点距離設定を忘れないように努めねばならない。

それでも人間はアホだから忘れる時がある。本当は35mmレンズを使っていたのにそれまで装着していた50mmレンズのまま・・・。そうなるとEXIF情報には全コマ「50mm」と記録され区別が付かない。

「写真好き」か「写真マニア」、この違いかな。写真好きはボディに何を使おうが、レンズに何を選択しようが写っている風景こそが大切。しかし写真マニアともなると写っている風景が大切なのは当たり前として加えて撮影した写真のレンズが不明だと不愉快になるタイプ。1コマ毎の絞り値まで把握、記録していないと気が済まないマニア度の強い人もいるだろう。

私は絞り値までは拘らないけれど使用したレンズが不明なのは不快。そこで以前からオールドレンズ交換の度に行っている方法をそのまま継続している。28mm、50mm、100mmの3本を持って出た場合、28mmは指1本、50mmは2本、100mmは3本を出してパチリする。指は5本あるし、グーも加えれば6本のレンズを区別出来る。最初の頃は頻繁にこの指撮影を忘れていたが、今はこの儀式に関しては忘れる事はない。都合、レンズを交換した最初のカットではボディ側に焦点距離情報を伝える為の捨てコマと自分がどのレンズを使っているかを確実に知る為の捨てコマの2枚を撮影する事になる。

ピントは合っていなくても指が何本立っているかだけでどのレンズを使用しているか判るが、望遠レンズに限っては指だと近過ぎてボケ過ぎるので靴を写している。もし望遠レンズを数本使っていたらワイド側の焦点距離順に左足、右足、両足である。さすがに3本を超えて望遠レンズは持ち歩かないでしょう?。

これだとテスト撮影とかで同じ焦点距離のレンズを複数使っても大丈夫。近々NikonのSeries E70-150mmF3.5とsmc PENTAX-M 75-150mm4、この2本の比較テストを行うつもりで、この際はNikonは左足、Pentaxは右足、そういうルールに基づいて捨てコマとしてパチリしておけば良い。

あとはEXIFTOOLを利用してEXIF情報を変更すればレンズ名をしっかりと記録出来る。私はLightroomでまずレンズ名をキーワードに登録。そのキーワードはEXIFファイルの「SUBJECTタグ」に記録されるのでEXIFTOOLを使い、、、

「もし『SUBJECタグ』のデータがhogehogeだったら『LENSタグ』の中身をhogehogeとして上書きせよ」

そんな命令を含んだperlスクリプトを自作し、Windows上で構築した疑似UMIXのターミナル画面、shell上から撮影した写真ファイル(RAWはオリジナルに何かあると困るのでサイドカーのxmpファイルに書き込み、JPGはそのまま上書き)を一括変換している。RAWファイルだけならテキストベースのxmpを作成するだけなので1000コマ処理しても数分も掛からずに終了する。

但し、LM-EA9を使用するとEXIFの「Lens Infoタグ」には「40mm f/2.8」、「Lens IDタグ」には「Canon EF 40mm f/2.8 STM」と記録される仕様のようで、もしレンズ名に「Lens IDタグ」を利用している現像ソフトや写真閲覧ソフトがあったらどの写真にも誤った情報が表示されるので注意が必要。RawTherapeeがこの「Lend IDタグ」を参照しているようで正しく表示されない。へんてこな数字が表示されちゃう。

記憶が曖昧で申し訳ないが、ずっと以前にそれを対処するべくperlスクリプトを色々と変更してみたのだが、Sonyのカメラで撮影した写真ファイルのEXIF情報で何故か「Lens IDタグ」が書き換えられなかったような気がする(Panasonicもそうだったかな?)。文字列ではなく16進の数値が記録されていたんじゃなかったっけか?。私が写真を管理しているのはレンズ名表示に「LENSタグ」を利用しているLightroomなので大きな影響はないが、この「Lens IDタグ」も書き換えられる術があれば一番良いのだが・・・。

では使い方、性能、精度について。

基本はレンズ側のピントリングを無限遠に合わせる。これで最短撮影距離~無限遠までAFが効いてくれる。但し、α7IIはAF性能が悪いので最短から無限遠、無限遠から最短、そんな撮影を1コマ毎に強いられるとAFスピードはどん臭いので周囲の明るさによってはイラッとするし、コントラストのない風景だと合焦すらしてくれない。

TechartはNikon Zカメラ用のAF電子アダプターも発売しており(最新はTZM-02)、少なくともα7IIよりもAF性能が良いZ6クラスのカメラなら十分に威力を発揮してくれると思う。顔認識や瞳認識にも対応しているそうだからそれのあるNikonのミラーレスカメラならα7IIよりも素早く合焦するだろうし、合焦率も高いに違いない。但し、幾つかレビューを見る限り、暗い場所では辛いみたい。

LM-EA9と同じくLeica Mマウントなので他のレンズを使用する場合はそれぞれのアダプターが必要。まぁNikonユーザーはFマウント~Mカメラアダプターを買うだけから出費は少ないでしょう。


だからこんな使い方も出来る。被写体が近い位置にある場合に限るのだが、ある程度レンズ側のピントリングを使って自分の目でピントを追い込み、最後の最後でシャッターを半押ししてAFを作動させる。そうすればコントラストのある風景なら瞬時で合焦する。またコントラストのない風景でもピントリングを無限遠にセットしている時よりも合焦率が高く、暗い場所での撮影ではまずは自分の目で追い込み、最後の最後にAFの助けを借りる、そんな運用が多くなる。

被写体が近い位置とは具体的に何メートル?。これは単純。レンズにはピントリングに距離が書いてあるでしょう?。今、手元にsmc PENTAX-M75-150mmF4があり、それを見ると最短の1.2m~無限遠まで。その無限遠の1つ~2つ手前の数字、それよりもワーキングディスタンスが短かったらレンズ側のピントリングを使って自分の目である程度追い込むと良い。この75-150mmF4だと無限遠の手前の数字は15mになっているので被写体が15m以下の距離にあればって事。このレンズの場合は2つ手前の数字、5mをボーダーとすると良いだろう。

但し、日中ならレンズのピントリングを回している時間を考えると無限遠にセットしたまま最初からAFを使った方が遥かに速い。α7IIのAFがどん臭いと言ってもコントラストのある風景なら1秒で合焦してくれるし、暗くても2秒もあれば合焦する。この辺はYouTubeで「α7II LM-EA9」をキーワードに海外の動画で確認すると良いだろう。

「1~2秒って無茶苦茶遅くね?」

確かに純正AFレンズと比較したら遅い。でもMFのまま2秒でピント合わせ出来るか?。カメラのピーキング機能が100パーセント正しいとしても(私個人はα7IIのピーキング機能は一切信用していない)、2秒以内で合わせられないぜ!。自分では2秒くらいと思っていても実際にはもっと掛かっているし、浅い深度で厳密に合わせようと思ったらAFエリア拡大機能を用いてピント合わせするから10秒以上掛かる。まぁその10秒が苦痛じゃない人はLM-EA9を手に入れる必要はないのだけど・・・。


ファインダーを覗かない状態ですでに撮影意図、構図が決定していると言った場合はレンズのピントリングは無限遠のまま最初からAFを使った方が速い。そうでなくファインダーを覗きながら構図を調整する、そんな撮影をする場合は構図を調整しつつ、ピントリングである程度ピントを追い込んだ方が精神的に速く感じる。

オールドMFレンズを長く使っている人は撮りたい被写体の距離を目測し、カメラを構える前にある程度ピントリング回している筈。私もそうしている。撮りたい風景が1メートル先にあったらまずはその辺にピントリングを合わせてからカメラを構える。

これに慣れている人はわざわざレンズのピントリングを無限遠にセットする必要はないだろう。私は日中屋外ならばたとえAFに2秒掛かっても文句は出ないので無限遠にセットしてAFを作動させているが、直感で「暗い!」と判断したら被写体までの距離をレンズにセットしてからAFを使うようにしている。

α7IIの場合、暗がりではある程度ピントリングでピントを追い込んでいた方が瞬時で合焦してくれる。この辺は慣れかな?。何度か使っているとどの明るさまでAFが気持ち良く動くか、どういう被写体でAFが迷うのかが判ってくる。

頻繁に使用するズームレンズはNikon Series E75-150mmF3.5とsmc PENTAX-M75-150mmF4で、どちらも開放が暗い。そうなるとピントリングを無限遠にセットしているよりもおおよその位置合わせを自分の目で行っった方が確実に合焦するんだ。またレンズの重量制限が500グラムだっけか?。マックスの500gのレンズ全体を動かすにはやっぱり時間が掛かるだろうから、重たいレンズでもある程度自分でピントを追い込んだ方が良いのかも知れない。

とにかく被写体のコントラストが強くないとピントが合いにくいし、合わせに行ってもアダプターが前後を繰り返し、動作が遅くなったりするので暗いレンズなら尚更、カメラを構える前にレンズのピントリングを使ってある程度ピントを追い込んでおいた方が良い。

LM-EA9に噛ませているレンズの中で一番暗いのがsmc PENTAX-M 75-150mmF4だ。開放がF4だから夕暮れの日陰でコントラストのない被写体だとともなると合焦率はさほど変化はないものの合焦までの時間が長くなる。当然、明るいレンズでも絞り込んでからAFを合わせようと思うと光が少なくなる分、AFは合いにくい(通常は絞り開放でAF測距し、合焦してからレンズを絞り込む)。だからそんな時はある程度自分の目でピントを合わせに行く作業をした方が効率が良い。

勿論、中途半端にピントリングを回していると遠景~無限遠でピントが合わなくなるので遠くの風景にピントを合わす場合はカメラを構えつつ無限遠までピントリングを回す必要があるし、最短撮影距離よりも近い位置にピントを合わせたい時はその反対、最短撮影になるようにピントリングを回しておかないとならない。

とにかく購入された方は所持している幾つかのレンズを試して無限遠の状態で撮影した方が良いレンズ、予めある程度ピントを追い込んでいた方が合焦し易いレンズを理解すれば良い。クモリのあるレンズは合焦しづらいだろうから後者で撮るべきだろうし・・・。

都市伝説的なお話として・・・。

どんなレンズでもレンズ構成の前群、後群、この間隔が前後する事でピントが合う。良いレンズとは最短撮影距離から無限遠までどの距離でも安定した描写をするが、中にはそうでないレンズもある。勿論著しく描写が異なるようなレンズ、特に日本メーカーのならオールドレンズであってもその辺は気を配って設計している筈。

しかし世の中、そうでないレンズもきっとある。LM-EA9の基本的な使い方はレンズのピントリングを無限遠にセットする訳だが、無限遠での描写と、ある程度ピントを追い込んでからの描写と被写体までの撮影距離によっては描写が異なる可能性がある(無限遠が一番描写力が高いとは思うが・・・)。

機会があったら検証してみたいところ。うちにあるレンズで描写力が糞なのはフィルム時代のTokinaの19-35mmF3.5-4.5だ。もしこれが無限遠とそれ以外とで描写力が異なるのだったらそりゃぁ一番美味しい部分でパチリしたいでしょう?。


AFが利用出来る範囲は狭い。EVF、液晶で表示されている画面を三分割構図にしたとすると9ブロックになる。おおよそその中央の1ブロック内がAFが使えるエリアだ。フォーカスを合わせたい場所が構図上、そこから外れていたらAFロックをして構図を整える必要がある。構図全体でAFが利用出来るようなミラーレスカメラから使い始めた方は不満だろうが、一眼レフからユーザーだったら十分とは言えないまでも及第レベルの測距範囲ではなかろうか?。

ボディ側のフォーカスエリア設定はフレキシブルスポットを利用し、LM-EA9を紹介している多くのサイトでは厳密にフォーカスする場合は「フレキシブルスポットS」を使えと書かれている。

しかしAF機能が弱いα7IIではフレキシブルスポットSを使用すると辺りの明るさ、被写体によっては全く合焦しない。フレキシブルスポットSはホントに極々小さいエリアからコントラストを見つけに行くので、模様のないツルツルの壁とか空とか花の撮影でも淡い一色で構成されている花びら、花弁?、には弱い。この辺はα7IIIやα7IVの方が合焦率は高いみたいだ。

色々と試した限り、晴天日の屋外ならフレキシブルスポットSでもおおよそ通用する。しかし夕暮れ時や曇天日な森の中、そんな状態だとフレキシブルスポットSの測距範囲だと被写体によっては合焦してくれない。屋外では合焦する時の方が多いが、何しろαIIのAFそのものがどん臭いので天気や場所によって前後に迷ってしまう時もある。

そこでフレキシブルスポットMである。これはフレキシブルスポットSの3×3の9ポイント分のエリアが測距範囲になり、範囲が広がる分、AF合焦率がフレキシブルスポットSよりも高くなる。但し、意図しないところにピントが合う時もあるので、EVFを覗きながらどこにピントが合っているかを常にチェックしていないと、特に最短撮影距離を超えたマクロ領域で写真を撮っていると前ピン、後ピン写真を生産する可能性もあるので注意が必要だ。

私は普段は「フレキブルスポットM」を使っている時の方が多い。最短近くの風景で「ピントはここ1点に合わせたい!」、そんな時くらいかな?、フレキシブルスポットSを使うのは・・・。

合焦率は一昔前の一眼レフ並と言えば良かろうか?。一眼レフのAFが苦手な被写体は(α7II使用においては)LM-EA9も弱い。上で述べたようなツルツルの壁や空にピントを合わせるのは無理。但しツルツルの壁でも濃い影があれば日向と影の境目ではコントラストが出ているので合焦するし、空でも入道雲のようなクッキリハッキリした雲があれば合焦してくれる。

統計を取った訳ではないが、α7IIのフレキシブルスポットMでの利用、そして日中屋外であれば95パーセント程度の被写体には合焦してくれるかな?。フレキシブルスポットSでも同じくらいの確率になるけれどAFが迷いやすく合焦に時間が掛かる時がある。

α7II、フレキシブルスポットMでの運用では一昔前の一眼レフと同じくらいの確率・・・、私はAF性能が悪かったPentaxのカメラをずっと使っていたからα7IIとLM-EA9によるAF合焦率には決して満足はしていないものの、気にもならないとでも言おうか?。

Penartxのかつての一眼レフとの違いは合焦さえすれば測距ミスなく思った通りの位置にピントが来る事。Pentaxに限らず一眼レフには誤測距があるでしょう?。ファインダー上でピントが合った振りをしちゃう。それがないだけマシってもん。一眼レフ時代は撮影した写真が前ピン、後ピンだったら、、、

「100パーセントカメラが悪い」

ユーザーに責任があるとしたらAF測距率の低い糞カメラを選んでしまった事くらい。でもミラーレスカメラでは前ピン、後ピンになったら、、、

「己が100パーセント悪い」

となる。自分が現場でいい加減な撮影をしていただけ。

暗い屋内や夜間ともなると一気に確率は落ちる。肉眼で見てコントラストがない場所ではまず合焦しない。これに関しては一昔前の一眼レフよりも遥かに劣る。どんな風景を写すかにもよるが、うちのブログで連載している夜散歩写真なら合焦してくれる風景は70~80パーセント程度。平均すると夜間は4カットのうち1カットはAFが合焦せずにMF撮影を強いられる。

またピントが合っても、合うまでの時間、夜間や暗い屋内ともなるとコントラストを探して前後に迷いながら合焦していくので時には3秒以上を要する。それでもMFよりは素早く撮影出来るので我慢するけれど「迷って迷って最後はお手上げ、合焦しませんでした」、このパターンが特に夜散歩では多発するので日中でも夜間でも時短を望むのならカメラを構える前に、、、

「合焦しそうな風景、しなさそうな風景」

これの見極めが大切だし、上述した通り、被写体が近い位置にあったら予め自分の目でピントを追い込んでからAFを作動させた方が合焦する確率が高く、合焦スピードも速い。勿論、遠い距離の風景ならばレンズの焦点距離にもよるが無限遠にセットした方が合焦速度が速い時もある。

夜間や暗い屋内に関してはAFが使えるからと言ってなんでもかんでもAFに頼ると被写体によっては最初からMFで撮影していた方が速く撮影を終えらる。どうしてもAFでと言うのなら代理測距も常に頭に入れておくべき。ピントを合わせたい部分と同じような距離にあるコントラストが高い場所があれば最初からそこを狙って合焦後AFロックし構図を整える。そうすればAFが迷って前後に行ったり来たりする事もないからイライラもない。

上の囲みに書いた通り、オールドレンズをα7IIでMF撮影する場合、ピーキング機能なんて信頼感ゼロなので浅い深度で撮影する時はAFエリアを拡大させ、自分の目でしっかりとピントを合わせる必要があった。だからどんなに素早く撮影しても1コマ撮影するのに10秒、時間を気にせず撮影していたら15秒程掛かる。被写体に集中している時ならその10秒を長くは感じない。しかし街中のお散歩写真だと人や車と言った辺りを気にしながらの撮影が多いし、山でのトレッキングにおいては狭い山道だと人が歩いてきたら撮影を中断して道を譲らねばならない。そうなるとLM-EA9を使ってのAF撮影、非常に有り難い。

一番有り難いと感じたのは中腰での撮影やローアングル、ハイアングルでのカットだ。中腰だとAFエリアを拡大させて云々の最中に脚がプルプルしてくる。フォーカスエリアを拡大しているとちょっとのブルブルでも画面は大きく揺れるのでプルプルする前にピントを定めないとならない。

ローアングル、ハイアングルではフォーカスエリア拡大機能を使ってのMF撮影は苦痛でしかない。EVFを使わずに背面の液晶画面でピント合わせるするにせよ、AFが使えるのは便利この上ない。これだけでもLM-EA9を買った価値はある。このアダプターのお陰で今後はローアングル、ハイアングルの写真が増えるに違いない。

トップ写真、キャプションの通り、1/5sec, ISO800。絞りは1段絞ってF2だったと思う(AF作動中は光を多く集めたいので絞り開放)。この風景だと暗い茂みではピントは迷う。しかし中央の工事用コーンや左手側にあるちょっと光が当たっている葉っぱだと合焦してくれる。

また次の写真。


2023-09-25_02

Sony α7II
smc PENTAX-M 50mmF1.4
1/5sec, ISO400



絞りは開放のF1.4。ピントは遊具に合わせており、暗い中でもこれくらいのコントラストがあれば問題なく合焦してくれる。

この遊具、キリンさんだろう。この構図でAF範囲を解説するとキリンさんの顔にはAFポイントは移動出来ない。キリンさんの耳から出ている肘掛けかな?、穴が開いているでしょう。その右端ならばギリギリ測距ポイントを合わせられる。

暗くてもコントラストがあるから合焦するかな?、と思って構えたけれどAFが迷い続け、結局MFで撮影したのが次の写真。


2023_09-25_03

Sony α7II
smc PENTAX-M 50mmF1.4
1/5sec, ISO500



これもF2.8まで絞っていたと思う(これもAF作動中は光を多く集めたいので絞り開放)。それで1/5se、ISO500だからそんなに暗い風景ではないし、中央やや左にあるメーター、ここは輪郭がしっかりとあってコントラストがあるので合うと思ったのだけど・・・。

これを書くに当たって夜散歩した写真をチェックすると絞りF2で1/8秒を確保出来てISO400(EV2.3)までならコントラストのある被写体であれば(レンズを絞り開放状態にした状態で)ほぼ合焦すると言って良いだろう。つまり構図全体がEV0よりも真っ暗であってもスポットライト的に被写体に光が当たってそこにコントラストが付いていればいれば確実にピントは合う。

だから暗い屋内でも、例えば明かりのない廃墟、廃屋であっても外からの光が差して部分的にコントラストが出ている、そういうところには周辺が真っ暗であってもその部分にはピントは合う(勿論被写体そのものがクッキリハッキリしているものに限る)。でも経験上EV2よりも暗い風景だとコントラストある風景でも合焦したりしなかったり・・・。だから予めピントリングを回して自分の目である程度ピントを追い込む必要がある。

撮影中に「この風景はEV2より暗いな」、そんな事を感じる露出計人間なんて滅多にいる筈もない。でも撮っているうちにどの程度の暗さまでAFが機能するかは判ってくる。ボーダーラインの風景だったら無理にAF撮影するのではなく、素直にMFに切り替えてパチリした方が精神衛生上良い。

反対に全体にボンヤリしている風景。太陽が沈んでからも肉眼ではまだ明るいように感じる時があるが、ファインダーを通すとボンヤリと暗い。こういう場合はピントが合わない、もしくは合焦に時間が掛かる事が多かったりする。要は簡単な事でLM-EA9の性能云々ではなくα7IIのAF性能を理解していれば良い。

「α7IIのAFは糞である!」

α7IIはそもそも暗がりのAFは信頼出来ない。α7IIよりも暗がりの撮影に強いα7III、α7IVならEV1程度の暗い風景でもLM-EA9がしっかりと機能し、パチリ出来る可能性がある。

それでもワタクシですね~、このLM-EA9の合焦率を体験し、日中ならば最低でも90パーセント以上の風景でAFが機能するし、夜散歩でも80パーセント程度の風景でAFが使える、これを知り、ますます、、、

「当分はα7IIIは不要だな、α7IIがぶっ壊れるまで使い続けるぜ!」

と思ったのであった。

AF-Cでの動体撮影についても少し述べよう。これもボディ側のAF性能を上回る事はない。つまりα7IIでは期待しちゃ駄目。使えないものだと思って使えばその瞬間とっても嬉しくなるとでも言おうか?。

AF-C自体、ほとんど使わない人間なので実際に撮影した機会があったのは2回だけ。駅に向かって徐行してくるローカル線、駅から出ていくローカル線の2カット。最大でもせいぜい30Km/hな速度で列車そのものをクローズアップするのではなく、風景の中に列車を、そんな構図で撮影した場合。これならα7IIでもフレキシブルスポットMであれば9点あるうちのどれかに引っかかってくれ、一度ピントが合えばセットしているフォーカスエリアに被写体(列車)が入っている限りは追える(フレキシブルスポットLを使って日の丸構図のまま撮影し、おうちでトリミング、これが一番最適か?)。

しかし高速でやって来る、去って行くような列車、猫や鳥などの動物による突然の動きは余程運が良くない限り無理のような気がする。近い距離からゆっくりこちらに向かって歩いてくる猫でもα7IIでは厳しいかも知れない。でもα7IIIからのボディでは割と期待して良いようだ。瞳AFにも対応しているらしい。

そうそう!、最後に!。LM-EA9はカメラの電源を切っていてもバッテリーを消費するなるレビューを幾つか見た。よって移動中はボディからLM-EA9を外すべきだと・・・。しかし購入時点でファームウェアがアップデートされていたのか所持しているLM-EA9ではその兆候は見られない。数日放置していても大幅なバッテリー減少はない。勿論、ちょっとずつは減って行き、長期間放置したら空になる可能性はあるが、それはLM-EA9を装着していなくてもそうなるでしょう?。少なくとも数日レベルの話では著しいバッテリーの減少は確認出来ない。

それと良く考えてご覧なさいよ。仮にLM-EA9を装着したままだとバッテリーを消費するのなら移動中にLM-EA9をボディから外すなんて頭が悪い人間の思考。そんな面倒臭い事をせずにボディからバッテリーを抜けば済む話でしょう?。Olympusのカメラって1日だか2日だかバッテリーを抜いていると日付がリセットされちゃうけれど、α7系のカメラは少なくとも数時間バッテリーを抜いていても日付は初期化されないでしょう?。


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コメント

  1. 銀四郎お父さん | URL | -

    概ね同じ使い方です

    LM-EA9の3回の記事楽しく読ませていただきました。

    使い方は概ね同じ印象です。本体にシールも貼っていますし、少し作法は違いますが、グーチョキパーの代わりに、交換前に交換するレンズを撮影したりしています。

    マウントは、ライカMのほかペンタックスMマウントとニコンFマウントを使っています。オールドレンズの使用頻度を考えるとこの組み合わせになりました。

    LM-EA9は4mm程度しか動かないので、無限遠に固定すると28mmか35mmくらいが使いやすく感じます。一方、50mm、85mmくらいになるとセミAFのような使い方が気持ちいですね。

    100mmより長いレンズは重量制限がギリギリなのと、あまりに寄れないので積極的に使っていないですが、猫やポートレートなどの限定的な使い方はよいような気がします。

    好みが似ているのかもしれませんが、ニコン50mmF2と35mmF2は使い勝手の面、描写の面両方でLM-EA9とものすごく相性がいい気がします。前回の記事で使っておいででしたね。
    後は、ズマロン35mmとFA77も良かったです。ズマロンは昔は安くてよかったのですが、少し買う気の起こらない値段になってしまいました。

  2. BigDaddy | URL | -

    > 銀四郎お父さん

    ありがとうございます!。

    オールドレンズを使用する前にレンズを撮影する人、多いみたいですね。例えばマニア度が強烈な方とかは「そんなに使うか?」ってくらいレンズを持っていく時もありましょうから、そんな時はレンズをパチリが間違いはないですもんね。

    私もアダプターはKマウントとFマウント用ですね。近々FD~Mアダプターも手に入れようかと思っています。ホントはLeicaのMレンズをそのまま使うのが良いのでしょうが、Mレンズってこれまで対象外だったので1本も所持しておらず、またオールドレンズは手元に腐る程あり、これから買い足すのもちょっと・・・(笑)。

    28mm~35mm、おっしゃる通り、無限遠固定だと広角レンズがマッチしますね。古いTokina 19-35mmも手元にある被写体を除いては無限遠固定で使っています。そして50mmを超えてくると本文の通り、こっちが「これは合焦する!」と思ってもジーコジーコと合焦しない被写体もあるので(特に曇天夕暮れや夜散歩にて)それでかなりイラッとするのである程度合わせてからの方が確実ですし、「精神的に速く感じる」んですよね。

    オールドズームレンズって最短撮影距離が長いので使い勝手が悪かったのですが、LM-EA9を使うようになって例えばPentaxの75-150mmF4は最短が1.2メートルですが、70センチくらいまで寄れるのでかなり重宝しており、近頃はNikonのSeries Eの75-150mmF3.5も含め、多用しまくっています。

    FA77mm、このレンズ小さく軽いし、35mmとセットだと焦点距離も使いやすいでしょうね。私はNikkorの35mmF2も使いますが、やっぱり50mm人間なので50mmの次はやっぱり100mmって気がしちゃって(笑)。しかも100mmF2.8だったら便利な75-150mmの方が良いだろうって(笑)。

    ただFD85mmF1.8SSCの描写は気に入っているのとFDレンズなら35mmF2.8も所持しており、上述の通り、FD~Mアダプターを買ってその2本でお散歩写真も良いかなと・・・。

    とにかくこのLM-EA9のお陰で再びオールドレンズと対峙する事が出来そうで、もうちょっと涼しくなってからのお散歩写真、そして夜散歩も再開する予定なのでこれからが楽しみです。

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