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儀式の多い新兵器!、Techart LM-EA9! マジに儀式が多い!

2023年09月21日 00:00

クローバーとチョウチョ

2023-09-23_01

Sony α7II, New Nikkor 50mmF2


前回記事からの続き・・・。
儀式・・・、1枚撮影するまでの手順である。もっと言えばレンズ交換をしたら撮影する前にやらねばやらない設定だ。だから1本のレンズを使い続けるのならこの儀式は1回だけ。でも複数のレンズを使い分ける時はレンズ交換毎に儀式に挑まなければならない。

・焦点距離にマッチしたF値をセット

LM-EA9は電子アダプターであるから本体にEXIF情報を盛り込める。また焦点距離が記録されるのでボディ側の手ブレ補正も正しく働く。しかしその為には独特の儀式が存在し、それが本体側でのF値設定だ。代表的なレンズの設定F値を以下に。

24mmレンズ - F4.5
28mmレンズ - F5
35mmレンズ - F5.6
50mmレンズ - F8
85mmレンズ - F13
90mmレンズ - F14
135mmレンズ - F16
180mmレンズ - F20
200mmレンズ - F22
300mmレンズ - F29

12mm~800mmまで設定が可能なのでこの世に存在する大半のレンズで正しい焦点距離情報をボディ側に伝えられる。しかしここに3つの問題がある。

暗記力に絶対的な自信がある人を除けばレンズ毎に設定するF値なんて記憶出来ない。私は大半で50mmレンズを使うのでそれはF8だとさすがに覚えた。しかし他の焦点距離は覚える気がないと言うか・・・。よって手持ちレンズに設定値を書いたシールをペタリと貼っている。

このシールが知らない間に剥がれていた時があって、最悪の状況を想定してボディ、α7系のカメラって左肩がフラットでしょう?。ここに普段使用するレンズの設定F値を書いたシールを貼り、さらにスマホのメモアプリ、Google Keepに全焦点距離の数値を書いたメモを保存している。

また、元々Leica Mレンズ向けのアダプターだかなのか?、Mレンズには存在しない焦点距離なのか?、一眼レフ用レンズでありがちな20mm、25mm、55mm、100mmレンズの設定がないんだ。20mmは21mmでF4を、25mmは24mmでF4.5を、55mmは50mmのF8を、100mmは90mmのF14をセットするしかない。

20mm、25mm、55mm、100mmレンズの場合、このせいで手ブレ補正が正しく効かない可能性があるのとEXIF情報には20mmを使っても21mm、25mmを使っても24mm、55mmを使っても50mm、100mmを使っても90mmと記録、表示されるのでEXIFの修正が面倒臭い(気にならない人もいるだろうが)。

より多くのレンズにユニークな値をセットするので仕方がないものの、F値は1/3段刻み用数値が採用されているのがちょっとウザったい。と言うのもF値を半段刻みに設定している人はこのアダプターを使う為だけにわざわざ1/3段刻み設定にしないとならないんだ。RAW現像する人にとっては1/3段刻みなんて現像でどうにでもなるのと絞りを開けたり絞ったりする人、例えば50mmF1.4を使ってF1.4を撮影した直後、F16の深い深度で撮影するとなると1/3段刻みだとずっとボディのダイヤルをグリグリ回さねばならない。


・シャッターを切る

ボディにF値をセットした後、シャターを切って初めてボディ側にその情報が届く仕組みになっているみたい。

「レンズ側の絞りを好みの値にセットして普通に撮影すれば良いんじゃない?」

これが違うんだな。ボディにF値をセットするのはあくまでもボディに情報を伝える為のシャッター押下。レンズ側の絞りリングは無視され、例えば135mmレンズを装着していたらボディにセットしたF16が優先される露出値で撮影されるんだ。

この時、レンズ側の絞りがF4だったとする。でもボディ側はF16でしょう?。となると、この「ボディに情報を伝える為の1枚」は4段オーバーの写真を撮る事になる。正しい露出で撮影したければレンズ側もF16にしないとならない。でもそれは本意ではないでしょう?。つまりこの1枚は捨てゴマなんだ。デジタルだから1コマ捨てても気にはならないけれど・・・。

ここで気を付ける事。焦点距離が長くなればなる程、ボディ側にセットするF値の数字は大きくなる。そして捨てコマとしてそのF値のままの露出が採用されるから、暗い場所でパチリしちゃったらエライコッチャだ。普通に2秒とか4秒とか屋内で撮影していたら30秒待たされる。

日中屋外での撮影なら空に向けてシャッターを切れば良いだけであるが、暗い場所や屋内での撮影だったらシャッタを切る前にマニュアル露出にしてイラッとしない1/60秒くらいにシャッタースピードをセットしてシャッターを切らないとならない(あくまでもこの1枚はボディ側に情報を伝達する為のショットの捨てコマだから真っ暗な写真が写っても問題はない)。

さらにはこの時点ですでにAFは作動しており、捨てコマだからと適当にシャッターを切ってもピントが合わない限り、シャッターが落ちない。だからシャッターを切る前にカメラをAFモードからMFモードに切り替える作業が発生する。

Sony α7IIの場合、AF/MFボタンをデフォルトの「最押しAF/MFコントロール」のままにしておくか、他のカスタムボタンでAF/MFを瞬時に切り替えられる設定にしていないとここでエライコッチャになる。捨てコマなのにわざわざカメラを構えてピントを合わせないとならないからだ。

・F値をF2にセットする

焦点距離にマッチした値をF値にセットして終わりではないんだ。捨てコマを撮影したらボディのF値をF2にセットし直さないとならない。これで初めてレンズ側の絞りが採用され、正しい露出で撮影される。

撮影中、これを忘れる!。100mmを超える焦点距離のレンズで撮影していると最初の数枚で「あっ!、シャッタースピードおかしくねえか?」と気付くけれど、50mmレンズ以下となると24mmでF4.5、35mmでF5.6、50mmでF8のセットして捨てコマを撮影しており、全く気付かずに何枚もパチパチしている時がある。

50mmレンズの場合、F8で撮影している事も多く、この場合、ボディ側の絞りをF2に戻さなくても適正露出に近い状態で撮影されるから気付くのが遅れてしまう。最後まで気付かなかったからもうおしまい。背景ボケボケ写真を撮ろうとレンズ側の開放F1.4で撮影したら(カメラ側のF8が優先され)5段オーバーの写真を撮っちゃうし、何らかの意図でF22まで絞ったら3段アンダーの風景を写しちゃう事になる。

「だったらレンズ側の絞りとボディ側の絞りを合わせたら良い?。F5.6で撮影したかったらボディにもF5.6をセットすればEXIFにも撮影した時のF値が記録されるじゃないの?」

いやいや!。50mmレンズだと認識させる為にF8にセットして捨てコマをパチリするのだから、ボディ側も設定をF5.6でパチリしたらそれは「これから35mmレンズを使いますよ!」と言う司令をボディに送っているに過ぎない。恐らくLM-EM9はボディ側の絞りをF2にセットしたら焦点距離情報を更新しない、そんな命令を送っているのだろう。

この「F2にセットし忘れミス」は1日に数回やらかす!。大体1~3枚で気付くけれど一度だけ10枚くらいシャッターを切った後に気が付いて、その10枚、全部撮り直しを強いられた。これがもし時刻表との戦いである鉄道写真だったり、撮影を終えてすでに別の場所に移動していたら完全にアウト。

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レンズを交換したら作業的には上の3つだが、実際には(絞り優先AE時)、、、

1、焦点距離にマッチしたF値をセット
2、AFからMFモードに切り替える
3、レンズを空に向ける、もしくはマニュアル露出にしてシャッタースピードを速める
4、シャッターを切る
5、MFからAFモードに切り替える
6、3にてマニュアル露出にしていたら絞り優先に戻す
7、F値をF2にセットする

このように6~7つの儀式を経て初めて撮影に入れる。儀式終了までに15秒は要する。

たったの15秒ではあるが、この前、昭和風情の駅舎を写していたら、予期せぬ列車が走ってきた。この時望遠レンズを装着しており、駅舎と列車を写すにはちと長過ぎる。レンズ交換しないとならないが、レンズを交換し、さらにプラス15秒・・・。

MFレンズでMF撮影だったらはなから諦めている。ピント合わせに時間が掛かるからとっさの撮影はそもそも無理。でもどんなレンズでもAFになってくれるのでレンズを装着して儀式を終えれば即写せる。夕暮れだったので手ブレ補正が正しく動作してくれないと必ずぶれる。だからちゃんと焦点距離情報をセットしないとならなかった。でも儀式のプラス15秒がネックになった。しょ~がない、装着しているレンズで写したさ。でも意図した構図ではない・・・。こういうとっさの時には純正レンズが有り難い。

純正レンズと言うよりもどんな風景でもど~にでもなるTamron 28-200mmF2.8-5.6が一番だ。でもこの手の高倍率ズームを買うと単焦点レンズを使わなくなる。便利さよりも「写す時の過程を楽しむ、不便こそが至福」を優先したいから単焦点レンズ派のままでいたい。

だったらLM-EM9を使わずMFのままで撮影しろって?。いやいや、少しくらいは楽をしたいでしょ!。それに自分の目でMFで合わせる代わりに15秒の儀式があるので十分に不便である!。


慣れてくればミスはほとんどなくなるが、1枚毎にレンズを替える時に最後の7を忘れる時があるし、ズームレンズ使用時。私が頻繁に利用しているズームレンズはTokinaの19-35mmF3.5-4.5、Nikon Series E 75-150mmF3.5、それにsmc PENTAX-M 75-150mmF4。ズームレンズで焦点距離を替えても当然、上の儀式をせねばならない。でもレンズを交換していないから儀式への意識が薄れ、何度も最後のF値をF2にセットするを忘れてしまうんだ。

ズームレンズって瞬時に画角を変えられるから便利だから75-150mmズームだったらまず75mmで撮影して、2枚目は100mmで・・・、そんな感じで1枚ずつ焦点距離を変えてパチリしている時が多い。これを何度も繰り返していると途中でF2にセットするのを忘れちまう・・・。

75-150mmズームではF10~F18をセットして情報をカメラに伝える。そして望遠ズームは絞りを開けて撮影するのが大半だから7の儀式を忘れたコマから先は2~3段オーバーの風景が記録されてしまう。ピーカンだったらシャッタースピードもそれ程落ちないので気付かない。反対に19-35mmズームではF3.5~F5.6をカメラにセットするが、F8以上に絞って撮影している事が多く、そうなると1~3段アンダーの写真ばかりを生産してしまう。

LM-EM9に関しての儀式は上の6つ。これに加えてオールドレンズを使って撮影する為の儀式が存在する。

8、ピントを合わせる際、レンズ側の絞りを開け合焦させる
9、合焦後(AFならシャッター半押しのまま)、己が使いたい絞りをレンズ側で設定する

ピント合わせの際、MFだろうがAFだろうが光を多く取り込んでいた方がピント合わせをし易いし、絞りを開ければヘリコイドをちょっと回すだけでコントラストが出てくるから目で確認し易い。

LM-EM9はF1.4よりも明るいレンズだと誤測距する時があるとかでちょっと絞った方が良いとか書かれていたような気がするが、基本は絞り開放でAFを作動させると合焦速度が速くなる。

ピーカンの日中など被写体に多くの光が当たっている場合はF8くらいでも問題なくAFは作動するが、ちょっと暗くなるとF8ではアダプターが前後にスコスコ動いてひたすら迷う。F5.6でギリギリ合焦するかな?。それでも数秒を要する時が多々あり、被写体の状態を見て絞りを開けるのが良いだろう。

色々と撮影している限り、光が届かないような森の中で撮影していない限り、F4でもピントは合ってくれるのでF4開放のズームレンズでもAFは使えるし、50mmレンズのようなF1.4~F2クラスのレンズならわざわざ絞り開放にする必要はない。お散歩写真の場合、35mmレンズや50mmレンズを使っている時、多くの写真は数メートル先~遠景を狙い、周辺部まで良い画質を得たいのでF4~F8で撮影する事が多く、だったら最初からF4設定の方が楽。

トップ写真。蝶がずっと止まってくれていたら少しレンズを絞ればMFでも撮影出来る。でも50mmレンズでかなり近付いてのパチリ、蝶が大人しくしている筈もなく・・・。こういう時はたとえ合焦に時間が掛かってもAFは有り難い!。

これでチョウチョまでどれくらいだろう?。最短の50センチくらいまで近寄っていたんじゃなかろうか?。次の1枚でもっと寄ろうと思ったけれどファインダーから目を話した瞬間に蝶を見失い、「あれっ?、どこだ?、どこだ?、あっ、いたいた!」ともたついているうちに飛び去ってしまった。無念・・・。

次回はレビュー最終回。AFスピードや性能、使い勝手などをお送りしたい。


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コメント

  1. tsunomagari | URL | mQop/nM.

    techartマウントアダプターの存在は、ZeissのBatis 2/40が欲しいなと思ってた時にE/Zのタイプを検討した気がします。
    Zfが発表されたので、Loxia 2/50との組み合わせで欲しい気もしますが、そんだけの軍資金があるなら、今は新しい自転車とホイールを買うかも(笑)
    娘とも離れて暮らしているので、写真を撮る機会も少ないし、もう老眼の進行が酷くて写欲が湧きません。(泣)

    と言いつつ、マップで価格を見たら、中古のLoxia50と合わせて10万くらいかなって感じですね。
    Zfを買わなくても、Z5に付けてみても良いかなと思いました。
    50mm固定なら儀式1回で済むし、MFレンズでAFが出来るなら、今後も老眼が進んだ場合でも解決手段の一つにはなるなぁなんて思ったりしています。
    久しぶりにマップカメラを覗いて、Loxia50を見てたら、欲しくなって来ました。
    AF性能のレビュー回をお待ちしております。

  2. BigDaddy | URL | -

    > tsunomagari さん

    私もこの数年で老眼進みましたが、メガネ使用時(近視用)でもコンタクト使用時(遠近両用)でも、まだ問題なくファインダーは覗けます。でも今後も老眼って進みまして、すでに遠近両用のコンタクトではこれ以上の老眼が進むと無理って言われています。まぁ現在のコンタクトでも40センチの距離の新聞が読めますのでまだ大丈夫だと思うのですが(笑)。

    Loxiaレンズを調べたところSony Eマウント用レンズなんですね。普通のEレンズ~ZカメラアダプターではMF操作となり、Nikon Z用のMマウント用AFアダプタであるTZM-02でMFレンズをAF化させるにはZeissならMマウントのZMレンズかNikon Fマウント用レンズでないと駄目かと思います。

    Zf出ましたね。一昨日かな?。スマホのいつも見ているニュースに表示されて、「おお!」と思いました。久々に欲しい!、と思うカメラでしたよ!。でもお値段が30万前後と言う事で3年後に後継機が出ても多分高くて買えねえだろうなと(笑)。3年後にはSony α7IIIの中古がかなりお安くなる筈でそっちしか買えませんです・・・。

  3. ハッセルぶらっと | URL | b/3v8zPU

    額ほどの庭で、似た感じのシジミチョウ3匹がテリトリー争い?しています。

  4. BigDaddy | URL | -

    > ハッセルぶらっと さん

    これシジミチョウと言うのですか。蝶の種類って全く存じ上げませんで・・・(笑)。
    周辺、クローバーだらけの空き地で蝶はそんなに見なかったのですが、バッタ系が沢山いましたね(笑)。バッタも近寄ってピョンピョンするんで撮れませんでした。

  5. tsunomagari | URL | mQop/nM.

    E/ZのアダプターだとMFなんですね。
    危うく次回の帰国時にお財布の紐を緩めるところでした。
    情報ありがとうございました。

  6. BigDaddy | URL | -

    > tsunomagari さん

    残念ながらそうなんです。
    Nikonのミラーレスカメラは当然Nikonユーザーだった人には人気で、今回のZfでさらに売上を伸ばすと思います。今後はZeissもZマウント用レンズを販売してくれるのではないでしょうか?。ただ、かなりお高いでしょうけど(笑)。

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