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超広角レンズに物申す!

2023年04月17日 00:00

4月7日記事にてちょっとした写真論を展開した。今日はその続きでも・・・。なぁにいつもの事、アカデミックな話ではなく感覚的にペチャクチャするだけ、ライトに楽しもう!。

人間の目はボヤッとしていると35mm判の12mm程度の画角になっているらしいから12mm前後のレンズに魅力を感じるのはなんとなく理解出来る。しかしそんな超広角レンズには落とし穴がある。それは・・・。

人間の目は見たいものしか見えない。でもレンズは見たくないものまでも写ってしまう。広角レンズの場合は手前の風景である。下手糞が目の前の風景の全てを写したい!、そんな理由で広角レンズを構えると手前に無駄なものばかりが写ってしまいガッカリしちゃう。それが20mm以下の超広角レンズになったら尚更。

またパースペクティブも人間の目とは異なり、見せたい部分がむっちゃ小さく写ってしまう時も多い。人間の目はボヤッとしている際の画角は12mmであってもパースペクティブは50mmくらい。だから遠くのものでも割とはっきり見えているし、人は一点に集中した瞬間に画角(人間の脳が処理出来る範囲)が135mmレンズ程度になるので脳内のイメージと実際に撮影された超広角レンズでの写真のギャップに違和感を覚えたりする。あれっ?、こんな筈じゃ・・・。

手持ちのm4/3用のM.Zuiko 9-18mmF4-5.6、せっかく超広角ズーム(35mm判換算18-36mm)を使っているのだからとワイド端の9mmでEVFを覗く・・・、m4/3は4:3と言うアスペクト比なので、、、

「わぉっ、左右の画角的には良いが上下に無駄なものばかりが写ってしまうじゃないか!」

結局、12mmくらいのセットしてパチリしている自分がいる。換算24mmで撮影しているのだから、、、

「このレンズ要らねえじゃん!」

どうだろう?、超広角レンズが欲しいと言う人の大半は「パースペクティブを活かした写真が撮れるから」、そんな理由よりも、、、

「広い画角に魅力を感じるから」

そう思考して手に入れようとするのではないか?。

パースペクティブを活かした写真なんて24mmでも28mmでも撮れるから私も画角万歳タイプだし、そのパースペクティブのせいで今さっき述べた通り、大半の風景の中には無駄なものが仰山あり、超広角レンズは広く写せる代わりに特に手前側に見せたくない風景がど~んと写り込んでしまう。

ちょっと考えれば判る。超広角レンズに相応しい風景とは、、、

「手前に『空気』しかないところ」

山のてっぺんや展望台と言ったところで写真を撮るにせよ断崖絶壁でなければ必ず無駄なものが手前に映り込む。その時点で超広角レンズを使う意義はなくなる。私が訪れるような低山は頂上でも眺望が限られていたり、木々を切り倒して無理矢理に風景を見せているから手前の斜面の切り株なんかが無駄に写ってしまう。

横位置構図なら上下をカットして3:2フォーマットやパノラマ写真風にする手段はあるものの、そこまで手を加えなくちゃならないのが超広角レンズ。よってかなり限られた風景にしかマッチしない。

超広角レンズが映える風景、私がイメージするのはウユニ塩湖である。ここは水が張ると鏡のように上空の風景を映し出してくれる。自分自身の塩湖の中にいるから手前に無駄なものなんて全くない。あの風景は24mmよりも20mm、20mmよりも15mm、15mmよりも12mm!。そう欲張れる地だろう。

でもちょっと旅に出たくらいじゃ超広角レンズによる画角を活かしたウユニ塩湖クラスの風景なんて見つけられない。9-18mmF4-5.6を装着しEVFを覗いても無駄なものを排除する為にテレ側にズームしてばかり。挙句の果てこんなレンズを買うんじゃなかったと言い出す。

マップカメラが運営するKASYAPAや、カメラのキタムラが運営するShaShaはさすがカメラ店のサイトだけあって優れた写真が多い。しかしそこで超広角レンズでの作例を見ても「おお!、これぞ超広角!」と言う風景には巡り会えない、もしくは作為が見え過ぎて反対に陳腐な風景になっていたりする。

4月7日記事でも記した通り、写真で見る風景、我々は実際にそこを訪れていないのだからキャプションでそれが超広角レンズであると示されていなければ余程パースを強調した写真でない限り、それが28mmなのか24mmなのか20mmなのか16mmなのか判らないんだ。例えば次のリンク。Kashapaより・・・。

710:『LAOWA 7.5mm F2 Auto Aperture』

これはm4/3用レンズなので35mm判換算で15mmの画角。Laowaの7.5mmF2でしか撮れない風景であるのは間違いない。しかし使用レンズを無視して写真だけに注目して欲しい。中には(35mm判換算で)24mmくらい?、行ってもせいぜい20mm?、そういう写真もあるでしょう?。これは(35mm判換算で)15mmにマッチした風景でもカメラマンが上手く切り取れば20mmでも24mmでもほぼ同じような写真を撮れてしまうのを意味する。

次に今度はShaShaから同じLaowaのレンズでも35mm判用の10-18mmF4-5.6の作例。

LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE ZOOM レビュー|35mm判フルサイズ広角ズームレンズの実力は?

このページはパースペクティブを活かしたのが多い。これはキャプションがなくても「超広角レンズで撮影されているな」と判る。我々アマチュアが超広角レンズを使うのならこのShaShaの作例を模範とするのが良いとは思うものの、写真を熟知している人物が撮影しているのに関わらず、トップの倉庫写真と2枚目の海と風車の写真はどこが優れているか見当がつかないし、3枚目の哺乳類の頭骨も前景、背景共に特筆すべき風景ではなく、これなら24mm、28mm、35mmレンズでも勝るとも劣らない写真を十分に写せてしまう。そう考えるとこの風景を撮影したカメラマンは無理矢理超広角レンズの作例を撮る為に必死になって風景を探していたろうと想像出来、これこそが、、、

「レンズに使われちゃっている感が伝わっている」

そして頑張って工夫してもこの程度の写真なのだから、、、

「広い画角だけ欲しい」

これでこぞって撮影中何も考えていないような頭の悪そうなカメラマンが大量発生する。もう一度書く。そういう風景の多くは一般的な広角レンズである24mm、28mmでも「らしく」見せる事は可能だし、カメラマンがしっかりと頭で理想の絵を完成させていれば画角が狭いからと言って劣っている風景には決してならない。

20mmに満たない超広角レンズ、手元にあるに越した事はない。作為的とか上手下手は抜きして単純に使える範囲(画角)が広がるのだから表現力は増し、さらには非現実的な絵面になる事が多く、予期せぬ変化球として使えるからだ。しかし24mmや28mm程度の広角なレンズであってもカメラマンが上手く工夫すればスゲェ変化球を放れるのも事実。

以前から疑問に感じている事。良くこんな事を言う人がいる。

「(35m版換算の)50mmレンズって何もかも見たままに写ってしまうから難しい」

「50mmレンズって画角が狭いから難しい」

見たままに写ってくれるのに何が難しいのか?、見たままに写るから難しい、これはカメラマンの被写体選びにセンスがないからでしかないし、さらには画角が狭い云々でなく、カメラマンは目の前の風景をトリミングする能力がなければないのだから画角が狭いから難しい?、ちゃんちゃらおかしい。

標準レンズから望遠に至るレンズは目の前に広がっている風景の中でカメラマンが撮りたい部分、もしくは周囲の無駄を排除して鑑賞する側に主になる被写体をこれでもかと見せる為に効果的、カメラマンの明確な意図によって切り取る風景になってくれるのだからこれが出来ないカメラマンってのは、、、

「何も考えていない頭の悪そうなカメラマン」

でしかないでしょう?。そんなカメラマンが超広角レンズを使ったところで写っている風景なんてたかが知れている。今時標準レンズを推す、「このロートル野郎!」と思われるかも知れないが、、、

「標準レンズを使いこなせないカメラマンはどんなレンズを使っても下手糞でしかない」

そう信じて疑わない。

昔は手ブレ補正なんてなかったから超望遠レンズでの撮影はそれなりの機材と撮影技術が必要だった。手ブレや被写体ブレとの戦い・・・、手持ちなら焦点距離分の1、300mmレンズで最低でも1/250秒を確保せねばならなかったからF2.8~F4が開放のレンズを必要としたし、作品として使えるフィルムもISO400まで、さらにはサンニッパクラスのレンズともなれば大きく重たいので三脚を必要とした。しかし今では手ブレ補正やISO1600以上が当たり前に使える輝度ノイズ耐性もあるから(待機型の撮影を除き)手持ちでガンガン写真を撮れる。

そう考えると超広角レンズを含めて広角域での表現の方が遥かに難しい。もはや望遠レンズは手ブレも被写体ブレも回避出来る、自分の好きな部分だけを切り取れる楽ちんレンズであり、反対に広角ともなれば画角が広がれば広がる程に情報量が増えるし、ボケを活かした写真も撮りづらい、またボケの形状も広角レンズ特有で無茶苦茶美しい程ではない。つまるところ超広角レンズを自在に操ろう思うならば、、、

「風景を誇張するレンズを操れる撮影テクニック、かつセンスがあり、トレンドにも敏感。そしてレンズに見合った風景、瞬間に多く出逢える情報収集力と運が強いカメラマン」

こういう人物でないとならない。無茶苦茶ハードルが高いでしょう?。

(35mm判の)24mmの単焦点レンズで四苦八苦している人間なので超広角レンズを装着してEVFを覗いた瞬間の「これじゃない感」は半端じゃなかった。そこらの風景だと周辺に邪魔なものばかり、わざわざ画角を広げる必要性を感じなかったり、反対に目の前に美しい風景が広がっていると20mm前後の画角だと狭過ぎると感じたり・・・。

手持ちには35mm判換算で18-36mmになるM.Zuiko 9-18mmF4-5.6、そしてSony α7II用にはフィルム時代のTokin AF19-35mmF4-5.6を所持しており、どちらのレンズもどう扱うか悩みに悩んでいる現在・・・。

写真は結果、100の風景に超広角ズームを使って1枚でも優れた写真を撮れれば良い、そう考えても良いかもしれないものの、その1枚をゲットする代わりに(超広角レンズに相応しくない)優れた風景を99も見逃している事になる。ここをどう考えるかかな?。

カメラ2台体制で挑めば解決する問題ではある。ではそんな場合どうなると思う?。冗長かもしれないけれどもう一度確認ね。超広角レンズを自在に上手に操れる人とは、、、

「風景を誇張するレンズを操れる撮影テクニック、かつセンスがあり、トレンドにも敏感。そしてレンズに見合った風景、瞬間に多く出逢える情報収集力と運が強いカメラマン」

みんなそうじゃないから悩んでいる。これに該当しない大半のカメラマンは仮にカメラ2台体制で挑んで100の風景を撮影しても99の風景は標準ズームや単焦点レンズで撮影されたカットの方が優秀で、1台体制だろうが2台体制だろうが結果は同じで超広角レンズに相応しいスゲェ風景ってのは1枚しか写せないって事になるのだな。

屁理屈?。いやいや、プロアマ含めネット上に仰山ある超広角レンズで撮られた写真を検索してみなさいな!。本当にスゲェ風景が写っている写真なんてほんの一握りだし、ウユニ塩湖で撮影された写真を眺めるとどれもスゲェと思ってしまったりもして、カメラマンのセンス云々以前に風景ありきなのが超広角レンズだったりもする。

さらには「おっ!、これはいいんじゃない?」、そう思った写真でも冷静になって考えれば「この風景なら24mm~28mmでも十分カッコイイ風景になるよね!?、むしろトリミングした方が意図が明確に伝わるんじゃねえか?」と疑問を感じる筈だ。それがウユニ塩湖の風景だとしてもだ。これに対して「それでも優れた風景を超広角レンズで撮った事に変わりないよ」と言う人がいそう。でもそれこそ、、、

「レンズに使われているだけで何も考えないでカメラを構えている頭の悪そうなカメラマン」

じゃないかな?。人それぞれ価値観は異なるので「それでも僕は超広角レンズを使う」と断言されればそれを否定出来ないし、そもそも本記事では「超広角レンズを使うな」とは書いていない。頭の悪そうなカメラマンと思われる写真を超広角レンズで撮らない方が良いんでねえか?、そんな提案である。

そんなワタクシ、実は今後、手持ちの超広角ズームを使って色々とやって行こうと思っている。何分、現時点で全く使いこなせていない。2本とも安価で手に入れているけれど所有しているレンズを上手く扱えない、それはそれで腹が立つ。可能性がない訳じゃないので上でも書いた通り、、、

「風景を誇張するレンズを操れる撮影テクニック、かつセンスがあり、トレンドにも敏感。そしてレンズに見合った風景、瞬間に多く出逢える情報収集力と運が強いカメラマン」

これを目指してみたいのだった。途中で断念、もしくは超広角レンズの表現に飽きてしまってもそれはそれ、しょ~がない。


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コメント

  1. tsunomagari | URL | mQop/nM.

    この手の話が大好きなので、前回に引き続きのコメントです。

    以前超広角を使っていた時は像面歪曲を利用した被写体・風景のダイナミックさを表現してたように思います。
    まぁ寄ったり、アオったりして撮ってただけなんですけど(笑)
    超広角は、AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G EDを中古で買う予定がコロナで帰国できず、予算オーバーのZマウントを買ってしまった訳です。
    18-35mmと50mmのカメラ2台体制ならベトナムの狭い路地でも結構撮れるかなと思ってたんです。

    昔々、レンズを得物に喩えてお話ししたことがあったかと思います。
    50mmとか35mmは普段から被写体との距離感が鍛えやすいと思ってます。
    でも超広角は画角だけじゃなくて、パースの効きや歪みが独特なので兎に角、枚数を撮って超広角に合うセンスを磨くしかないんでしょうね。

    超広角の話題なのに恐縮ですが、僕は望遠レンズの圧縮効果に非常に魅力を感じています。
    100mm前後で風景を撮った時の背景をぐっと引き寄せるアレです。
    ベトナムじゃそういう風景に出会い難いんですけど。

  2. 銀四郎お父さん | URL | -

    超広角の打率

    しばらく、お忙しそうだったのでコメント等も控えておりましたが、日常は取り戻されたでしょうか?

    さて、今回の超広角の話は、私の気持ちを代弁してくれたかと思うようなお話でした。
    どうにも、超広角で撮る写真はレンズのパースペクティブに振り回されたような写真ばかりになってしまうのです。まぁ、私の腕がないのもあるのでしょうが・・・

    レンズを交換する理由は、画角、ボケ、パースそれぞれの変化を作画意図に合わせるためにやっているのですが超広角でないと表現できない被写体が少なすぎるのです。

    私の場合、ほとんど散歩写真ばかりなのですが、28mmから85mmくらいの間でことたりますねぇ。

  3. BigDaddy | URL | -

    > tsunomagari さん

    そうなんでしょね、画角云々よりも寄って煽ったり、ローアングルで捉えたり、結局、変化球写真になりがちであり、本文の通り、そこに作為が見え過ぎちゃうと陳腐な写真になっちゃうんじゃないかと思っています。

    Zマウントの18-35mmと50mmの2本体製だと18-35mmでも歪曲や周辺描写も良いでしょうからそっちをメインレンズとし、背景をボカしたり、どうしても寄れないような風景だけ50mm、そんな使い方になるのでしょうか?。そうなると50mmの代わりに85mmくらいでも、よりメリハリが付いて面白そうですね。Z85mF1.8で約10万円、ちょっと高いですかねぇ(笑)。

    超広角はセンスを磨く、とにかく数撃たないとどんなレンズでも得意になれませんし、特に超広角はセンスがあってもそれに見合う風景を見つけないとならないので本文の通り、とってもハードルが高いと感じます。

    m4/3のズームレンズを除けば50mmを超えて135mm未満、つまり85mm、100mmクラスのレンズをあんまり使っていないからってのもありましょうが、圧縮効果、私は135mmを超えてこないとその効果をあんまり感じません。135mmだと判るんですけどね。85mmと100mmって私にとっては絞り開放背景ぼかしレンズでしかないからでしょうね(笑)。

  4. BigDaddy | URL | -

    > 銀四郎お父さん

    お気遣いどうもです。歳のせいとは言いたくありませんが、とにかく毎日が眠いんですよ(笑)。ある程度時間があっても春眠暁を覚えずと言うか寝ちゃうんですなぁ。でも公私のうち「私」の方は片付きました。仕事は順調でこのご時世に嬉しい悲鳴と言ったところでしょうか。でもそれも今月まででGWは家でひたすら溜まったビデオをひたすら見る予定です。6、7月とまた多忙になりますから5月だけは遊んで暮らしたいです(笑)。

    本文に掲載したShaShaの写真、これを見れば誰が撮っても超広角レンズはパースに振り回されちゃうだと思います。結局、風景ありき、素晴らしい風景にしか使えないレンズではないかと思うんですね。今の巨人で言えば坂本や丸よりも打率低いです!。でもそれだと悔しいので一度は真剣に向き合ってみたいなと思っている次第です。

    ただネットでその手の写真を見て「こいつらみんな下手糞だなぁ」と思っているのですから、それを超える写真、自分にも撮れるとはあんまり思っていないのもこれまた事実だったりします(笑)。

    夜散歩は別にしてお散歩写真だと85mmを超えて135mmが1本あると便利かなぁと最近感じています。まず135mmあると野良ニャンが楽に撮れるんですよね。これが85mmだとワーキングディスタンスが短か過ぎて逃げられちゃうんですよ。あとは楽をしたい時。遠くに良い風景があるけれど、そっちまで歩きたくないとか(笑)、風景、構図取りの中でどうしてもカメラが上下に傾いてしまう時があり、望遠を使うとその傾きによるパースが目立たたいメリットもあると思うんです。でもそう考えると28-200mmなどの高倍率ズームが一番優れているって事になるんですよねぇ。

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