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初志貫徹 Sony α7IIレビュー その31 手ブレ補正を再度検証

2019年01月15日 00:00

Sony α7IIの手ブレ補正に関してはすでに初志貫徹 Sony α7IIレビュー その9 手ブレ補正の効果は如何に!? いざ実践!などの記事で検証済み。

であるが・・・。

カメラの限界付近での操作はカメラの性能よりも人間の性能によって大きく結果が異なる時がある。手ブレ補正のテストをしたのはα7IIを購入してすぐ、8月であったからすでに4ヶ月が経過している(この記事は昨年12月下旬に書いている)。

だからこの4ヶ月の間でα7IIで手ブレを最小限に留めるカメラの構え方を忘れている可能性もあり、今回、改めてテストしてみた訳だ。

テストは距離情報などをやり取り出来、5軸手ブレ補正が可能な純正のFE28-70mmF3.5-5.6と、その手の情報が一切無く3軸手ブレ補正になるCanon FDレンズの24mmF2.8、50mmF1.4、100mmF2.8で行った。24~35mmまでは被写体まで距離約2メートル、50mm~100mmまでを距離約3メートルでテストしている。

カメラの構え方は初志貫徹 Sony α7IIレビュー その9 手ブレ補正の効果は如何に!? いざ実践!から若干変えている。と言うのも常に同じような感覚でシャッターを切らないと現実的でないからだ。

同じような感覚・・・、私の中では「両手共に全く力を入れない」、これを意味する。左手は(親指の付け根を中心に)手のひらにカメラを置いているだけ、右手はグリップをつまんでいるだけ。そして顔をカメラに無理に押し付けたりしない。右手親指の関節が右頬と接地しているくらい。

実際にはもうちょっと気張った方がより止められるのだが、気張る感覚、これを常に一定を保つのが難しい。毎日毎日暗がりでの撮影を強いられている筈も無い。廃墟なんて数ヶ月に一度くらいしか撮りに行かないし、夜景を撮りたいなる欲求もなく・・・。

また今回はα7IIに前回のα7IIレビュー記事で紹介したブラケットを装着している。高さが約1センチ増し、重量が約100グラム増えている。これがどう作用するか?。

ピタリ賞が「50%を超えてくれる」シャッタースピードは50mmまでなら1/4秒、70mmで1/6秒、100mmで1/8秒だった。以前の結果より若干劣る。しかし、言葉を「50%前後を維持してくれる」、これに変えると35mmまでは1/3秒は確実に使える。これは35mmまでなら5枚撮影すれば2枚で止まるのを意味している。

但し、50mmとなると今回の構え方だと1/3秒は微妙だ。結果は平均40%行かない。最高でも50%を超えず、最低では25%。5枚撮って2枚止まる時もあれば1枚しか止まらない時もある。5枚撮って1枚でも止まってくれると考えるか、5枚も撮って1枚しか・・・。後者を選択すると7~8枚の保険を掛ける必要がある。実用的ではない。50mmなら1/4秒をボーダーラインとするべきだろう。

ブラケットにより高さと重さが増した事に関してはカメラを構えた際、以前よりも安定した感覚にはなるが(左手の手首が自然体になり非常に楽になる)、これによって手ブレをより防げる訳ではなさそうだ。

そしてテストした距離だと5軸手ブレ補正も3軸手ブレ補正も大きな変化は無く、貫徹 Sony α7IIレビュー その9 手ブレ補正の効果は如何に!? いざ実践!でのテストとさほど変わりはないが、あの時のテストよりも気分的には物凄く楽。

何しろカメラを構えた際、どこにも無駄な力が入っていないのだから。但し、トレードオフとして1/3秒でのピタリ賞の確率が減っただけ。上述の通り35mmまでは1/3秒でも実用にはなるが、そこまで無理をするのなら毎度の通り、感度を上げシャッタースピードを確保し、連写してPhotoshopを使ってノイズ軽減の為のコンポジットした方が遥かに精神衛生上良い。

1/4秒、F5.6、ISO3200ならばEV2の風景。これを1/3秒で撮ったところでISO感度はISO2200にしかならず、だったら1/8秒まで上げISO6400の感度で10枚連写し、Photoshopで平均合成した方が楽チン。

また廃墟の屋内での撮影に限っては暗くてどうしようもなければ欲しい構図を諦めれば済む。壁に体を押し付けたり、カメラを柱に抑え付けたりすればα7IIでも1秒でも止まってくれるし、特に単焦点レンズを使っていれば焦点距離や主になる被写体までの距離によってはF3.5くらいまで開けても良く、いろいろと工夫しながら撮影に挑めば手持ちシャッタースピードの限界が1/4秒であってもなんとかなってしまうもの。

あくまでも主観であるが、現行カメラならば暗がり、廃墟撮影に一番適しているのはやはりOlympus OM-D E-M1markIIだと思う。これにF2、F2.8でも隅までしっかりと描写してくれるレンズを装着すれば(噂通り、2秒で止められるのなら)EV-2~EV-3の風景さえも問題なく撮れる。

α7IIIはα7IIよりも1段程手ブレ補正効果が高いとされているが、となると50mmまでは1/2秒で止められ(ピタリ賞50%以上を確保)、限界は2/3秒(5枚撮れば1~2枚は止められる)。となるとE-M1markIIと1.5段の差、被写界深度も考慮すればさらに1.5段の余裕がE-M1markIIにある(但し、被写体との距離がある程度確保出来れば被写界深度は無視出来るので結果的にはE-M1markIIが2段優勢くらい)。

α7IIは廃墟でもおおよその風景を切り取れる。これは間違いない。しかし欠点もある。それが初志貫徹 Sony α7IIレビュー その16 暗い場所でAFが信頼出来ないかもしれない問題で指摘した件だ。

今回も自宅で全く同じシチュエーションでテストしたが、やはり時折、笑っちゃうくらいの前ピンになる。だいたい10~15カットも撮っていたら必ず1カットは駄目。となると6%~10%の確率で測距をミスる。これはあり得ない。5センチ、10センチの前ピンじゃない。測距エリアとは全く関係の無い位置、80センチ以上の前ピン、完全な誤測距だ。

今のところ、実践ではここまで頻繁に前ピンにはなっていないが、それは単に分母が足りないだけかもしれないと考えている。廃墟や夜景で様々なシチュエーションで100カットも撮影していれば同じような確率で誤測距する可能性を秘めているのがα7IIだ。

自宅の一室を撮影しているのでここでは紹介出来ないが、頭の中でイメージして頂きたい。

壁にぴったりとくっついでいる机の上にタワー型のパソコン本体があり、その上にサウンドカード(小型のオーディオプリアンプみたいなもの)や2.5インチのハードディスクが幾つか置いてある。部屋の明かりは消しているが、30ワット程度のデスクランプをそこに向かって照射。

カメラの露出は1/4秒、F5.6、ISO200~400でEV5~EV6の明るさで、十分にコントラストはあり、それを数メートルの距離で狙っている。勿論AF補助光はオン。カメラが誤測距するなんてあり得ないシチュエーション。

今回、新たにAF補助光をオフでのテストもした。案の定、さらに誤測距の確率は上がり、数分のテストでは4カットに1カットは誤測距、つまり補助光なしだと25%の確率でEV5の風景に対して信頼出来ないAFを持っているのがα7II。

真横からライトが当たっているのでサウンドカードの前面よりも横面、または後ろの壁の方が明るく、後ピンになってしまうのなら判る。でもそうじゃない。これで前ピンになるからカメラ、もしくはレンズがおかしいとしか言いようがない。

しかも上リンクの通り、Sonyはこれを堂々と仕様と言ってきた。EV5の風景で10%近く、補助光無しなら25%にもなる語測距を仕様だと言い切ったんだぞ!。デスクライトが構図に含まれているから、その強い光がAFを惑わす場合があるだって。となると暗い廃墟で窓から一条の光が差し込んでいるような風景、これも10%~25%の確率で誤測距するとSonyは言っている訳だ。うーん、なんだかなぁ~、そういう場面でAFを恐くて使えないじゃないか。

常にEV5程度で誤測距するのなら仕様に嘘がある!、と断言し、クレーマーと化してもSonyに改善要求を願い出るが、そうでなく、特定のシチュエーションで誤測距する、この辺が曖昧になってしまい、結果、Sonyは「構図の中に強い光があるのでそれで誤測距する可能性があるが、仕様である!」と平然と言ってのける。

ちなみに上リンクにも書いている通り、全く同じシチュエーションでOlympus OM-D E-M1、OM-D E-M5markII、Sony α6000でテストした限り、想定内の後ピン(壁にピントが合う)はあるものの、この手の大きな前ピンになるような誤測距は一切無い。

ふーん・・・、気楽にカメラを構えても50mmまでなら1/4秒、70mmで1/6秒、100mmで1/8秒、これで50%の確率でピタリ賞を得られ、頑張ればそれぞれさらに半段分遅く出来るのは嬉しい限り。おおよそ4段の補正力は持っているのだ。でも特定のシチュエーションにて強烈な前ピンになる、この現象を解消するにはα7IIIを買わなくちゃ駄目っぽい、これには大きな不満。

それだけの為にα7IIIを買うくらいならE-M1markIIを買う。α7IIIで誤測距がなくなったとしても手ブレ補正力、連写機能、そして防塵防滴、使い勝手はE-M1markIIが上回っているのだから。


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