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オールドレンズの像面湾曲

2018年05月31日 00:00

山里の風景

山里の風景


Sony α6000, Canon NewFD24mmF2.8


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「駄レンズだと思っていたsmc PENTAX-M28mmF2.8(I型)が再テストの結果、及第以上の結果が出た」、それが5月23日の記事の内容だった。

何故今になってそんなテストをしたかと言うと・・・。

昨年手にしたCanon NFD24mmF2.8の周辺部の描写が思った程良好でなく、もしかするとこの手の古い広角レンズは単焦点レンズであろうとも像面湾曲があるんじゃないか?、だったらピント位置を奥に取れば中央部は犠牲になっても周辺部は解像する筈だ、それを実証しようとしたんだ。

だから5月23日の記事でのPENTAX-M28mmF2.8のテストもピント位置を中央ではなく周辺部に合わせていた。

そんなテストを手持ちのオールドレンズ、上述のsmc PENTAX-M28mmF2.8に加え、smc PENTAX 24mmF2.8、Ai Nikkor 35mmF2、そしてNewFD24mmF2.8の4本で行った訳だ。

レンズ1個につき1記事にしようと思ったが、比較のサンプル写真を仰山並べるのがかったるくなったので全てを本記事に纏めちゃう。

と言うのも4本によって違いが出た訳でなく、、、

「どのレンズも若干ではあるが像面湾曲の気があり、ピント位置を中央ではなく周辺部に置いた方が全体的に鮮明な絵を得られた」

幾ら30年、40年前のレンズでも単焦点レンズだから像面湾曲なんてある筈も無い考えていた私がお馬鹿さん。古い広角の単焦点レンズはそれぞれ度合いはあるものの、必ず像面湾曲がある、これが結論だ。

言い換えると40年前なんて35mm判フィルムを大きく引き伸ばすとしてもワイド六切(A4とほぼ同じ)かせいぜいワイド四切(B4とほぼ同じ)。そして周辺部までキッチリ解像させたかったらF8~F11まで絞るのが当たり前だったから、その大きさだと余程目を凝らさない限り、周辺部が気になる事はなかったと思う。

しかしデジタルになって高画素カメラから出力された像を等倍鑑賞しちゃうとこの手の広角レンズの描写力の無さを痛感してしまう。APS-Cセンサー2400万画素のSony α6000でそう感じるのだから4000万画素オーバーの135センサー搭載カメラの等倍像なんて目も当てられない筈。F11まで絞っても周辺部の汚さを発見出来てしまうのだろう。

話が横道に逸れてしまうが、α7II貯金が満額に達しているのに何故買えないか?。理由はここにある。135センサー搭載カメラが欲しいのはダイナミックレンジとかノイズ耐性と言ったセンサー性能に興味があるのでなく(裏面照射CMOSセンサーは興味はあるものの)、単に大きなボケが欲しいから。

しかし常に背景がボケまくった写真ばかりを撮るよりも、自分の撮影スタイルだと被写界深度を深くした撮影の方が遥かに多くなる筈。そんな時にこれらオールドレンズは等倍で鑑賞した際にガッカリしちゃう。そんなガッカリは嫌だ!。

ここで等倍鑑賞の是非を問うてもしょ~がない。何度も申し上げている通り、幾らプリントするのはA3まで、テレビなどのモニターに表示するにせよ解像度が高くでも4Kだからと言っても、デジタル写真は等倍で鑑賞出来ちゃうものなのだし、シャープネスやノイズなど細かい作業はどうしても等倍像で確認する必要があり、その時のガッカリ感は不快でしかない。

結果、135センサー搭載カメラを買ったら、例えばそれがSony α7系なら最低でもFE28mmF2、FE50mmF1.8の2本は持たなくちゃ楽しくないのが容易に想像出来てしまう。今、中古市場ではα7IIは安価で流通しているが、2本の純正レンズ込みとなると割高感は否めない。

手持ちの広角レンズをα7IIに使っても画質はネット上ではすこぶる不評のFE28-70mmF3.5-5.6よりも悪いと思う。このレンズだってF8、F11まで絞れば28~35mmの焦点距離でも周辺部はそこそこ解像する。純正とは言え普及タイプのズームレンズ如きに幾らオールドレンズでも単焦点レンズが負けてしまうのだから、だったら多少高くてもAPS-Cのα6500の方が幸せになるんじゃないか?。

話を元に戻そう。

平坦な風景を撮影する際、像面湾曲するレンズは中央にピントを合わせると周辺部はそれよりも遥か手前にピントが来るので結果周辺部の描写が悪くなる。だからと言って単純に周辺部にピントを合わせるだけじゃ駄目。と言うのも周辺部にピントを合わせると中央部は前ピンになる。

被写体までの距離、レンズの焦点距離によってはA3ノビ程度のプリントでも中央部にシャープさがないのに気付かされる時もあろう。

そう、周辺部にピントを合わせて像面湾曲な像を回避するのならレンズを絞り込まないとならない。400メートル先の風景に対して24、28、35mmのレン(135換算約36~52mm)で試した結果、F8まで絞ると中央部、周辺部が良好になる。F5.6だと中央手前側が(等倍で見ると)若干被写界深度から外れてしまう。これは5メートル、10メートル先の平坦な壁を写しても同じ。F4くらいの絞りだと中央部がピンボケしてしまう時がある。

世の中、特に自然を狙った場合、平坦な風景なんてほとんどない。遠くの山々を狙ったとしても手前に広がる風景があり、実を言うとそんな場合、像面湾曲しているレンズの方が具合が良い時だってある。

それを考えると無理に常に周辺でピントを合わせるよりも主になる被写体がジャスピンになるようなピント位置をセットした方が賢い気もする。

もしくはISO感度が許される範囲ならF11まで周辺にピントを合わせて絞った方が良い。教科書通りにAPS-CはF11で回折ボケが起こるからどーのこーのなんて言っている輩には判らないだろうな。回折ボケが出ても像が流れておらず輪郭があれば後は現像時のシャープネス設定でどうにでもなる。

写す対象ものにもよるのだろうが、私だったらAPS-CならばF16、m4/3ならF13まで絞っても平気だ。畳クラスのプリントを人様にお見せしたいってのなら話は別だろうが・・・。

あとはISO感度との相談。F11まで絞ったらISO800になってしまった。α6000のISO800ならばノイズはまだ目立たないが、それ以外で色々と粗が出てくる感度でもある。ダイナミックレンジは減り、コントラストが低下するのか細かい部分の描写が弱くなる。

ISO400のF8で撮るべきか、ISO800まで上げてさらに1段絞り込むか・・・。どちらを選べと言われたら私なら前者。勿論デジタルカメラは何枚撮ってもただだからそんな時は両方撮り、撮影後に納得の行くこまを選択するのが良いだろう。

では仮にα7系を手に入れたらF16を常用するか?、いや、それはない。上述の通り、所詮オールドレンズの描写力は高が知れており、28mmレンズを28mmの画角で切り取るのだから、像面湾曲以外の各種収差によって特に四隅は像が流れている筈。それはレンズを絞り込んでも決して解消しない。

軸上色収差やパープルフリンジは現像ソフトで消せる(レンズを絞れば消えてくれるものもある)。しかし劇的に周辺部の描写が変わるか?、と言われるとノーと言わざるを得ない。レンズの能力にもよるが、今回使用したオールドレンズ、軸上色収差は出ているものの、レンズをF8くらいまで絞っていれば等倍表示でなんとなく輪郭に異なる色があるかな?、と言う程度でしかない。2倍に拡大して「ああ!、これ軸上色収差じゃないか!」と判る程度だった。

つまりレンズを絞り込んでいるのに関わらず、等倍表示で輪郭がしっかりと見えていない(像が流れている場合)のは軸上色収差だけでなく、それ以外の収差も発生している可能性が高く、これは今のところレンズを絞り込んだり、現像ソフトでは修正出来ない性質のものだ。
そうなったら素直にFE28mmF2を買うしかない。どうやらこのレンズ、ネット上では評判がイマイチならしいが、オールドレンズと比べたら遥かに優れた絵を我々に与えてくれるだろう。

カメラマンは人それぞれ神経質になる部分が異なる。私が絶賛しているm4/3用のLumix G25mmF1.7、ネットでは「値段相応」、そんなレッテルが貼られている。今ならこのレンズ1万7千円くらいで買えるから「1万7千円相当の画質でしかない」、そう表現されている。

単焦点レンズの場合、解像感の他にボケ味も加味されるし、m4/の25mmレンズは様々なメーカーから優れた描写をする高価なレンズがラインナップされているので、それらと比較したら確かに値段相応なのかもしれないが、私はこのレンズは全てにおいてパーフェクトだと思っている。

ところがそんな私はオールドレンズの周辺部の描写が気に食わない。α7系の普及のお陰で数年前からオールドレンズブームがやってきているらしいが、そんなブームの中にいる人々はFE28mmF2やG25mmF1.7の描写には文句を付けるのに「描写が悪くてもそれがオールドレンズの味さ!」と涼しい顔をしているに違いない。

m4/3でオールドレンズを使う場合、28mmレンズなら56mmの画角になるまで周辺部が切り取られるので反対にF11まで絞り込む必要性は全くない。F5.6~F5.6半で良好な絵を提供してくれる筈だ。

話が脱線したな。とにかく像面湾曲に関してはピント位置とレンズの絞りを考慮すればワンランク上とまでは言い過ぎかな、0.5ランク上の描写を期待出来る、そう結論付けて良い。

今回はsmc PENTAX 24mmF2.8のサンプルを挙げてみよう。奥の白いビルまでの距離はおおよそ400メートル。絞りはF8。Aが中央のビルにピントを合わせたコマ、Bが端から3個目か4個目のビルでピントを合わせたコマ。

※等倍切り出し像はクリックで1000x1000ピクセルになる、また手持ち撮影なので構図のずれはご換弁の程を・・・

全体像

2018-05-29-2-0

中央A 中央B
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左端A 左端B
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右端A 右端B
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上の比較を見て皆さんがどう感じるかである。確かに周辺部の描写はピント位置を工夫すると良くなる。しかし等倍でチェックしてこの程度である。恐らくA2サイズ以上にプリントをするのならこの違いは確実に理解出来る。しかしA3ノビ程度なら余程目を凝らして見ない限り気にならない程度な筈。

また24mmレンズ(換算約36mm)だと被写界深度が深いので周辺部にピントを合わせた写真でも中央手前まで被写界深度内に入っているが、28mmレンズ(換算約42mm)や35mmレンズ(換算約52mm)となると風景によっては中央手前は確実に被写界深度から外れてしまう。

中央部分は被写界深度から外れていても像が流れている訳ではないので、Lightroomの円形フィルターやブラシを利用してその部分だけ少しだけシャープネスを上げれば済む問題だ。

そこまでして周辺部の描写を上げたい!、等倍で見て気持ち良い写真以外は認めない、そんな方は今回の手法は有効だろう。しかしプリントはA3ノビまで、モニター鑑賞でも4Kテレビ(4Kでも超大型画面なら周辺部の描写の悪さは判ると思うが)、そんな人はこの手の風景は意識せずにど真ん中でピントを合わせた方が煩わしさから解消される。

私は・・・、ケースバイケースかな。むしろこの手の遠景よりも次の写真のように壁などの平面をパチリした際の周辺部の悪さが気になる。

全体像

2018-05-29-3-0

中央A 中央B
2018-05-29-3-1

2018-05-29-3-2

左下A 左下B
2018-05-29-3-3

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右上A 右上B
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2018-05-29-3-6



これはNikkor Ai35mmF2Sを利用し5メートル程先の壁に向かってF5.6で撮影している。Aは中央でピントを合わせ、Bは右端にある街灯の少し左側でピントを合わせている。

中央部をご覧頂きたい。AはジャスピンだがBはギリギリ被写界深度に入っている程度。これならシャープネス調整でセーフな写真だが、同じカットで絞りを1段開けてF4を使った撮影ではBではA4プリントでも判るくらいにピンボケしていた。

撮影距離によってはF8でも中央部は(等倍鑑賞において)ピンボケする。それは遠景を撮影しても同じ。それだけこのレンズは像面湾曲の傾向が強い。ぶっちゃけ像面湾曲に関してはNikon Series E36-72mmF3.5の36mm側の描写の方が良いくらいだ。

中古品なので個体差の可能性もあるが、今後、APS-Cセンサー搭載カメラを使い続けるのなら、像面湾曲のない35mmレンズを新たに探さないとならない。そうなると信頼出来るsmc PENTAX-FA35mmF2ALを買い戻すしかない。

最後に注意点を。

風景によっては像面湾曲しているレンズの方がマッチしている場合もある。中央が奥まっていて、両端が手前にある場合。これを勝手に「奥Vの字構図」と呼んでいるのだが、(奥を見せたいのか手前に主になる被写体があるのかを考えるべきであるが)こういう風景は何も考えずにど真ん中にピントを合わせ絞りF8、その方が周辺部も良好な解像感を得られる時が多い。

下の写真なら線路が途切れている少し先辺りにピントを合わせ、F8まで絞れば中央、周辺ともある程度シャープな絵を得られる。


万石跡

2018-05-29-4


Sony α6000, Canon NewFD24mmF2.8


加えて、色々と工夫をしても何故か周辺部の描写が悪い、そんな時は左右のどちらが悪いか、これを見るべきだ。きっとレンズの片ボケがある。その場合は片ボケしている側の描写が良くなるように、例えばそれが左側であったら左側周辺部でピントを合わせてF8、F11まで絞り込む、軽度の片ボケならばそれでおおよそ解決すると思う。


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コメント

  1. auf | URL | 3eyVfeeo

    銀塩時代,アサヒカメラのニューフェース診断室(だったかな?)で
    カメラとレンズのテスト結果を載せるんですが,広角レンズに関しては
    非点収差の補正でメリジオナルとサジタルを必死で合わせて行くんです
    が(像面湾曲しながら)四隅ぎりぎりはどのメーカーでも捨ててました
    ね.メリジオナルとサジタルは泣き別れ.急激に離れて.

    当時視野率100%のカメラはNikon Fシリーズだけだったしスライドマウン
    トは視野率94%相当.35mm判は3:2で横はカットされる場合も多い・・・
    ってコトで四隅ぎりぎりは捨ててたんだと思います.掲載された作品の
    プリントを見ても24mm以下はだいたいコーナー流れてましたもの.
    (引伸時の問題かもしれませんが)

    現代のレンズはそんなことない・・・かどうかはちょっと分かりませんが.
    持ってないし.(笑)


  2. BigDaddy | URL | -

    > auf さん

    APS-Cでも周辺部が悪いので、四隅だけじゃないと思うんですけどねぇ。でも35mmフィルムの場合、当時の広角レンズの使い方って被写界深度で見せる手法でしょうから、24mm、28mmレンズともなればF8まで絞って3メートルにピント固定、多くの人がそれをやっていたのと、ほとんどの人はワイド六つ切りなのでその大きさだとF8、F11まで絞っていればさほど悪い描写じゃなく、大騒ぎする程の事ではなかったのかもしれませんね。

    PentaxはM28mmF2.8をすぐにII型に更新したのは余程悪い描写をしていたんでしょうね(笑)。

    Pentax 645用レンズの45mm(換算28mm)の周辺部はかなり優れています。Pentaxの人曰く、645用レンズは67のイメージサークルでも問題の無い描写をするように設計されているなんて言っていたので、結果、それと同じ事が最近のレンズの大きさに繋がっているのかもしれませんね。

    しかし「だったらオールドレンズで十分、APS-Cで設計は古くても35mmのイメージサークルをカバーしているレンズも優れている筈だ」、これは間違いだった訳です。正しくはAPS-Cで最新の35mmイメージサークルをカバーしているレンズが優れている」って事になるんでしょう(笑)。

    恐らく、今も昔もメーカーは小型化に必死だったんじゃないでしょうか?。ありふれたスペックの24mmF2.8、28mmF2.8、これらってPetaxもCanon FDもとても小さなレンズですが、本当はもっと大きくしないとキッチリ四隅まで解像しないんでしょうね。

  3. ピンぼけ小僧 | URL | es1fYYdE

    今日はfujiのXシリーズで佃から月島の街撮りでした。
    レンズは最近手に入れた小型のXF23mm f2.0を使用しました。
    像面湾曲もなく解像力も良好で、街撮りには打って付けのレンズです。
    最近、オールドレンズのテストをしていますが、このレンズを越せるレンズは今の所ありません。
    まあ、最新のレンズが負けちゃいけませんが。。。。
    自分で焼く銀塩プリントって、必ずトリミングするんで像面湾曲は全く気にしていませんでした。

  4. BigDaddy | URL | -

    > ピンぼけ小僧 さん


    フィルム時代の広角レンズって像面湾曲しないレンズがない、そんな気もしてきました。ただ、古いレンズなので個体差もありましょうが、NikonのAi35mmF2Sの周辺部の画質の酷さ、これにはホント、閉口しています。それを思うと純正で描写も安定しているFujifilmのXF35mmF2なんて魅力的に映りますねぇ。

    Fujifilmはボディ内手振れ補正が全機種にあったら、単焦点も比較的安価で最新のものが利用出来たりと、これ一択だったでしょうね。多分、オールドレンズなんて望遠系以外は使わないと思います。将来に期待ですね。X-H1以外に手振れ補正の乗せてきたらFujifilmに大いに魅力を感じるようになるかと。

    Nikon、Canonがボディに手振れ補正を内蔵してきたらFujifilmも黙っていないでしょうし、ユーザーもそれによって選択肢がとっても広がるので2年後くらいが楽しみですよね。まぁ今すぐにα7II、この選択肢が今も残っていますが、どうしてもあのデザインが・・・(笑)。

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