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RawTherapee Ver5.3.xx、開発中バージョンを試す - LocalLab

2017年11月06日 00:00

壁のある風景

壁のある風景


Sony α6000, Ai Nikkor 35mmF2


前回のRawTherapeeネタに引き続き、RawTherapeeの日本語版のVer5.1、5.2がまともに動いてくれなかったので、それが修正された5.3の開発中バージョンを利用した「LocalLab」について述べたい。

LocalLabはまだRawTherapeeで正式に採用されていない。これはLightroomでの円形フィルターに該当し、フィルターの内側、もしくは反転させて外側に対して部分的に露出、カラー、シャープネス、ノイズリダクションなどを施す機能で、Lightroom同様に複数をセット出来る。

これがそこそこ使えるツールになっており、敢えて正式なバージョンでなく、5.3.xxのLocalLabバージョンを使っているのだった。

今日はこのLocalLabについて!。

1ヶ月前の5.2.xxのLocalLabバージョンはうちの環境だとLocalLabにてRetinexを使うと100%の確率で落ち、今日現在、5.3.256では落ちなくなった反面、LocalLab部分以外で幾つかの不具合があり、LocalLabが正式にRawTherapeeに採用されるのはもうちょっと時間が掛かりそう・・・
と、その前に・・・。

Lensfunの最新データってどこから手に入れるのだろう?、と色々と探していてようやく見つけたような・・・。

lensfun/data/db/

このリストから自分の使っているメーカーのファイル(コンパクト、ミラーレス、一眼レフと分かれている)を探し出せば良いようだ。

それでは本題へ。

LocalLabで使えるのは、、、

明るさ&コントラスト
露出
自然な彩度
ブラー&ノイズ
トーンマッピング
レティネックス
シャープ
ローカルコントラスト
デノイズ(ノイズリダクション)

現在この9種類。

例えばシャドーが落ち込んで潰れている部分だけにフィルターをセットして明るさ&コントラスト、露出、トーンマッピングのいずれかを掛ければ、他の部分に影響なく、その部分だけシャドーを持ち上げられたりする。

また、高感度で撮影した写真において、全体にノイズリダクションを掛けたものの、シャドー部を持ち上げたら部分的にノイズが目立つ。そんな時、ノイズリダクションを見直すよりもLocalLabのフィルターを使ってデノイズした方が便利。

現在私が使用している開発中のバージョンでは幾つかの機能でフィルターの反転(フィルターの外側に対して効かせる)が出来なかったり、発展途上は否めない。

私自身はなんだかんだとLightroomを中心に使用しているのでRawTherapeeでわざわざこのLocalLabを使う必要性はほとんど感じないが、唯一、等倍鑑賞でニンマリしたいが為に使っているのがシャープだ。

RawTherapeeのシャープはLightroomなどで使用されているアンシャープマスクの他にRLデコンボリューションなるシャープがある。これはアンシャープマスクよりも強力で、特に等倍でニンマリする為には必要不可欠(Fujifilmのポップコーン現象もRLデコンボリューションで綺麗さっぱり消えてくれる)。

ところがレンズ性能が悪い、特に周辺、四隅の描写の悪いオールドレンズを使っていると幾ら強力なRLデコンボリューションでも中心部の周辺の解像感に大きな変化が出てしまう。

「一度TIFFに保存してLightroomのフィルターを使って周辺部にシャープを足せばいいじゃんか!」

まぁそりゃそうなのだが、わざわざLightroomに再読み込みさせずともLocalLab内のシャープを使えば工程が1つ減るでしょう?。Lightroomに再読み込みさせる必要があるのならのならわざわざRawTherapeeは使わない。RawTherapeeで現像したいからRawTehrapeeを起動させるのだから・・・。

方法は簡単だ。まずLightroomで言うところのフィルターを左右上下目一杯に広げた程度の大きさの楕円をセットする。写真は上下左右の端よりも放射状に伸びた四隅の画質が悪くなるので最大の楕円をセットし、それを反転させれば、その一番弱い部分だけにシャープを適用出来る。

値は人それぞれであるが、あまりにもカリカリしても画質が悪くなるだけなので私は次の値を基準にしている。

Sharpening
----------------------------------
Radius(半径), 60
Amount(適用量), 70
Damping(減衰), 0
Iterations(反復), 75
Scope(範囲), 70
Inverse(反転), チェック

これでAPS-Cセンサーで使うと四隅の画質の悪い広角オールドレンズでもおおよそ満足したカリカリ感を得られる(写真によって効果が強過ぎたり、弱いと感じたりするが、そんな時は上の値をちょこっと変更すれば良い)。

判り易く書けば、周辺の描写が最低と言われているSonyのE16-50mmF3.5-5.6。これの最広角の16mm側の四隅は像が流れているのでほんのちょっと解像感が高まったかな?、と思う程度だが、18mmで効果を大きく確認出来、20mmの焦点距離になると上の値だけで四隅もしっかりと描写され、ワンランク上のレンズを使っているかのようになる。

完全に四隅の像が流れている16mm側や、smc PENTAX 24mmF2.8のように像面湾曲のせいで周辺部に全くピントが合っていない、そんな写真では上の設定では効果は限りなくゼロと思って良く、単に輪郭を強めた事によってノイズが増えてしまうだけの写真と化してしまう。

上の設定で細かいノイズが出てしまった、もしくは上述のような像面湾曲でピンボケしている時などは、あえて半径を大きめに取って(細かい輪郭を付けるよりも濃淡、コントラストを上げる、Lightroomでの明瞭度イメージ)、その代わりにIterationsを最小にすると具合が良くなる。

Sony α6000のレビューの際にも述べたが、この16-50mmF3.5-5.6の評判はかなり悪い。

しかし本当に質が悪いと感じるのは最広角の16mmのみ。ほんの2mm望遠にするだけ、18mmで四隅の画質は等倍鑑賞をしてもそこそこのレベルを保っており、あの小ささで18mmですでに及第レベルの描写に達しているのだから、一般に言われているような悪いレンズではない。
Sharpening
----------------------------------
Radius(半径), 150~250
Amount(適用量), 70~100
Damping(減衰), 0~30
Iterations(反復), 5
Scope(範囲), 100
Inverse(反転), チェック

この設定を利用して最適だと思う写真は・・・。

オールドレンズの大半、特に広角レンズは中央部分の解像感が落ちても周辺部までしっかりと描写させるにはF11まで絞りたくなる。でも辺りが暗いとそこまで絞れず、仕方なくF5.6で撮影・・・。でも半径を広めにセットした手法を使うと1段分程度周辺の画質を改善出来る。つまりF8まで絞ったくらいはなってくれるんだ。

この時の注意点は2つ。

細かい輪郭が多い風景(高周波のある風景)では半径を広く取ってしまうので完全に像が破綻する。よってネイチャーフォトには向かない。

また、絞り込めなかった写真は四隅どころか上下左右の周辺部の描写も悪いのだから、フィルターの楕円の大きさを色々と考える必要が出てくる。

勿論、これらはしつこいようだが「等倍鑑賞においてニンマリしたい」、そんな時に使う。絞り一段分の改善ならA3程度のプリントだったらあんまり意味が無い。

だから本当はこのシャープだけなく、面に対してより働いてくれるローカルコントラストが調整出来れば良いのだが(言い換えれば明瞭度、これは小さなプリントでも効果覿面)、現段階ではそれを担う「Contrast by deteail levels」ではフィルターを反転出来ないし、Retinexは冒頭に書いた通り、値を調節した瞬間にプログラムが落ちる。いずれこのLocalLabも進化し、RawTherapeeに正式に採用されるだろうから、我々ユーザーはそれを待つしかない。

RawTherapeeのRLデコンボリューション、そしてLocalLabのSharpeningは輪郭のない部分にも輪郭を付けてくれる。ある意味、偽解像であり、カメラマンの中にはこれを嫌う人もいるようだ。

でもこの技術は凄いと思う。四隅が完全に流れてちゃっているとさすがに輪郭は付かないが、単に解像力が弱くボケているだけだったらそこにしっかりと輪郭を付けちゃうのだから(被写界深度が深くなったような錯覚に陥る)、等倍で鑑賞するには非常に楽しいツール。当然、強くシャープを掛けると完全に破綻した絵になるので気を付けて使う必要がある。

だから細かい葉っぱの占める割合の高い遠景を撮った際にはむしろアンシャープマスクを使った方が写真らしかったりする。
本日の写真、Ai Nikkor 35mmF2を使って2段絞ったF4で撮影している。APS-Cセンサーで利用しているのでF11まで絞らずともF5.6半くらいでおおよそ周辺部もそれなりに見えてくるが、さすがにF4の写真は等倍で見る限り、所詮オールドレンズだな、と改めて感じてしまう。

そこでLocalLabを使い、F5.6~F5.6半で撮影しているかのように周辺部を改善させた。

まず楕円のフィルターのサイズだが、今回は左右上下よりも四隅を重点的にシャープを掛けたいので写真よりも一回り大きな楕円を作る事になる。

※ズームアウトツール(虫眼鏡マイナス絵柄)を使って写真の表示を小さくすれば写真よりも大きなフィルターを作れる、またフィルター境界線の透明度はSettingsのTransitionを使って行う

フィルターの効果がどこまで至るのかチェックするのならばテスト的に「Color&Light」をオンにし、2つの値を-100にセットしてInverseにチェックを入れれば効果が出る部分が黒く瞑れるので一目瞭然だ。


2017-11-06-10

Sharpening値は次の通りとした。

Radius 150
Amount 100
Damping 0
Iterations 5
Scope 100

この風景は細かいデータ(高周波)は存在しない。模様のある壁と大きめの葉っぱ。となると細い輪郭だけを強調するよりも全体のコントラストを上げた方が良く、そこでRadiusを150にしている(この風景なら100でも200でも大きく絵が変わる事は無い)。

中央(以下、クリックで1000x1000ピクセル等倍)
2017-11-06-02

左上隅(LocalLab OFF) 左上隅(LocalLab ON)
2017-11-06-03

2017-11-06-04

中央右端(LocalLab OFF) 中央右端(LocalLab ON)
2017-11-06-05

2017-11-06-06

右下隅(LocalLab OFF) 右下隅(LocalLab ON)
2017-11-06-07

2017-11-06-08

LocalLabのシャープを使って周辺部を加工しても劇的に変化するなんて魔法じゃないのだから有り得ない。四隅のピンボケや像の流れがなくなる訳じゃない。あくまでも今まで述べた通り「解像力が上がるのでなく、絞り1~1.5段分くらいのコントラストの改善が見込める」であり、過度な期待は禁物だ。

しかしものは考えようで、今回は周辺、四隅の画質の悪い絞りF4の写真を使っているが、これがそこそこ周辺部が安定してくるF5.6半~F8で撮影していればこの機能を使う事でさらに周辺部の画質は向上する。言い換えればわざわざF11まで絞らなくても良いんだ。

最近オールドレンズをセットして楽しんでいるSony α6000は手振れ補正を搭載していないのでシャッタースピードにはかなり神経質になるここは四隅をカリカリ、F8、いやF11まで絞りたいのにそうなるとシャッタースピードが遅くなりぶれちゃうからF5.6半が限界だ!、そんなシチュエーションが多発。でもLocalLabを使えばF5.6半のまま何とかなるのだった。

市販のLightroom、Capture One Pro、そしてDxO Optics Proの3つは周辺部の描写を改善させるツールがあるが、これがRawTherapeeでも可能になったのは非常に嬉しい。RawTherapeeだけで作業を完結出来るからだ。

レンズの解像力、解像度で写真を見せるのでなく、Lightroomで言えばフィルターを使って周辺部だけに半径を多くした太いシャープと明瞭度を掛けてやり、コントラストで解像感の高い写真を作るのである。


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