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MarkIIじゃないOlympus E-M1を買ってもぉた~レビューその25
  僕と手振れの150日戦争 終結の日

2017年08月18日 00:00

さて、広角~標準域では1秒で十分に風景を止められ、1.5秒でも確率は低くなるものの、10枚撮影すれば必ず止まった写真を撮れる、そこまで到達した。では望遠域ではどうだろうか?。

まずはおさらいだ。

「微ブレ」
 一見等倍で確認してもブレているようには見えないが、解像感が若干失われている写真

「小ブレ」
 等倍で見るとブレているのが判るが、A3程度のプリントなら何とか使える写真

この定義を元に25mm(135換算50mm)の焦点距離で2.5メートル先の被写体を10枚1セットを単写で撮影し、止まるかぶれるかの確率を出す。ピタリ賞と微ブレを含めて確率が50%以上で止まっているとする。

1秒ではコンスタンスに50%以上を叩き出せ、1.5秒でも40%の確率でA2プリントまでなら使える写真が出てくる。1秒なら5枚、1.5秒なら10枚撮影していればピタリ賞も撮れるのだから、それ以上大きなプリントにも耐えられる。

となるとE-M1はカメラマンが頑張ればE-M5markIIと同じ性能、つまり広角~標準域に関しては5.5段分の手振れ補正効果があると結論出来る。カメラマンがさらにもっと頑張ると1.5秒でも風景を止められ6段の効果になる。

ならばE-M5markIIでも1.5秒で撮れる?。

これ、数日前からテストをしているのだが、ボディ形状の違いからE-M1と構え方、握り方(力加減)が全く異なるので意外と難しい。止まる時と止まらない時の差がとても激しい。

E-M5markIIでもぶれない構え方、握り方を理解すれば1.5秒でも問題なく止まるだろう。
では中望遠~望遠域ではどうだろうか?。

テストは4メートル先の被写体を撮影し、単写を10枚1セット、これを何セットか撮影し、平均を取り、微ブレもオーケー(止めた)と判断する。

50mm(135換算100mm)はPentaxの50mmレンズを使った。2/3秒は微妙だ。40%以上で止まるが、ピタリ賞が非常に少ない。微ブレのオンパレード。しかし1/2秒なら70%以上で止まり、そのほとんどがピタリ賞だった。これは凄いと思う。換算100mmが1/2秒で止まるのだから!。

では100mm(135換算200mm)、ここでもPentaxの100mmレンズを使った。1/3秒で止まるかと思ったら止まらない。まぁそうだろう、では1/4秒は、あれれっ?、結局、平均で50%前後を叩き出すには1/6秒まで上げなくてはならなかった。またピタリ賞を増やすには1/8秒であり、安全圏は1/8秒と言える。

望遠側が弱い?。1つ言えるのは4メートル先の風景って事。試しに近所で10メートル以上離れた風景で撮影すると100mmレンズで1/4秒、ついでにLumixの45-175mmF4-5.6の最テレの175mm(135換算350mm)では1/8秒で50%をキープ出来ている。

中望遠以上の焦点距離だとE-M1は被写体までの距離、被写体の大きさにもよるが、平均5段の手振れ補正効果と言えるのではなかろうか?。

とにかく50~175mmまで1/8秒では確実に止められるのが判った。私が狙う風景ならE-M1はLightroom等で再現像すればISO1600まで許容出来る。もし実践で撮影で1/8秒の時、ISO1600を超えるような事があれば焦点距離に合わせて1/6、1/3、1/2秒と遅くしていけば良いだろう。

Pentax K-5でのTamron 70-300mmF4-5.6(A17)、Sigma APO70-300mmF4-5.6での手振れ耐性をLightroomのカタログから調べてみた。

180mm(135換算約270mm)で1/20秒で止まっている。260mm~300mm(135換算約390~450mm)だと1/45秒で半々、1/60秒ではかなりの確率で止まっている。まぁ極普通、K-5のボディ内手振れ補正の望遠域での効果は3.5段であると言える。

E-M1は135換算350mmで1/8秒で止まる事を考えると2段~2段半K-5よりも優れている。またLumixの45-175mmF4-5.6は絞り開放でもそこそこの描写をしてくれるが、Tamron 70-300mmもSigma 70-300mmは開放だと光が滲むので半段絞った方が良く、APS-Cセンサーのノイズ耐性、ダイナミックレンジを考慮しても、スローシャッターを強いられるような風景においてはE-M1の画質に軍配が上がると思う。

さて、ではE-M5markIIと比較するとどうだろう?。

Olympus OM-D EM-5markIIレビューその10 手ブレ補正 望遠では如何に?

超望遠域は同等、しかしながら100mm(135換算100mm)前後の焦点距離に関してはE-M5markIIの方が優れていると言える。とにかくE-M5markIIは適当に構えていても(適当過ぎたら駄目だが)、1/6秒でも楽勝で止まるので、中望遠域に関してはE-M5markIIの方がピタリ賞が多い。

E-M1での望遠域でのテストは数日しか行っておらず、25mm(135換算50mm)で1.5秒で止まるカメラの構え方とは異なる、望遠域でしっくり来る構えを見つけられればもしかするとE-M5markIIと同じレベルにまでなってくれるかもしれない。それは今後の課題だ。

そして今後の課題と言えば・・・。

縦位置での撮影。右手が上に来る構えをしており、これがいまいちなんだ。横位置では絶妙なバランスでカメラを構えられるのだが、縦位置は未だに不安定で半段以上劣る。横位置では1.5秒で止まるが、縦位置だと1秒が限界、コンスタンスに自信を持って「止まる」と言えるのは2/3秒だったりする。

もしくはPentax K-5では縦位置でも横位置とほぼ同じような構えが出来るシャッター付きバッテリーグリップを装着すると明らかに手振れ率が減少していたので、意外と安く出回っているバッテリーグリップ(HLD-7)を用いれば良いかもしれない。E-M5markIIでも1.5秒で止める事も含め、今後、縦位置手振れ戦争が勃発するかもしれない。

そんな訳で「僕と手振れの150日戦争」は一応「我が軍の勝利」と言う事で決着が付いた。結論としては、、、

「手振れ補正機能はE-M5markIIよりも劣るが、カメラマンが頑張れば同等の結果を出せる」

自分でも予想を超えてビックリしたのでもう一度書いちゃう!。

「E-M1はカメラマンが頑張れば『2秒』でも止まる時があり、『1.5秒』では『1秒』よりも確率は低くなるものの、十分に実践に投入可能なシャッタースピード!」

これにて長々と書き綴っていた手振れ戦争ネタを終了する。


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コメント

  1. きやっち | URL | Nmh5EdFk

    手ブレ戦争記事、ご苦労様でした!
    コメントはしないまでも、キッチリ読ませて頂きましたよ!

    ボディの大きさが違うので、どこまで流用できるか?と思ってました。

    しかしながら、持ち手の力量と言うか
    バランスや額とファインダーの関係などなど
    今まであまり意識してませんでしたが
    意識すると相当違う事に気が付きました。
    とても参考になりましたよ!有難うございます!

  2. BigDaddy | URL | -

    > きやっち さん

    ありがとうございます。

    一般に大きくて重いシステムの方がぶれにくいと言われていますが、1/2秒からのスローシャッターともなると、カメラマンが如何に止まっているか、そっちの方が重要なのでしょうね。そしてそれは具体的には語れない、カメラの形状、重さによって全てが変化する、これも判りました。

    いずれにせよ、今まで限度だと思っていたシャッタースピードからさらに半段、1段遅いシャッターを使うとなると、カメラ毎に持ち方を考えないと限界は超えられない。私自身も今回の経験を経て、工夫すれば今までの限界点は越えられるのが判り、5ヶ月もあーだこーだやっていましたが、確実に血となり肉となりましたね。

    数十枚パチパチしただけなら「初代E-M1は1/3秒が限界」、そんなレビューになっていた事を考えると無駄ではなかったです。

    記事の通り、普段は電子水準器のチラチラを止めれば写真も止まる、チラチラが長時間止まっているようなカメラの構え方を編み出したとでも言いましょうか、これがかなり効果がありましたし、例のストラップたすき掛けテンション作戦も確実に確実に半段は効果があります。

  3. のっぽ親父 | URL | ibdEl2N.

    凄いです

    時々 はしょって見させていただきました。(笑)凄いことです。夢のような手ぶれ補正で三脚メーカーが泣きそうです。もっとも私もほとんど三脚は使いませんが。
    ところで先日望遠スローシャッターの時に息を止めて大変です。とお話ししたら息を止めない方がいい。。ゆっくりと大きく息をした方がいいと知りました。。やはり強力手ぶれ補正が羨ましいです。。α7 を買い換えるかな?

  4. サンデーハイカー | URL | SisRr4Ds

    素晴らしい連載記事、お疲れさまでした。同じカメラを使う者として、大変参考になりました。ありがとうございました。昔から、世のカメラのほとんどが右目派に対応したカメラ作りをしていると感じていましたが、モノは使いようですね。

    そこで気になったのがSIGMA sd Quattro。あのカメラのファインダー接眼部が異例の右寄りなのは、もしかするとSIGMAはBigDaddyさんと同じ観点でああいう作りにしたのかも…大きさや形状が違うのでそのまま当てはめられませんが、右目派の方が多い・あれだけの高画素機でArt系レンズのほとんどが手ブレ補正ナシなので、案外狙いどころは似ているかもしれませんよ。

  5. BigDaddy | URL | -

    > のっぽ親父 さん

    今年の夏季旅行でとあるネイチャースポットに出掛けましたが、まだまだ三脚は健在みたいですよ(笑)。日中でも暗い場所なのとマクロな人も多かったみたいで、驚くなかれ、一眼レフの人で二人に一人は三脚でしたよ。

    ボディ内手振れ補正が内蔵されているα7II系はOlympusよりも効果は薄いと言われていますが、それでも4段以上はある筈で、滝や川を雲みたいにするには1/3秒前後でしょうから、手持ちで行けると思いますよ~。

    実は今日のネタで息を止める理由を書いているんですが、不用意に左目でファインダーを覗くと曇るんですよ(笑)。ですからシャッターを押す以前、構図を整えたり、AF、MFしている間、今では意識して息を止めるようにしています。

    シャッターを押す時は仰る通りなんですが、私の場合は鼻から吐くとファインダーが曇るので、湿度100%時でも曇らないように少量の息を口からゆっくりと吐き出していますねぇ。結果、シャッターを押す前からほぼ息を止めているのと同じですから、1秒の10枚連写だと結構アップップ(笑)。

  6. BigDaddy | URL | -

    > サンデーハイカー さん

    ありがとうございます。残念ながらカメラマン個々の感覚でしかないですし、ファインダーを右目で見る、左目で見る、たったそれだけで構え方にも違いが出てしまい、具体的にここをこーしてこーすれば止まる!、これは言えませんが、とにかく考えられるありとあらゆるテスト(持ち方、力加減)をする、これに尽きると思います。

    SIGMA sd Quattro、確かにあのカメラは右目でファインダーを覗く人の為にデザインがチューニングされたと言っても良いカメラですから、もしかすると仰る通り、そういう思考があったのかもしれませんね。

    でもそれなら「何かやってくれるSigma」、少量生産でも良いので左目ファインダーの人専用にファインダーが左に寄ったカメラも発売してくれよ!、なんて思ったりしました(笑)。EVFなのでファインダーが横に2センチくらいスライド出来るようなギミックとかあったら、売れる、売れないは別にしてカメラマン全員から賞賛されるでしょうね。Lumix GX7のチルトファインダーも多くが「その手があったか!」と思った訳ですからね。

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