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Sony α6000 レビュー四方山話 その21 高感度域まとめ

2016年03月02日 00:00

廃医院にて

廃医院にて

Sony α6000, E PZ16-50mmF3.5-5.6OSS

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



本ネタで撮影に利用しているSony機材はSony αアンバサダープログラムのモニター企画にてSonyからお借りしたものです。
先ずは本日の写真群について。調べた限り、廃墟系のサイトやブログと言ったネット上では見当たらなかった廃医院だ。ネット上では初物の可能性が高い。

2月が1日長いのを体験するとようやく「ああ、今年は夏季オリンピックだね」と思うようになる。そしてもう暦は春!。

一連の高感度域の描写に関するネタは1ヶ月以上前の1月下旬に書いていた。そしてこの記事が掲載される時には昨年12月25日、Sonyサンタから届いたSony α6000とE PZ16-50mmF3.5-5.6OSSは返却されているんだなぁ~。


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さてと!。α6000で高感度域を使う上での注意すべき点を幾つか・・・。

「シャッタースピードに注意せよ」

ISO1600を超えるような写真を撮る場合、常にシャッタースピードをチェックする事。α7もそうだが絞り優先AEだと1/60secから中々シャッタースピードを下げてくれない時がある。その代わりにどんどんとISO感度を上げてしまう。そしてシャッター優先AEだとISO感度を限りなく下げようとして絞りを浅くする傾向があり、これも使えない。

E16-50mmの16mmを使っていて1/60secでISO3200になる風景はレンズのブレ補正効果(確実にブレないであろう)を1段と見積もり1/15secでシャッターを切れるのだからISO800で撮影出来てしまうんだ。50mm側を使っていても1/30secで撮れば1段下げられる。

だから辺りが暗くなってもファインダーの中で1/60secなんて数値を続けて見るようなら直ちにマニュアル露出+ISOオートにしてPentaxで言うところのTAVモードでの使用をお勧めしたい。これはコンポジットやマルチショットNRと関係なく、どんな撮影でも、私なら夕方になったらそこらの歩き撮りでもマニュアル露出+ISOオートで撮影していた。


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「E16-50mmのブレ補正に大きな期待をしてはならない」

50mm(135換算約75mm)では1/30secで9割近くは補正してくれるが100%じゃないし、16mm(135換算約24mm)では1/15secが同じく9割程度の補正はしてくれるが100%ではない。

何枚か同じカットを撮影し、1枚でも止まっていれば・・・、そんな撮影なら2段以上の効果を期待しても良いが、1コマで決める!、確実性を求めるのなら補正効果は1段と考えるべきだろう。

1コマしか撮らない、マルチショットNR、コンポジット用の素材として絶対にブレたくない!、そんな時は16mm側で1/20secを、中間域で1/30secを、50mm側で1/45secにセットするのが望ましい。

「135換算する事無く『焦点距離分の1』で写真を撮る!」

それでISO感度が上がっても仕方がない。ブレて使い物にならないよりマシ。

勿論、ブレを恐れずに感度を下げて撮るのも間違いではなく、ブレる限界までシャッタースピードを落とし感度を下げた撮影と、感度が上がっても絶対にブレないシャッタースピードでの2コマは撮りたいし、被写界深度を無視すれば絞り開放を使い感度を極力下げる努力もするべきだ。

そして時間に余裕があるのならマルチショットNR、Photoshopの利用を前提としたコンポジットの為に連写も惜しまない・・・、手持ち撮影で暗い場所を撮り、少しでもクオリティを上げたいのならそこまでするべきだ。

※レンズ交換と同じでそうは思っていても面倒だから、または撮影に夢中になり過ぎて、それらをやらないパターンが私も多いんだが(笑)


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「暗所のAFはα7同様に悪い」

高感度域を使う、これは辺りが暗いから。ここでα6000の駄目っぷりは・・・。

Sony α7 レビュー四方山話の中にも書いたと思うが、とにかくAFが駄目。SonyのミラーレスカメラのAFは横のラインセンサーのようなもので被写体に縦線があり、そこにコントラストがないと瞬時で諦めてしまう。

AF補助光が発光しても被写体に縦線のコントラストがないとISO1600でも諦めちゃうから始末に終えない。仕様上ではPentax K-5とα6000の暗所でのAF性能は同等のようだが、9箇所にクロスセンサーがあるK-5の方がAFがしっかりと働いてくれる。

※Pentax K-5はAF補助光がしっかりと届く範囲ならばISO51200を必要とする場面でもピントは合う

洋服ダンス。部屋を暗くして引き出し式の洋服ダンスの中央にピントを合わせようと思うと引き出し式だから縦の線がない。だからAFはすぐに諦める。反対に観音開きの洋服ダンスであれば中央に縦のラインがあるのでしっかりと合焦してくれる。

引き出し式洋服ダンスを撮りたかったらカメラを縦位置すれば横のラインセンサーが縦センサーになるのでバッチリ合ってくれる。言い換えると観音開きダンスを縦位置で撮ろうとするとAFは合わない。縦のコントラストに対して縦にしたセンサーを使っているからだ。

AF測距中だけはカメラを45度斜めに構えればこの欠点は運用でカバー出来る。これだと縦横どちらかにコントラストがあれば引っかかってくれる確率が高くなる。但し、全く合わないAFの確率が上がるのだから高が知れている。そうなると代理測距をするかAFを諦めてMF(MFアシストでピント位置拡大)で撮影するかしかない。

そしてたった今、仰天の事実が・・・。

うちにあるピアノ(キーボード)の鍵盤。F4、1/60secでISO1600の明るさ。これをドアップ、白鍵にピントを合わせマクロっぽく撮ろうとした。正面から狙えば鍵盤は1つ1つに縦のコントラストが付いているからカメラを横位置で構えるとピントが合う。でも縦位置で撮影すると100%の確率でAFはごめんなさいしちゃう。

お判り?。明るい暗いは関係なかったんだ。ミラーレスやコンデジのAFはコントラストのない真っ白い壁とかでも合焦したりするから、α6000のAFが縦線にしか反応しなくてもほんのちょっとでもコントラストがあれば合焦するもんだと思っていた。

しかし実際には横の線に対してカメラを横位置で、縦の線に対してカメラを縦位置で狙えばAFは100%に近い確率で諦めてしまう!。まぁラインセンサーだったら当然と言えば当然だが、一眼レフではクロスセンサーが当たり前だからこういうのにはビックリする。

※そう言えばNikon D90のAFも中央以外の全てがラインセンサーでびっくらこいたのを思い出した

そして暗がりではコントラストがないので肉眼では縦横の線がしっかりとあると思っている被写体でもAF補助光を付けても合わなかったりする。ホント酷いもんだ。「えっ?、これも合わないの?」と撮影中に独り言が出ちゃう。

そしてピントを合わせやすくしようとフレキシブルスポットの大きさをLサイズに変えると今度は意図した場所にピントが行かない。これの理屈も一緒。横位置で構えていたら被写体の縦のコントラストにAFが引っ張られるので奥にその縦のコントラストがあったらそっちにピントが行っちゃうんだ。

とにかくカメラを斜めに構えても、フレキシブルスポットの大きさを変えてもAFが怪しかったら素直にMF、ピント拡大で自分の目でしっかりと確認した方が良い。


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「高感度での画質」

α6000の高感度域、「意見には個人差がある」、これを踏まえ一言で「悪い」とは言い辛いが、Sonyの撮って出しJPGのノイズリダクションは気色悪く感じる。ISO3200までは「弱」を利用すれば大きな文句はないが、それを超えたら(等倍で鑑賞する上で)標準にしようが弱にしようが絶対に使いたくないと思わせる像を見なくちゃならない。

カメラの画像処理エンジンでのノイズリダクション処理はPentaxの方が遥かに上手いし、Olympusで揶揄される塗り絵になってしまうノイズリダクションの方が見た目は綺麗だったりする。Sonyのそれは中途半端で雑な塗り絵写真なんだ。

そんな不快な絵をLightroom、Capture One Pro、DxO Optics Pro、そしてRawTherapeeでRAWから現像すると撮って出しJPGより優れた像になってくれるのだから、Sonyのノイズリダクション技術は大した事がないと私個人は思っている。

ISO1600を超えたら撮って出しJPGは一切使わない人間なのでα6000なら(自分が撮る風景であれば)ISO6400までは納得の行く像になってくれるので大きな問題とは捉えていないが、撮って出しJPGを重要視される方はDxO Markの許容数値に近いISO1600で限界と思うべきかも知れない。頑張ってISO3200が使えるか?、程度。

とにかくSonyの2400万画素センサーは高感度の描写は評判通りISO800でもシャドー部にはノイズが浮いてくる。これは画像処理エンジンのノイズリダクション処理とシャープネスの掛け方が悪いと推測していて、丸でPentaxのエクストラシャープネスをガンガンに掛けたような像になってしまう時がある。

輝度差がある風景をRAWから仕上げる場合、ハイライトが飛ばない程度の露出で撮影し、落ち込んだシャドーを現像ソフトで持ち上げるのが常套手段だが、ISO800ともなるとダイナミックレンジが狭いとでも言おうか(イコールノイジーな写真)、1段以上持ち上げるとノイズが浮いてくる。

またDレンジオプティマイザーをオンにしているとシャドー部を無理矢理持ち上げているのでそこにノイズが出てしまう。こういうのをISO800の段階で考慮しなくちゃならない。

ぶっちゃけ被写界深度をイコールにするのならレンズ性能をしっかりと発揮出来るm4/3の方が描写に関しては優れているんじゃないかと思うくらいだ。α6000でISO800の像はm4/3だとISO400で済むからだ。

Lightroomでノイズを処理するとディテールとの兼ね合いでノイズを消しきれなくても粒の揃ったノイズ感になるのだが、Sonyのシャープネスとノイズリダクション処理は平面にテクスチャー、そんなところにディテールなんて必要ないのに「あばた」のような模様が浮かび上がったような形状のノイズが出てしまうんだ。

※Pentaxのエクストラシャープネスと同じくシャープを掛けなくて良い部分にまでシャープを掛けるっぽいので平面の像が汚く見えてしまう

勿論、A3ノビプリントならその辺りの感度のノイズは無視出来るレベルなのだが、パソコンで見ていると「ISO800の癖して汚ねぇなぁ~」と思うのは事実。このテクスチャーめいたあばたノイズが好きか嫌いかによって評価が異なるのだろう。


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「なんだかんだとAPS-Cセンサーだからこんなもんでしょ!」

悪口しか書いていない気がするけれど私個人は「AFの質」に関しては不満があるものの、画質に関しては大きな不満はない。むしろ満足していると言っても良い。α6000がどーのではなくAPS-Cセンサーなんだからこんなもんでしょ!、APS-Cと言う規格の中で十分に合格点を与えられる、そう考えているからだ。

結局は「写真の成果物はなんですか?」って事。

ひたすらパソコンで等倍像を眺めて美しさを競いたいのだったらそもそも高感度なんて決して使っちゃ駄目、ISO800以上になるような明るさならISO100のまま三脚で固定しましょう!、それが出来ないのならどんなカメラにも文句は言っちゃならないのかもしれない。

135センサー搭載カメラを使ったところで所詮ノイズ耐性が1段増えるだけでしょう?。α6000のISO800が不快だって人は135センサー搭載カメラのISO1600が不快な筈なんだ。

これはm4/3とAPS-Cの関係もそうで、m4/3の高感度が駄目だって人はAPS-Cを使っても一緒。被写界深度の差を考慮すれば135と比較したって大した違いはないだろう。135センサーカメラで絞りF5.6、ISO6400の像はm4/3ならF2.8のISO1600だ。F2.8の絞りでも周辺まで描写するレンズがm4/3にあればセンサーサイズ程の大きな差は生まれない気がしてならない。

m4/3に未来を感じるのはこの辺なんだな。ただ・・・、最近のm4/3カメラ、OlympusもPanasonicもボッタクリ度がさらに増しているようでどうにも最新のカメラを使いたいとは思わないのがネック。今度のPEN-Fなんてさすがにその値段設定は・・・と首を捻っている。

結論・・・。

成果物がA3ノビプリントならばとことん不快に思っているSonyのノイズリダクション処理だって気にならなかったりするし、ぶっちゃけちゃうとカメラなんてなんだって良い!、って事なんだ(笑)。

何しろ私はしょ~もないセンサーを搭載しているOlympus E-P3のISO1600の像でも自分が撮る風景に対しては文句がないのだった。

また上述の通り、PentaxのエクストラシャープネスはISO400を超えてくると面の部分にもシャープネスが掛かりシャープネスノイズが出てくるが、結構平気で使っていたりもする。

Pentaxのエクストラシャープネスはネイチャーフォトではかなり効果が高く、郊外へ出掛けて遠景撮影する場合はそれにセットする事が多い。ところが「ISO400を超えるとノイズが出てくる」、これをすぐに忘れちゃう。

今の時期なら午後の4時を回れば絞り込んでの撮影ならISO400を超えてくる。でも自分がエクストラシャープネスを使っているのを忘れている。そして午後5時を回り「800」、「1600」と言う数字をファインダー上で見て「あっ!、いけねぇ!、エクストラシャープネスのまま撮っていたぜ!」と後悔する。

とは言え、Lightroom等で再現像すれば良いだけだし、A3ノビプリントくらいなら風景によるものの高感度でエクストラシャープネスを使っても目立ったノイズを見つけるのは難しい。

それはSonyの撮って出しJPGでも同じで等倍で見るとノイズとシャープネスの機能がPentaxの画像処理エンジンよりも劣ると思えるα6000のそれも気にならないんだ。

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コメント

  1. auf | URL | 3eyVfeeo

    昭和30年代?の医院が荒らされもせず残っているとは驚きです.

  2. BigDaddy | URL | -

    > auf さん

    雰囲気は昭和ですが、平成の初めくらいまでは営業していたみたいです。
    この日は時間がなくチャチャッと撮っただけなので後日また訪れようと思います。

  3. ハッセルじいちゃん | URL | lalX43Vc

    こんにちは!
    ここって町の診療所でしょうか。
    荒らされてないのは、ここが病院だからでしょうね。
    洗面器で手を洗う音がピチャピチャと・・・(汗;

  4. ピンぼけ小僧 | URL | EBUSheBA

    危険な薬品は残ってないですよね。薬品の瓶が残っているので心配ですよ。

  5. BigDaddy | URL | -

    > ハッセルじいちゃん さん

    そうですね、病院と言うよりは自宅も兼ねている医院、診療所です。
    廃墟マニアでも病院系は行かない人もいるみたいです。私もこの手の昭和の診療所は行けますが、鉄筋の廃病院は絶対に何か出ると思って行きません(笑)。ホント、ピチャピチャと音がしそうで・・・。

  6. BigDaddy | URL | -

    > ピンぼけ小僧 さん

    一般的な医院、診療所で、それも営業をしていないので危険なものはないとは思いますが、いずれにせよ閉院して20年は経っているでしょうから、棚に並んでいるものは皆人体には悪影響があるかもしれませんね(笑)。

    こういう場所は、住所を公開しちゃうすぐに荒らされちゃうので廃墟マニアだけじゃなく、残っている薬品をどーにかする輩もいるかもしれず、誰にも教えない事にします。

  7. コウノトリ | URL | Zu6GYWc2

    講釈が垂れたいのか、いい写真が撮りたいのか・・

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