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我ら「ジャンクレンズ救出隊」、SMC PENTAX-M 100mmF2.8を救う

2016年01月12日 00:00

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Pentax K-5, SMC PENTAX-M 100mmF2.8

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



「ジャンクレンズ救出隊」、詳しくは2015年12月19日の記事を参照されたし。

今回はPentax SMC-M 100mmF2.8(以下M100mmF2.8)の救出に成功したのでファーストインプレッションでも・・・。




2015年12月19日の記事で救い出したSMC-M 50mmF1.4よりジャンク度は低い。前玉周辺にちょいカビ、後玉にもカビが見えるが写真に写りこまない程度、よってお店やネットオークションによってはそこそこの額で取引されているであろう玉。

1月4日時点、このレンズで354枚撮影を撮影しており、APS-CセンサーのPentax K-5では全く問題のない像を結ぶ事が判っている。

パソコンでさらりと眺める限り、完全な逆光でのコマはないものの、半逆光(太陽がフレーミングされていない)でもコマでも著しくコントラストが低下したり、不自然なゴースト、フレアーはない。ジャンクの中でも実用に十分耐えられるレンズ。

※勿論、2万円前後で取引されている良品と比較したらコントラストの低下や周辺部の描写は悪いだろう

SMC-M系レンズのほとんどはフィルター径49mmで設計されており、このM100mmF2.8も然り。だから他社の100mmF2.8、105mmF2.8と比較するとかなり小さく感じる。当然現行のレンズと比較したら「どうしてこんなに小さく作れるんだ?」と言うくらい小さい。

SMC-M50mmF1.4と比較するとピントリングが2倍に太くなった程度の違いしかなく、他社のカメラマンが少し離れてこれを見たら50mmF1.4と勘違いするくらいのサイズだろう。


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注目はフード!。旭光学のオリジナルが付いている!。どうやらSMC-M85mmF2、SMC-M100mmF2.8、SMC-M100mmF4macroの共用フードならしい。そしてこのフードがあるかないかで中古価格が大きく変わるそうだ。

APS-Cセンサーで利用するともうちょっと深いフードが欲しいところだが、オリジナルフードだし、これ以上フードが大きくなるとせっかくレンズ本体が小さいのだから逆光耐性が多少悪くなってもこれくらいが良いと思う。

そしてこのフード、フィルター径が49mmならどんなレンズにも付くのだから、手持ちのSMC M50mmF1.4などに付けても良くとっても便利だったりする。
M100mmF2.8、全く期待していなかった。ぶっちゃけちゃうとこのレンズを手に入れても大きな喜びを感じなかった。極普通の40年近く前の中望遠オールドレンズの描写しかしないだろう、そんな予測を立てていた。

F5.6まで絞らないとカリッとしないんじゃないか?、そしてそこまで絞るのだったら70-300mmクラスの普及タイプの望遠ズームとあまり変わりないんじゃないの?、利便性を考えると現行のAF、AEが使える望遠ズームが良いよね・・・。

ところがどっこい。さすがにF2.8の開放は甘さを感じるが、オールドレンズ特有の絞り開放時の滲んだような描写はせずにピントの合った部分はそこそこシャープなんだ。そりゃぁ遠景を絞り開放で撮ったら目茶甘で現行レンズに大敗を喫するものの、そんなに遠くない風景なら絞り開放でもプリントサイズを考えれば十分過ぎる画質を持っていた。

85mmや100mmと言った中望遠レンズは人物、ポートレート写真に多く使われており、イコール、浅い深度で撮影に挑むことが多く、絞り開放でもそこそこの描写をしなくちゃならない。確かにフィルム時代に使っていたCanonのNFD85mmF1.8やEF85mmF1.8の絞り開放描写も結構しっかりしていた。

それでも40年くらい前のレンズ、NFD85mmF1.8と比較しても一世代古いレンズなのだから描写力なんてたかが知れていると思っていたんだ。でもシャープなんだ!。ホント、ビックリした。

※以下の写真、撮って出しJPG、ノーマルシャープネスの+2設定。クリックすると長辺1200ピクセル、等倍切り出し像は1000ピクセルの像を見られる


絞り開放隊

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ピントを合わせた部分

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F5.6後方支援隊

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ピントを合わせた部分

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左端

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右端

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F5.6、F8ともなると「えっ?、これってオールドレンズですか?」、そう感じるくらい周辺部までしっかりと描写してくれる(さすがに四隅は微妙だけど)。単焦点F2.8開放レンズでF5.6まで絞って描写が甘い筈はないのは判っているが(甘かったらカビ、クモリ、もしくは不良品を疑うべき)、期待していなかっただけに「こりゃ掘り出し物だぜ!」。

絞り羽根が6枚、これが唯一の残念項目か?。絞り込んで背景に点光源があるとボケの形状が六角形になり、人によっては汚く見える可能性がある。ポートレートレンズなら8枚を奢ってやっても良かったのかもしれない(8枚にして当時は円形絞りなんて無かったろうから六角形が八角形になるだけだが)。

※二線ボケを除けばボケ味に多大な拘りがない人間なので六角形だろうが八角形だろうがあんまり気にならないんだが・・・


逆光時(ほぼ真上)

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切り出し(絞りF5.6)

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絞り開放隊

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切り出し(開放)

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このレンズを使う上での難点は2つ!。

1つは自分の目、そしてPentax K-5の限界!。絞り開放で撮影したコマ、ピンボケの大量生産。スクリーンのマット面で合わせるのなんて100%無理だし、Pentaxの一眼レフはMFレンズであってもフォーカスエイド機能(合焦した際に合焦マークが点灯)があるがK-5のそれは信頼出来ない。

K-5II、K-5IIsから中央の測距点だけF2.8光束AFを採用しており、それ以前のカメラはF5.6光束だった筈。そしてこれはAFだけでなくMFの合焦精度にも関係しているらしい。

とにかくワーキングディスタンスが長い、辺りが暗い、そんな撮影でF2.8の開放で撮影するのは無理!。

本日トップ写真も本当は絞り開放像をお見せする筈が、こんなに近い位置にある被写体なのにピントを外して、「一段絞り隊」のコマを採用している。

ボディにK-5を利用している限り、そして乱視を矯正しない限り、M100mmF2.8はF4を基準に撮影をするべきだろう。とにかく1段絞ったF4を使えば遠景でもおおよそカリッするから解像感重視の私には丁度良いかもしれない。


一段絞り隊(半逆光)

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切り出し(ピント位置)

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切り出し(周辺上部)

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切り出し(周辺下部)

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切り出し(右上隅)

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切り出し(左下隅)

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ご覧の通り、1段絞っただけでかなり具合が良くなる。四隅は若干緩い気もするが、この手の望遠レンズで四隅まで難癖つけるのはどうかと思うし、F8まで絞り込めば四隅も十分に解像感が出る。

そしてもう1つの難点は画角だ。135換算で約150mmの画角。昔、レンズと言えば広角の28mm、標準の50mm、望遠の135mmを持っていれば何でも撮れると言われていたが、M100mmF2.8をAPS-Cで使うと135mmを超える望遠効果があるから被写体選びにエライコッチャ!。

それに見合う風景を見つけられるし、ぶっちゃけ上の東京駅のように適当に遠景を切り取ったり、トップ写真のようにとにかく寄って背景をボカしてパチリすりゃ良いだけだから慣れちゃえば簡単なのだが、慣れるまでに時間が掛かった。

今後、常にこのレンズを携帯すれば難点が難点でなくなる筈。でも通常のお散歩写真ではやっぱり上述の通り70-300mmのAFズームレンズの方が遥かに自由度が高い。そしてAPS-Cセンサーで利用する限り、TamronとSigmaのそれは解像感は高く、大きなボケが欲しいと思わない限り、100mm以上の単焦点を必要としない。

そしてうちには同じ100mmにAFマクロのDFA100mmF2.8Macroがあるから無理にこいつを持ち出す意味も無かったりする。M100mmF2.8は小さくて軽いからどうしても機材を最小限にしたい時くらいにしか使わないかもしれない。

でもこれでPentax KマウントのMFレンズが24、50、55、100、135、200mmと揃ったのでこれらは将来購入予定のSony α7系で活躍させたいと思っている。それまでは大切に保管するさ!。とにかくM100mmF2.8、解像感は満足しているので、いつかこれを135センサー、100mmの画角として使ってみたいんだ。

※春に発売予定のPentaxの135一眼レフ、Pentaxファンには申し訳ない、全く興味が無かったりする

勿論、手に入れて間もないM100mmF2.8レンズ、冬の間くらいは多用するつもりではいる。


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コメント

  1. のっぽ親父 | URL | ibdEl2N.

    100mm 2.8ほんと解像していますね。なかなか良い値段で奥に出ていますね。友人にあげましたがSMCの135mm F4 もしっかり解像していた覚えがあります。24-200までなかなかのラインナップで持ち出すレンズを選ぶのが楽しいことでしょう。

  2. ピンぼけ小僧 | URL | EBUSheBA

    一時ブームだったオールドレンズのジャンク品を何本か手に入れてみたが、残念ながらAFレンズに慣れきった身にはMFレンズのピント合わせ難敵になっておりました。
    特に暗い望遠レンズのピント合わせは難儀です。

  3. BigDaddy | URL | -

    > のっぽ親父 さん

    期待していなかっただけに嬉しい驚きでした。Pentaxの中望遠レンズは昔から評判が良かったようですね。A85mmもFA85mmも最高のポートレートレンズだったそうです。

    まぁα7系を買うのは当分先のことでしょうから、それまでに少なくとも24mmレンズだけはカビが激しいので多少お金が掛かってもカビ取りメンテをして貰おうと思っています。

  4. BigDaddy | URL | -

    > ピンぼけ小僧 さん

    私もマット面でピントを合わせるなんてまず無理です。フォーカスエイド機能を用いても遠景になるとK-5クラスのカメラでは信頼出来ませんし。

    もはやMFで駆動するオールドレンズは一眼レフの為のものじゃなくミラーレスカメラの為にあるようなものなのでしょうね。ミラーレスのピント合わせに慣れればMFでもまずピントを外す事はないでしょうから。

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