2015年08月11日 00:00

sony α7, Sonnar 55mmF1.8
F4, 1/60sec, ISO16000, マルチショットNR
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但し、本記事は落ちはないので悪しからず!(笑)。単に以前書いたレビューを掻い摘んでここにまとめてみただけ。
本ネタに掲載している写真は全てSony αアンバサダープログラムのモニター企画にてSonyからお借りした機材で撮影しています。
さぁ、今日はα7の良い点、悪い点、普通の点を思いつく限り挙げていく。昔テレビでそんなバラエティあったよね、懐かしいのぉ~。但し、本記事は落ちはないので悪しからず!(笑)。単に以前書いたレビューを掻い摘んでここにまとめてみただけ。
「良い点」
1、とにかく安い
135センサーを導入したカメラ、なのに現時点で10万円前後、28-70mmF3.5-5.6のキットレンズ付きでも12万ちょい、APS-Cセンサー搭載の一眼レフの上級機と同等の価格帯、これぞ価格破壊!。
恐らくもうすぐ平気で10万円を切る価格になるだろう。Sonyがそれを嫌って生産終了しない事を望みたい。このカメラはベーシックモデルとして長きに渡り販売するべきだろう。
2、とにかく軽い!
ミラーレスだから当たり前なのかもしれないが、キットレンズの28-70mmF3.5-5.6を装着していても、Sonnar 55mmF1.8を付けていても全く重さを感じない。レンズの玉も含めて全てがプラスチックで出来ているのではないかと疑う程。
カメラにレンズを装着し、そのままストラップを小指に引っ掛けても全然苦痛じゃない、これって当然のようで凄い事だと思う。
3、マルチショットノイズリダクションは使える
残念ながら仕様の面でマルチショットノイズリダクションは更なる進化を遂げるべきだが(Sonyの開発者って何か勘違いしている気がしてならない)、現時点のマルチショットノイズリダクションでも被写体が比較的近い位置にあればISO12800なら十分に使える。
本日の写真もそれで撮影したコマ。ISO16000で等倍で見るとカラーノイズも消しきれていないし、輝度ノイズも残っている。カラーノイズに関してはLightroomで修正を加える必要があるが、この風景だと輝度ノイズはさほど目立たないのでA2くらいまでは楽にプリント出来るのではなかろうか?。
4、クリエイティブスタイルは使える
カメラ内で使ったクリエイティブスタイルはスタンダード、クリア、ニュートラルの3種だけだったが、純正の現像ソフトであるImage Data ConveterやLightroomのカメラプロファイルを使うと特にクリア、ディープ、ライトの3つは非常に使い勝手があった。
クリアはコントラストが付き過ぎるので万能ではないが、コントラストを少し弱めれば常用可能。ディープとライトは被写体によって表現を使い分け出来、せいぜい露出の上げ下げくらいでほぼデフォルトで良い感じになってくれる。
元々、Lightroomのカメラプロファイルを改ざんしてPentaxカメラなどにSony Nex-7用のクリアを使ったりしていたので、ようやく本家のカメラでそれを楽しめた。
もしカメラ内のクリエイティブスタイルを使うのならクリアでコントラストを-1にするくらいが、特に東京の街風景にはマッチするだろう。
5、全ての欠点に目を潰れる
ぶっちゃけ凄いカメラでも何でもないんだ。単に135センサーが付いているレンズ交換式カメラでしかない。
でも多々ある欠点の全てに目を瞑ってもこの4つの良い点だけで買う価値はあると感じる人は多いだろう。それは自信を持って言える。
「悪い点」
1、デザインが試作機レベルでしかない
言わずもがな。α7、α7R、α7S共通の悪い点はデザインだ。これをカッコイイと感じる人のセンスを疑う。II型でようやく市販カメラらしくなったが、初期型のα7シリーズのデザインは試作品レベル。
2、取扱説明書と異なる独自のAF-S仕様
一般にAF-SはAFが合焦しない限りシャッターが押せない仕組みになっている。α7の取扱説明書にもそのように解説がされている。ところがピントが合っていないのにシャッターを押せてしまうんだ。
実際にはピントを合わせている間は決してシャッターが下りないのだが、測距点位置のコントラストが低いなどの原因でフォーカスするのを諦めちゃう時がある。それはAFが停止したのを意味する。そしてその瞬間にシャッターを自在に押せるんだ。当然そんな時はピンボケている。
要するにα7のAF-Sは「AFがピントを合わせている間だけシャッターを押せない」だけ。こんなのはファームウェアで簡単に修正出来ると思うのだが・・・。
発売から結構月日が経っているのにこの状態なのだから、Sonyがその手法に間違いないと勝手に勘違いしているんだろう。これは馬鹿仕様以外のなにものでもない。
ピントが合うと測距点のマークの色が変化するから運用で解決出来るのだが、運用云々ではなく、仕様がおかしいんだ。どうしてこれをα7ユーザーは声を大にしておかしいと訴えないのか?。
3、暗所でのAF精度が悪い
精度が悪いと言うよりもピントが合ってくれない。仕様だとEV0からAFが機能するらしいが、嘘と言い切っても良い。
またAF補助光を発光しているのにピントが合ってくれない時も多々あった。補助光が弱いのか補助光の角度がおかしいのか?、良く判らないが、とにかく暗い場所では使い物にならない。
勿論、全く合わない訳じゃなく、暗い場所でもなんとかコントラストの強い場所が見つかればそこには合ってくれるし、ISO12800程度の状況であればAFを捨てMFでEVFを拡大表示させればピントは合うのでなんとか我慢出来るレベル。
補助光なしだとPentax K-5とほぼ同等、補助光を照らすとK-5の方が上。当然、α7は暗所AF性能がアップしたK-5II系やK-3系のカメラは遠く及ばない。
4、ミラーレスの癖して見た目と保存された写真とで明るさが異なる
主に暗い時にレンズを絞り込んでいるとこの現象に陥る。Sonyは実絞りをEVFとモニター表示に採用しているようで、レンズを開けたり絞ったりすると被写界深度が変化するのが判る。
しかし絞り込むとレンズに入ってくる光量が減るのでEVFもモニターも暗く映ってしまう。それで慌てて露出補正をプラスに振って撮影してしまうとドオーバーの写真が出てくる。
半段程度の違いなら誰も文句は言わない。しかしおおよそF5.6を過ぎたくらいから光量が減ってEVF、モニター表示ともに暗くなっていく。結果、F16まで絞り込んでいるとEVFで見ている像と出来上がりの写真とでは3EVの開きがあるんだ。しかもそれをSonyのお客様相談サポートは全く理解していない事実!。
暗い場所でレンズを絞っていたらEVFとモニターの表示は露出において全くあてにならない。ミラーレスでそんなカメラがあるなんて・・・。
OlympusのE-P3はレンズの絞り開放での表示をさせているのでレンズを絞ると被写界深度の確認は出来ないが、その代わりちゃんと撮影される写真と同じ明るさで見せてくれる。普通はこれでしょ?。
そしてE-P3では被写界深度の確認用の機能も用意されている。α7はデフォルトが被写界深度の確認用になっているが、明るさそのものをカメラマンに伝える機能は一切持っていない。いや、あるにはあるのだが、その機能もレンズを絞り込んでいたら役に立たないんだ。
これもAF-Sと同じでファームウェアでなんとかなりそうなレベルだし、ユーザーが騒がないのが不思議でしょ~がない。現時点で対処していないのだから、きっと今後も期待しない方が良いのだろうな。
これとAF-Sの問題だけでバカメラと表現しても良いくらいだ。
5、シャッター音が馬鹿でかい
135のシャッターユニットを搭載しているのでマイクロフォーサーズやAPS-Cセンサー用のシャッターよりも大きな音がしてしまうのは仕方ないが、それでも大き過ぎる。開発陣が静音化に対して全く努力をしていない。
α7Sでは電子シャッターのサイレントモードが付いたり、α7RIIではシャッター音が半減したそうだが、α7に限ってはびっくりするくらいのシャッター音だ。その音に酔える、それも確かだが、そんな音がしては困る!、これも確か。
もう一度書こう。無印のα7は上級機でも何でもない。単なる135センサーが付いているレンズ交換式カメラのベーシックモデルでしかない。PentaxならK-S1と同じレベルのカメラだ。
6、メニュー内の項目名や分類が煩雑
頭の悪い人間が設計した、もしくはそれらは海外で設計され、それをアルバイトの日本語を知らないあんちゃんが適当に日本語化しただけと思うくらいメニュー内の項目名や分類が変。とにかく説明書を読まないと判らない項目が多過ぎる。こんな馬鹿みたいなカメラ初めてである。
私如きに頭が悪いとか馬鹿とか言われてしまうのだから、Sonyの関係者、メニューのあり方を一から考え直すべきだ。
7、バッテリーが貧弱過ぎる
バッテリーの規格をAPS-CのEマウントカメラに合わせた、現Sonyユーザーはその方が良いかもしれない。だからこれも1つの考え方である。
しかしα7は孤高の存在。新たに新設計のバッテリーを用意するべきだったのではなかろうか?。そして、もはやそれは不可能なのだから、α7Sではバッテリーが最初からおまけで2個付いてくるらしいが、それを全α7カメラで行うべきだ。
私が使った限り、主にEVFを使用し、最高で450枚、最低では300枚程度だった。平均すると330枚くらいだろうか?。要するに6月と言う時期でおおよそ300~350枚でバッテリーが切れる。これは旅行に出掛けたならバッテリー3個あっても足りないくらい。
8、システムとして・・・
現時点でレンズが少な過ぎるし、安い撒き餌レンズがほとんどない。α7を欲しいと思うカメラマン全てがZeissレンズやGレンズを欲しがると思ったら大間違い。
どうやらFE28mmF2、これが撒き餌レンズならしいが、そのシリーズで50mm、100mmくらいの単焦点は出すべきだろう。
「普通の点」
1、超高感度域が普通過ぎる
5月30日のキックオフミーティングでやたらとSonyカメラは内製のセンサーを使っているから他社よりも有利、これを強調されていたが、少なくともα7の2400万画素センサーは至って普通の性能。
135センサーは超高感度に有利、ノイズ耐性がある、だからダイナミックレンジも広い、これは間違いではないが、実際には被写界深度を考慮するとα7の2400万画素センサーの高感度域は大した事はなく、ダイナミックレンジも広いとは感じなかった。特にハイライトに対しては弱い。
ノイズに関してはISO12800でもコントラスト、シャープネスは絵に残っているのでギリギリ使える。ISO25600は現像ソフトで上手く仕上げればA3ノビプリントも出来るだろうが、何しろ等倍像の絵が汚いから上手く仕上げる気にならないんだ。
また撮って出しJPGや純正の現像ソフトのノイズリダクション処理は正直申し上げて何が良いのかさっぱり判らない。これもキックオフミーティングで「うちの画像処理エンジンは優れている!」と豪語されていたが、開発者とユーザーとの思考の隔たりはかなりあるぞ!。早くそれに気付くべきだ。
2、ユーザーインターフェース
最初はコンデジの延長でしかないユーザーインターフェースに不快感を持っていたが、1ヶ月も使っていると慣れてくる。とは言え、誤操作をしやすいインターフェースなのは確かであり、それを意識しながらの操作を常に強いられる。よって可もなく不可もなく・・・。
ただユーザーモード(MRモード)が2つしかない、これには閉口した。最低でも3つ付けろよ、ドケチ!、と大声で言いたくなってしまう。
3、チルト式モニター
最初、背面のモニターがチルトするなんて全く思わなかった。ある日、ふと見るとなんか背面が浮いているんだ?。あれっ?、と思ったらチルト出来ちゃった(笑)。
チルトがあるのとないのとでは雲泥の差。EVF派であるが、どうしてもEVFでは撮影出来ない風景だってある。
但し、何故これが普通の点になったかと言うと・・・。
チルトにするのだったバリアングルにして欲しかったよなぁ~、と欲が出ちゃうんだ。それともう背面液晶が固定されているカメラなんてシーラカンスカメラだと思う。
4、本体にブレ補正機能がない
一見、悪い点に入りそうでしょう?。でも違うんだ。もう一度書いちゃおう。α7は上級機ではない!。ベーシックモデルだ。だからブレ補正機能がないのは当たり前、そう思うべし!。
ブレ補正が内蔵されていないレンズであっても今回お借りしたのはSonnar 55mmF1.8なので落ち着いて撮っていれば1/45secでブレないし、頑張れば1/30secも使える。そして一応ISO12800までは使えるのだから、(ブレ補正があるに越した事はないが)余程の長玉を持たない限り、特に必要と言う訳でもない。
こんなものかな?。それぞれ詳細はこれまでのSony α7 レビュー四方山話にみっちりしつこい程に書いてあるので気になる方は参照されたし。
あとは皆さんがこれをどう感じるかである。良い点に書いた通り、「安くて軽い」、これだけで他の欠点を無視出来るカメラでもあるし、反対にAF-Sやミラーレスカメラの癖に露出の確認が撮影前に出来ない不思議仕様に嫌悪感を持つカメラマンだっていらっしゃる筈だ。

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