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Sony α7 レビュー四方山話 その11 超高感度 Pentax K-3 比較

2015年07月10日 00:00

いつもの廃物件

いつもの廃物件

Sony α7, FE28-70mmF3.5-5.6

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



本ネタに掲載しているSonyの機材で撮影された写真はSony αアンバサダープログラムのモニター企画にてSonyからお借りした機材で撮影、Pentaxの機材で撮影された写真はPentaxから昨年お借りした機材で撮影しています。
Sony α7の吐き出す超高感度像、ISO6400を超えると撮って出しJPG像は全く好みに合わないので、今日の話はRAWをLightroomで現像したら・・・、そんな観点で進めて行く。




確か5月30日のミーティングで画像処理エンジンでノイズリダクション処理には自信を持っていると担当者が言われていたと思うが、開発者とユーザーとでは見るところが違うのだろう。私は駄目、マルチショットNRで出力されるJPGはISO12800までは優れていると感じたが、1枚写真のノイズリダクションを掛けた超高感度域のJPG像はちょっと気持ち悪い。

これはPentaxでもそうなんだ。撮って出しのJPGのノイズリダクションはどうも好みに合わない。何故かメーカーの開発者ってのはノイズリダクションはうちが一番です!、みたいな発言をしたがる傾向にある。そりゃぁ二番です、上があります、なんて言えないから仕方ないのだが、この人達、大風呂敷を広げちゃっているなぁ~。

そしてメーカーのサポート部門の駄目な点はこちらが「Lightroomではこうなるんだが・・・」と切り出すと「自社の現像ソフトでしか試しておりませんのでLightroomがどう言った像になるのかは判りかねます」と言う馬鹿丸出しの返答を寄越す。

Olympusがそうだった。E-P3は撮って出しJPGやOlympus Viewerで現像するとISO200であっても低輝度、暗い部分にノイズリダクションを掛けてしまう。Lightroomでは決してそうはならない。そこで「Lightroomではこうなんだけど・・・」と話すと上のようなか返答をされる。話が先に進まない。

しかもこの時は「ISO200ではノイズリダクション処理はしていない」と断言したんだぞ!。だったらあのモヤモヤは何だよ!、となるでしょう。そうしたら「仕様です」だって。もう笑うしかない。

メーカーの人間ならばLighroomやCapture One、Optics Proと言った汎用現像ソフトを理解していて当たり前だと思うんだ。各個人はきっと(写真好きならば)社外の汎用現像ソフトを使っているだろう。しかし企業人間としてどうしても社外品を使っていると言えない状況、これは改めるべきではなかろうか?。

修理を含めたサポート部門はメーカーとユーザーが唯一繋がっている部分でしょう?。何故かメーカーはそれを理解していない節がある。そして今回のミーティングでは本来決してやり取りしない関係、開発者とユーザー、もしくはユーザー予備軍と言うとの画期的なミーティングを設けたんだ。

ノイズリダクションはうちの現像処理エンジンが一番です!、こんな台詞も、開発部門であってもこうやってユーザーと対話しているのだから、当たり前の事を言わずに、他と比較して何が異なるのか、一番なら特徴を具体的に述べて欲しいわけ。その比較として利用出来るのがLightroomだと思うんだ。

誤解の無いように・・・。

α7のノイズリダクションもPentaxのノイズリダクションもA3ノビ~A2プリント前提なら大きな問題は無い。ここで述べているのは等倍像を気持ち良く見られるか否かだし、私の考える理想のノイズリダクションの話でしかない。

本当はここで撮って出しのJPG像お見せするのが良いのだろう。私の理想が妙なのか、メーカーの処理が下手なのかが一目で判るに違いない。ところがそれが出来ない。

と言うのも好みじゃないから借りた翌日、5月31日にはどんな感度でもα7のノイズリダクション設定は標準ではなく弱に設定し、最終的にはそれをオフにしたコンポジット用の素材でしかない。そりゃぁISO12800、25600をオフで使用していたら像はグチャグチャだ。

本来ノイズ軽減の為のコンポジットはRAWから1枚1枚現像するべきだが、Pentax K-5でもK-3でもISO6400までならわざわざRAWを使うまでも無い。JPGの像をコンポジットするだけで良質を絵を作れる。Pentaxカメラでもそれ用のJPGのノイズリダクション設定はオフにしている。

ではタイトルの通り、Pentax K-3との比較。皆さんはどう予想される?。

同じSonyのセンサー、135フォーマット2400万画素のα7、面積が半分に満たないAPS-Cフォーマット2400万画素のK-3。ダイナミックレンジにせよノイズにせよα7が有利、誰もがそう思う。しかもK-3は巷では超高感度域はK-5系よりも悪いとされている。特にDxO Markの数値を信じられている方はα7の圧倒的勝利!、と信じて疑わないだろう。

結論を先を書こう。α7が超高感度を苦手とするのか、K-3が頑張っているのか?、α7が良いのは事実だが、、、

「135センサーの方がAPS-Cセンサーよりも1段程度の高感度耐性がある」

そんな当たり前の結果になった。となるとレンズを絞り込む必要性のある写真では被写界深度が深いAPS-CセンサーのK-3とどっこいの可能性があるんだ。

とにかく実際の写真をご覧頂こう。

比較するのは本日トップ写真で、下のK-3は昨年撮影したもの。


K-3 全体

2015-07-10-02-_IMG2081.jpg


構図、露出値、ピント位置も異なっており、同じ条件ではないものの、、、

α7, 28-70mmF3.5-5.6, 1/60sec, F5.6, ISO10000, EV4.3
K-3, 18-135mmF3.5-5.6, 1/80sec, F5.6, ISO12800, EV4.3

運良くEV値は同じ!。現像はA3ノビ~A2プリントを想定し、Lightroomで行い、シャープ量50、半径1.6、ディテール10、マスク40、ノイズ低減適用量50、ディテール65、プロファイルはAdobe Standardをセットした。

以下、切り出し像はマウスクリックで等倍(1000x1000の切り出し)。


α7 部分切り出し1

2015-07-10-03-DSC00727.jpg


K-3 部分切り出し1

2015-07-10-04-_IMG2081.jpg


α7 部分切り出し2

2015-07-10-05-DSC00727.jpg


K-3 部分切り出し2

2015-07-10-06-_IMG2081.jpg


α7 部分切り出し3

2015-07-10-07


K-3 部分切り出し3

2015-07-10-08


ノイズ量は確かにK-3が多く、コントラストは低下している。α7はノイズが残っているもののコントラストが高く、シャープだ。K-3はα7はローパスフィルター付き、K-3はローパスフィルターレスだからα7のコントラストは圧巻だ。

でもK-3はISO12800まで上げている、ここに注目して頂きたい。この等倍像をパソコンのモニターから1メートル以上離れればおおよそ区別が付かなくなる。よってA3ノビプリントならコントラスト調整さえすればブラインドテストしても誰も違いを見出せないだろうし、A2でも間近で見ない限り、違いは出ないかもしれない。

5月30日のミーティングでセンサー担当者だったか画像処理エンジン担当者だったか、Sonyは内製センサーを利用しているから他社よりも分がある、そんな事を自信を持って仰っていた。

だからこっちも期待したさ。一般論である135センサーとAPS-Cセンサーの差は1段、これよりも結果が上回る、K-3よりもα7が1.5段以上ノイズ耐性がある、α7は風景によっては十分にISO25600が使えるんじゃないかって。

確かにISO6400だとα7の像は撮って出しのJPGでも等倍鑑賞に耐えられる画質を持っている。でもそれを超えるとノイズリダクション処理がカメラの画像処理エンジンよりも優秀なLightroom等の汎用現像ソフトを駆使する必要がある。これでは被写界深度を考慮すると135のアドバンテージはないのと同じだ。

APS-Cだの135だの関係なく、センサーの質として現時点の技術ではISO12800の壁がとても高いのではなかろうか?。だから画素数を半分にしたα7Sで表現が悪いがお茶を濁しているんじゃないか?。K-3のISO6400の像がα7のISO12800の像と同一ではないのだから。

私が撮るような被写体ではAPS-CセンサーのK-3のISO12800の画質ならギリギリプリントに耐えられる。これは昨年の段階で判っていた。だから勝手に「α7は同じ2400万画素の135センサーで1画素辺りの受光量が多く1段の余裕があり、ISO25600も確実に行ける筈だ!」、と思っていただけにこれはちょっとショック。

言い換えるとSonyのAPS-C2400万画素センサーの性能は高く、K-3の像は悪くないと言える。K-3の超高感度が悪いと言っている人達、一度プリントしてみそ!。

それとISO6400を超えたら写真は合成するもの、そう思っているので、差はさらに狭くなるんだ。次の写真はα7でISO12800、F5.6、1/60secのEV4の風景を8枚合成したもの。今回は面倒だったのでα7が生成した汚いJPGからそのままPhotoshopで合成した。それでもここまでの高いレベルになってくれた。


全体

2015-07-10-09


部分切り出し1

2015-07-10-10


部分切り出し2

2015-07-10-11


部分切り出し3

2015-07-10-12


若干、シャープネスが弱い気もするが(コンポジットはノイズが消えると同時に輪郭、シャープネスも失われる)、A3ノビ~A2だったらこの程度でも大丈夫だろうし、Lightroomでしっかりと現像を施した像から合成すればもっと画質は良くなる。

ただK-3のISO12800でも8枚も合成すればこれに近いレベルになってくれるので、被写界深度を考慮するとα7とK-3の差はあんまりないと言って良いだろう。

だから被写界深度に神経質になるのなら廃墟撮影では最新のAPS-C2400万画素センサーを使ったα6000が一番適しているんじゃないか?。連写速度もα7よりもあるし、CIPA準拠の撮影可能枚数も多い。バッファもRAW+JPGで21コマの連続撮影が出来る。マルチショットNRだって付いてくる。

ただ1つ!。被写界深度はあまり大袈裟に考えない方が良い。そりゃぁ撮影距離が50センチ以内なら1絞り分の差は大きいが、廃墟ではそういう写真は滅多に撮らない。短くても1メートル先程度の風景、そしてそんな時はレンズを絞り込んでいる事が多い。そうなるとプリントサイズによって1絞りなんて差が無いのと同じ。

K-3でF4で撮れるところα7ではF5.6まで絞らなくちゃならない、いつもそう考えるのはナンセンス。5メートル先にピントを合わせていたらそんな1段の違い、ほとんど気にならないだろう。

だから超高感度域ではAPS-Cセンサーよりも135センサーが有利なのは間違いなく、あとはお財布との相談だ。α7やα7IIを頑張って買うか、安価な(K-3と同類のセンサーを持つ)α6000で間に合わせるか・・・。デザインやAF性能を勘定に入れれば断然α6000だ。

そしてPentaxユーザーで今後も浮気をせずにPenatx!、そんな方はK-3IIが発売されたおかげで中古が多く出回るであろうK-3を買うのが一番賢い。

結論を述べよう。

α7の超高感度域の描写はディテールはAPS-Cセンサーよりも遥かに残っていて好印象を受けるものの、ノイズ量は思っていたよりも遥かに多く、ネットで常識化しているような「135は超高感度が強い」、これが嘘なんじゃないかと言い切りたい程度の画質でしかない。

カメラが生成するJPGはISO6400までは良好だがそれを超えると不快になる。Lightroomで現像をすると私が撮るような風景だとISO12800は十分納得出来るものの(A3~A2前提)、等倍像に限っては正直不満だ。

ISO12800を超えると当たり前だがさらに画質が低下する。しかしディテールはまだある程度残っており、これもA3ノビプリントなら風景によって使えるだろう。

ISO25600は私が撮る風景ならA3ノビがギリギリ及第レベル、そしてISO51200はマルチショットNRのみ使え、4枚の合成写真は多少画質が悪くても構わないような心象写真であればA4プリントは行ける。しかし積極的に使う感度ではない。

α7の暗所撮影での欠点は画質よりもAFだ。とにかく合わない、行ったり来たり迷って挙句の果て「駄目です、僕には合わせられません」と諦めやがる。ISO25600を必要とする風景では補助光をオンにしても合わないのだからイラッとする。

K-5のAFの暗所精度が悪いので買い換えたいと常に思っていたが、補助光併用ならばK-5の方が合焦するのだから・・・。廃墟の暗所だけに言及したらα7よりもPentax K-5IIsやK-3の方が遥かに優れている。

超高感度時の画質に関してはもしかしたら後日、他の風景で再レポートするかもしれない。


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コメント

  1. のっぽ親父 | URL | ibdEl2N.

    K-3 まだまだ使い込んでいませんのでよくわかりませんが、使いやすいですね。本日の記事見てビックリです。ISOが高くてもディテールは良い感じですね。
    中々1600以上で使うことはないのですが三脚嫌いの僕には高感度が強いのは助かります。

  2. BigDaddy | URL | -

    > のっぽ親父 さん

    K-3は使い方はほぼK-5と一緒ですからすぐに慣れましたでしょう?。あと内部処理が速くなったので、一番使うデジタルプレビューが瞬時で表示されるのは羨ましいですね。K-5系は1秒待ちますもん。

    そう言えばどこかのブログでもα6000が意外と超高感度域で粘ると書かれていて、恐らくK-3と同じ系統のセンサーでしょうから、今回の検証間違いないと思っています。

    あと確かSonyとPentaxでは1/4段くらい実効感度が異なり、そうなると、より一層α7のセンサーとK-3(α6000)のセンサーとでは大きな差は出ず、本文にも書いた通り、被写界深度を考慮するとどっこいな気もしないでもないです。

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