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各フィルムシミュレーション - 下町路地編

2014年09月27日 00:00

下町路地風景

下町路地風景(ほのか改)

Pentax K20D, Sigma AF17-70mmF2.8-4OS HSM

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



前々回の記事の続き・・・。

Fujifilmのデジタルカメラには自社のフィルム名を冠したフィルムシミュレーションが機能として備わっている。しかし!、X-E2を数日使った限りではフィルム時代のイメージとは少し違った印象があった。

また、ネットの情報を鵜呑みにすればX-E2のそれとX-E1のそれとでは色調が異なるらしい。同じベルビアでもX-E1のベルビアとX-E2のベルビアとは違うとの事。これって何?。

言葉と同じく時代と共にニーズに合わせて変化して行く、そう考えるか、自分とこのフィルムでさえ、模倣するのは難しいと邪推するか・・・。その両方かもしれない。

結果、一連のネタをご覧になってお判りの通り、Exposure、Filmpack、Dfx、そしてRawTherapeeのフィルムシミュレーションに違いが出るのは当たり前、そう結論付けて良いのだろう。

ベルビアとかコダクロームとか名前は付いているが、Fujifilmのカメラを含め、どれもこれも「~風」でしかなく、それは単なるプリセットの1つで、我々はフィルム名に拘るのでなく、プリセットの発色、コントラストだけを見て、好き嫌いを決定すりゃ良いのではなかろうか?。

Fujifilmのカメラもそれぞれ彩度やコントラストを変えられるし、Pentaxのカスタムイメージもキー、コントラスト、色相などを弄ると、同じカスタムイメージでも全く異なる趣を持つ。


下町路地風景(ほのか)

上の写真、Pentaxカスタムイメージの「ほのか」で現像した。ハイキーでコントラストの弱い、ゆるフォト系のカスタムイメージだ。

では本日トップの写真は?。これも「ほのか」なんだ。彩度+2、色相-4、キー-1、コントラスト+1、ハイライトコントラスト-4、シャドーコントラスト-2で現像しているだけ。

デフォルト「ほのか」を実践で使ったのはほんの数回で、いつもはトップ写真のような設定。勝手に「オールドコダクローム風」と名付け、カスタムイメージの「ナチュラル」だと面白味に欠けるからこう言った下町の路地風景や廃墟ではこいつが活躍しちゃう。

Fujifilmの今度のカメラには「クラシッククローム」なる一部ではコダクローム64辺りを真似たのではないかと言われているフィルムシミュレーションが加わったようだが、見る限り全然コダクローム64には見えない。そして幾つか出てきているクラシッククロームフォトを見ると空の色なんて決してコダクローム64じゃない。

コダクローム64の発色ってベルビアの対極、そのイメージが強過ぎて、一般常識では地味なフィルム扱いを受けているようだ。今まで数多くコダクローム64で撮影された写真を掲載しているサイトを見ていて思った。コダクローム64は発色が素直かつ深いだけで決して地味ではない。

これ、またまたインターネットの恐ろしい現実。一人の嘘が真実になっちゃうパターンか?。誰だよ、これをコダクロームって言い出したのは?。

Fujifilmのクラシッククロームはかなり地味で色の濁りを感じる。まさにクラシックであり、オールドなんだと思う。って事はPentaxユーザーはそれを羨ましいなんぞ思わなくて良い。この「改造ほのか」、「オールドコダクローム風」で事足りる。

今回のトップ写真は私の好みでコントラストを強く出しているが、Fujifilmのクラシッククロームっぽくするのなら、キー、コントラストとコントラストシャドーのいずれかを0に戻すか、全てを0に戻せば「Fujifimクラシッククローム風」になるだろう。

ミソは色相とコントラストハイライトを大きくマイナス振る事で色被り、退色っぽさを表現出来る事。反対に色相とコントラストハイライトを+に振ると白と青が鮮やかになって行くし、コントラストを-2以上に弱めるとさらに退色が強くなったように見える

もっと言えばカスタムイメージでコダクローム64風を作るなら「ナチュラル」で彩度を1つ下げ、色相を+に振り、キーを下げ、コントラストを上げりゃそれなりに見えちゃう。Pentaxって緑に力を入れているのかナチュラルでも緑が強く出る気がするので彩度を下げ、色が浅くなるので中庸度を落とす為にキーを下げる。

※Fujfilmのクラシッククロームも幾つかの写真を見る限り、「ナチュラル」を使って彩度を下げ、色を偏らせ濁った色合いにすればそれっぽくなる

そうだ!、これを機に、トップ写真のほのか改を「ほのかクローム」と名付けよう!。Pentaxユーザーの皆さん、もしこの発色が気に入られたらこの「ほのかクローム」と言う言葉を広めよう!。

さて、話はまだまだPentaxネタ。Pentaxの「リバーサルフィルム」はベルビアを模倣しているとされていたが、 6月10日の記事で検証した通りX-E2のそれとは似ても似つかぬ色調になった。

でも悔やむ必要は全くない。X-E2のそれが間違っていると思い込んでいりゃ優越感に浸れる。だってそうでしょう。カスタムイメージの「リバーサルフィルム」だけが詳細項目を弄れない。彩度も色相もコントラストも変えられない仕様になっているのだからPentaxが自信を持って提供しているカスタムイメージ。

それじゃFujifilmさんに失礼か!?。だったら言葉を変えよう。

「ベルビアよりネイチャーフォトにおいて優れたリバーサルフィルムイメージをPentaxが作った」

Pentaxユーザーの立場なら、そう考えるのが宜しいのでは?。

勝手な想像として、PentaxはPLフィルターをかましたベルビア発色を想定したんじゃなかろうか?。ただ、そのせいなのか彩度が高いので風景によっては他のカスタムイメージよりも色の飽和率が高い気がする。そんな時はTIFFで保存し、現像ソフトやレタッチソフトで飽和した色部分だけちょいと彩度と輝度を下げちゃえば良い。手間が掛かるが、ベルビアを使いたい、それだけの為にFujifilmカメラを買う必要はなくなるってもんだ。

そもそもX-E2のベルビアの発色はあまり好みでなく、同じ高コントラスト写真を望むのなら(紅葉写真を除けば)プロネガハイの方が万能で扱い易いと思っている。

※決してFujifilmのカメラを否定しているんじゃない。X-E2は今でも使ってみたいカメラの1つであるのに変わりないし、発表されたコンパクトカメラのX30は使ってみたいを超えて欲しいカメラだ

そんな訳でこの下町風景を各シミュレーションソフトで現像、レタッチしてみた(クリックで長辺960ピクセルに)。

RawTherapee default

RawTherapee Default


Fujifilm Astia 100F

Dfx Exposure
Dfx Astia 100F Exposure Astia 100F


Filmpack RawTherapee
Filmpack Astia 100F RawTherapee Astia 100F


Kodak Ectachrome E100GX

Dfx Exposure
Dfx Ektachrome E100GX Exposure Ektachrome E100GX


Filmpack RawTherapee
Filmpack Ektachrome E100GX RawTherapee Ektachrome E100GX


Kodack Kodachrome 64

Dfx Exposure
Dfx Kodachrome 64 Exposure Kodachrome 64


Filmpack RawTherapee
Filmpack Kodachrome 64 RawTherapee Kodachrome 64


Filmpack Generic RawTherapee Generic
Filmpack Kodachrome 64 generic RawTherapee Kodachrome 64 generic


Fujifilm Provea 100F

Dfx Exposure
Dfx Provia 100F Exposure Provia 100F


Filmpack RawTherapee
Filmpack Provia 100F RawTherapee Provia 100F


コダックのEctachrome E100GX、フィルム時代、恐らく使った事の無い銘柄。どうやらアンバーに傾く傾向にあるらしく、肌の発色を豊かにし、ポートレートにも向いているようだ。

ところがRawTherapeeとFilmpackのこれをもう一度ご覧になって欲しい。アンバーの欠片も無く、同じRawTherapeeのコダクロームよりも地味に見え、Pentaxカスタムイメージの「ほのかクローム」のような色褪せ感がある。

冒頭に『ベルビアとかコダクロームとか名前は付いているが、Fujifilmのカメラを含め、どれもこれも「~風」でしかなく、それは単なるプリセットの1つで、我々はフィルム名に拘るのでなく、プリセットの発色、コントラストだけを見て、好き嫌いを決定すりゃ良い』と書いたが・・・。

流石にこれは頂けないだろう。RawTherapeeでのE100GXの発色が気に入って今後多用するにせよ、E100GXの発色傾向に関して、ユーザーに間違った認識を与えてしまう。写真仲間との席でペラッと「E100GXの地味な発色が好みでねぇ」なんて言ったら、それを実際に使っていたカメラマンからは「君の目はおかしいぞ?」と突っ込まれるに違いない。

そこで・・・。

リバーサルフィルム - wikipedia

ネガフィルム - wikipedia

それぞれページの中程にフィルム別に特徴が記載されている。wikipediaの情報も決して全てが正しい保証はないので、それ以外にもフィルム名で検索し、フィルムの癖を理解するべきで、各フィルムシミュレーションソフトのフィルムプリセットを研究されてみては如何だろうか?。

おっとコダックのE100G系の情報を見つけた(PDF形式)。

E100G / E100GP / E100GX - コダック - Kodak

やはりE100GXはアンバーに傾くようだ。E100VS程彩度は不要だけど、赤味が欲しい時に使うのかな。だったら本来、今日のような日陰の下町路地にはぴったりなフィルムの筈。

ならばご自分でTrue E100GXを作れば良い。FilmpackもExposureも多岐に渡って発色を調整出来るし、RawTherapeeのフィルムシミュレーションも専用のpngファイルを入手すれば簡単に自分専用のフィルムシミュレーションを作れる(自分だけのフィルムプリセットを作れる)。詳しくはRawTherapee 日本語マニュアルをご覧あれ!。


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