2014年03月11日 00:00

Pentax K-5IIs, Sigma AF17-70mmF2.8-4OS HSM
※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。
フリー(誰でも無料)で使える高機能のRAW現像ソフト、それがRawTherapeeだ。本ブログで以前にも紹介しているが、今回、新たにその利便性、効果について書いてみたい。
フリー(誰でも無料)で使える高機能のRAW現像ソフト、それがRawTherapeeだ。本ブログで以前にも紹介しているが、今回、新たにその利便性、効果について書いてみたい。
現在のRawTherapeeは4.0.12。そして3月11日現在のWIndwos 64bit用の最新が4.0.12.60だ。試した限り、うちの環境ではこの最新版だと頻繁にこけるので、うちではその1つ前、4.0.12.50を使っている(それでも時折、落ちる)。
但し、現在、Pentax K-3には正式に対応していないようで4.0.12のどのバージョンでも(サムネイル表示は可能だが、現像過程で)異常終了してしまうみたいだ。DNGにも対応しているので、K-3撮影の写真を現像する際はDNGに変換するべし。
もしRawTherapee初めて、そんな方は最新からを使い始め、それで不具合があれば、1つずつ遡ってテストし、自分のパソコンで安定して動くバージョンを利用しよう。勿論、異常終了やその他不具合があってもRAWファイルそのものは壊さないのでご安心を。
RawTherapeeのサイトをリンクしておく。
RawTherapee
ここで仕様、最新情報、マニュアルの閲覧、ダウンロードが行える。マニュアルを探すのにちょっと判りづらいのでそれは下のリンクでどうぞ。
RawTherapee Jananese Manual
このマニュアルを見れば露出やホワイトバランス、シャープネスと言った基本的な現像時の機能を理解していれば、現像処理が初めての方でもさほど苦にならずに扱えると思う。Pentaxのカメラを利用されているのなら、カメラ内で再現像し、好みの像を得られる方なら、おおよその機能は扱えるだろう。
判り辛いのがデモザイク。デモザイクとはRAWファイルを人が見られる状態に変換する事を言い(RGB補完)、これはどんなカメラ(Sigmaのカメラはデモザイク処理は要らないみたいだ)、現像ソフトでもこの作業をしているから、我々はカメラの液晶やパソコンのモニターで自分の撮った写真を見られる。
そして、RawTherapeeはこのデモザイクに複数のアルゴリズムがあり、サムネイル表示用に「fast」、現像時のでは「amaze」なるものが選択されていて、通常はここを触る必要はないとは思うが、カメラによって相性があるらしく、初めて使われる方は自分のカメラで幾つかのアルゴリズムを試した方が良いだろう。
また、マニュアルを見ると高感度ISOでの撮影では「lmmse」か「igv」を使えとあり、試してみると・・・、うーん、微妙だなぁ。倍率を400%くらいにして何となくノイズが荒れていないかな?、と思う程度だった。そうなると、恐らくA3ノビ程度のプリントサイズなら「amaze」のままでも良いと思う(lmmseとigvは高度な処理をしているようで処理が遅い)。
機能はどうだろう?。
とにかくこれがフリーなのか?、と思うくらい凄い。Lightroomは現像処理の加え、写真を管理する機能に優れており、だからこそ手放せないのだが、写真管理を他のツールに任せるのなら、Lighroomの写真管理機能は使わない、そんな人はRawTherapeeで十分!、と思う程の高機能。
むしろLightroom以上の機能があるので、初心者には扱いづらいかもしれない。私だって調整タブの各種現像機能で使った事がないし、判らない機能が沢山ある。それでも判らなかったら試せば良いだけだし、要はデジタル写真の現像処理にはルールは無く、自分が良いと思えば、たとえそれがマイノリティな設定であっても正解なのだ。
しかもWindows系以外にMac/OS、そしてLinux、近頃評判のUbuntuでも使えるので、特に仕事でUNIX系、家ではWindowsかMacなんて人には最適な現像ソフトだろう。
またRawTherapeeはPhotoshopとほぼ同等の機能を持っていると言われているフリーのレタッチソフトであるGimpとの相性も良いらしく、写真加工に関して一切合切、お金を掛けずに楽しめるのだった。
古いバージョンのRawTherapeeは高感度ISOで撮影された際のノイズリダクション処理がLightroomより遥かに劣っていた。だからLightroomを使っている者としては特に意味の無いソフトで最近までほとんど利用しなかった。
ところが、いつからだろう、内容が改善され、最新の4.0.12ではLightroomに見劣りする処理には見えない。かなり具合が良いのだ。はぁ、無料で利用出来るソフトでここまで出来るのか!?、目から鱗。
ではご覧頂こう。本日トップの写真(ISO10000, F4.5, 1/30secのEV2.7の風景)をLightroom 5.3とRawTherapee 4.0.12で現像し、それぞれA3ノビ~A2プリントを想定し、解像感を失わない程度にノイズ軽減したものを部分切り出しした(クリックで等倍)。Lightroomの方がコントラストが高いのはそれがそれぞれのデフォルト現像の色合いだからだ。
但し、現在、Pentax K-3には正式に対応していないようで4.0.12のどのバージョンでも(サムネイル表示は可能だが、現像過程で)異常終了してしまうみたいだ。DNGにも対応しているので、K-3撮影の写真を現像する際はDNGに変換するべし。
2013/3/15追記
3/15現在、RawTherapeeのWin 64bit版は4.0.12.70となり、こちらはK-3のJPG、PEF両方とも開いても落ちない。結構安定しているように思える。
もしRawTherapee初めて、そんな方は最新からを使い始め、それで不具合があれば、1つずつ遡ってテストし、自分のパソコンで安定して動くバージョンを利用しよう。勿論、異常終了やその他不具合があってもRAWファイルそのものは壊さないのでご安心を。
RawTherapeeのサイトをリンクしておく。
RawTherapee
ここで仕様、最新情報、マニュアルの閲覧、ダウンロードが行える。マニュアルを探すのにちょっと判りづらいのでそれは下のリンクでどうぞ。
RawTherapee Jananese Manual
このマニュアルを見れば露出やホワイトバランス、シャープネスと言った基本的な現像時の機能を理解していれば、現像処理が初めての方でもさほど苦にならずに扱えると思う。Pentaxのカメラを利用されているのなら、カメラ内で再現像し、好みの像を得られる方なら、おおよその機能は扱えるだろう。
判り辛いのがデモザイク。デモザイクとはRAWファイルを人が見られる状態に変換する事を言い(RGB補完)、これはどんなカメラ(Sigmaのカメラはデモザイク処理は要らないみたいだ)、現像ソフトでもこの作業をしているから、我々はカメラの液晶やパソコンのモニターで自分の撮った写真を見られる。
そして、RawTherapeeはこのデモザイクに複数のアルゴリズムがあり、サムネイル表示用に「fast」、現像時のでは「amaze」なるものが選択されていて、通常はここを触る必要はないとは思うが、カメラによって相性があるらしく、初めて使われる方は自分のカメラで幾つかのアルゴリズムを試した方が良いだろう。
また、マニュアルを見ると高感度ISOでの撮影では「lmmse」か「igv」を使えとあり、試してみると・・・、うーん、微妙だなぁ。倍率を400%くらいにして何となくノイズが荒れていないかな?、と思う程度だった。そうなると、恐らくA3ノビ程度のプリントサイズなら「amaze」のままでも良いと思う(lmmseとigvは高度な処理をしているようで処理が遅い)。
機能はどうだろう?。
とにかくこれがフリーなのか?、と思うくらい凄い。Lightroomは現像処理の加え、写真を管理する機能に優れており、だからこそ手放せないのだが、写真管理を他のツールに任せるのなら、Lighroomの写真管理機能は使わない、そんな人はRawTherapeeで十分!、と思う程の高機能。
むしろLightroom以上の機能があるので、初心者には扱いづらいかもしれない。私だって調整タブの各種現像機能で使った事がないし、判らない機能が沢山ある。それでも判らなかったら試せば良いだけだし、要はデジタル写真の現像処理にはルールは無く、自分が良いと思えば、たとえそれがマイノリティな設定であっても正解なのだ。
しかもWindows系以外にMac/OS、そしてLinux、近頃評判のUbuntuでも使えるので、特に仕事でUNIX系、家ではWindowsかMacなんて人には最適な現像ソフトだろう。
またRawTherapeeはPhotoshopとほぼ同等の機能を持っていると言われているフリーのレタッチソフトであるGimpとの相性も良いらしく、写真加工に関して一切合切、お金を掛けずに楽しめるのだった。
古いバージョンのRawTherapeeは高感度ISOで撮影された際のノイズリダクション処理がLightroomより遥かに劣っていた。だからLightroomを使っている者としては特に意味の無いソフトで最近までほとんど利用しなかった。
ところが、いつからだろう、内容が改善され、最新の4.0.12ではLightroomに見劣りする処理には見えない。かなり具合が良いのだ。はぁ、無料で利用出来るソフトでここまで出来るのか!?、目から鱗。
ではご覧頂こう。本日トップの写真(ISO10000, F4.5, 1/30secのEV2.7の風景)をLightroom 5.3とRawTherapee 4.0.12で現像し、それぞれA3ノビ~A2プリントを想定し、解像感を失わない程度にノイズ軽減したものを部分切り出しした(クリックで等倍)。Lightroomの方がコントラストが高いのはそれがそれぞれのデフォルト現像の色合いだからだ。

Lightroom

RawTherapee

Lightroom

如何だろうか?。ほとんど違いはないでしょう?。一般論であるが、市販の現像ソフトの中で、Lightroomのノイズリダクション処理は非常に優秀だ。そしてRawTherapeeはそれと同等の絵を出してくれる。利用価値は大いににあろう。
嫌味にしか聞こえないだろうが・・・、いや、嫌味と捉えて頂いても良い。フリーソフトでここまで出来るのだから、PentaxのDigital Camera Utility 4とDigital Camera Utility 5、もうちょっとどうにかしろよ!、と叱咤したくなる。
時に、本記事を書く当たって、初めて知った事。Lightroomさえ導入していれば、なんとLightroom用のレンズプロファイルをそのまま流用出来てしまう!。しかもそれはJPGファイルでもRAW用のレンズプロファイルが使える。
Pentaxの場合、LightroomにはJPG用のレンズプロファイルはほとんどないと言って良いのでこれは便利だ。勿論、手動で歪曲補正や垂直、水平補正も可能だ。
但し、このLightroomのレンズプロファイルを流用しての自動補正は、ちょっとやり過ぎの感がある。例えば広角レンズで樽型に歪んだ写真をレンズプロファイルで自動補正すると、今度は糸巻き型になってしまうので、その後手動で補正する必要が出てしまうので注意が必要だ。
そんな場合、写真を無理矢理、樽型から糸巻き型に、そして正常に変更していくので確実に画質は悪くなる。レンズプロファイルを試して、明らかにおかしいと感じたら、レンズプロファイルの自動補正をキャンセルして、手動設定だけで行った方が良い。この辺はいずれ解決されるのだろうな。
処理スピードは流石にLightroomに劣る。うちのパソコン環境(64bit Windwos 7、Core i5、8GB)だと表示部分の移動、何か修正する度にデモザイク処理に1秒待たされる。
とは言え、これはLightroomが優秀過ぎるのだろう。PentaxのPDCU4なんてもっと待たされるし、DCU5では改善されたが、それでもRawTherapeeの方が速いし、DxO Opticsよりも速いかもしれない。
※RawTherapeeは何故かノイズリダクションをオンにするとデモザイクに倍以上の時間が掛かり、表示部分を移動するだけでもうちの環境下では2~3掛かる
裏技と言う程ではないが、先にRawTherapeeは複数のデモザイクのアルゴリズムが用意されていると書いた。それを上手く利用すれば現像時のストレスを軽減出来ちゃう。
先に書いたように高感度ISO撮影の写真では「lmmse、igv」を使うのだが、これはデモザイク処理に時間が掛かるのでシャープネスやノイズリダクションと言った等倍表示以上で利用するような機能ではこれを使い、その他の露出やコントラストなどの調整では「fast」や「ameze」を使うと良いだろう。
※色収差、フリンジ軽減設定も200%、300%表示で行うものだが、これは「ameze」のままで問題ない
だからデフォルトでは「ameze」が設定されているから先ずはシャープネス、ノイズリダクション以外の処理を行い、最後にシャープネス、ノイズリダクション処理を「lmmse、igv」で行えば良いだろう。ノイズリダクションを強く掛けるとコントラストが失われるので、その時はまた「ameze」に戻して作業だ。
勿論、現像設定が終わり、実際の現像(JPGやTIFFファイルへの書き込み)をする際は、「lmmse、igv」に戻すのを忘れずに。
RawTherapeeが処理スピードの他にLightroomよりも劣っているのは部分編集が出来ない事。だからセンサーに付着したゴミが映っていてもそれを取り除けないし、Lightroomの円形フィルターやブラシと言った部分だけに作用する操作が出来ない。
それらを行うにはレタッチソフトのGimpが必要になり、センサーのゴミ取りはGimpの「スタンプ、ヒール」と言ったツールを使えば綺麗に消えてくれるし(人物のにきび、ほくろ取りにも使える)、マスクをしながら作業すれば部分的に露出や色合いを変える事も出来る。だからLightroomと同等の機能が欲しいのなら、RawTherapeeとGimpはセットになるのだろう。
Gimpに関してはネットで検索すればHOWTOサイトを容易に見つけられるし、Gimp入門のようなMook本も幾つか出版されているのでそれらで学ばれると良いだろう。
最後に、RawTherapee(+ Gimp)はどんな方に向いているだろうか?。
1、あまのじゃくな人
オンリーワンを求めている、マジョリティ大嫌いって人(笑)。
2、普段使用しているOSがUNIX系
Ubuntuでwine(Windowsエミュレータ)を使えば、Photoshop等が動いちゃうらしいが、そこまでしたくないUNIXユーザーも多い。そうなると選択肢はこれくらいしかない(もう1つ、UNIX系で凄い現像ソフトがあるらしい)。
3、現像処理如きにお金を掛けたくない
ほとんどをカメラを買った際にメーカーから添付されている現像ソフトを使っているが、もう少し高度な事をしたい!、かと言ってLightroom等の市販品を買うのが馬鹿馬鹿しい、そんな方にはこれがピッタリだろう。
私には信じられないが、K-5ユーザーでPDCU4を愛用されている方もいらっしゃるようで、例えばPDCU4でほとんどの作業を行い、(画質の劣化の無いTIFF出力をし)シャープネスとノイズリダクション処理だけをRawTherapeを使うなんて「あり」だと思う。なんたって本記事の通り、ノイズリダクション処理はLightroomと同等なのだから。
同じくK-3ユーザーでDCU5を活用されている方でも、明らかにRawTherapeeのノイズリダクションの方が優秀なので、DCU5のノイズリダクションをオフにして、TIFF出力の後にRawTherapeeで軽減するのが賢い方法だと思う。
※センサーゴミが写った写真もGimpで消せるし・・・
4、不具合が出ても暖かい目で見られる広い心の持ち主
作業中にフリーズ、異常終了した途端に頭に血が上ってしまうタイプにはこの手のツールは不向き。こんなに高機能な内容をフリーで提供してくれる事にありがたみを感じられる人でないと使えない。
うちのパソコン環境では冒頭に書いた通り、最新バージョンは異常終了するが、1つ前のバージョンは一度だけ、デモザイクの方法を変えた時に異常終了しただけで、昔(Ver3時代)と比較したら非常に安定していると感じている。
※いや、ホント、Ver3の開発中時代のこいつは、ポコポコとこけてくれて、丸で使い物にならなかった
5、日頃のストレスから脱却したい
これ、冗談のようで、そうでもない。例えば、風呂掃除とか皿洗いをしている時って、何もかも忘れてそれに没頭出来るでしょう?。だから結構ストレス対策になったりする。それと同じ事で、不慣れなパソコンソフトを使い、1枚の写真であーだこーだと試していると、時間を忘れる事が出来る。
私なんてこのタイプだったりする。何だろう、集中するのが趣味とでも言えば良かろうか?(笑)。このブログだってそう。集中して書いているから、そんな時は何もかも忘れて楽しんで作業している。ギターの練習だって、あまりにも集中し過ぎて、1時間もギターを抱えていると、失神するくらいの眠気に襲われる。
RawTherapeeはLightroomよりも機能が細かく分類されているので、それがどんな動作をするのか、それを理解しようと思うだけでも時間を忘れられちゃう。
何かに没頭出来る幸せ感とでも言えば良かろうか?。お年寄りのボケ防止にも、何かの集中する、これは良い事でしょう。
嫌味にしか聞こえないだろうが・・・、いや、嫌味と捉えて頂いても良い。フリーソフトでここまで出来るのだから、PentaxのDigital Camera Utility 4とDigital Camera Utility 5、もうちょっとどうにかしろよ!、と叱咤したくなる。
時に、本記事を書く当たって、初めて知った事。Lightroomさえ導入していれば、なんとLightroom用のレンズプロファイルをそのまま流用出来てしまう!。しかもそれはJPGファイルでもRAW用のレンズプロファイルが使える。
Pentaxの場合、LightroomにはJPG用のレンズプロファイルはほとんどないと言って良いのでこれは便利だ。勿論、手動で歪曲補正や垂直、水平補正も可能だ。
但し、このLightroomのレンズプロファイルを流用しての自動補正は、ちょっとやり過ぎの感がある。例えば広角レンズで樽型に歪んだ写真をレンズプロファイルで自動補正すると、今度は糸巻き型になってしまうので、その後手動で補正する必要が出てしまうので注意が必要だ。
そんな場合、写真を無理矢理、樽型から糸巻き型に、そして正常に変更していくので確実に画質は悪くなる。レンズプロファイルを試して、明らかにおかしいと感じたら、レンズプロファイルの自動補正をキャンセルして、手動設定だけで行った方が良い。この辺はいずれ解決されるのだろうな。
処理スピードは流石にLightroomに劣る。うちのパソコン環境(64bit Windwos 7、Core i5、8GB)だと表示部分の移動、何か修正する度にデモザイク処理に1秒待たされる。
とは言え、これはLightroomが優秀過ぎるのだろう。PentaxのPDCU4なんてもっと待たされるし、DCU5では改善されたが、それでもRawTherapeeの方が速いし、DxO Opticsよりも速いかもしれない。
※RawTherapeeは何故かノイズリダクションをオンにするとデモザイクに倍以上の時間が掛かり、表示部分を移動するだけでもうちの環境下では2~3掛かる
裏技と言う程ではないが、先にRawTherapeeは複数のデモザイクのアルゴリズムが用意されていると書いた。それを上手く利用すれば現像時のストレスを軽減出来ちゃう。
先に書いたように高感度ISO撮影の写真では「lmmse、igv」を使うのだが、これはデモザイク処理に時間が掛かるのでシャープネスやノイズリダクションと言った等倍表示以上で利用するような機能ではこれを使い、その他の露出やコントラストなどの調整では「fast」や「ameze」を使うと良いだろう。
※色収差、フリンジ軽減設定も200%、300%表示で行うものだが、これは「ameze」のままで問題ない
だからデフォルトでは「ameze」が設定されているから先ずはシャープネス、ノイズリダクション以外の処理を行い、最後にシャープネス、ノイズリダクション処理を「lmmse、igv」で行えば良いだろう。ノイズリダクションを強く掛けるとコントラストが失われるので、その時はまた「ameze」に戻して作業だ。
勿論、現像設定が終わり、実際の現像(JPGやTIFFファイルへの書き込み)をする際は、「lmmse、igv」に戻すのを忘れずに。
RawTherapeeが処理スピードの他にLightroomよりも劣っているのは部分編集が出来ない事。だからセンサーに付着したゴミが映っていてもそれを取り除けないし、Lightroomの円形フィルターやブラシと言った部分だけに作用する操作が出来ない。
それらを行うにはレタッチソフトのGimpが必要になり、センサーのゴミ取りはGimpの「スタンプ、ヒール」と言ったツールを使えば綺麗に消えてくれるし(人物のにきび、ほくろ取りにも使える)、マスクをしながら作業すれば部分的に露出や色合いを変える事も出来る。だからLightroomと同等の機能が欲しいのなら、RawTherapeeとGimpはセットになるのだろう。
Gimpに関してはネットで検索すればHOWTOサイトを容易に見つけられるし、Gimp入門のようなMook本も幾つか出版されているのでそれらで学ばれると良いだろう。
最後に、RawTherapee(+ Gimp)はどんな方に向いているだろうか?。
1、あまのじゃくな人
オンリーワンを求めている、マジョリティ大嫌いって人(笑)。
2、普段使用しているOSがUNIX系
Ubuntuでwine(Windowsエミュレータ)を使えば、Photoshop等が動いちゃうらしいが、そこまでしたくないUNIXユーザーも多い。そうなると選択肢はこれくらいしかない(もう1つ、UNIX系で凄い現像ソフトがあるらしい)。
3、現像処理如きにお金を掛けたくない
ほとんどをカメラを買った際にメーカーから添付されている現像ソフトを使っているが、もう少し高度な事をしたい!、かと言ってLightroom等の市販品を買うのが馬鹿馬鹿しい、そんな方にはこれがピッタリだろう。
私には信じられないが、K-5ユーザーでPDCU4を愛用されている方もいらっしゃるようで、例えばPDCU4でほとんどの作業を行い、(画質の劣化の無いTIFF出力をし)シャープネスとノイズリダクション処理だけをRawTherapeを使うなんて「あり」だと思う。なんたって本記事の通り、ノイズリダクション処理はLightroomと同等なのだから。
同じくK-3ユーザーでDCU5を活用されている方でも、明らかにRawTherapeeのノイズリダクションの方が優秀なので、DCU5のノイズリダクションをオフにして、TIFF出力の後にRawTherapeeで軽減するのが賢い方法だと思う。
※センサーゴミが写った写真もGimpで消せるし・・・
4、不具合が出ても暖かい目で見られる広い心の持ち主
作業中にフリーズ、異常終了した途端に頭に血が上ってしまうタイプにはこの手のツールは不向き。こんなに高機能な内容をフリーで提供してくれる事にありがたみを感じられる人でないと使えない。
うちのパソコン環境では冒頭に書いた通り、最新バージョンは異常終了するが、1つ前のバージョンは一度だけ、デモザイクの方法を変えた時に異常終了しただけで、昔(Ver3時代)と比較したら非常に安定していると感じている。
※いや、ホント、Ver3の開発中時代のこいつは、ポコポコとこけてくれて、丸で使い物にならなかった
5、日頃のストレスから脱却したい
これ、冗談のようで、そうでもない。例えば、風呂掃除とか皿洗いをしている時って、何もかも忘れてそれに没頭出来るでしょう?。だから結構ストレス対策になったりする。それと同じ事で、不慣れなパソコンソフトを使い、1枚の写真であーだこーだと試していると、時間を忘れる事が出来る。
私なんてこのタイプだったりする。何だろう、集中するのが趣味とでも言えば良かろうか?(笑)。このブログだってそう。集中して書いているから、そんな時は何もかも忘れて楽しんで作業している。ギターの練習だって、あまりにも集中し過ぎて、1時間もギターを抱えていると、失神するくらいの眠気に襲われる。
RawTherapeeはLightroomよりも機能が細かく分類されているので、それがどんな動作をするのか、それを理解しようと思うだけでも時間を忘れられちゃう。
何かに没頭出来る幸せ感とでも言えば良かろうか?。お年寄りのボケ防止にも、何かの集中する、これは良い事でしょう。

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コメント
型落ちハンター | URL | 4ARdecsc
偶然ですが、自分もこの前使い始めたんです・・
でも最新版はすぐ落ちて使い物になりませんでした。(笑)
前のバージョンを使うのは思いつきませんでしたが、やっぱり落ちます。(笑)
しかしこのソフト凄いですねえ・・
ノイズリダクションもいいですけど、ものすごく線の細い絵が得られます。
エクストラシャープネスをはるかに上回る線の細さです。
これだけで使いたくなりました・・
デモザイクの方式を選べるとは驚きです。確かに拡大して見ると微妙に変わりますね。
たぶんこれで線の太さが決まるのだろうと思います。
あまりにも機能が多すぎて全部理解するのは大変そうです。(笑)
でもこれを使いこなせたらLightroom以上の絵が得られると思います。
自分は画像管理機能は一切使いませんから、取り込みとか面倒なのがない方がいいんです。
最初のサムネール表示にちょっと時間がかかりますが、動作自体は結構速いと思いますよ。
これをもっと極めてみたいですが、非常に不安定なのが玉に瑕・・
たぶんLinuxの方が安定していると思いますので、これだけのためにUbuntu入れてみようかなぁ・・
( 2014年03月12日 00:13 [Edit] )
BigDaddy | URL | -
> 型落ちハンター さん
おや、まぁ!、ホント、偶然ですねぇ(笑)。
うちの環境では4.0.12.xxよりも4.0.11.xxの方が安定していますね。4.0.12.xxはメモリ関連でしょうかねぇ。メモリが少ない状態で起動するとうちでは落ちるんでなく、フリーズします。
Lightroomで唯一の不満はシャープネスなんですよね。可もなく不可もなくって感じで、DxO Optics Proなんて使っていると、Lightroomのシャープネスが優れているってのは勘違いだったのかも・・・、と思ってしまいます。
RawThepareeは通常のアンシャープマスクの他に、エッジだけ掛ける(Lightroomでも出来ますが、効きが悪いように思います)、ハロ対策、さらにはローカルコントラスト設定が出来るので、これは便利ですね。高感度写真だとローカルコントラストで見た目のシャープさを出した方がノイズが少ないですし。
ただ、Lightroomの方が色合いの変更に自由度があって、使い分けるのが良いでしょうね。通常はブログにアップするだけなので面倒な事はしませんけど、プリントする時は露出と色合いはLightroomで行いTIFFで保存後、Optics ProやRaw Therapeeでシャープネスやノイズ対策を施すのも「あり」だと思い始めました。
機能が多くて、さらには、ヘルプドキュメントを見ても実際にスライダーで調節しても、良く判らない機能もありますよね(笑)。一体どういう写真にこれを使うのだ!?、ってものが・・・。
Uboutuの方が確かに安定はしているでしょうが、Ubontuそのものはさほどメモリを使わない筈ですが、RawTherapee自体が結構使うので、Ubontu用に最低でも4GBくらいのメモリを割り当てなくちゃならんのが微妙ですねぇ。
今、XPがインストールされているノートPCを音楽再生、録音専用PCとして、いっその事、遊びでそれにUbontuを入れてみようかなんて思っていますが、そんな事する暇があるかどうか。以前、LinuxとX Windowを入れたまでは良かったのですが、日本語FEPのかんなをどうしても動かせず、錯綜した経験があります。
( 2014年03月12日 21:15 )
名無しさん@ニュース2ch | URL | -
いつも興味深く拝読させていただいております
Rawtherapeeを使いながらLightroomはもっと良いんだろうなぁと思っていたので
今回の記事は興味深く読ませていただきました。
Rawtherapeeは、2012年まではCPU:Celeron M 410 1.46GHz+Momory:2GBのPCに
ubuntuの環境でK5のRAWファイルを現像していましたが特に落ちたという記憶が
残っていません
現在は CPUもメモリーもぐっと増強したPCにopenSUSE+Rawtherapee4.0.12を
使っていますがこれも落ちたことは無いので、
メジャーなlinuxディストリビューション上では安定して使えるのではと
思います
ファイルブラウザーの初回サムネイル表示は、400個くらいRAWファイルが
あると、昔の環境では結構待たされた記憶があります
が、七年も昔の型落ちPCならこんなもんだろうなと諦念とともに使っていました
現在は、RawtherapeeのキャッシュファイルもRAMディスク上に置くように
している為かほとんどストレス無く表示されています
それよりもキーポイントはカラーマネジメントがどこまで必要か
で決まると思います
私みたいに精々個人で楽しむ、やってもネットの片隅に上げる程度なら
適当でも済みますが、編集時と最終的な公開物の摺り合わせに拘る方だと
大変ではないかと思います
>が、日本語FEPのかんなをどうしても動かせず、錯綜した経験があります。
今、日本でメジャーになっているlinuxディストリビューションでは、
こういう事はほとんど無いです
最初にインストールされるIMEはANTHYがメジャーですが、これは使っていると
落ちることがかなりあります。悩まずにさっくりとIMEをMOZCに変更するのが
幸せかと
それでは
( 2014年03月13日 12:55 )
BigDaddy | URL | -
> 名無しさん@ニュース2ch さん
いつもご覧になられているとの事、ありがとうございます。
RawTherapeeよりもLightroomが優れている点は、、、
1、写真管理ソフトでもあり、EXIFやファイル名の一部、タグなどを用いて、様々な条件で写真を検索出来ます。
2、ブラシやフィルターを使って部分補正が可能
3、色補正がRawTherapeeよりも自由度が高い
ざっとこれくらいでしょうか?。2、3に関しては多少面倒でしょうが、gimpを導入すればなんとかなりますから、優位な点は1番くらいかもしれませんね。
型落ちハンターさんも仰っていますが、シャープネスはRawTherapeeの方が綺麗な気がしますし(ローカルコントラスト調整も使い勝手ありますしね)、通常のアンシャープマスクとは異なる、収差補正としてシャープを高める機能のあるDxO Opticsもノイズがあまり乗らない点もLightroomよりも勝っている気がします。
Lightroomが世界一の現像ツール。我々はそろそろこの思考を改める必要があるかもしれません。とにかくLightroomはシャープネスが気に食わないんですよねぇ。
カラーマネージメント、RawTherapeeで現像した写真をプリントした事がないので、何とも言えませんが、色よりもハイライトとシャドーのコントラストでしょうかねぇ、これが意図通りでないとイラッときます。
さて、RawTherapee、Widnwos版では正式対応していないからでしょうが、まずK-3の写真はpefは勿論の事、何故かJPGでも落ちます。それ以前のカメラですと、うちの環境だと、Win 64bit用の4.0.12.44が一番安定していますねぇ。
そう言えば今はLinuxのディストリビュージョンって仰山ありますねぇ。どれを選ぶべきか、迷うところです。実はopenSUSEは初めて知りました。
RawTherapeeのキャッシュはそんなに遅くはないですねぇ。遅いのはK-3付属のDCU5とDxo Opticsです。この2つは不思議と、キャッシュを作っているのに2回目からも遅いんですよ。1000枚もあったらコーヒーブレイク出来るくらいです。
私が家で遊んでいた頃はunix上での日本語は面倒でしたねぇ。表示するだけでもkterm、kinputとかそれぞれの設定で、バージョンが違うだけで、動きませんし・・・。なんとか日本語表示、入力が出来たら、今度はネット接続が上手く行かない・・・。
今はインストーラーでデフォルトインストールでおおよそ何でもしてくれるみたいですねぇ。今は時間がなく、何も出来ませんが、暇を見つけたら(ゴールデンウィークくらいでしょうかね)、余っているパソコンで遊んでみようかなと思っています。
それでは今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。
( 2014年03月13日 21:53 )
furumachi | URL | 2FUH2yVo
BigDaddyさん、名無しさん@ニュース2ch改めfurumachiと申します
LightroomとRawtherapeeの違いをお教えいただきありがとうございます
管理と現像はそれぞれ別になっている方が好みでRawtherapeeを選んだ
経緯がありますので、Lightroomはスッパリ選択肢から外すことにしました
Rawtherapeeでのシャープネス処理に関しては、シャープ化(アンシャープ
マスク)はごくごく控えめにしてディティールのコントラスト(多分、
これがBigDaddyさんのおっしゃるローカルコントラストの事かと思います)や
マイクロコントラストで調整するのが具合がいいかなと私も考えています
カラーマネジメントの話ですが、Rawtherapeeでプリント云々以前の問題で
MacとWindowsの標準的なディスプレイガンマ値が違うようにWindowsと
Linuxでも違うのでカラーマネジメントが有効に働いていないと、
WindowsとLinuxを併用しての画像処理は大変だろうなぁと
その上、Linuxではデスクトップ環境によってはカラーマネジメントの
仕組みを備えていない物もありますし、ディスプレイやプリンターも
Windows用ドライバーはカラーマネジメントに対応しているのに
Linux用ドライバーは対応していなかったり不備があったりと言うことが
往々にしてありますので運が悪いと底なし沼に嵌まりかねません
>さて、RawTherapee、Widnwos版では正式対応していないからでしょうが、
Rawtherapeeのドキュメント Supported Cameras
http://50.87.144.65/~rt/w/index.php?title=Supported_Cameras
を見るとK-3も対応している筈で、その点ではWindows版もLinux版も違いは
無いはずなんですけどね
それで思い出しましたが、K5を買ったばかりの頃に当時のRawtherapeeが
pefファイルを受付なくててDNGファイルなら受け付けた事があって、
それが切っ掛けでK5はDNGで出力するように設定したような気がします
>そう言えば今はLinuxのディストリビュージョンって仰山ありますねぇ
同じディストリビューションでもデスクトップ環境によって
必要なPCのスペックにかなりの違いがありますよ
例えばWinXPがプリインストールされていたような、ちょっと前のPCでは
Ubuntuは荷が重いです、デスクトップ環境にxfceを採用したXubuntuや
LXDEを採用したLubuntuなら結構快適です
>今はインストーラーでデフォルトインストールでおおよそ何でも
ですね、以前のようにx86configを弄ったり、xinitを弄ったりは
必要なくなりました
Windowsで作ったAudioやMovieファイルを再生するのにubuntuでは
対応したcodecやプレイヤーを他所から持ってきたりするぐらいです
今日、私のPCで作業しているとRawtherapee4.0.12.70が自動ダウンロード
されました。Windows版も同様に4.0.12.70が出ているようです
問題が解決されているといいですね
( 2014年03月14日 02:14 [Edit] )
BigDaddy | URL | -
> furumachi さん
4.0.12.70、早速試したところ、K-3のRAW、JPG両方で問題なく作動しました。恐らくそれまでは何らかのバグが潜んでいたのでしょうね。サムネイルは表示されるけど、現像段階に入った途端に落ちていましたから。RawTherapeeはPEFよりもDNGの方が良いみたいですけど、今のところ、この70は安定していてPEFでも問題ないです。
そう言えばもう1つ、Lightroomのアドバンテージとして処理速度がダントツって事ですね。furumachiさんのようにRAMにキャッシュを溜め込めば、この辺もクリアされるかもしれませんね。
シャープネスに関しては、ディテールコントラストとマイクロコントラスト、そうです、それです。これとアンシャープマスクと併用すればLightroomよりもノイズ耐性のあるシャキッとした絵が作れる気がしています。まだ試行錯誤中で、ISO3200~6400くらいの像で手持ちの全ての現像ソフト(お試し版含め)を探っている段階です。
カラーマネージメント、なるほど、WindowsとLinuxとの話でしたか。私はその辺はいい加減で、プリントする際は2Lくらいでテストプリントしてから、そのテストプリントに合わせて、カラーマネージメントや、色合いを調整したりしますので、さほど気になる点にはなっていません。
例えば空の青さにシアンが強烈に入っていたりしたらたまげますが、うちにはMacもありまして、ガンマ値は異なれど、そういうことは今のところないですね。それは恐らくLinuxにしても大きく色が転ぶって事はないような気がします。
Lubuntu、調べてみました。なるほど軽量化が図られているとの事。うちの古いノートPCにはぴったりかもしれません。時間が出来たら色々と試してみたいですね。とにかくこのXPマシンは今は音楽再生、録音専用にしか使っておらず、なんか勿体ないなぁと思っているんですよ(笑)。
情報ありがとうございました。
( 2014年03月15日 00:12 )
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