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Pentax K-3 レビュー その11 K-3にSigma 17-70mmF2.8-4(旧型)

2014年01月26日 00:00

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Pentax K-3, Sigma AF17-70mmF2.8-4OS HSM

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



今月中旬までRicohのモニターとしてPentax K-3とDA18-135mmF3.5-5.6を借りていた(なんで毎度同じ事を書いているかと言うと、モニターの条件として、これを書かないと駄目なのだ(笑))。

今日は手持ちのSigma 17-70mmF2.8-4(OS機構の付いているモデル)とK-3のコンビだとどうなるか、その辺を書いていきたい。

とその前に恒例のリンク。型落ちハンターさんが新たなPentax K-3関連の記事を掲載された。

結局、K-3は買いか?

さてさて・・・。

あくまでも感覚的な問題であるが、初めてK20Dにこのレンズを付けて撮影した時の感動はない。あれっ?、ズームレンズの中では解像感に定評のある17-70mmなのに2400万画素のセンサーと組み合わせると普通じゃん・・・、そう感じちゃう。800万画素のアップはズームレンズには酷なのだろうか?。

Sigmaレンズは巷で言われている通り、発色が淡い。連れのデジタルカメラ歴は私と一緒。だからK-m、K10D、K20D、K-7、K-5と使ってきていて、最近はDA17-70mmF4をメインに使っている。Sigma17-70mmはズームリングの回転方向がDAレンズと異なるので気持ち悪いそうだ。

※Sigma APO70-300mmF4-5.6はDAレンズとズームリングの回転方向は同じ

その連れがある時、K-5にSigma 17-70mmを装着して撮影した写真をLightroomに落としている時、、、

「あれっ?、カスタムイメージの設定間違えたかな?」

と呟いた。彼女は主にカスタムイメージを「鮮やか」か「風景」、シャープネス以外はデフォルト値のまま使っている。どうやらSigma 17-70mmの絵を見て「ナチュラル」に設定して撮ったものと勘違いしたようだ。それくらいPentaxレンズと発色が異なる。

昔から、レンズには解像力で見せるタイプとコントラストで見せるタイプの二種類があると言われている。解像力の代表がCanonのEFレンズ、コントラストの代表がZeissレンズだ(と、教わっている)。レンズマニアじゃない私は両方を使っていたけど、チンプンカンプン(笑)。

先日来からK-3に装着したDA18-135mmの発色は豊かだと書いている。派手とは違うんだ。濃い、コントラストが強いと表現するのが適切かもしれないし、新たに加わったマルチパターンオートホワイトバランスとの相性もバッチリなのかも(今回、90%以上の風景でマルチパターンオートホワイトバランスを使った)。

だからこれがコントラストで見せるタイプのレンズなのではないか、反対に地味な発色をするSigma 17-70mmは解像力で見せるレンズではないか、そう勝手に思っているのだった。

だったら撮り比べした写真を見せてくれ!、皆さんきっとそう期待される筈。私が機材マニアだったらDA18-135m、DA17-70mm、Sigma17-70mmを三脚を使ってキッチリ比較写真を撮ったろう。でも残念、私は機材マニアにはなれない、いい加減な性格の持ち主。何もかもテキト~、だから比較写真はない(笑)。

Sigmaは自社カメラ、そして解像感番長のFoveonセンサーに合わせてレンズを開発しているだろうし、各社用にレンズを提供しているから、あえてナチュラルな発色を目指しているのかもしれない。

確かに地味、つまらないレンズと言えばその通り。でもこの地味さが気に入っている。と言うのも地味であった方がレタッチし易いのだ。変にコントラストが付いてくれちゃうと素材としては万能じゃない。

ところが今述べたようにこの地味な発色がK-3の2400万画素センサーとはマッチしない気がしている。色が地味だから、パッと見た瞬間、解像感が高いとは思わないのだ。勿論、当倍にしてじっくり見ればDA18-135mmよりもクリアに見えるのは確かだが、それでも発色で負けているから、モニターから少し離れるとDA18-135mmの方が良く見えちゃう。

となると、カスタムイメージをデフォルト設定のまま撮って出しJPGでA3ノビプリントをすると、その程度の大きさなら解像感云々は無視出来(どんな糞レンズでもそこそこの解像感を確保出来る)、発色が豊かなDA18-135mmの方が綺麗に見えるって訳だ。

コントラストで見せるって判るんだよね。現像ソフトでコントラストを弱めた写真と、ハイコントラストにした写真では誰もがハイコントラスト写真の方がカリッとしているように見える(そもそもレタッチ、現像ソフトのシャープネスは輪郭にコントラストを付けるだけなのだから)。

それを考えると、K-3の画像処理の傾向が変わったのでなく、DA18-135mmそのものが豊かな発色をするのならDA18-135mmは解像感が悪くても優秀なレンズと言えるのかもしれない(四隅の流れは決して褒められないけど)。

勿論、コントラストでなく解像力で見せるレンズも「あり」で、ユーザーが撮影後、如何様にもレタッチ出来るデジタル時代の今、デジタル写真は素材と考えると私が感じているようにSigmaレンズの方が扱いやすいとも言える。この辺は好みでしかないだろう。

色が地味だからとカスタムイメージの彩度を上げるとPentaxはやたらに赤に敏感で、今度は赤色に限り色が飽和する。だからSigma 17-70mmを使って撮って出しJPGで勝負をするのなら、カスタムイメージのキーを1つ下げ、コントラストを1つ上げ、ハイライトコントラストを+2、シャドーコントラストを-2に設定すると、程好い締りのある像、18-135mmとほぼ同等な濃度になってくれる。

またオートホワイトバランスを少しアンバー寄りに設定してやると曇り日や日陰でも豊かな発色をしているように見える。人物(主に女性)ならアンバーでかつマゼンタ寄りにセットし、ハイキーで撮影すると結構良かったりする(K-5ではその辺の事は全て行っている)。

いずれにせよ、冒頭に書いた通り、K-3とSigma 17-70mmを組み合わせると感動はない。しかも(後日ネタにするけど)、K-3に単焦点レンズをセットした描写を見ちゃうと、嗚呼、解像感の高いと言われているこのレンズも所詮はズームレンズなんだなと再認識しちゃう。

Sigma 17-70mmよりは解像感がないが発色が良い、DA18-135mm程発色は豊かではないが解像感は高いDA17-70mm・・・、現像、レタッチで写真を仕上げるつもりならこのレンズが一番適しているのかもしれない(四隅の流れもないし)。

とにかくSigma 17-70mmで撮影したコマ全てを見て、近景は全く問題がなく思い描いた通りにカリッとしているが、遠景で納得の行く写真が少ないのは首を傾げちゃう。

本日トップ写真、カスタムイメージの「鮮やか」のデフォルト値であるノーマルシャープネス+1のままの像。下、正面奥のビルを切り取った(クリックで当倍)。幾らノーマルシャープネスとは言え、ど真ん中の画質がこれ。コントラストが低いので解像感は18-135mmとあまり変わらない気がする。


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A3ノビプリントなら全く支障はないけど、こうやって見ちゃうとちょっと眠いでしょう?。ローパスフィルターレスだし、DA18-135mmよりも解像力があるからファインシャープネスを使わずともカッチリしてくれると思っていたのに・・・。K-3を使うようになったら、ズームレンズはファインシャープネスの方が良いのだろう。

そこでカメラはもう返却しちゃったけど、DCU5を使ってファンシャープネス+2にして再現像した。それが下。 K-3のファインシャープネスとは異なるし、色合いも違っているので、これが真のファインシャープネスだと思っちゃならないが、それでもまし。


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ただ、問題は2400万画素になったからだけではない。ピントそのものも甘い。この写真は17mmをF5.6で撮っていて、AFは上で切り出したど真ん中に当てている、構図上は一番奥。しかし、17mmとは言え、当倍で見てもかなり前までピントが来ており、恐らく強烈な、10メートル近い前ピンなんだと思う。

借り受けたK-3は手持ちの全てのレンズで後ピン傾向にあり、このレンズも確か+3くらいに設定していた気がする。その設定値が間違っていたのかもしれない。

実は不可思議な現象がK-3とこのレンズのセットで起きていた。初めてSigma 17-70mmを装着して家のベランダからテスト撮影をしていたところ、全くピントが合わない。ピンボケではなく、AFが迷って合焦してくれないんだ。

サードパーティのレンズではそういう事がまれにあり、カメラ側がファームウェアのアップデートをすると、それに対応しきれない場合があるらしい。うちにやってきたK-3は箱から出してすぐにVer1.01にアップデートしたので、それが原因か?。

AFが迷った時はROMを書き換える必要があるだろうなと思ったので、今回はSigma 17-70mmを使うのをやめようと判断した。ところが翌日、前日のテストでは全く合焦してくれないからシャッターすら押せなかったのに、この日はスコスコとAFが動く。

うーん、と言う事で2日間に渡ってこのレンズを使ってみたが、AFが迷う、これは皆無だった。感覚的にはK-5にセットしているのと同じ。また、別の日、K-5にこれを装着して撮影しており、このセットでもほぼ問題ない精度だった。

ところがK-3に装着すると、うーん、どうだろう、時間がなく統計は取っていないが、Lightroomでチョロチョロ見ている限り、3割くらいのコマでピント位置に不満がある。これは同じくAFが暴れると書いたDA18-135mmよりも悪い。

どこかの掲示板だかブログでSigmaレンズを使うとK-5で今まで問題なく合焦していたのが、K-3で合わなくなった、なる書き込みを見つけ、正にうちもそんな感じ。もう、正月早々、こんな事で悩んでしまった。

HSMの故障もあり得るし、K-3に対応する為にROMの書き換えが必要かもしれない。ROMの書き換えだけなら無料で行ってくれるので、とにかく検査に出してみようと思う。

上で紹介した写真は恐らくピンボケ。なのでピントがバッチリだとどんな像になるか紹介しよう(切り出し部分はクリックで当倍)。

どうよ!っ、これだけ解像していれば十分でしょう。DA18-135mmを遠くへ追いやれる。常にこれくらいピントが来ていれば幸せになれるんだけどねぇ、現状は広角側はほぼ使い物にならない・・・。

最初が全体像。次が中心部。3枚目が建物の右側、4枚目が左側、5枚目が左端。焦点距離は43mm、これくらいだと周辺部も大きな問題は無い。


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でも、2400万画素の弊害も大きく感じている。このレンズ、毎度お伝えしている通り、中心部はカリカリの描写をするが、周辺部はお世辞にも優れているとは言えない。ところが1600万画素のK-5とのセットだと、それがさほど目立たない。当倍で観察すると「うーん」と唸る程度。

しかし800万画素も多いK-3の像を見ると、欠点が鮮明に見えてくる。K-5では一回りトリミングすればほぼ完璧な解像感があった。でもK-3だと二回りトリミングしたくなる。幸せじゃないよねぇ。

A3ノビプリントなら1400万画素で済むのだから、周辺部に関してはK-5とK-3の差はおおよそなくなると考えて良い。それでもパソコンで当倍で見られちゃうってのが大きなネック。どうしても欠点ばかりに目が行っちゃう。

一番目立つのは解像感よりもハイライト部の輪郭に対する若干の滲み。これはK-5では経験した事のない事象。輪郭の滲みと言うとフリンジが考えられるが、紫でも緑でもないのでフリンジではないと思う。となると倍率、軸上?の色収差かモアレ?。

勿論、これもA3ノビプリントだと気が付かないし、むしろこのハイライトが滲む、欠点ではあるけど、それを逆手に表現すれば面白い効果を得られる。解像感だけを考えれば滲みは不快だが、全体の絵作りとしてはさほど問題視する必要はないだろう。

とは言え、心情的に、K-5では絶対的な信頼を置いていただけに、周辺部の画質がこうも違ってくるのか・・・、とショックを受けちゃっている。そりゃそうだ、レンズは同じなのだから、高画素になればなる程、当倍で鑑賞すると粗が大きくなる。

中央部はDA17-70mmよりも優れているが、周辺部は反対にDA17-70mmの方が良い。となると、総合的にはシャープネスを少し強めればDA17-70mmの方が見た目優れている事になる。

Sigma 17-70mmの周辺部はピントが来ておらず、施しようが無いのだ。どうしてもそれが嫌なら、予め広い構図で撮影し、現像時に周辺部をトリミングするしかない(でもそれだと2400万画素の意味が無く、K-5で十分)。

うーん・・・。大人の事情、Sonyの2400万画素センサーを搭載せざるを得なかったのは判る。しかし!、敢えて叫びたい。なんで2000万画素に抑えてくれなかったのだ!。2000万画素だったらここまで落ち込む事はなかったろうに!。

※でも2000万画素だとドットピッチの関係でモアレが盛大に出ちゃうのだろうなぁ・・・

近々、DA17-70mmの描写に関しても述べようと思っている。まだなんだかんだと多忙で(何しろレビュー記事、掲載直前まで推敲している状態)、撮影したコマの半分も見ていない。だからその結果によっては、Sigma 17-70mmはK-5、K-7専用とし(勿論、点検による原因究明が先)、K-3購入と同時にお散歩常用としてはもう1本DA17-70mmを買い足すかもしれない。

※うちは連れと機材を共用しているからK-5が2台あるのと同じく、同じレンズが2本あった方が困らないが、それも馬鹿馬鹿しいから、K-3のレンズキットで18-135mmを手にするのが一番の得策か?

現行のSigma 17-70mmはDA17-70mmよりも優れているらしいが、とにもかくにも私の中でSigma神話が粉々に崩れた訳で、それを買うのも冒険だし・・・。点検の結果は後日お知らせする。


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コメント

  1. ココロトレール アキオ | URL | -

    居ても経っても居られないほどの物欲を刺激するカメラを望む

    k-5が出た時 そわそわしてました 妻をどう説得するか 
    俺は金持ちではない だから仕事を一生懸命がんばってk-5を買うために頑張る訳です
    k-5シルバーが出た時点でノックアウト 即決で買う 
    今でも 手に持つと 買って良かったを思うのです 
    最近の買い手側は 慎重です ネットのお陰で 買う前になんとなく どんなカメラか想像してイメージトレーニングができます それでも k-5のように 傑作カメラのオーラを放つカメラが出たら 居ても経ってもおられない
    k-3のスペックを見ても 動揺しない k-5とオールドレンズの組み合わせで今でも おもしろくてたまらんのです
    俺個人の見解では k-3は買わない 買えないってのもありますけどね

  2. BigDaddy | URL | -

    > ココロトレール アキオ さん

    K20D、K-7からK-5をメインにした時は世界が、写真の表現が大きく変化しました。特に廃墟の屋内の撮影が非常に多くなりました。ISO1600までしか使えないのと、ISO3200が使える、たった一段ですが、この差は大きかったです。

    K-5からK-3は正当な進化なんでしょうね。K-7からK-5ってのも正当な進化なのですが、時期的に多くのカメラマンが高感度ISOで撮影するようになったのと合致したんですよね。勿論、K-7が悪過ぎたのもありましょう。

    そしてK-5が良過ぎたからK-3への移行を考えているカメラマンが多いのかもしれません。ココロトレール アキオさんもそうでしょうし、私自身も、現状を考えるとK-5で十分なんです。K-3で進化した部分はなんとか運用でカバー出来るかなと感じています。

    いずれにせよK-3はマーケティングの大失敗、あの金額設定はありえないです(笑)。

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