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Pentax K-3 レビュー その10 モアレ

2014年01月24日 00:00



影

Pentax K-5, Sigma AF17-70mmF2.8-4OS HSM

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



一連の記事は先日までRicohからモニターで借りていたPentax K-3について書いている。同じくモニターされていた型落ちハンターが新たな記事を掲載された。

K-3 モニター最終日の撮影

さぁ、うちの今回のネタはモアレについて。モアレとは何ぞや?、その辺を考えてみようと思う。

モアレの類義語とでも言おうか?、挙げると結構ある。偽色、偽解像、干渉縞、色収差、フリンジ・・・。色収差は倍率色収差、軸上色収差とあるし、モアレも輝度モアレと色モアレがある。

これらの言葉を皆さん、全て理解されているだろうか?。私は無理だ。ネットでそれぞれの言葉を調べればなんとなく判るけど微妙。偽色、偽解像、干渉縞、色モアレ、輝度モアレ、この5つの違い明確に回答出来ない。

例えば(にわか勉強で受け売りモード突入)・・・。

倍率色収差は、レンズに真っ直ぐ入ってくる光と、斜めから入ってくる光(特にレンズの端から入ってきた光)の違いから、焦点にズレを生じ(二重像、ブレのような状態になるのかな)、斜めから入る光の影響を受け易い構図周辺部が滲む。

軸上色収差は光の色によって波長が異なるので、色によってピント位置がズレてしまう。緑の光がジャスピンだとしたら、青は前ピン、赤は後ピンになるようで、結果、構図全面で色が滲んでしまう(だからレンズを絞れば解消されるのか?)

この解釈が正しいとすると、写真をパッと見るだけでは倍率色収差と軸上色収差の違いは四隅だけが滲んでいるのか、全体が滲んでいるかでしか区別が付かない。倍率色収差と軸上色収差の両方が出ている写真だってあろう。これは余程、写真を見続けたプロカメラマンやベテラン編集者以外は見分けるのは無理だと思う。

ではモアレはどうだろうか?。

「ローパスフィルターを排除するとモアレが出易い」
「モアレが出たらおおよそのRAW現像ソフトにはモアレ軽減ツールが用意されているから気にならない」

我々はそう教わっている。果たして本当?。モアレ軽減ツールで消えるモアレと消えないモアレがあるのを皆さんはご存知だろうか?。どうやら消えてくれるのが「色モアレ」で消えないのが「輝度モアレ」。

そしてローパスフィルターがあろうがなかろうが、出る時には盛大に出るのが輝度モアレ、ローパスフィルターがあれば色モアレは出にくくなる。だからセンサーの構造上、「モアレが出ない」と言われているSigmaのFoveonセンサー搭載カメラも色モアレは出ないが、輝度モアレは出てしまうらしい。

となると、ネット上でのその手の掲示板やプロカメラマンがモアレがどーの・・・、これは説明不足、もしくは誤った解釈をしている人が大勢いるような気がする。当然、私もその一人だ。これを書いている今でさえ、なんとなく判ったような判らないような・・・。

輝度モアレと色モアレを見分けるのは、そこにあり得ない色が乗っていたら色モアレ(要する偽色)、これは当たり前だが、風景によってそれが汚れとか、人間の目で光の加減で色が違っているように見える時もあり、なんとなく妙な色が付いているけど、果て?、と言う時もある。

ではそれをはっきり区別にするにはどうするか?。なぁに簡単だ。実はPentaxの人から教わったのだが・・・。

「撮影時の様々な条件があるので一般論として、モノクロにして軽減される、もしくは消えれば色モアレ、消えなければ輝度モアレ、もしくは現像ソフトで軽減されるのが色モアレ、されない、もしくはされにくいのが輝度モアレ」

モアレと言うと一般に地図上の等高線のような渦、うねり?、のような模様をイメージするだろう。これを干渉縞と言うらしい。そしてネット情報の多くはそれはLightroomやCapture Oneで消えると明言されている。でも残念ながら消えないモアレ、それが輝度モアレだ。

※正しくは消えない場合が多い、消えてくれる輝度モアレもある?

また輝度モアレは渦が複雑になる事が多いらしい。規則正しく等高線状になっているのでなく、縞そのものに大きなうねりがあると、おおよそ輝度モアレとの事。確かに掲載したジェットコースターの網、ゴルフ場のフェンスの渦も不規則な形になっている。

実際に、Lightroom 5に加え、お試し版のDxO Optics 9、Capture One Pro7の3つで試したところ、このような不規則の輝度モアレと思われる干渉渦は一切消えなかった。軽減すらされない。

そこからモアレ調査の旅が始まり、アカデミック過ぎて理解出来ない、きっと中には有用な情報が含まれているだろう、そんなサイトは見つけられたが、デジタルカメラで発生するモアレを熟知し、噛み砕いて、それを我々に還元してくれているサイトは皆無だと判った。

こういうネタは写真家の那和秀峻氏が得意、そこで氏のブログを探索すると、幾つか上記のキーワードが書かれている記事を発見し、色モアレ、輝度モアレも言葉としては見つかるのだが、それは初心者に解説しているような文章ではなく、こういう事を噛み砕いて書いて下さる方は、那和秀峻氏くらいなものだから、是非ともモアレの詳細を書いて頂きたかったりする。

結果、この文章もほぼ憶測で書いている(なので間違っている可能性もあり、鵜呑みにされないように)。

なるほどね、多くのカメラマンが知ったかぶりをしていたんだ!。いやぁこれは私を含めて恥ずかしいぞ。「輝度モアレ」と「色モアレ」、この言葉は検索すれば仰山出てくる。でも輝度モアレはこれ、色モアレはこっちと言った比較写真もないし、それらをどう処理するのか、Lightroom等で消えない輝度モアレはどうするべきか?、これらに言及されたサイトはこの記事を書いている今、見つかっていない。

運良く、どこかのサイトで(那和秀峻氏のブログだったかも)、Capture One 7を使って現像したところ「色モアレは消えるが輝度モアレは消えない」、そんな文言を見つけた(この時、初めてモアレには二種類あるのを知った(笑))。

だからか!。K-5でも等高線の干渉縞が出る。でもLightroomで消せるモアレと消せないモアレがあり、何でかなぁ?、とずっと思っていた。そして「モノクロにして消えれば色モアレ、消えなければ輝度モアレ」、これを試し、案の定、Lightroomで消えないモアレはモノクロに再現像しても消えなかった。

干渉縞を簡単に出せる場所を知っている。それが本日トップの写真、東京ドームシティだ。ここのジェットコースターのコースに設置されているネット。晴れていて空に向かって撮影すれば、ローパスフィルターのあるK-5でも、かなり目立つ等高線模様が浮き出てくる。

下はそれが出ている部分。モノクロに変換しても全く消えていないから、これは輝度モアレなのだろう。影と干渉渦がごっちゃになっているので、間違われないように(クリックで等倍切り出し)。


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勿論、これはK-3でも出る。18-135mmを使ってほぼ同じような構図で撮影したコマを下に示す。やはりモノクロにしても縞模様ははっきり見えている(切り出し像はクリックで等倍)。


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ネット上では受け売り人間達がこの手のモアレでもLightroomで消えると豪語しちゃう(輝度モアレと色モアレを明確に分けて解説しているサイトがほとんどないから、「モアレは消せる」、これが常識化されているように感じる)。そしてみんなが勘違いしちゃって「モアレが出てもLightroomで消せるから、解像感の優れたローパスフィルターレスが最高だね」と言い始める。

輝度モアレはローパスフィルターの有り無し関係なく発生するらしいが、それでもPentax曰く、発生する確率はローパスフィルターレスカメラの方が多いみたいだ。より解像感が高いからだろう。

とは言え、この風景に限ってはK-5でも出るのだから、幾らK-3のローパスセレクターのType IIを使っても同じように縞模様モアレが発生する可能性は高い。

東京ドームシティを訪れた時も、主にジェットコースターでどれくらい動体AFが食い付くか、これしか頭に無かったので(ここでモアレが出る事をすっかり忘れていた(笑))、無念、ローパスセレクターは一切動かさなかった。

東京ドームシティに行けない方は近所のゴルフ練習場のネット(金網でなく柔らかいネット)を、網の目がファインダー上で見えない、1枚の大きな布のように見える位置まで下がり(遠過ぎても駄目)撮影すればどんな焦点距離でもF8くらいに絞っていれば、結構な確率で輝度モアレが発生するので、是非お試しあれ。

笑ってしまったのが、K-3の遠景の実力を測ろうと東京を出て、偶然見つけたゴルフ練習場。これくらい離れていればモアレは出ないだろう!、と一応テスト的にパチリしたのが下。これも出ないと思っていたのでローパスセレクターは作動させていない。

機材はK-3にFA50mmF1.4。うっすらと輝度モアレが出ている。ここまで下がればK-3よりも解像しないK-5ではモアレは出ないだろうし、解像感の悪い18-135mmなら出ていないかもしれない。

※色がえげつないのはカスタムイメージ「ポップチューン」で撮影しているから


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問題はここから!。

輝度モアレでもない、色モアレでもない渦が写真に出る事がある。それは主に光学ファインダー上でも渦が確認出来ちゃう時に発生する渦。

これもPentaxの方から教わったのだが、光学ファインダー上で確認出来る渦はモアレではないそうだ。一番判り易いのはパソコンのモニターを撮影すると、時折、角度によって物凄い渦が出る時がある。パソコンモニターでもモアレが出る時もあるが、もし撮影の際、光学ファインダーでもそれを確認出来ていればモアレではないとの事。

恐らくこれも多くの人はモアレと思っているのではなかろうか?。私もついさっきまでこれもモアレだと信じていた(要するに渦が見ればモアレだと思っていた)。もしかするとプロの方達もモアレと呼んでいるかもしれない。でもモアレじゃないそうだ。

となると・・・。Ricoh GXRにA16。以前これでトラックの波板の形成されているステンレスボディでモアレは出ると書いた事がある。これは当然、同じくローパスフィルターレスのK-3でも見事な渦が出る。出ると言うよりも「出せる」と表現したい。

実は今回、モアレとローパスセレクターのテストをしようと、トラックの集まる物流センターを目指した。100%モアレを出せると思ったからだ。以前、埼玉県は川口の現存するキューポラ煙突を撮影した際に、物流センターが多く集まる地域を見つけ、今回はそこに赴いた訳だ。

そして下の写真!、見事に荷台に渦が出ている。しかもローパスセレクターで効果が出た!。ローパスセレクターOFFの像だけ露出が半段暗くなっているのと手持ち撮影なので構図がずれているのはご愛嬌。

※切り出し部分はクリックで等倍にしないと実際の縞模様を理解出来ない


全体図

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ローパスセレクターOFF

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ローパスセレクター TYPE I

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ローパスセレクター TYPE II

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ローパスセレクターOFF写真をRAWでモアレ軽減

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これで「良かった、ようやくローパスセレクターの効果を皆さんにお見せ出来るぞ!」と喜んでいたのに、これはモアレではないそうだ。まじかよ!。確かにこれを撮影した時、パソコンモニターを撮影した時のように、光学ファインダー上でも渦が見えた。

ファインダー上で渦が見えていなくても(多分、普通に撮影していれば注意していないので気付かないんだろう)、このような渦が出て、特に虹色に発色していたらそれはニュートンリングの可能性もあると言う。おいおい、また新しい言葉だぜ!。

それはあくまでも干渉縞ではなく、光の波長による渦で(自然現象)、これはファインダーで確認出来る=肉眼でも確認出来る風景もあるみたい。シャボン玉、これが空中を漂うと光の状態によって虹色に輝く時がある。これがニュートンリングなんだそうだ。

トホホ・・・。ならばトタンに出るような渦もモアレじゃないのけぇ!?。確かに虹色に出ていたコマもK-5でどこかで撮った記憶がある。

「モアレとは撮影素子と規則正しくパターン化している風景が重なる、干渉しあう事で渦のような模様が出るもの、そして多くは格子状の風景に見られる」

これは皆さんもご存知だろう。だから格子状になっている網、フェンス、屋根瓦、細かいタイル模様の建築物などに干渉渦が発生しちゃう。

確かにトラックの荷台やトタンもパターン化している風景ではあるが、格子状ではない。だからモアレの可能性もあるし、そうでない可能性もあるらしく、虹色が目立つように発生していたらニュートンリングの可能性の方が高いとの事。

パソコンのモニターはドットだから格子状になっている。じゃぁモアレ?。うーん、どうもこの辺も曖昧で、少なくとも撮影中に光学ファインダーで渦が見えたらそれはモアレではないとの事。

それとこのトラック荷台に写っている渦のような模様はモノクロ化しても渦のまま。となるとやっぱり色モアレではなく、ニュートンリング?。

またレンズの解像力を測るISOナンチャラと言うチャートがあるでしょう?。これを撮影してもモアレらしい模様が出る時がある。これもモアレなのかニュートンリングなどの他の症状なのか、言及は出来ないらしい。

しかも色々調べていると「ニュートンリングの結果、モアレが出る」、なる言葉も見つけられた。これは恐らく縞模様をモアレと表現しているだけかもしれないが、モアレの縞模様はあくまでも干渉渦で光の波長による渦ではない・・・。

また、リングと言うくらいだから、発生したらそれは完全な渦になる筈。でもトラック荷台の縞模様は渦ではない。あくまでも縞模様が出ているだけ。となるとこれは色モアレか?。でもPentaxの人はモアレは光学ファインダーでは確認出来ないと断言されていた。うーん・・・。

ねぇ?、だんだん判らなくなってくるでしょう?。モアレだと思っていたものがそうでないなんて!。一体どうすりゃいいんだ!?。

私なりの結論。

我々は軸上色収差、倍率色収差の違いも良く判っていない。どうやら倍率色収差はカメラや現像ソフトで軽減出来るみたいだ。

色モアレと偽色、さらにはフリンジの関係だってイコールなのか似ているだけなのかもなんとなく判っているようで判っていないが、色収差と同じく、色モアレとフリンジ、それとニュートンリング(と思われる模様)はカメラや現像ソフトで軽減される、輝度モアレは現状の技術では消すのは難しい、これだけを理解していれば良いのではなかろうか?。

単純にデジタル写真で偽色や渦が発見出来たら、Lightroomで軽減してみる。軽減出来たらラッキー、出来なかったら、自分一人でなく、全世界の人も消せない、もしくは消しづらいのだから、悩まない、それが一番かもしれない。

人間、知ったかぶりが一番カッコ悪い、それに気付いた瞬間だった。モアレ、各種色収差、偽色、フリンジ、この辺の事を、これだけネットに情報が氾濫しているのに、専門家やプロカメラマンでもしっかりと言及されていない中、我々素人が偉そうに語っちゃ駄目って事だな(笑)。

O157とノロウィルスの違い、これを明確に回答出来る一般人なんてそうはいないでしょう?。医者だってしょ~もない問診だけでは間違えるくらいなのだから。昔はそんな言葉すらなく、単に食中毒と表現された(今でも食中毒には変わりないだろうが)。

O157だろうがノロウィルスだろうが、とにかく症状の重い胃腸炎になったら自己判断せずに医者に行く、我々が出来るのはそれしかない。それと同じく、輝度モアレ、色モアレ、ニュートンリング、偽色、フリンジ、色収差も複雑に考える必要はない。

それらが「出るか出ないか、軽減出来るか出来ないか」、それだけの話。そしてK-3のローパスセレクターでメーカーが効果を確認出来ると言っているのは色モアレのみ。ニュートンリングに関しては社内でも検証されていないようで、上に掲載したトラックの荷台がニュートンリングであれば一応の効果はあるようだ。

要するに荷台に出た縞模様がモアレなのかニュートンリングなのかは関係なく、肉眼では見えていない、もしくは見えづらい「渦」が写真に写ってしまったのなら、それをカメラやLightroomで消せるか消せないか、それだけを考えれば良い。

そうそう、皆さん、モアレ、もしくはニュートンリングを含めモアレのように見える渦がどれくらい発生するかも興味あるところだろう。

まだ撮影した全ての写真をチェックしていないので、断言は出来ないが、ローパスセレクターのオフで色モアレで見るも無残、そんなぶっ飛んだ写真は見当たらない。輝度モアレはこの手の網のある風景では結構な割合で出てしまうし(但し、K-5で撮影しても輝度モアレは結構見つけられる)、ニュートンリングなのかモアレなのか微妙なトラックの波板成型のステンレスの荷台での渦は誰でも写そうと思えば簡単に写せる(屋根瓦やトタンで渦を発生させるよりも簡単)。

もう1つ、ネット上「モアレはレンズの焦点距離、絞り、撮影距離、撮影角度によって出なくなる」、これが定説となっている。これは間違いはないようだ。またニュートンリングに関しても撮影位置や角度を変えると見えなくなるそうだ。

しかし運用上、2013年12月3日の記事でも指摘したように(ここで発生しているのは色モアレ)、特定の被写体を一定の距離で撮影するブツ撮りやポートレートなら判るが、お散歩写真でそれを考えながら撮る奴がいるか?。

このゴルフ場を見つけた。「うん?、これはネットだから輝度モアレが出るかも?」、そう判断し、この1枚の為に焦点距離、絞り、撮影距離、撮影角度を変えながら何コマも消費するか?、たかが3インチ程度の液晶画面を再生しながらモアレチェックをするのか?。

しないでしょ。いや、それがどうしても撮りたい風景なら考えもするが、お散歩写真の1コマだとしたらそんな面倒しないだろうし、コマを多く切ってもそれは構図や被写界深度、解像感優先となる筈だ。しかも2013年12月3日の記事で紹介したモアレ写真は、モアレが出るから気を付けようなんてちっとも思っちゃいない。こんなところでモアレなんて出る訳が無いとシャッターを切っているからだ。

輝度モアレ、色モアレ、そしてニュートンリングかもしれない渦も体験した。カメラもK-3を始め、K-5、K-7、Olympus E-P3、手持ちのカメラ全てで輝度モアレは出る。しかし経験上、色モアレは「えっ?、ここで出るんかいな!」と言うところで出て、輝度モアレは「多分出るだろうな」、そんな場所で想定通り出る時が多い。そして輝度モアレは現像ソフトでは消せない時がある、そう思って良い。

1台のカメラで解像感を優先したローパスフィルターレス、そしてローパスフィルター無しでも機械的にその役割を模倣したローパスセレクターを搭載したK-3は素晴らしいと思う。思うが、輝度モアレはローパスセレクターではさほど効果がなさそうだし、色モアレはいつ出てくるかカメラマンが理解するのは難しい。

ローパスフィルターのないカメラのレビューでプロカメラマンが反対にモアレを出すのに苦労していたりもするから、プロでも(どこでモアレが発生しやすいかは知っているだろうが)、「この条件なら100%発生する、しない」と明言出来る人はいないと考えて良いでしょう?。

ローパスセレクターはブツ撮りやポートレート撮影するカメラマンには非常に有効な機能ではあるが、お散歩写真ではそれをどう使うべきか、3週間と言う短い期間では答えは出なかった(ローパスセレクターに関しては余力があれば別途記事にするかもしれない)。

この手の風景の一部、網や荷台だけに出てくるモアレ(もしくはモアレに似た渦、ニュートンリングなど)は特大サイズにプリントしない限り、人間の目には見えないし、仮に見えていてもさほど違和感はないと思うので、気にしない(いずれにせよ輝度モアレは修正は不可能だから)のが一番だが、今後、構図全体に広がった渦模様写真を撮っちゃう時ももしかしたらあるだろう。

まぁK-3を実際に購入したら、とりあえずネット、フェンス、トラックの荷台が風景内に収まっていたら、レンズの絞り云々なる作業は面倒でしないが、ローパスセレクターを作動させた写真を保険で収めておく、そうやって運用するのが良いのかな。

輝度モアレも軽減、もしくはソフトウェアで取り除けるように、デジタルカメラ(動画含め)のさらなる発展を希望したい。こういう事は自社でセンサーを作っているCanonとかPanasonic辺りがやってくれそうな気がするなぁ~。

さて、本記事を読んでくださった方で、モアレにお詳しい方がいらっしゃって、その方がご自分のブログにてモアレに関する記事を書いてくださった。下がそのリンク。興味ある方は是非ご覧になって頂きたい。

デジカメのモアレについて

そう言えば、Digital Camera Utility 5(以下DCU5)、1月6日の記事で散々けなしたが、今気付いた、この現像ソフト、色モアレ軽減機能がないのね。カメラにローパスセレクターがあるとは言え、一応はローパスフィルターレスのカメラ、色モアレ軽減機能は付けて然るべき。

K-3には撮影後のレタッチ項目の中に色モアレ軽減機能がある(確かJPGにしか作用しなかったと記憶する)。だったら何故DCU5にも同様の機能を搭載しないのか?。エクストラシャープネスも載せていない。ホワイトバランスはCTEをようやく搭載したが、今度はマルチパターンオートホワイトバランスがない。更にはサムネイル表示に時間が掛かる(キャッシュがおかしい?)。

不備と言われても仕方が無い。ユーザーとして切望、とっととSilkypixと縁を切るか、カメラ内で可能な作業は全て現像ソフトでも可能になるように仕様、高速化を目指し、設計からやり直して欲しい。Ricohと言う大メーカーが添付しているソフト、この状況は恥ずかしいと思う。メーカーとしてプライドを持って欲しい。

SilkypixもSilkypixだ。自社名義の現像ソフトは優秀ならしい。ならばどうしてPentaxブランドの現像ソフトはここまで劣悪なの?。DCU5が完全に機能しない限り、優秀だと評判でもSilkypix製の現像ソフトなんて誰が買おう?。私はお試し版ですら使いたくない。それくらいSilkypixには憎悪の感情を持っている。それもこれもPDCU4、DCU5のせいだ。

カメラ、レンズと言ったハードウェアの購入に関してはケチであるが、ソフトウェアはちょっと良いぞ、なる評判があればすぐに買っちゃう。Lightroom以外にDxo Optics Proも買ったし、Photoshopのプラグインソフトなんて幾つ持っているか、K-3を軽く買える。近々、現像ソフトのCapture One 7も買おうと思っている。でもSilkypixの現像ソフトだけは絶対に買わない自信がある。

ファインシャープネス、エクストラシャープネスはPentax独自のもの、マルチパターンオートホワイトバランスはRicohのもの、これら知的財産だの特許だのメーカー間の金銭だのが色々と絡んでくるのは判るが、それってRicohもSilkypixもユーザーに目は向いていないよね。ユーザーの為に何かをする、これが見えて初めて信頼感を得られる。今後もこのメーカーの商品を買おうと感じる。

一般的に複数のメーカーが絡んでくるようなソフトウェアはプラグイン機能を用いて、それを実現する。Photoshopもそう。これ単体では基本的な作業しか出来ず、むしろプラグインを使う為のプラットフォームでしかない。様々なメーカーのプラグインソフトがあるから、複雑なレタッチを誰でも簡単に行える。

知的財産、特許が絡んでいるのなら、プラグインとしてファインシャープネス、エクストラシャープネス、マルチパターンオートホワイトバランスを盛り込めば良いだけではなかろうか?。ブラックボックス化されているから、他社がそれを解析する事は不可能。知的所有権なんて関係なくなる。ユーザーを第一と考えているのなら、当たり前にそうやって提供する筈だが・・・。

加えてPentaxのカメラには再現像機能の他に様々なレタッチ機能がある。デジタルフィルターもその1つで、これらもDUC5からデジタルフィルタープラグインとして機能させれば良いだけでしょ?。

DCU5にファインシャープネスとホワイトバランスのCTEが加わったのに何故PDCU4(Pentax Digital Camera Utility 4)のアップデートがないのだろう?。これもユーザーを丸で無視している。PDCU4をアップデートする気がなかったら、DCU5をRAW現像可能なPentaxカメラの全ユーザーに無料で開放するべきだ。Ricohになってケチさが無くなると思ったが、未だにケチって・・・。


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コメント

  1. Shiro | URL | -

    モアレの記事,楽しく読みました。
    実は私も最近,モアレの記事をネット上でいろいろ探しました。どれも受け売りの同じこと言ってますが,分かるはずないですよね。同感です。しっかり考えれば小学生でも分かる理屈をローパスフィルタ,干渉,うなり,空間周波数,ナイキスト周波数,標本化定理なんぞとやってくるからダメなんだと思います。分かっていないことを分かっているということはとても立派だと思います。

  2. 型落ちハンター | URL | 4ARdecsc

    ベイヤー方式の場合、厳密に言うと色の分解能は1ピクセルよりも大きいですが(4ピクセル程度?)、輝度の分解能はほぼ1ピクセル単位でありますから、色モアレの方がより低い空間周波数で出るのだと理解しています。ローパスフィルターがあっても色モアレが出ちゃうのは、完全に防げるほど効果が強力ではないからでしょう。逆に輝度モアレというのはよほど高周波でなければ出ないはずです。

    色モアレはベイヤー方式に特有のもので、ソフトである程度ごまかすことができるのでしょうが、輝度モアレはデジタル化によって避けられない現象ですから、一度出てしまった輝度モアレはどうやっても消すことができません。

    それと2枚の網が重なったときに見える縞模様はきっと肉眼でも見えているはずで、これはモアレとは違うと思うんですよ。一種の干渉?ですね。変な言い方ですが、網というフィルターを通して疑似デジタル化されちゃってるんです。もし1枚の網でも発生したら間違いなくモアレです。

    トラックの荷台に見えているのはやっぱり色モアレでしょう。それでなければローパスセレクターで消えたりはしません。ニュートンリングというのは物理現象ですから、ローパスフィルターがあってもなくても、デジタルカメラでも肉眼でも見えるはずです。もしファインダーで見えていたとすれば、それは色収差か何か別の現象ですね。

    余談ですが、ニュートンリングというのは光の波長が無視できないほどミクロな世界で起こる現象であって、トラックの荷台で起こることは絶対にあり得ないと思います。(笑)

  3. yhrzn | URL | u8Fyatko

    初めまして。いつも楽しく拝見しています。
    今回、流石に看過できない内容のため書き込みいたします。

    さて、モアレについてですが、これには発生理由別に様々な種類があります。
    この中で、デジカメで問題としている輝度モアレと色モアレは、アナログな映像を等サンプリング周期(≒等画素ピッチ)で離散化する際に問題となるデジタル化特有の問題です。後者は若干様相が異なりますけどね。

    今回サンプルとして挙げられている二重網のモアレはこれらとは全く異なります。
    (これは2枚の網のピッチが異なることによるただの唸りで、これが写らなければそのカメラは壊れています)

    輝度モアレと言われているものはアナログ情報を等ピッチで離散化(デジタル化)する際に、そのサンプリング周波数の半分より高い周波数の情報が特定の周期で計測されてしまうことに起因しています。(折返しノイズ・エイリアシングとも呼ばれますかね)
    ぶっちゃけ計測工学の基礎中の基礎なので、分かっている人はいちいち口にしないだけかと思います。

    通常、この折返しノイズの原因となる高周波数の情報を遮断するのがLPF(ローパスフィルター)です。字の通り、高周波を遮断し、低周波の信号のみを通すものです。
    折り返しノイズのみをバッサリ高域遮断できるLPFがあれば、LPFレスと解像は変わらず、輝度モアレも生じないように出来ますが、そんな理想的なLPFは存在せず、ある周波数帯域をもって高周波を遮断します。この周波数特性とカットオフ周波数の良し悪しがLPFの良し悪しとなります。
    D4センサのLPFは原価10万とか言われてますが、周波数特性が非常に優れているためモアレを抑えつつ十分解像するものと思います。
    LPFレスということは、折返しノイズを一切低減しないことを意味します。その代わり解像を得るものです。

    これが生じるのは十分な解像をもつレンズを用い、センサー上で画素ピッチよりもさらに細かい特定の周期的な模様を撮影した場合だけです。
    (周期的な模様でなければモアレ模様としては出てきません。ただのノイズとなります。)
    要するに画素が粗いのに必要以上に解像するレンズを付けてピッチの狭い規則的な模様を撮った時にだけ生じます。
    なので、高画素化すればするほど輝度モアレは低減できます。(LPFレスなら0にはできませんが)
    逆に解像の低いレンズを使えばLPFと同様の効果を得られるため、輝度モアレは低減されますね。
    コンデジのようにレンズの解像が低く画素ピッチが十分細かければLPFは不要です。

    等ピッチであることが重要なので、格子模様である必要はなく、周期的な模様であればモアレが生じる可能性があります。
    また多少カメラを傾ければパターンに対して画素ピッチが変わりますのでモアレの様相は変化します。
    絞り込んで回折ボケさせる、或いは絞りを開いて被写界深度から追い出すことでもLPFと同様高周波数情報を遮断出来るため、モアレ解決の方法としてはメジャーですね。

    輝度モアレの例をアップしておきます。
    http://zono-yh.sakura.ne.jp/znworks/src/20130812.jpg
    K-5IIs/Tamron 17-50mmF2.8です。
    等倍切り出しですが、ウェアの織り目が画素ピッチに対して十分狭く、且つそれなりのレンズを使っているため現れています。

    色モアレについてですが、ご存知の通り、デジカメの画素はそれぞれRGBのうち1色にしか反応しません。
    ベイヤー配列なら総画素数の内Gが1/2、RとBがそれぞれ1/4ずつで、規則正しく並んでいます。
    しかし、デジカメの写真としては各画素毎にRGBのデータがありますよね。
    これは、自分の周囲の画素のデータを使って補完処理を行っているためです。
    この際、特定パターンの画像を撮影するとこの補完処理に失敗します。この時生じるのが色モアレです。
    この場合、実画素ピッチの倍のピッチで並んでいますので、輝度モアレより出やすいです。周辺画素で計測される輝度の平均自体は大きく振れないため、モノクロにすれば消えます。
    トラックの模様は色モアレでしょう。画素配列に対する縞の配置も出やすそうな角度ですし。それに実際に色付いていたならばK-3のローパスセレクターの動作原理から画像としても出ていなければおかしいものですので。

    フォビオンで色モアレが出ないのは各画素毎にRGB全てのデータを計測し、補完処理を行う必要がないためです。
    また、不定ピッチ配列であれば周期的な画像の影響を受けにくいので、色モアレ低減に寄与します。
    ただどちらのセンサも等ピッチで離散化していることに変わりはないので、LPFあるいはそれに相当するものがなければ輝度モアレは生じます。

    後はLPFが色モアレの周波数に合わせられていると全体的な解像が落ちますし、輝度モアレに合わせられていれば解像は多少良いが色モアレが消せない…となります。
    大抵のLPFは前者かと。色モアレを気にしなくて良いフォビオンやフジのセンサーは後者で対応出来るためLPF有りでも高い解像を維持出来ます。

    かなり端折ってますが、こんな感じですかね。

    なお、ニュートン環は透明な2つの物質を張り付けた時によく見えるもので、水に油を浮かべた時の虹模様だとか、シャボン玉の虹模様のことですね。肉眼で視認出来ますしLPFでは消えませんよ。
    トラックの荷台であれば、アルミ地にクリア塗装されていれば見えるかも知れませんね。かなり近くで見ればの話ですが。

    2014/1/26訂正
    周波数域について間違ってました。
    折り返しノイズはサンプリング周波数の半分〜サンプリング周波数の周波数情報が、サンプリング周波数の半分より低い側に折り返すモノです。

  4. BigDaddy | URL | -

    > Shiro さん

    フィルム時代はこんな事、考えなくて良かったのですけどね(笑)。

    私なんてこの手の内容はド素人ですから、比較写真があって、これは何で、こっちはコレ、これは消える、これは消えない、そういう小学生レベルの記事じゃない限り、判らんです・・・。

    それと結論に書きましたが、詳細を知る必要もないかなと。要は消えるか消えないか、もしくはこの手の縞模様が出て然るべきなのか否か、これだけ理解していれば良いんだと思います。

    型落ちハンターさんとyhrznさんがヒントになるコメントを綴って頂きましたので、そちらも参考にされて下さい。

  5. BigDaddy | URL | -

    > 型落ちハンター さん

    ローパスと言うくらいですから低周波数なんでしょうね。なんたってPhotoshopのハイパスフィルター、これ輪郭強調に使ったりしますが、ハイパスだからどーのなんて全く判らんのです。

    yhrznさんも書かれていましたが、ゴルフ場のネットとジェットコースターのネット、これはいわゆる人間の目の錯覚みたいなもので「モアレ模様」とかで検索すると、こういう干渉によってある部分が太くなったりする、それと同じようなものって思って良いのでしょうかね。

    うーん、Pentaxの人、半分くらい間違っている?(笑)。実際にPentaxの人は写真を見ていないんです。こちらが「撮影した写真を見て頂いて、モアレなのかそうでないのか教えてくれないか?」と問うたら、どうも見るのを嫌がって、写真を送る事を断られたんです。

    ですから、仕方なく口頭で、こういう風景でこんな風に撮ったらこんな模様が出て・・・、と説明したら、ジェットコースターとゴルフ場は輝度モアレで、トラックはニュートンリングかもしれない、少なくともファインダーで渦が見えていたらそれはモアレではない、と言われたんです。これ、2度問い合わせして、再確認もしているんです。

    ニュートンリングは調べれば調べる程、トラックの模様は違うなと思っていましたが、やっぱり色モアレなんですね(笑)。となるとトタンに出るのも色モアレですよね。うーん、ちょっとほっとしました。

  6. BigDaddy | URL | -

    > yhrzn さん

    詳細な情報をありがとうございます。

    「計測工学の基礎中の基礎」、問題はここなんでしょうね。ローパスフィルターレスカメラが増え、これだけモアレが騒がれている、なのに一般はその基礎中の基礎なんて全く知らないんですよね。それで、各個人が受け売りに受け売りを重ねて、間違った情報がネットに氾濫しちゃう。

    私なんて縞模様になるのは全部モアレだと思っていましたし、本文の通り、色モアレと輝度モアレの2つ存在するのを知ったのはほんの最近です。ニュートンリングなんて初めて聞く言葉でしたし。

    色モアレを偽色と言う人もいて、また輝度モアレで偽色が出ている、そういう表現もネット上にありました。モアレと偽色と偽解像って何が違うん?、そんな単純な疑問なんです。素人には判りません。これは本当に誰かが(本来はカメラメーカーがやるべき事でしょう)、きっちり、小学生にも判るように解説しないとならないんじゃないか、そうでないと、今後も多くが誤解したままだと思うんです。

    本文に「Pentaxの人が・・・」と強調していますが、どうも得た回答が疑問だらけだったんで、逃げ口上です(笑)。これ、2度確認したんですよ。となると今回はお客様相談センターの方に説明を受けたのですが、メーカーの人も良く判っていない人、もしくは勘違いされているってことなんでしょうね。

    とにかく写真を見て欲しいと頼んでいるのに、写真を見てくれず、原則的な事を解説された、ここに疑問を持ったんです。勿論、具体的に、フェンスでこういう風に出て、トラックの荷台で・・・とはこちらで説明しました。

    トラックの荷台、これはファインダーで渦を確認出来たのですが、となると、写真に写ったのは色モアレ、でもファインダーで確認出来たのは他の何かと考えるべきでしょうか?。

    また、本文で疑問として残している、レンズ解像力テストのISOチャートシートや、パソコンのモニターを撮影した場合、これもファインダーで渦が見える時があります。そしてそんな時、大概、写真にも渦が出ます。これは何なんでしょうか?。

    質問で終わってしまうお返事は失礼かと思いますが、せっかくなのでお教え願いませんでしょうか?。また、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。K-3ネタはその20くらいまで続きます。

  7. yhrzn | URL | u8Fyatko

    ファインダでも縞が見える件についてですが、十中八九フォーカシングスクリーンによるものです。
    と言うのも、昔のフォーカシングスクリーンのマット面はただのスリガラスでランダムな凹凸でしたが、明るさやピントの山のつかみやすさを求めた結果、現在のフォーカシングスクリーンは規則正しくプリズム或いは微細なレンズ状突起が並んでいます。
    (少々古いですが1990年の各種マット面の顕微鏡写真を乗せているブログを引用します http://nikonfan.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-6dda.html )
    フォーカシングスクリーンはこのように高度な光学機器なので「スリガラスのくせに高い」なんて言ってあげない方が良いでしょう。
    規則正しい配列で並んでいると言う事はそれに近い周期の模様で唸りを起こし干渉縞が見えます。
    当然、原因がOVFだけの問題なので、この干渉縞(これも広義ではモアレですが)は実際記録されるものとは異なります。

    例えば、液晶モニタや縞チャートを撮影する際にファインダで見られるモアレはフォーカシングスクリーンに起因する干渉縞ですが、実際撮影した際に生じるモアレは色モアレの可能性もありますし、画素ピッチより細かく写る倍率で撮影していたなら輝度モアレとして出てくるでしょう。
    OVFは実際にセンサに入る像とファインダーで見ているものは異なります(ウェストレベルは限りなく近いですが、光路長の誤差は無くならないので厳密には異なります)。EVFやコントラストAFがまだまだなため必要悪として存在しています。

    彩度の低いトラックの荷台で色の付いた虹のようなものが見られたとするなら色収差の可能性も捨てきれませんね。
    ファインダは独立した光学系なので、色収差まできっちり押さえ込んでいるかどうかは分かりませんので。

    Pentaxの人と言ってもごく一部の技術(それも光学開発)の人間でなければ詳しくは知らないでしょう。
    そういう方は通常、人前には出てきませんし。

    因みに、私自身も工学屋ではありますが光学系ではありませんので全てにお答えすることはできないものと思います。間違っている場合もあるやも知れません。悪しからず。

    追記
    偽色の件ですが、本来あるべきでない色が出ているなら全て偽色といえるでしょう。その定義で言えば色収差も色モアレもパープルフリンジも全て偽色と言えます。(彩度0のグレースケールも白〜黒の色と定義するなら輝度モアレだって偽色と言われるかもしれません)
    これも原因は様々で、例えば厳密なパープルフリンジは素子上で受光量がオーバーフローした際に周辺の素子に電子を撒き散らしてしまい、結果本来無いはずの色画素が有意な信号レベルに達するために起こるものです。しかしながらぱっと見では見分けが付かないので光学系の色収差と間違われるケースも多いですね。その逆も然り。

    偽解像については、少し調べた限り有りもしない模様が現れれば全部偽解像と呼べそうですね。これは、全てのモアレ模様が含まれると思います。便利な言葉ですね。

    この手の言葉は広義と狭義があって、広義だと包括する要素が多くて的を射ず、しかも狭義は分野やコミュニティ毎に実際の意味が異なる場合があるので、相手に合わせて言葉を選び、相互に確認をとりながら対話する方がよいでしょうね。

  8. Kan | URL | 30oPJyPA

    そういえばこの1・2年、モアレとかローパスレスとか、色々専門用語が乱舞するようになってきましたね。
    確かに美しい映像に拘るならきちんと理解しておく必要があるとは思います、今回は色々と勉強になりました。φ(..)

    *モアレが出ようがどうしようがそれも芸術の一つと思っちゃダメですかね?。白とび黒潰れしかり・・・。
    だってローパスレス機ってローパスフィルターという部品がないのに当たり前のように高価だし。(爆&言い訳)

  9. BigDaddy | URL | -

    > yhrzn さん

    初歩的な疑問に答えて下さりありがとうございました。いやぁ、勉強になります。

    なるほど、スクリーン、言われてみればパソコンのモニターにピントを合わせていると、K-5でもそれ以前のカメラでも出ていた気がします。モニターやトラックの荷台の渦と、ファインダー上に見える模様はとでは同じ干渉縞であっても別物って事なのですね。

    となると、昔のファインダーが良くスクリーンも優れたものが付いていた昔のフィルムカメラでもファインダー上でコントラスとあるものにピントが合うとファインダー上で模様が発生していたのかもしれませんね。当時はモアレなんて言葉すら知りませんでしたから、もし確認出来たとしてもそういうものだろう、その程度にしか思わなかったのでしょうね。

    そうか、Pentaxの人は口頭でそれを聞いているだけなので、私の言ったファインダー上でモアレらしきものが見える、これを勘違いされたのでしょうね。

    偽色について。これもフィルム時代にはそんな言葉は無かったか、気にしなかったか・・・。色収差と言う事場はありましたよね。でもそれも全く当時は気にしませんでした。デジタルになって、Tamronの70-300mmと言うズームレンズ、これが時折、コントラストの付いた輪郭部分に物凄い偽色が乗るんです。これをは出そうと思えば結構簡単に出せたりします。なんじゃ?、と思って調べると、色からするとパープルフリンジっぽい。

    でもこれも狭義ではパープルフリンジでない可能性もきっとあるのでしょうね(笑)。これはLighroomの色収差補正で、色指定すると消せました。

    と言う事は、曖昧な場合は、とりあえず、色が変なら偽色、肉眼ではありもしない変な模様などが出ていたら偽解像、そう文章として記した方が良いですね。

    あとはPentaxの方が言われた通り、素直に現像ソフトやK-3のローパスセレクターで消えれば色モアレ、そうでなければ輝度モアレ、もしくはその他の偽解像、色収差などを疑えって事ですね。そして一般に言われる紫と緑のフリンジと倍率色収差、これもLightroomで軽減出来る。

    何を試しても駄目な時は全世界の人も駄目(笑)、現状、そう結論付ける事にします。PhotoshopでLAB形式にしてボカシツールで・・・、そんな手法もあるようですが、当面はそこまで手は付けられないです。

    いやぁ、本当にありがとうございました。

  10. BigDaddy | URL | -

    > Kan さん

    モアレと言う言葉はローパスフィルター云々以前に、写真画像を縮小した時に妙な模様が出たので、その時に初めて知りました。数年前の事です。ローパスフィルターは正直、D800Eなどが発表されるまで、いまいち理解していませんでしたねぇ(笑)。

    私個人はモアレ、もしくはそれに類似する模様、偽解像とでも言いましょうか、それが出るのはちょっと気持ち悪いんです。肉眼で見えないものはお化けと同様、見えちゃならんと思っているんですよ(笑)。

    勿論、じゃぁ撮影した写真は真実を語っているか?、と言うと仰るように白飛び、黒潰れは勿論の事、色味だって現実とは全く異なるでしょうし、HDRなる手法ももはや写真じゃないとも言えますので、その辺は各個人がどこで妥協するか、言い換えると、どれを許せないか、なのでしょうねぇ。

    また、プリントが最終目的なので、プリントして目立たなければ、当倍で見えていてもそこは妥協し、オーケーです(笑)。


  11. yhrzn | URL | u8Fyatko

    最初のコメントにて、間違いがあったため訂正しておきました。

    また、デジカメの写真で問題となるモアレについてドキュメントとして残しておきますのでご参考まで。
    http://zono-yh.sakura.ne.jp/znworks/%E5%86%99%E7%9C%9F/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%81%AE%E3%83%A2%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

  12. クラフトマンT | URL | bGAzY2GM

    silkypix

    silkypixについてですけども、
    PENTAX同封ソフトはクソなのに、本製品は非常に使いやすくて愕然とします
    PENTAX同封は、チャイナのバックにシャネルをプリントしたようなそんな偽物です。
    リコーにはぜひとも頑張ってもらいたいですがはたして今更そちらを使えるかといわれれば微妙ですね。

    だって、DCU5ですらシャープネスなどがちゃんと再現できてませんので。

    silkypixのいいところは、トーンカーブでの色調整が非常にやりやすいこと。
    ファインカラーコントロールがあること。>8つの色相ごとに彩度と色相を変えられる
    ハイライトコントローラーが優秀なこと。>ひと肌のハイライト部分が黄色くなってしまうようなとき絶大。

    焼きこみ、覆い焼きが自然なこと。


    以上がすごく優れてますので食わず嫌いせず、上記の機能を試してみると抜けられなくなると思います。
    今度、silkypixの6が出て1か月お試しできますし。。

  13. BigDaddy | URL | -

    > yhrzn さん

    わざわざありがとうございます。

    記事も書いてくださったのですね。
    せっかく書いてくださったのと、このモアレにせよ偽色と呼ばれる全て、私も含めて、これを理解していない人がほとんどだと思うので、うちの記事の中で紹介(リンク)させて頂きます。

  14. BigDaddy | URL | -

    > クラフトマンT さん

    PDCU4、DUC5は、3分使えば粗悪品って判り、こういうのは常にネットで叩かれます。Silkypixの現像ソフトではあまり悪口を聞きません。と言う事は、ユーザーは特に不満な点はないと言う事になります。ですから興味はあるのですが・・・。確かシャープネスがLightroomよりも良いなんて耳にした事があります。

    Silkypixが悪いのかPentaxが悪いのかは内情を知っている人間にしか判らないのでしょうが、少なくともPowerd By Silkypixとなっているのだから、まともな商品を作って欲しい、これはPentaxユーザーの望みであります。やはりそれからだと思います。



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