2023年03月14日 00:00
これからレインジャケット透湿テストの二周目に突入して行くが(テストそのものは2月初めに終了している)、まずは一周目のおさらいをしたい。
透湿テストと題してまな板に載せたのは以下の7着。
ノースフェイスのクライムライトジャケット(ハンドポケットにフラップのない少し前のモデル)もテストしても良かったが、これはゴアテックス3レイヤーモデルであり、着心地、性能はモンベルのストームクルーザージャケットとほぼ同じだろうと判断し割愛した。
ストームクルーザージャケットとクライムライトジャケットの大きな違い、以前にも書いたかな?。念の為ここにも記しておこう。裏地が異なるんだ。ストームクルーザージャケットはC-ニットバッカーと言い、着心地を重視した仕様、クライムライトジャケットはマイクログリッドバッカーと言う耐摩耗性に優れているらしい。そんな事を言われても両方を所持している当の本人ですら触り心地からして違いを判別出来ないのだから両方テストしても多分一緒(年末に洗濯したばかりだったので汗で汚れるのが嫌だっただけとも言えるが・・・)。
では、一回りした時点の上記ジャケット達の軽い寸評を・・・。
・カルサイトジャケット
メンブレンはゴアテックスパックライトプラスの2.5レイヤー。
すぐに結露する0.5レイヤー部分の裏地(実際には生地ではないので裏地と呼びづらいが)が大きな欠点を言えよう。人の感覚は視覚が最優先されるので、ジャケットを脱いだ瞬間に水滴がパラリと床に落ちる時がある、これは見ていて不快でしかない。透湿性に関しては実際には悪くないとは思うが、再テストで結論を出したい。
・マウンテンドゥルージャケット
メンブレンはeVentの3レイヤー。
これまでに何度もトレッキングで使用しており、信頼性抜群のハードシェルジャケット。巷で言われている通り、蒸れる前から湿気を外に逃してくれるのがある程度体感出来る。反面、気温が低かったり、風の影響によって暖かさを感じない時がある。実際の透湿性に関してはゴアテックス3レイヤーとイコール、もしくはちょい低いと感じており、再テストにてもう一度検証したい。
・ティフォン50000ストレッチジャケット
メンブレンは(ドライエッジ)ティフォン50000の3レイヤー。
当初思い描いていた程にはすぐには湿気を排出出来ていない。ゴアテックスのようにある程度ウェア内の気温が上がり、外気温と差が出てきて初めて50000g/m2/24hと言う性能が出てくるように感じている。しかし一度排出を始めればどんどんと湿気を逃しているのが判る。
よくよく考えるとティフォン50000ストレッチトレックパンツは以前から街でもアウトドアでも愛用しており、その感覚とイコールなのだな。蒸れをすぐに逃してくれないからちょっとでも気温が上がると外からの風を一切通さないのでメチャクチャ暑いんだ。ジャケットもそれと同じで比較的寒ければ効果を大いに感じるが、暖かいとゴアテックスメンブレンと差はない気がしている。
問題点を上げるとすれば生地の薄さ。明らかに気温が低く強風時、走る前から寒さを感じている場合、汗を掻いていなくても寒さを感じる。追い風でも腕部分が冷えてくるのが判る。
・ティフォン50000ウォームストレッチジャケット
メンブレンはティフォン50000の3レイヤーで裏地が起毛素材
体感した性能は上述ティフォン50000ストレッチジャケットと同じ。しかし秋冬用で生地が厚手でかつ裏地が起毛素材を使用しているのでそこに上手く空気を溜め込んでくれ、冬季でも強風による寒さはほとんど感じない。言い換えると体がオーバーヒートするとさすがに全ての湿気を逃がし切れず、かつ裏起毛の暖かさが仇となる可能性がある。
欠点は(春夏用も含めて)脇下にピットジップ機能がない事。ティフォン50000ストレッチジャケットよりも暖かい(イコール蒸れる)のと、これを着るのは秋冬であり、特に冬季はハードシェルジャケットとして常時着用している事も多く、そうなるとより一気を排出する機能であるピットジップは付けるべきだった。
・モンベル ストームクルーザージャケット
メンブレンはゴアテックス3レイヤー C-ニットバッカー
スロージョギング後の汗で濡れた裏地のスベスベ度はティフォン50000ストレッチジャケットに次ぐ。ストレッチしないモデルなので着心地に面ではティフォン50000ストレッチジャケットに劣るが、透湿力に関しては割とティフォン50000ストレッチジャケットに近い気がした。スペック上ティフォンが50000g/m2/24h、ストームクルーザージャケットが35000g/m2/24hと大きな隔たりがあるが、体感的には差は感じないかな?。
・ノースフェイス ドリズルフューチャーライトジャケット
メンブレンはフューチャーライトの3レイヤー。
表地が75デニールもあり、割とゴワゴワする着心地なので全く期待をしていなかったのだが、いやはやどうして!。透湿力があると思われるティフォン50000ストレッチジャケット、マウンテンドゥルージャケットと同等、もしくはそれ以上の可能性のあるウェアだ。とにかく暑くなるタイミングが他のレインジャケットよりも遅く、かつ体が温まり出したら、丁度心地良いと感じる温かさをずっと維持してくれるのにはびっくりした。
欠点を挙げるとすれば一応オールシーズン用との事だが、生地の厚さを考えると秋冬用と考えるべきだろう。その為、次のテストでは暖かい日を選んでオーバーヒート寸前まで追い込んでどうなるか、試したい。
パタゴニア グラナイトクレストジャケット
メンブレンはH2Noの3レイヤー。
透湿度の性能は公開されていないが、手持ちの他のメンブレンよりは若干劣ると思われる。やはり走っていると暑さを感じる。しかしそもそも最初から期待しておらず、「意外と使えるんじゃないか?」、そんな体感であった。またこのモデルはカルサイトジャケット同様にピットジップ機能があるので、余程の悪天候でない限り(強風を伴う嵐や台風)、脇下から湿気を逃す事が出来、それを踏まえると十分に合格点を出しても良い。
テストはラブのマウンテンドゥルージャケットとティフォン50000ストレッチジャケットを除き、どれも一度しか行っておらず、その日の天候や己の体調の違いもあるが、現段階での順位付けをすると、、、
1位ティフォン50000ストレッチジャケット
2位USAドリズルフューチャーライトジャケット
同率2位 ラブ マウンテンドゥルージャケット
この3着は少し抜きん出ているかな?。今回敢えて順位付けしているものの、あくまでも感覚的なものでどんぐりの背比べ、性能的には大した大きな違いはないのかもしれない。
4位ストームクルーザージャケット
5位カルサイトジャケット
同率5位 ティフォン50000ウォームストレッチジャケット
同率5位 グラナイトクレストジャケット
しかしカルサイトジャケットとグラナイトクレストジャケットはストームクルーザージャケットよりも厚手と言うだけだろうし、またピットジップも装備しており、それを考慮するとピットジップを効果的に使えば順位は逆転する。
但し、ピットジップでの空気の入れ替えは雨天時に有効な手段でしかないかなとも思う。と言うのも天気が良ければセンタージップを堂々と開けられるからだ。トレッキングではリュックを背負っており、チェストベルトやウエストベルトでしっかりと体に固定してしまうのでセンタージップを開け放ったところでピットジップのように背面まで空気の流れを作るのは難しいかもしれないが、少なくともウェア内に溜まった湿気は取り除け、ビットジップがあると言うだけで高評価とするのは早計。また本降り、豪雨だとピットジップも全開には出来ず、脇下からほんのちょっと換気するくらいであろうから、効果は半減するに違いない。
二周目のテストでまた評価が変化する可能性があるものの、ぶっちゃけちゃうと要は、、、
テストで使っているコースにてミレーの春夏用のティフォン50000ストレッチジャケットを着用して10分30秒/Kmで蒸れを感じなかったとしよう。この場合、パタゴニアのグラナイトクレストジャケットなら10分45秒/Kmで蒸れない。1Km当たり15秒の差でしかない。
徒歩による山行だと1Km当たりせいぜい数分の差だろうからティフォン50000ストレッチジャケットで4時間の行程で快適に過ごせたとしたらグラナイトクレストジャケットだと4時間30分掛ければ良いだけだし、何度も申し上げている通り、グラナイトクレストジャケットには脇下にピットジップを持っているのでその日の天候によってはティフォン50000よりも快適になる事だってある。
- パタゴニア カルサイトジャケット
- ラブ マウンテンドゥルージャケット
- ミレー ティフォン50000ストレッチジャケット
- ミレー ティフォン50000ウォームストレッチジャケット
- モンベル ストームクルーザージャケット
- ノースフェイス ドリズルフューチャーライトジャケット
- パタゴニア グラナイトクレストジャケット
ノースフェイスのクライムライトジャケット(ハンドポケットにフラップのない少し前のモデル)もテストしても良かったが、これはゴアテックス3レイヤーモデルであり、着心地、性能はモンベルのストームクルーザージャケットとほぼ同じだろうと判断し割愛した。
ストームクルーザージャケットとクライムライトジャケットの大きな違い、以前にも書いたかな?。念の為ここにも記しておこう。裏地が異なるんだ。ストームクルーザージャケットはC-ニットバッカーと言い、着心地を重視した仕様、クライムライトジャケットはマイクログリッドバッカーと言う耐摩耗性に優れているらしい。そんな事を言われても両方を所持している当の本人ですら触り心地からして違いを判別出来ないのだから両方テストしても多分一緒(年末に洗濯したばかりだったので汗で汚れるのが嫌だっただけとも言えるが・・・)。
では、一回りした時点の上記ジャケット達の軽い寸評を・・・。
・カルサイトジャケット
メンブレンはゴアテックスパックライトプラスの2.5レイヤー。
すぐに結露する0.5レイヤー部分の裏地(実際には生地ではないので裏地と呼びづらいが)が大きな欠点を言えよう。人の感覚は視覚が最優先されるので、ジャケットを脱いだ瞬間に水滴がパラリと床に落ちる時がある、これは見ていて不快でしかない。透湿性に関しては実際には悪くないとは思うが、再テストで結論を出したい。
・マウンテンドゥルージャケット
メンブレンはeVentの3レイヤー。
これまでに何度もトレッキングで使用しており、信頼性抜群のハードシェルジャケット。巷で言われている通り、蒸れる前から湿気を外に逃してくれるのがある程度体感出来る。反面、気温が低かったり、風の影響によって暖かさを感じない時がある。実際の透湿性に関してはゴアテックス3レイヤーとイコール、もしくはちょい低いと感じており、再テストにてもう一度検証したい。
・ティフォン50000ストレッチジャケット
メンブレンは(ドライエッジ)ティフォン50000の3レイヤー。
当初思い描いていた程にはすぐには湿気を排出出来ていない。ゴアテックスのようにある程度ウェア内の気温が上がり、外気温と差が出てきて初めて50000g/m2/24hと言う性能が出てくるように感じている。しかし一度排出を始めればどんどんと湿気を逃しているのが判る。
よくよく考えるとティフォン50000ストレッチトレックパンツは以前から街でもアウトドアでも愛用しており、その感覚とイコールなのだな。蒸れをすぐに逃してくれないからちょっとでも気温が上がると外からの風を一切通さないのでメチャクチャ暑いんだ。ジャケットもそれと同じで比較的寒ければ効果を大いに感じるが、暖かいとゴアテックスメンブレンと差はない気がしている。
問題点を上げるとすれば生地の薄さ。明らかに気温が低く強風時、走る前から寒さを感じている場合、汗を掻いていなくても寒さを感じる。追い風でも腕部分が冷えてくるのが判る。
・ティフォン50000ウォームストレッチジャケット
メンブレンはティフォン50000の3レイヤーで裏地が起毛素材
体感した性能は上述ティフォン50000ストレッチジャケットと同じ。しかし秋冬用で生地が厚手でかつ裏地が起毛素材を使用しているのでそこに上手く空気を溜め込んでくれ、冬季でも強風による寒さはほとんど感じない。言い換えると体がオーバーヒートするとさすがに全ての湿気を逃がし切れず、かつ裏起毛の暖かさが仇となる可能性がある。
欠点は(春夏用も含めて)脇下にピットジップ機能がない事。ティフォン50000ストレッチジャケットよりも暖かい(イコール蒸れる)のと、これを着るのは秋冬であり、特に冬季はハードシェルジャケットとして常時着用している事も多く、そうなるとより一気を排出する機能であるピットジップは付けるべきだった。
・モンベル ストームクルーザージャケット
メンブレンはゴアテックス3レイヤー C-ニットバッカー
スロージョギング後の汗で濡れた裏地のスベスベ度はティフォン50000ストレッチジャケットに次ぐ。ストレッチしないモデルなので着心地に面ではティフォン50000ストレッチジャケットに劣るが、透湿力に関しては割とティフォン50000ストレッチジャケットに近い気がした。スペック上ティフォンが50000g/m2/24h、ストームクルーザージャケットが35000g/m2/24hと大きな隔たりがあるが、体感的には差は感じないかな?。
・ノースフェイス ドリズルフューチャーライトジャケット
メンブレンはフューチャーライトの3レイヤー。
表地が75デニールもあり、割とゴワゴワする着心地なので全く期待をしていなかったのだが、いやはやどうして!。透湿力があると思われるティフォン50000ストレッチジャケット、マウンテンドゥルージャケットと同等、もしくはそれ以上の可能性のあるウェアだ。とにかく暑くなるタイミングが他のレインジャケットよりも遅く、かつ体が温まり出したら、丁度心地良いと感じる温かさをずっと維持してくれるのにはびっくりした。
欠点を挙げるとすれば一応オールシーズン用との事だが、生地の厚さを考えると秋冬用と考えるべきだろう。その為、次のテストでは暖かい日を選んでオーバーヒート寸前まで追い込んでどうなるか、試したい。
パタゴニア グラナイトクレストジャケット
メンブレンはH2Noの3レイヤー。
透湿度の性能は公開されていないが、手持ちの他のメンブレンよりは若干劣ると思われる。やはり走っていると暑さを感じる。しかしそもそも最初から期待しておらず、「意外と使えるんじゃないか?」、そんな体感であった。またこのモデルはカルサイトジャケット同様にピットジップ機能があるので、余程の悪天候でない限り(強風を伴う嵐や台風)、脇下から湿気を逃す事が出来、それを踏まえると十分に合格点を出しても良い。
テストはラブのマウンテンドゥルージャケットとティフォン50000ストレッチジャケットを除き、どれも一度しか行っておらず、その日の天候や己の体調の違いもあるが、現段階での順位付けをすると、、、
1位ティフォン50000ストレッチジャケット
2位USAドリズルフューチャーライトジャケット
同率2位 ラブ マウンテンドゥルージャケット
この3着は少し抜きん出ているかな?。今回敢えて順位付けしているものの、あくまでも感覚的なものでどんぐりの背比べ、性能的には大した大きな違いはないのかもしれない。
4位ストームクルーザージャケット
5位カルサイトジャケット
同率5位 ティフォン50000ウォームストレッチジャケット
同率5位 グラナイトクレストジャケット
しかしカルサイトジャケットとグラナイトクレストジャケットはストームクルーザージャケットよりも厚手と言うだけだろうし、またピットジップも装備しており、それを考慮するとピットジップを効果的に使えば順位は逆転する。
但し、ピットジップでの空気の入れ替えは雨天時に有効な手段でしかないかなとも思う。と言うのも天気が良ければセンタージップを堂々と開けられるからだ。トレッキングではリュックを背負っており、チェストベルトやウエストベルトでしっかりと体に固定してしまうのでセンタージップを開け放ったところでピットジップのように背面まで空気の流れを作るのは難しいかもしれないが、少なくともウェア内に溜まった湿気は取り除け、ビットジップがあると言うだけで高評価とするのは早計。また本降り、豪雨だとピットジップも全開には出来ず、脇下からほんのちょっと換気するくらいであろうから、効果は半減するに違いない。
二周目のテストでまた評価が変化する可能性があるものの、ぶっちゃけちゃうと要は、、、
テストで使っているコースにてミレーの春夏用のティフォン50000ストレッチジャケットを着用して10分30秒/Kmで蒸れを感じなかったとしよう。この場合、パタゴニアのグラナイトクレストジャケットなら10分45秒/Kmで蒸れない。1Km当たり15秒の差でしかない。
徒歩による山行だと1Km当たりせいぜい数分の差だろうからティフォン50000ストレッチジャケットで4時間の行程で快適に過ごせたとしたらグラナイトクレストジャケットだと4時間30分掛ければ良いだけだし、何度も申し上げている通り、グラナイトクレストジャケットには脇下にピットジップを持っているのでその日の天候によってはティフォン50000よりも快適になる事だってある。

にほんブログ村のランキングに参加中です
- コメントをする・見る
- Comments(0)
- カテゴリー
- アウトドアウェア透湿、汗冷えテスト
最新コメント