2023年08月10日 00:00
今日から音楽ネタも本ブログで展開する事にする。
6月26日記事に書いた通り、新型コロナ禍が収まった(訳ではなかろうが)今、バンド活動を再開した。この記事が投稿されるのが10日、ちょうどその日の夜、3年半振りかな?、のスタジオ練習を再開しているのだった。
とにもかくにもリッチー・ブラックモア好き、バンドもディープ・パープルとレインボーの楽曲ばかりを演奏する。過去から演奏しているのを3曲、新たに取り組む曲を2曲、計5曲を楽しむ。その中で厄介だったのが新たに演奏しようと考えたディープ・パープルのA Gypsy's Kissである。
上がディープ・パープルが演奏するオリジナルだ。2分16秒~3分10秒までの約1分間のギターソロ部分、ここが恐ろしく難しかった。
演奏は三部構成で最初にGmでの音を中心としたオルガンとのユニゾン決めフレーズ、中間部はGm~Emと言うモードのような展開になるアドリブ部分、そして最後に幾つかのコード分散音を用いたオルガンとのユニゾンフレーズとなっている。
最初の決めフレーズは難なく弾けたし、中間部はアドリブソロなので自由に演奏、問題は最後のコード分散音からなるフレーズである。6月中旬から練習を初めて、1日約40分くらいかな?、練習を続けて7月下旬まで1ヶ月半!、やっとトチリながらでも、バンドの他のメンバーから文句を言われない程度までには弾けるようになった。
次はカラオケテイク(聞く限りMIDI、打ち込みで作られている)を見つけてきてそれに自分のギター音の乗せた音源。勿論、ライブ(スタジオ練習)を想定しての一発録音である。
習作ファーストテイク
習作セカンドテイク
最初のテイク、最初のオルガンとのユニゾン部分、途中からギターとオルガンとが合わなくなって、聞きえようによっては気持ち悪い。けれどこれはカラオケ音源側の間違い!。なんだろう、完璧にコピーしたりすると著作権の問題とか出てくるのかな?。近頃、こういう感じでちょろっとオリジナルと違ったフレーズになったカラオケ音源が多いんだな。
また、どうもギターのレベルが知らずに上がっていてミキシング(レンダリング)の際に丸められちゃってそのせいでカラオケトラックも含め音源が波打ったようになってしまった(丸められた分、ギター音も小さくなっている)。
いつも練習にはこうやってネットからギター練習用カラオケを見つけてきてはDTMソフト(音楽編集ソフト)を使用して練習しており、録音しては削除してを繰り返す。だからレンダリングした後、無意識に録音したファイルを削除してしまい、このように波打った気持ち悪い状態のまま・・・。
セカンドテイクは別の音質の良いカラオケを見つけて翌日に再録音したもの。違いは中間部のギターソロ。ほとんど同じように弾いているが何しろここはアドリブだから指のおもむくままに!。おもむくままなのに何故構成がほぼ同じなのか?。1ヶ月半もずっとこの曲を練習していたのですよ!。弾いているうちに己の好みのフレーズになっていくのだった・・・。
両テイクとも最初と最後の決めフレーズ部分、微妙にミスをしたり音が濁ったりしているが、ギリギリ、オッケーである。あとは定期的に練習していれば数カ月後にはトチリなく弾けるようになる。
まぁご本人、リッチーさんもライブでは(スタジオバージョンよりもテンポが速いのもあるが)ミストーンは多いし、フレーズをかなり端折ったりといい加減に弾いていたりする。やっぱりフレーズそのものが難しいんだと思う。
しかも上のライブでは最後のオルガンとのユニゾンに入る部分をリッチーさんったら間違えて2小節手前から弾き始めちゃって何事もなかったように修正していたが、ミスったのがバレバレだったりする。
テンポが速いと言うと次のテイク、ワタクシのギター、最後のオルガンユニゾン部分で走っている。つまりオリジナルよりも速く弾けるようになっているって事である。1ヶ月半頑張った甲斐があったね。但し!、最初の決めフレーズ、これが後述する「突然弾けなくなるパターン」に該当しちゃって全くリズムに乗れていない。
没テイク
うちのバンドではオリジナルのテンポをなるべく維持するような演奏を心掛けているが、ドラマーさんは特にクリックを利用しておらず、感覚に任せている。おおよそ問題がないけれど、例えばレインボーのSpotlight Kidを演奏しているとドラマーが走りに走って、これもギターとキーボードでユニゾンの決めフレーズがあり、それがエライコッチャになる。Spotlight Kidも今回のGygsy's Kissも各自がオリジナルの110パーセント程度でも弾けるようにならないとうちのバンドでは駄目なんだな。
そして人間面白いもので今ではSpotlight Kidはオリジナルよりもかなり速いテンポで弾けるようになっているのだが、いざオリジナルの速度に戻そうと思うと指があれっ?、ってなる時がある。
皆さんは「ゲシュタルト崩壊」と言う言葉ご存知であろうが?。私も厳密な作用は理解していないものの、例えば同じ文字をずっとペンで書き続ける、「続続続続続続続続・・・・」、ひらがなでも良い。「あああああああ・・・」。そうしているとある時からペンを持つ手の感覚が鈍り、あれっ?、「続」って本当にこんな字だっけな?、「あ」ってこんな字だったか?、そんな感覚にとらわれる時がある。私自身はこれを「ゲシュタルト崩壊した」と言っており、音楽でもそんな感覚が出る時があるのだな。
ずっと同じフレーズを練習していて、速度をどんどん上げていく、無意識でもそれが弾けるようになった・・・、そんな時にゲシュタルト崩壊が起こる。今まで弾けていたのに「あれっ?」、指がどうも動かなくなる。そういう時はテンポを落として確実に弾くような練習を心掛けるけれど、そこで再び「あれっ?、ピッキングはこれで良かったのか?」とか妙な事を考えてしまい、数分前まで弾けていたのが突然弾けなくなる。
今回もそれが起こった。初めの決めフレーズ部分。ここはテンポが速いってだけで難しい運指ではなく、フレーズそのものが指に馴染んだ時点で弾けるようになる。ところが7月の中旬、突然、そこでつっかえたり、ミストーンが出やすくなってしまった(今回掲載している習作もまだ完璧に修正しきれておらず、ミストーンだったり、詰まった感がある)。
「いやいや!、そこじゃなく、今集中してやらなきゃいかんのは最後の決めフレーズ部分でしょ!」
治すのに(原因が判るまでに)2日を要した。ある部分でピッキングに絡めてハンマリングオン、プリングオフ、そしてスライドを全活用するようなフレーズがあり、そこの指使いが知らないうちに変わっていたのだ。これね、たった1音部分の指、ここでプリングオフでその音を出すかスライドでその音を出すか、ここで頭がこんがらがったんだ。
この決めフレーズはGのハーモニックマイナーにb5thを加えたようなスケール練習のようなフレーズであり、3フレットと言うGのメインボジション。ハードロックやメタル系の人の多くは3フレットを人差し指、6フレットは小指を使うが、私は人より手がでかいのでストラトキャスターのようなロングスケールモデルでも(フレーズによってだが)小指を使わない時も多い。本来小指を使う部分でも平気で薬指を使うし、みんなが薬指を使う部分は中指でまかなっていたりもする(マイケル・シェンカーがそんな弾き方をする)。
訳が解らなくなった部分ってのが音が下がるフレーズだから小指から中指、人差し指に進ませるところを私は面倒だから小指部分を薬指で弾いていた。そしてフレーズ上、そこで薬指を使うと最終的に人差し指をスライドさせて音を出すのだが、小指を使うとそうじゃなくプリングオフで音を出す。ここがこんがらがった・・・。これが未だに修正し切れていない。
ギターを演奏されない方にはチンプンカンプンだろうが、そうだなぁ、パソコンのキーボード、「1QAZ」、大半は方は左手の小指を使うでしょう?。それを普段敢えて薬指を使っていた人が突然無意識に「A」だけで小指を使ってしまって「あれっ?、なんかおかしいぞ?」。
もしくは漢字の書き順、これを間違って覚えていてそれを正しく修正しようとした時、正しい書き順なのに以前より下手糞な文字になる時あるでしょう?。「書」と言う漢字。これの中央の縦棒、これは6画目に引っ張るのが正しい。しかし結構な割合で4画目で引っ張る人がいる。もし貴方がそんな人だったら正しい書き順で「書」を100~200回ノートに記して見ると良い。そして再び誤った書き順で「書」を書き始めたら「書」と言う字そのものが「書」に見えなくなったりの疑問が生じ、ゲシュタルト崩壊が起こる!。
話を今回の習作音源に戻そう。今回の演奏、真ん中の好き勝手に弾くアドリブ部分、最後の方だけ次の決めフレーズへの移行が楽になるように3弦9フレットに着地しているが、他は敢えて低音域だけで構成している。
ロックギターの何がカッコイイか?。人それぞれだろうが、泣きのギターと言うように高音部分でキュイーンとチョーキングしたり、耳にはっきりと分かる高音域をピロピロと速弾きするのに憧れる人が多い筈だ。私も昔はそんなタイプだった。
でもジャズを聞くようになってテナーサックスの迫力に圧倒された。トランペットの高音、アルトサックスの中音よりもテナーサックスですがな!。エレキギターはテナーサックスのあの図太い迫力には決して勝てないものの、テナーの音域は出せる!。そう考えるようになって低音域でのアドリブが多くなった。
元々ストラトキャスターなどのシングルコイルピックアップの音色が好きな事もあるが、シングルコイルピックアップの特徴は音の立ち上がりが速く、減衰も速い、しっかりと弾けば1音1音がつぶさに聞こえる。
その代わりハムバッキングピックアップと比較して線が細く、テナーサックスのような迫力はハムバッキングピックアップ搭載のギターに劣るのだが、それよりも低い音ながらも軽快感、それが気に入っているし、今回の音作りでも音が潰れないような、速弾きをしても一音一音が聞こえるような軽めのセッティングをしている。
ファーストテイクのストラトキャスターはかつてのエリック・クラプトン・モデル。レースセンサーピックアップが付いており、ヴィンテージなストラト音に割と近い軽いストラトサウンドだ。ミッドブーストはオフ、さらに今回は軽快さを活かしてさらにミドルを若干下げたセッティングをしている。
セカンドテイクで使用したストラトキャスターには超高出力タイプのセイモアダンカンのSSL4を付けている。数年前まではディマジオのヘビーブルースを付けており、それよりもパワーがあるのがSSL4。もはやストラトの音ではなく、ハムバッカーにかなり近い。そこで敢えてイコライザーで800Hz~1KHz辺りをガツンと下げて線の細いストラトっぽい音に仕上げている。イコライザーの威力、多分、ちょっと聞いたくらいじゃ判別出来ないと思う。
元々音の軽さが特徴のストラトをさらに軽めの音を出した事で濁ったりしがちの低音部が多用出来る。今回もアドリブ部分は開放弦を多用している。Em、Gm、Am、この辺のコードで使用する場合、開放弦がスケール内に入っているので非常に使いやすい。今回はどちらのテイク共に3分の2以上のフレーズで0~3フレット部分を使っており、開放弦を絡めると指2本だけで超~速弾きが出来てしまう。今回もアドリブ部の3分の2以上で指2本しか使っておらず、開放弦万歳である。
時に!。レースセンサーピックアップには大きな欠点があり、リアピックアップに関して1弦の音をしっかりと拾ってくれない。だからオーバードライブ時のジーだのシャーだのそんなノイズを消そうと思って高音域を下げたり、ハイカットした瞬間にしょぼい音になってしまう。
よってノイズレスなセンサーな癖してパワーそのものはビンテージストラト以下に感じ、ハードロック系音楽をやる場合、ゲインをハムバッカー系よりも大きく上げ、さらに高音を確保させる必要があって結局ノイズとの戦いとなる。だから1弦から6弦まで均一な音になってくれるフェンダーのヴィンテージノイズレスピックアップ(現時点でクラプトンが使っているタイプかな?)に換装しようと考えている。
リッチー・ブラックモアは1990年代にレースセンサーを使っていた。YouTubeで当時のライブ映像を見ると高音もしっかりと出ている。抜けが非常に素晴らしい。長いリッチーの音楽生活の中でも一番良い音を出しているんじゃないかと思った程。ディープ・パープル時代と同じくこの時代でもトレブルブースターのようなものを使っていたんじゃないのかなぁ~。それともアンプが特殊なのか・・・。
またSSL4ピックアップ、上述の通り、想像以上にストラトの音から離れていると感じており、ヘビーブルースに戻すか、フェンダーのホットノイズレス(ジェフ・ベックが使用していたピックアップ)に変更するか迷っているのだった。と言うよりもSSL4、ノイズが半端じゃない!。うちのストラトには導電塗料を内部に施しノイズ対策を施しているけれどそれでもイライラする!。
今回のどちらの習作音源もパソコン用アンプ&エフェクトシミュレーターソフトのAmplitube 4を使用しており、アンプシミュレーションでも中音の抜けが良いマーシャルJCM800(Amplitube内での名称はBrit 8000)系を使い、キャビネットのスピーカーやマイクセッティングなども中低音が大きく出しゃばらないようなものを選んでセッティングしている。
エレキギターの音作りってアナログ(アンプや昔ながらのエフェクター)でもパソコンなどのデジタルを使っても非常に難しい。正解がないとでも言おうか?。勿論、アンプにマーシャル、それにブースターなりオーバードライブなりをかませばハードロックサウンドを作れるが、100点の音じゃない。おおよそ満足出来るってレベルでしかない。過去にセッションなどで他のギタリストに尋ねてもやっぱり100点の音を作れていないと言う。
いやぁ~、とにかくこの楽曲、難しかったなぁ。フレーズコピーに真面目に取り組んだのは久しぶりだ。脳が活性化されたと言えよう。
コロナ禍になる前、良くセッションに足を運んでくれたギタリストの一人、彼はオッサンになってから楽器を始めており、切っ掛けについて尋ねたところ・・・。
若い頃にギターを始めると私もそうだが単純にカッコイイから、目立ちたいから、異性にもてたいからと言うストレートな動機だったりするが、その彼は、、、
「ボケ防止に繋がると思って・・・。ギターでもピアノでもはたまた英会話でも何でも良かったが、たまたまギターを手にした」
確かにそうかもしれない。今回の楽曲はすでに指がフレーズを覚えちゃったので幾ら弾いても脳はサボタージュして動かない。でも今後も定期的に弾いた事のないフレーズを練習する事で脳が活発に動くから多少はボケ防止に繋がるんじゃないかと思う。
とにもかくにもリッチー・ブラックモア好き、バンドもディープ・パープルとレインボーの楽曲ばかりを演奏する。過去から演奏しているのを3曲、新たに取り組む曲を2曲、計5曲を楽しむ。その中で厄介だったのが新たに演奏しようと考えたディープ・パープルのA Gypsy's Kissである。
上がディープ・パープルが演奏するオリジナルだ。2分16秒~3分10秒までの約1分間のギターソロ部分、ここが恐ろしく難しかった。
演奏は三部構成で最初にGmでの音を中心としたオルガンとのユニゾン決めフレーズ、中間部はGm~Emと言うモードのような展開になるアドリブ部分、そして最後に幾つかのコード分散音を用いたオルガンとのユニゾンフレーズとなっている。
最初の決めフレーズは難なく弾けたし、中間部はアドリブソロなので自由に演奏、問題は最後のコード分散音からなるフレーズである。6月中旬から練習を初めて、1日約40分くらいかな?、練習を続けて7月下旬まで1ヶ月半!、やっとトチリながらでも、バンドの他のメンバーから文句を言われない程度までには弾けるようになった。
次はカラオケテイク(聞く限りMIDI、打ち込みで作られている)を見つけてきてそれに自分のギター音の乗せた音源。勿論、ライブ(スタジオ練習)を想定しての一発録音である。
習作ファーストテイク
習作セカンドテイク
最初のテイク、最初のオルガンとのユニゾン部分、途中からギターとオルガンとが合わなくなって、聞きえようによっては気持ち悪い。けれどこれはカラオケ音源側の間違い!。なんだろう、完璧にコピーしたりすると著作権の問題とか出てくるのかな?。近頃、こういう感じでちょろっとオリジナルと違ったフレーズになったカラオケ音源が多いんだな。
また、どうもギターのレベルが知らずに上がっていてミキシング(レンダリング)の際に丸められちゃってそのせいでカラオケトラックも含め音源が波打ったようになってしまった(丸められた分、ギター音も小さくなっている)。
いつも練習にはこうやってネットからギター練習用カラオケを見つけてきてはDTMソフト(音楽編集ソフト)を使用して練習しており、録音しては削除してを繰り返す。だからレンダリングした後、無意識に録音したファイルを削除してしまい、このように波打った気持ち悪い状態のまま・・・。
セカンドテイクは別の音質の良いカラオケを見つけて翌日に再録音したもの。違いは中間部のギターソロ。ほとんど同じように弾いているが何しろここはアドリブだから指のおもむくままに!。おもむくままなのに何故構成がほぼ同じなのか?。1ヶ月半もずっとこの曲を練習していたのですよ!。弾いているうちに己の好みのフレーズになっていくのだった・・・。
両テイクとも最初と最後の決めフレーズ部分、微妙にミスをしたり音が濁ったりしているが、ギリギリ、オッケーである。あとは定期的に練習していれば数カ月後にはトチリなく弾けるようになる。
まぁご本人、リッチーさんもライブでは(スタジオバージョンよりもテンポが速いのもあるが)ミストーンは多いし、フレーズをかなり端折ったりといい加減に弾いていたりする。やっぱりフレーズそのものが難しいんだと思う。
しかも上のライブでは最後のオルガンとのユニゾンに入る部分をリッチーさんったら間違えて2小節手前から弾き始めちゃって何事もなかったように修正していたが、ミスったのがバレバレだったりする。
テンポが速いと言うと次のテイク、ワタクシのギター、最後のオルガンユニゾン部分で走っている。つまりオリジナルよりも速く弾けるようになっているって事である。1ヶ月半頑張った甲斐があったね。但し!、最初の決めフレーズ、これが後述する「突然弾けなくなるパターン」に該当しちゃって全くリズムに乗れていない。
没テイク
最初に掲載している2つの習作音源もミスが多く、さらに大ポカかましている没テイクを掲載する必要はないにはないのだが、惜しいのがこのテイク、真ん中の自由に演奏するアドリブ部分が3つのテイクの中で一番良いのだよね!。一発録音だとこういう事が往々にして起こる。
うちのバンドではオリジナルのテンポをなるべく維持するような演奏を心掛けているが、ドラマーさんは特にクリックを利用しておらず、感覚に任せている。おおよそ問題がないけれど、例えばレインボーのSpotlight Kidを演奏しているとドラマーが走りに走って、これもギターとキーボードでユニゾンの決めフレーズがあり、それがエライコッチャになる。Spotlight Kidも今回のGygsy's Kissも各自がオリジナルの110パーセント程度でも弾けるようにならないとうちのバンドでは駄目なんだな。
そして人間面白いもので今ではSpotlight Kidはオリジナルよりもかなり速いテンポで弾けるようになっているのだが、いざオリジナルの速度に戻そうと思うと指があれっ?、ってなる時がある。
皆さんは「ゲシュタルト崩壊」と言う言葉ご存知であろうが?。私も厳密な作用は理解していないものの、例えば同じ文字をずっとペンで書き続ける、「続続続続続続続続・・・・」、ひらがなでも良い。「あああああああ・・・」。そうしているとある時からペンを持つ手の感覚が鈍り、あれっ?、「続」って本当にこんな字だっけな?、「あ」ってこんな字だったか?、そんな感覚にとらわれる時がある。私自身はこれを「ゲシュタルト崩壊した」と言っており、音楽でもそんな感覚が出る時があるのだな。
ずっと同じフレーズを練習していて、速度をどんどん上げていく、無意識でもそれが弾けるようになった・・・、そんな時にゲシュタルト崩壊が起こる。今まで弾けていたのに「あれっ?」、指がどうも動かなくなる。そういう時はテンポを落として確実に弾くような練習を心掛けるけれど、そこで再び「あれっ?、ピッキングはこれで良かったのか?」とか妙な事を考えてしまい、数分前まで弾けていたのが突然弾けなくなる。
今回もそれが起こった。初めの決めフレーズ部分。ここはテンポが速いってだけで難しい運指ではなく、フレーズそのものが指に馴染んだ時点で弾けるようになる。ところが7月の中旬、突然、そこでつっかえたり、ミストーンが出やすくなってしまった(今回掲載している習作もまだ完璧に修正しきれておらず、ミストーンだったり、詰まった感がある)。
「いやいや!、そこじゃなく、今集中してやらなきゃいかんのは最後の決めフレーズ部分でしょ!」
治すのに(原因が判るまでに)2日を要した。ある部分でピッキングに絡めてハンマリングオン、プリングオフ、そしてスライドを全活用するようなフレーズがあり、そこの指使いが知らないうちに変わっていたのだ。これね、たった1音部分の指、ここでプリングオフでその音を出すかスライドでその音を出すか、ここで頭がこんがらがったんだ。
この決めフレーズはGのハーモニックマイナーにb5thを加えたようなスケール練習のようなフレーズであり、3フレットと言うGのメインボジション。ハードロックやメタル系の人の多くは3フレットを人差し指、6フレットは小指を使うが、私は人より手がでかいのでストラトキャスターのようなロングスケールモデルでも(フレーズによってだが)小指を使わない時も多い。本来小指を使う部分でも平気で薬指を使うし、みんなが薬指を使う部分は中指でまかなっていたりもする(マイケル・シェンカーがそんな弾き方をする)。
訳が解らなくなった部分ってのが音が下がるフレーズだから小指から中指、人差し指に進ませるところを私は面倒だから小指部分を薬指で弾いていた。そしてフレーズ上、そこで薬指を使うと最終的に人差し指をスライドさせて音を出すのだが、小指を使うとそうじゃなくプリングオフで音を出す。ここがこんがらがった・・・。これが未だに修正し切れていない。
ギターを演奏されない方にはチンプンカンプンだろうが、そうだなぁ、パソコンのキーボード、「1QAZ」、大半は方は左手の小指を使うでしょう?。それを普段敢えて薬指を使っていた人が突然無意識に「A」だけで小指を使ってしまって「あれっ?、なんかおかしいぞ?」。
もしくは漢字の書き順、これを間違って覚えていてそれを正しく修正しようとした時、正しい書き順なのに以前より下手糞な文字になる時あるでしょう?。「書」と言う漢字。これの中央の縦棒、これは6画目に引っ張るのが正しい。しかし結構な割合で4画目で引っ張る人がいる。もし貴方がそんな人だったら正しい書き順で「書」を100~200回ノートに記して見ると良い。そして再び誤った書き順で「書」を書き始めたら「書」と言う字そのものが「書」に見えなくなったりの疑問が生じ、ゲシュタルト崩壊が起こる!。
話を今回の習作音源に戻そう。今回の演奏、真ん中の好き勝手に弾くアドリブ部分、最後の方だけ次の決めフレーズへの移行が楽になるように3弦9フレットに着地しているが、他は敢えて低音域だけで構成している。
ロックギターの何がカッコイイか?。人それぞれだろうが、泣きのギターと言うように高音部分でキュイーンとチョーキングしたり、耳にはっきりと分かる高音域をピロピロと速弾きするのに憧れる人が多い筈だ。私も昔はそんなタイプだった。
でもジャズを聞くようになってテナーサックスの迫力に圧倒された。トランペットの高音、アルトサックスの中音よりもテナーサックスですがな!。エレキギターはテナーサックスのあの図太い迫力には決して勝てないものの、テナーの音域は出せる!。そう考えるようになって低音域でのアドリブが多くなった。
元々ストラトキャスターなどのシングルコイルピックアップの音色が好きな事もあるが、シングルコイルピックアップの特徴は音の立ち上がりが速く、減衰も速い、しっかりと弾けば1音1音がつぶさに聞こえる。
その代わりハムバッキングピックアップと比較して線が細く、テナーサックスのような迫力はハムバッキングピックアップ搭載のギターに劣るのだが、それよりも低い音ながらも軽快感、それが気に入っているし、今回の音作りでも音が潰れないような、速弾きをしても一音一音が聞こえるような軽めのセッティングをしている。
ファーストテイクのストラトキャスターはかつてのエリック・クラプトン・モデル。レースセンサーピックアップが付いており、ヴィンテージなストラト音に割と近い軽いストラトサウンドだ。ミッドブーストはオフ、さらに今回は軽快さを活かしてさらにミドルを若干下げたセッティングをしている。
セカンドテイクで使用したストラトキャスターには超高出力タイプのセイモアダンカンのSSL4を付けている。数年前まではディマジオのヘビーブルースを付けており、それよりもパワーがあるのがSSL4。もはやストラトの音ではなく、ハムバッカーにかなり近い。そこで敢えてイコライザーで800Hz~1KHz辺りをガツンと下げて線の細いストラトっぽい音に仕上げている。イコライザーの威力、多分、ちょっと聞いたくらいじゃ判別出来ないと思う。
元々音の軽さが特徴のストラトをさらに軽めの音を出した事で濁ったりしがちの低音部が多用出来る。今回もアドリブ部分は開放弦を多用している。Em、Gm、Am、この辺のコードで使用する場合、開放弦がスケール内に入っているので非常に使いやすい。今回はどちらのテイク共に3分の2以上のフレーズで0~3フレット部分を使っており、開放弦を絡めると指2本だけで超~速弾きが出来てしまう。今回もアドリブ部の3分の2以上で指2本しか使っておらず、開放弦万歳である。
時に!。レースセンサーピックアップには大きな欠点があり、リアピックアップに関して1弦の音をしっかりと拾ってくれない。だからオーバードライブ時のジーだのシャーだのそんなノイズを消そうと思って高音域を下げたり、ハイカットした瞬間にしょぼい音になってしまう。
よってノイズレスなセンサーな癖してパワーそのものはビンテージストラト以下に感じ、ハードロック系音楽をやる場合、ゲインをハムバッカー系よりも大きく上げ、さらに高音を確保させる必要があって結局ノイズとの戦いとなる。だから1弦から6弦まで均一な音になってくれるフェンダーのヴィンテージノイズレスピックアップ(現時点でクラプトンが使っているタイプかな?)に換装しようと考えている。
リッチー・ブラックモアは1990年代にレースセンサーを使っていた。YouTubeで当時のライブ映像を見ると高音もしっかりと出ている。抜けが非常に素晴らしい。長いリッチーの音楽生活の中でも一番良い音を出しているんじゃないかと思った程。ディープ・パープル時代と同じくこの時代でもトレブルブースターのようなものを使っていたんじゃないのかなぁ~。それともアンプが特殊なのか・・・。
またSSL4ピックアップ、上述の通り、想像以上にストラトの音から離れていると感じており、ヘビーブルースに戻すか、フェンダーのホットノイズレス(ジェフ・ベックが使用していたピックアップ)に変更するか迷っているのだった。と言うよりもSSL4、ノイズが半端じゃない!。うちのストラトには導電塗料を内部に施しノイズ対策を施しているけれどそれでもイライラする!。
今回のどちらの習作音源もパソコン用アンプ&エフェクトシミュレーターソフトのAmplitube 4を使用しており、アンプシミュレーションでも中音の抜けが良いマーシャルJCM800(Amplitube内での名称はBrit 8000)系を使い、キャビネットのスピーカーやマイクセッティングなども中低音が大きく出しゃばらないようなものを選んでセッティングしている。
エレキギターの音作りってアナログ(アンプや昔ながらのエフェクター)でもパソコンなどのデジタルを使っても非常に難しい。正解がないとでも言おうか?。勿論、アンプにマーシャル、それにブースターなりオーバードライブなりをかませばハードロックサウンドを作れるが、100点の音じゃない。おおよそ満足出来るってレベルでしかない。過去にセッションなどで他のギタリストに尋ねてもやっぱり100点の音を作れていないと言う。
いやぁ~、とにかくこの楽曲、難しかったなぁ。フレーズコピーに真面目に取り組んだのは久しぶりだ。脳が活性化されたと言えよう。
コロナ禍になる前、良くセッションに足を運んでくれたギタリストの一人、彼はオッサンになってから楽器を始めており、切っ掛けについて尋ねたところ・・・。
若い頃にギターを始めると私もそうだが単純にカッコイイから、目立ちたいから、異性にもてたいからと言うストレートな動機だったりするが、その彼は、、、
「ボケ防止に繋がると思って・・・。ギターでもピアノでもはたまた英会話でも何でも良かったが、たまたまギターを手にした」
確かにそうかもしれない。今回の楽曲はすでに指がフレーズを覚えちゃったので幾ら弾いても脳はサボタージュして動かない。でも今後も定期的に弾いた事のないフレーズを練習する事で脳が活発に動くから多少はボケ防止に繋がるんじゃないかと思う。

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