このレンズは欠陥品だっだが、それを知らずに昭和団地では80枚をこれで撮影していた。その日は初使用だったのでテストも兼ねており、F2.8、F5.6、もしくはF8、そんなパターンで撮影しており、F5.6までは問題のない描写をしていたのと、ブログに掲載するくらいのサイズなら部分的におかしな絵になっていてもきっと誰も気付かない。
加えて何故か近い距離ではF8まで絞ってもボケボケにならない、そんな妙な現象の為、欠陥レンズであっても9割の写真は救われた。購入したお店の担当者が調査した際に絞っても問題ないとしていたのは恐らく遠方の風景ではなく、近距離の風景ばかりを撮影していたのだろう。
また返品後、このレンズで撮影したコマをさらに色々とチェックしたところ、遠景であってもフィルム時代のようなピントの合わせ方、つまり3~5メートル先にピントを合わせ後はレンズの絞りによって後方の被写界深度を稼ぐ、この方式で撮影しているとF8まで絞っても問題がないようなんだ。つまりピントを無限遠くらいにセットして初めてF8からボケ始める。
当初は単なる逆光弱し君だと思っていた。偶然、逆光と半逆光写真にこの現象が出ていたからだ。でも遠くにピントを合わせていると順光、逆光、半逆光と関係なくF8から解像感が悪くなるんだ。
オーバーホールの技術者ならばクモリや傷は判るだろう。となるとやっぱりレンズそのもののどこかに歪みがあったんじゃないか?。
今後すぐにネタにするのでここに書いちゃうが、すでに別個体のFD28mmF2.8S.C.を手に入れており、それは外見ボロボロ、点カビがチョイチョイある、一般にBランクとか並品と呼ばれる代物。店によっては限りなくジャンクに近い、そんな個体だったが写りには全く問題がなかった。だから誰が何と言おうが、最初に手にしたF28mmF2.8S.C.は欠陥品だったのだ!。
以下、欠陥品レンズで撮影した消え行く昭和団地風景をどうぞ。
過去に掲載した同じ場所での撮影だから飽きちゃったなんて方もいるだろうが、しょ~がない、マイブームなのだから。
そしてこの昭和な団地に関しての残念なお知らせ。
4月27日の記事の最後、、、
「タクシーの運転手さん曰く、古い建物は春から取り壊しが始まるそうだ。こんな美味しい昭和風景は滅多に無い!、今年はここも含めて、都内の昭和団地を幾つか巡ろうかと思っている」
と書いた。これが2月くらいの話。そして今回掲載する写真は3月の初め。トップ写真をご覧になってお判りだろう。解体が始まっちゃったのだ!。
しかも貴重な貴重なスターハウス、上から見ると星に見えるからスターハウスと言うらしいが、ぶっちゃけ星には決して見えず、この手のデザインをご存じない方にはテトラポットハウスと言えば想像が付くと思う。このスターハウス、国内にほとんどないと言う。そのひとつがこの団地に何棟も存在していたが、この時点で解体が始まってしまったのだ。
ここのスターハウスは昭和30年代後半に建てられたらしく、国土が狭いからしょ~がないっちゃしょ~がないのだが、日本は古いものを壊し、新しく構築する、そんな文化でしょう?。既存を壊してそこに新しい街を作り、令和元年に生まれた子供が還暦を迎える頃、またそれを壊し始める訳だ。
それでも勿体無いと思う。これでまた昭和が消えてしまう。一棟くらい文化財として残しても良いと思うのは私だけじゃあるまい。まぁあの同潤会アパートでさえ、一切保存せずに全てぶっ壊すのだから単なる昭和マニアが何を言ってもこの国は無駄だと思うが・・・。
※関東だと松戸と八王子に昭和団地を再現している博物館、歴史館があるようで、さすがに一棟丸ごと保存は無理で、どちらも幾つかの部屋を再現しているそうだ
5月3日の記事で紹介したくらげ公園(くらげ写真の奥に見えるアパートもスターハウスだ)や、ライオンの親子がいる8の字公園、錆び錆びの玄関ドアなどを写した棟もすでに工事柵の中で一切近寄れなくなってしまった。
下のスターハウスだってフェンスの隙間にレンズを突っ込んで撮影しているに過ぎない。工事の状態を見る限り、数日前からフェンスを張り出し、立ち入り禁止にしたようで、1週間前にはまだフェンスは張られていなかった筈。いやぁ、タッチの差!。残念でならない。
今回掲載した写真から2ヶ月が経過している。ゴールデンウィークを過ぎた今、すでに解体された棟もあるに違いない。解体作業って思っている以上に早いんだよね。あっという間に更地になる。
団地市民憩いの広場の先ではすでに昭和団地は解体され土地がならされている。ここにはかつて、グレーのコンクリの壁が黒ずんでしまったかなり古い、最古参な棟が建っていたと記憶している。
4月27日の記事で紹介した限りなく廃に近いこの公園もきっと造成されて新しい公園になっていくのだろう。
その公園にて・・・。水のみ場を見つけると必ず寄って背景ボケボケ写真を撮るのがライフワーク?、になっていて・・・。
いきなり猫がすりすり・・・。
いやぁ、すりすりされるのは久し振りである。こちらはなでなでしたいところだが、その前にパチリしたい。しかしやたらに前に後ろに動き回ってすりすりしてきやがって、しかもこっちはマニュアルフォーカスレンズ。ピントを合わようとするとフレームから外れる、フレームを合わせ直しピントを合わすとまたあっちこっち。
そして「なんだ、こいつ、撫でてくれないのか?」、そう感じたのか、今度は水飲み場の土台にスリスリ。こっちはしめたもの。少し離れてくれたから何とか数枚パチリ。
1/1000sec~1/1500secで撮影しており、また周辺光量の具合(掲載写真は周辺光量は補正している)、ボケ具合を見る限り、恐らく開放かF4で撮っていると思う。でも上手い具合にピントが合ってくれた。日の丸構図なのはご勘弁あれ。構図を考える余裕は一切なかった。
そしてある程度撮影して満足した私は今度はニャンコを満足させる為に5分程のナデナデ攻撃。まだ冬毛だったからモフモフだったねぇ!。
そんな訳で返品した欠陥レンズでパチリした消え行く昭和団地、如何だったろうか?。
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