2018年12月21日 00:00

Sony α7II, FE28-70mmF3.5-5.6
本ブログにコメントされる方へ。以前から申し上げている通り、ニックネーム部分が空白で投稿されたコメントは内容がどうであれ、またIPアドレスからおおよそどなたが投稿されたか判っても、悪質コメントとして処理をし、問答無用で削除するので、どうぞお気をつけ下さい。
今日から社会復帰。とは言っても明日、明後日は休みだし、28日は会社の大掃除がメインなので戦力にならず自分の席だけキレイキレイして退散、今日金曜日、月~木、1日6時間を目安と言う仮復帰。本格的に復帰出来るのは正月休みが明けてからとなろう。
さて・・・。
ノイズを軽減する為のコンポジット(合成)は手持ち撮影の場合、合成用の複数の写真の位置合わせをしなくちゃならない。これを手動で行うのはほぼ無理と言って良い(天体屋さんは手動でガンガンやるらしいが)。そこでPhotoshopを使う訳だが、こいつはLightroomとセットで月に千円、生涯払い続けなくちゃならない。
Adobeに毎月お布施するなんて嫌だ!、そんな方に朗報だ!。今日はそんなお話。
以前、Fusionと言うHDRソフト、これがフリーソフトで位置合わせをしてくれると書いたが、どうも最近になって有料化されてしまったのと、古いバージョンは今も尚フリーのようだが、何故かブラウザのセキュリティに引っ掛かって「安全な接続ではありません」ってなメッセージが出てFusionのサイトに行けない。
他のサイト、いわゆるソフトダウンロードサイトからインストール用ソフトをダウンロードしてインストールは可能なようだが、この手のサイトってのは時折ヤバイところもあるのであまりお勧め出来ない。たとえ問題がなかったとしてもどこも触らずにブラウザのタブを閉じた方が安全だ。
ではどうするか?。
Photohopとほぼ同じ機能を持つと言われているGIMPを使えばいいざんす!。
※これ、数年前までジンプって読んでいたけど、ギンプが正しいのね!
GIMP - Downloads
でもこれをインストールしただけじゃ自動位置合わせをしてくれない。それ用のプラグイン、”Image Registration"をダウンロードする必要がある。
Gimp Plug-in for Image Registration
※Windows 64bitでもWin32をダウンロード
以下、Windowsでのお話。Mac OSの人はプラグインを自分のパソコンのどこのフォルダに置くか検索してちょ!。上のIamge RegistrationをダウンロードするサイトにInstallationページがあるのでそれを見れば判ると思う。
Windowsの人もInstallationページを見れば良いのだが、ちょいと間違っている気がする。通常、GIMPのプラグインは次のフォルダに放り込む。
C:/Users/ユーザーネーム/AppData/Roaming/GIMP/2.10/plug-ins
これが見つかったら素直にそこにZIPから抽出した”gimp-image-reg.exe”をコピーすれば良いし、自分で任意のフォルダに放り込んでも良い。
私はユーザーフォルダに色々と入れるのが嫌なので、、、
C:/photo/gimp/plug-ins
にコピーした。
コピー後、GIMPを起動させ、メニューから「編集/設定」を選び、設定画面から「フォルダー/Plug-Ins」をクリックすると現在のプラグインフォルダが示されているので、デフォルトの場所、AppData/Roaming/...に放り込んでいればそのまま閉じる。
そうでなく私のように他のフォルダに入れていたら、そのフォルダを加えてやる必要がある。その後、GIMPを閉じて再起動。ツールメニューに”Image Registration」と表示されていたらオーケー。されていなかったらフォルダの設定ミスなのでもう一度設定画面を確認しよう。
この辺の詳細は「gimp プラグイン インストール」、そんなキーワードで各自で検索し学ばれたし!。
では具体的な方法を。以下、01.jpg~04.jpgまでの4枚をノイズ軽減コンポジットするのを想定した解説をする。
メニューの「ファイル/レイヤーとして開く」を選択し、01.jpg~04.jpgを選択する。すると自動的に4枚のJPGファイルをレイヤーに重ねてくれる。01.jpgが最下位、04.jpgが最上位に来ている筈だ。
次に右下のレイヤーから02.jpgを選び、メニューの「ツール/Image Registration」を選択するとImage Registrationの設定画面が出る。
Referens Imageは位置を合わせたい写真を選ぶ。通常、連写しているのだから1枚目が意図した構図でそれ以降はどんどんと左右上下にずれて行くので一番若い数字、ここでは01.jpgを選ぶ。これはレイヤーで選択している02.jpgを01.jpgに合わせる、そんな意味になる。
他の項目はデフォルトのままでも良いようだが、私はTransfomation ModelはAffine Transformationにしている。どうもこの方が時間は掛かるが、ありとあらゆる事を想定して位置あわせをしてくれるらしい(あくまでも「らしい」)。
OKを押すと位置合わせが始まる。うちのパソコンは古いのでこれに1分掛かる。最新のパソコンなら数十秒だろう。
あとは03.jpg、04.jpgと同じ作業を繰り返す。レイヤーの03.jpgを選んでImage Registrationの設定画面のReferens Imageを01.jpgにしてOK、そして待機、完了したら04.jpgを選択し・・・。
だから合成する写真が10枚あったらそれを9回繰り返す訳だ。そうなるとうちのパソコンだと10分掛かり、それが10カットあったら1時間40分も掛かるので、テレビを見ながらとか、コーヒーを飲みながらノンビリと・・・。2時間サスペンスでも録画してそれを見ながらの作業となるだろう。
位置合わせが済んだらノイズ軽減作業だ。一番下の01.jpgは何もせずに次の02.jpg、これの不透明度を50%、03.jpgの不透明度を33%、04.jpgの不透明度を25%とするとその時点で、ノイズが軽減される!。
合成する写真が5枚なら5枚目は20%、6枚なら6枚目は16%、7枚なら7枚目は14%、8枚ならば8枚目は12%、9枚ならば9枚目は11%、10枚なら10枚目は10%とする。
Sony α7IIのISO12800の適正な露出で撮影された写真ならば6枚の合成でおおよそISO800~1600、8~10枚でISO400相当にまでノイズが軽減される。APS-C、m4/3センサーでもISO6400の写真なら8枚も合成しておけばISO400相当になるので10枚くらい連写しておけばどうにでもなる。
私の場合、Photoshopを持っているのでGIMPを使わなくても良いとは思ったのだが、どんなアルゴリズムなのか判らないけれど、位置合わせをしても周囲が切られる事なく、全画素あるんだ。α7IIなら合成してもちゃんと2400万画素ある!。となると、ずれた部分を引っ張ったり縮めたりの作業をしているんだと思う。
これがどう作用するか、恐らく周辺の画質は悪くなるんじゃなかろうか?。それでも最初に決めた構図のままノイズが消えてくれるのでもしかするとPhotoshopよりも有り難いツールかもしれないんだ。
Photoshopの位置合わせ前提でコンポジット用の写真を撮ると、周囲が削られるから描いた構図よりも若干広く構図しないとならない。半歩下がるか、ズームレンズなら広角側にほんの少しシフトするか・・・。でも今回、GIMPのこのプラグインを使った限りではそれが不要になるのだから、作業が面倒だし、時間もPhotoshopの倍近く掛かるが、これはこれで「あり」だと感じている次第だ。
撮影時の注意点が幾つかある。
素材用写真は全てぶれていない事。ぶれた写真が1枚でもあったら位置合わせに失敗するし、そもそも合成した際にそのブレがゴーストとなって現れる。だから感度を上げてても絶対にぶれないシャッタースピードを選択しないとならない。
手ブレ補正付きカメラ(もしくはレンズ)で撮影しているのなら135換算の焦点距離から2段分、これが安全圏内ではなかろうか?。考えるべきだろう。私は50mmまでなら1/15秒、それ以上100mmまでは1/30秒を目安にしている。勿論ぶれない自信があればもっと遅くしても良い。その分、感度が下がるので、よりノイズの少ない写真になる。
しかし1/15秒を1/8秒に、1/30秒を1/15秒にしたところで8~10枚合成したら変わらないんだ。しかもα7IIならば(風景にもよるが)ISO12800でも6枚の合成だけでISO800相当にまでノイズが減るのだから無理はしなくて良い。
また、構図が大きくずれた写真は排除するのも大切だ。特に手ブレ補正をオンにして望遠レンズを装着しているとしっかりと構えていてもセンサーがブレに合わせて動くので構図が大きくずれる時がある(あまり経験はないが)。
撮影者の癖で1枚1枚を見れば小さなずれだが1枚目と10枚目を見ると笑っちゃうくらいずれていたりもする。それは構え方が悪く、恐らく多くはどんどんと構図が下がるか右か左に傾いて行く筈。10枚連写で2秒、でもその2秒でもずれる時がある。
さらに単写でパチパチしたら構図もずれるし、ピント位置もずれてしまう時もあるので必ず連写モードにして一気に8~10枚撮影するべし!。
もし撮って出しJPGからコンポジットするのならカメラの画質設定のノイズリダクションはオフが望ましい。カメラ内の画像処理エンジンでノイズリダクションを掛けるとシャープネスが失われるからだ。
よって個人設定をユーザーモードに登録しておいた方が良い。連写Hi、ノイズリダクションオフ、ついでに後から調整が可能なように彩度が高く、コントラストの強い発色設定は避けるべき。
うちのα7IIはドライブをHiに、シャッタースピードと絞りをカメラマンが選ぶMモード、ISO AUTOで感度の上限を25600、ノイズリダクションをオフ、クリエイティブスタイルをスタンダードにし、コントラストと彩度を-1、Dレンジオプティマイザーはオフ、それらをコンポジット用モードとして登録している。
次に現像時の注意点を。
RAWを現像し、それを元に生成したJPGやTIFFでコンポジットする際、現像の段階で水平垂直補正はしない方が良いと思う。水平垂直をすると1枚1枚で縦横のバランスが違ってくる筈なので、Image Registrationがどのようなアルゴリズムを用いているのが不明で誤った合わせ方をしてしまうかもしれないからだ。私はPhotoshopでコンポジットする時も水平垂直補正は合成を終えて行うようにしている。
あとは超広角レンズを使った際の歪曲補正だが、これは何とも言えない。歪曲補正くらいなら誤った位置合わせをしないとは思うが、今じゃ135センサーでも10数ミリ、そんなレンズが当たり前に使われており、中には大掛かりな歪曲補正を行っているレンズもあるだろうし、その手のレンズを持っていないので何とも言えない。これは皆さんが試されるしかない。
うちにあるレンズで電子補正ありきで作られているのがSonyのE16-50mmF3.5-5.6だ。これはレンズ補正をオフにすると広角側では魚眼レンズのようになる。このレンズを使用して撮って出しJPGからコンポジットしても問題は無かったので、歪曲補正に関してはオンで良いとは思う。
さて、このノイズ軽減コンポジットはノイズを綺麗に消し去ってくれる優れたレタッチ法であるが、一般的なノイズリダクション程ではないものの、シャープネスも若干弱くなってしまう。そこで、その影響が大きくなるISO3200を超える感度で撮影した写真の場合、合成後に再び、シャープネスやノイズリダクションで調整した方が良い写真になる。
これに新しいVer5.5(12月17日に正式にリリースされた)のRawTherapeeが便利だ。
RawTherapeeに新たに加わったデモザイク方式とコントラストマスク
上の記事の通り、デモザイクにAMaZE+VNG4を使うと被写界深度から外れている部分(輪郭のない部分)にノイズが出にくくなり、またコントラスクマスクを利用してシャープネスを掛けられる範囲を変更出来る機能が加わったので(これはLightroomやPhotoshopにもある)、よりノイズが発生しにくく、シャープネスを掛けられるようになっている。
今回、このネタを書くに当たって6カットでGIMP+Image Registrationで自動補正してみた(実際には枚数分、手動で処理を繰り返すので半自動とでも言おうか?)。その全てでしっかりと位置合わせをしてくれていた。製作に時間は掛かるものの、上述の通り、画素数が掛ける事無く、位置合わせしてくれるので、Photoshopユーザーも騙されたと思って、これを使ってみても良いのではなかろうか?。
このノイズ軽減コンポジットなるレタッチ手法の凄いところはどんなデジタルカメラ(もしくはフィルムカメラからスキャンしたデジタル写真)でも作用してくれる事。
連写が可能ならカメラならばスマホや10年前のISO400でもノイズだらけになってしまうような1/2.3型~1/1.7型のコンデジからでも10枚の合成で3段以上の改善が見込まれる。使わない手はないと思うのだが、何故だかこれを利用している人って少ないんだよねぇ。
本日の写真、α7IIで70mm、F6.3、1/30秒、ISO12800で撮影し、GIMP+Image Registrationを利用して、RAWからではなく上述したカメラ設定の撮って出しJPGを7コマ使って合成している。
その後、RawTherapeeでシャープネスとノイズリダクション処理を行い、発色にFujifilmのクラシッククロームを模倣したフィルムシミュレーションを使って仕上げた。これでISO800~1200程度の画質、おおよそ4段軽減されているだろう。
下に等倍の部分利器だしを示そう(マウスクリックで1000x1000ピクセル等倍)。
他のサイト、いわゆるソフトダウンロードサイトからインストール用ソフトをダウンロードしてインストールは可能なようだが、この手のサイトってのは時折ヤバイところもあるのであまりお勧め出来ない。たとえ問題がなかったとしてもどこも触らずにブラウザのタブを閉じた方が安全だ。
ではどうするか?。
Photohopとほぼ同じ機能を持つと言われているGIMPを使えばいいざんす!。
※これ、数年前までジンプって読んでいたけど、ギンプが正しいのね!
GIMP - Downloads
でもこれをインストールしただけじゃ自動位置合わせをしてくれない。それ用のプラグイン、”Image Registration"をダウンロードする必要がある。
Gimp Plug-in for Image Registration
※Windows 64bitでもWin32をダウンロード
以下、Windowsでのお話。Mac OSの人はプラグインを自分のパソコンのどこのフォルダに置くか検索してちょ!。上のIamge RegistrationをダウンロードするサイトにInstallationページがあるのでそれを見れば判ると思う。
Windowsの人もInstallationページを見れば良いのだが、ちょいと間違っている気がする。通常、GIMPのプラグインは次のフォルダに放り込む。
C:/Users/ユーザーネーム/AppData/Roaming/GIMP/2.10/plug-ins
これが見つかったら素直にそこにZIPから抽出した”gimp-image-reg.exe”をコピーすれば良いし、自分で任意のフォルダに放り込んでも良い。
私はユーザーフォルダに色々と入れるのが嫌なので、、、
C:/photo/gimp/plug-ins
にコピーした。
コピー後、GIMPを起動させ、メニューから「編集/設定」を選び、設定画面から「フォルダー/Plug-Ins」をクリックすると現在のプラグインフォルダが示されているので、デフォルトの場所、AppData/Roaming/...に放り込んでいればそのまま閉じる。
そうでなく私のように他のフォルダに入れていたら、そのフォルダを加えてやる必要がある。その後、GIMPを閉じて再起動。ツールメニューに”Image Registration」と表示されていたらオーケー。されていなかったらフォルダの設定ミスなのでもう一度設定画面を確認しよう。
この辺の詳細は「gimp プラグイン インストール」、そんなキーワードで各自で検索し学ばれたし!。
では具体的な方法を。以下、01.jpg~04.jpgまでの4枚をノイズ軽減コンポジットするのを想定した解説をする。
メニューの「ファイル/レイヤーとして開く」を選択し、01.jpg~04.jpgを選択する。すると自動的に4枚のJPGファイルをレイヤーに重ねてくれる。01.jpgが最下位、04.jpgが最上位に来ている筈だ。
次に右下のレイヤーから02.jpgを選び、メニューの「ツール/Image Registration」を選択するとImage Registrationの設定画面が出る。
Referens Imageは位置を合わせたい写真を選ぶ。通常、連写しているのだから1枚目が意図した構図でそれ以降はどんどんと左右上下にずれて行くので一番若い数字、ここでは01.jpgを選ぶ。これはレイヤーで選択している02.jpgを01.jpgに合わせる、そんな意味になる。
他の項目はデフォルトのままでも良いようだが、私はTransfomation ModelはAffine Transformationにしている。どうもこの方が時間は掛かるが、ありとあらゆる事を想定して位置あわせをしてくれるらしい(あくまでも「らしい」)。
OKを押すと位置合わせが始まる。うちのパソコンは古いのでこれに1分掛かる。最新のパソコンなら数十秒だろう。
あとは03.jpg、04.jpgと同じ作業を繰り返す。レイヤーの03.jpgを選んでImage Registrationの設定画面のReferens Imageを01.jpgにしてOK、そして待機、完了したら04.jpgを選択し・・・。
だから合成する写真が10枚あったらそれを9回繰り返す訳だ。そうなるとうちのパソコンだと10分掛かり、それが10カットあったら1時間40分も掛かるので、テレビを見ながらとか、コーヒーを飲みながらノンビリと・・・。2時間サスペンスでも録画してそれを見ながらの作業となるだろう。
位置合わせが済んだらノイズ軽減作業だ。一番下の01.jpgは何もせずに次の02.jpg、これの不透明度を50%、03.jpgの不透明度を33%、04.jpgの不透明度を25%とするとその時点で、ノイズが軽減される!。
合成する写真が5枚なら5枚目は20%、6枚なら6枚目は16%、7枚なら7枚目は14%、8枚ならば8枚目は12%、9枚ならば9枚目は11%、10枚なら10枚目は10%とする。
Sony α7IIのISO12800の適正な露出で撮影された写真ならば6枚の合成でおおよそISO800~1600、8~10枚でISO400相当にまでノイズが軽減される。APS-C、m4/3センサーでもISO6400の写真なら8枚も合成しておけばISO400相当になるので10枚くらい連写しておけばどうにでもなる。
私の場合、Photoshopを持っているのでGIMPを使わなくても良いとは思ったのだが、どんなアルゴリズムなのか判らないけれど、位置合わせをしても周囲が切られる事なく、全画素あるんだ。α7IIなら合成してもちゃんと2400万画素ある!。となると、ずれた部分を引っ張ったり縮めたりの作業をしているんだと思う。
これがどう作用するか、恐らく周辺の画質は悪くなるんじゃなかろうか?。それでも最初に決めた構図のままノイズが消えてくれるのでもしかするとPhotoshopよりも有り難いツールかもしれないんだ。
Photoshopの位置合わせ前提でコンポジット用の写真を撮ると、周囲が削られるから描いた構図よりも若干広く構図しないとならない。半歩下がるか、ズームレンズなら広角側にほんの少しシフトするか・・・。でも今回、GIMPのこのプラグインを使った限りではそれが不要になるのだから、作業が面倒だし、時間もPhotoshopの倍近く掛かるが、これはこれで「あり」だと感じている次第だ。
撮影時の注意点が幾つかある。
素材用写真は全てぶれていない事。ぶれた写真が1枚でもあったら位置合わせに失敗するし、そもそも合成した際にそのブレがゴーストとなって現れる。だから感度を上げてても絶対にぶれないシャッタースピードを選択しないとならない。
手ブレ補正付きカメラ(もしくはレンズ)で撮影しているのなら135換算の焦点距離から2段分、これが安全圏内ではなかろうか?。考えるべきだろう。私は50mmまでなら1/15秒、それ以上100mmまでは1/30秒を目安にしている。勿論ぶれない自信があればもっと遅くしても良い。その分、感度が下がるので、よりノイズの少ない写真になる。
しかし1/15秒を1/8秒に、1/30秒を1/15秒にしたところで8~10枚合成したら変わらないんだ。しかもα7IIならば(風景にもよるが)ISO12800でも6枚の合成だけでISO800相当にまでノイズが減るのだから無理はしなくて良い。
また、構図が大きくずれた写真は排除するのも大切だ。特に手ブレ補正をオンにして望遠レンズを装着しているとしっかりと構えていてもセンサーがブレに合わせて動くので構図が大きくずれる時がある(あまり経験はないが)。
撮影者の癖で1枚1枚を見れば小さなずれだが1枚目と10枚目を見ると笑っちゃうくらいずれていたりもする。それは構え方が悪く、恐らく多くはどんどんと構図が下がるか右か左に傾いて行く筈。10枚連写で2秒、でもその2秒でもずれる時がある。
さらに単写でパチパチしたら構図もずれるし、ピント位置もずれてしまう時もあるので必ず連写モードにして一気に8~10枚撮影するべし!。
もし撮って出しJPGからコンポジットするのならカメラの画質設定のノイズリダクションはオフが望ましい。カメラ内の画像処理エンジンでノイズリダクションを掛けるとシャープネスが失われるからだ。
よって個人設定をユーザーモードに登録しておいた方が良い。連写Hi、ノイズリダクションオフ、ついでに後から調整が可能なように彩度が高く、コントラストの強い発色設定は避けるべき。
うちのα7IIはドライブをHiに、シャッタースピードと絞りをカメラマンが選ぶMモード、ISO AUTOで感度の上限を25600、ノイズリダクションをオフ、クリエイティブスタイルをスタンダードにし、コントラストと彩度を-1、Dレンジオプティマイザーはオフ、それらをコンポジット用モードとして登録している。
次に現像時の注意点を。
RAWを現像し、それを元に生成したJPGやTIFFでコンポジットする際、現像の段階で水平垂直補正はしない方が良いと思う。水平垂直をすると1枚1枚で縦横のバランスが違ってくる筈なので、Image Registrationがどのようなアルゴリズムを用いているのが不明で誤った合わせ方をしてしまうかもしれないからだ。私はPhotoshopでコンポジットする時も水平垂直補正は合成を終えて行うようにしている。
あとは超広角レンズを使った際の歪曲補正だが、これは何とも言えない。歪曲補正くらいなら誤った位置合わせをしないとは思うが、今じゃ135センサーでも10数ミリ、そんなレンズが当たり前に使われており、中には大掛かりな歪曲補正を行っているレンズもあるだろうし、その手のレンズを持っていないので何とも言えない。これは皆さんが試されるしかない。
うちにあるレンズで電子補正ありきで作られているのがSonyのE16-50mmF3.5-5.6だ。これはレンズ補正をオフにすると広角側では魚眼レンズのようになる。このレンズを使用して撮って出しJPGからコンポジットしても問題は無かったので、歪曲補正に関してはオンで良いとは思う。
さて、このノイズ軽減コンポジットはノイズを綺麗に消し去ってくれる優れたレタッチ法であるが、一般的なノイズリダクション程ではないものの、シャープネスも若干弱くなってしまう。そこで、その影響が大きくなるISO3200を超える感度で撮影した写真の場合、合成後に再び、シャープネスやノイズリダクションで調整した方が良い写真になる。
これに新しいVer5.5(12月17日に正式にリリースされた)のRawTherapeeが便利だ。
RawTherapeeに新たに加わったデモザイク方式とコントラストマスク
上の記事の通り、デモザイクにAMaZE+VNG4を使うと被写界深度から外れている部分(輪郭のない部分)にノイズが出にくくなり、またコントラスクマスクを利用してシャープネスを掛けられる範囲を変更出来る機能が加わったので(これはLightroomやPhotoshopにもある)、よりノイズが発生しにくく、シャープネスを掛けられるようになっている。
今回、このネタを書くに当たって6カットでGIMP+Image Registrationで自動補正してみた(実際には枚数分、手動で処理を繰り返すので半自動とでも言おうか?)。その全てでしっかりと位置合わせをしてくれていた。製作に時間は掛かるものの、上述の通り、画素数が掛ける事無く、位置合わせしてくれるので、Photoshopユーザーも騙されたと思って、これを使ってみても良いのではなかろうか?。
このノイズ軽減コンポジットなるレタッチ手法の凄いところはどんなデジタルカメラ(もしくはフィルムカメラからスキャンしたデジタル写真)でも作用してくれる事。
連写が可能ならカメラならばスマホや10年前のISO400でもノイズだらけになってしまうような1/2.3型~1/1.7型のコンデジからでも10枚の合成で3段以上の改善が見込まれる。使わない手はないと思うのだが、何故だかこれを利用している人って少ないんだよねぇ。
本日の写真、α7IIで70mm、F6.3、1/30秒、ISO12800で撮影し、GIMP+Image Registrationを利用して、RAWからではなく上述したカメラ設定の撮って出しJPGを7コマ使って合成している。
その後、RawTherapeeでシャープネスとノイズリダクション処理を行い、発色にFujifilmのクラシッククロームを模倣したフィルムシミュレーションを使って仕上げた。これでISO800~1200程度の画質、おおよそ4段軽減されているだろう。
下に等倍の部分利器だしを示そう(マウスクリックで1000x1000ピクセル等倍)。




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