E-M1はPanasonicのセンサーが搭載されている。恐らくLumix GX7、GX7markII、G7辺りのセンサーと同じ(ローパスフィルターの有り無し程度の差だと思う)。そしてE-M5markIIはSonyのセンサーが使われている。
DxO Markの数値を見るとE-M1とE-M5markIIはほぼイコール。Sonyセンサーの方が高感度が有利であるが、その差はたったの1/3段でしかない。誤差も含めたかが1/3段と考えるべきかされど1/3段と感じるべきか、それはカメラマンの個々の判断でしかない。私は「たかが1/3段」でしかないと思っている。
撮影したISO1600以上の画質をE-M1、E-M5markII、GX7で調べると確かにE-M5markIIがISO3200を超えてくると扱いやすい気がしないでもないが、これくらいの差はLightroom等の現像ソフトでどうにでもなる。増してや判断の材料としてA3サイズのプリントを基準にすると差はゼロと言い切っても良い。
そして被写界深度が浅く、かつ手振れ補正が優秀なので(静物撮影に限定されるが)暗くてAFが全く合わない、そんな状況で無い限り、ISO3200を超えるシチュエーションはほとんどなく、結果的には一回り大きなAPS-Cセンサーのカメラと比較しても現像ソフトの使い方により同質の絵にするのも可能。
そう自信を持って今のm4/3カメラを信頼している私でもかつてはOlympus E-P3やPentax K-7と言った馬鹿センサー搭載カメラを使っていた事もあり、画質(特にノイズ)に対して神経質であると思っていた。ところが世の中は広い、私よりも格段に神経質な人が仰山いらっしゃるようだ。
どうもこの手の人達は最新のカメラやワンランク上のクラスを常に意識し過ぎている気がしてならない。そうじゃないじゃん。それらを意識するくらいなら借金してでもそれを買えば良い。金で解決出来るのならそうするべきなんだ。
E-M5がSonyセンサーだ、これはOlympusがそう断言したらしい。だからその後のE-M1も発売直後は多くのユーザーがSonyセンサーだと思っていたようで、それが海外のサイトでカメラを分解したらPanasonicセンサーだった、なるニュースが流れた瞬間にどこぞのサイトでは「なんでSonyじゃないんだよ!」と悲しむ人達がいたり・・・。
反対に「個人的にはPanasonicセンサーの発色が好きだったから安心した」と言った、はたから見れば負け犬の遠吠えにしか思えない書き込みがあったり・・・。
CCDとCMOSの発色の違いも良く理解していないからPanasonicとSonyセンサーの発色の相違なんてどーでも良かったりする。増してや、「発色ってセンサーよりもレンズや画像処理エンジンの力の方が強いんじゃね?、オートホワイトバランスで撮っていたらそれだけでメーカー毎に発色が異なるのは当たり前。
第一LumixとOM-Dとでは画像処理エンジンが全く違うでしょ!?、同じOlympusでも一世代古いE-P3辺りと比較するのもナンセンスじゃね?」とクエスチョンマークばかりが浮かんでくる。
恐らくこういう疑問には「味付けが異なるからこそSonyセンサーとE-M5の画像処理エンジンが作り出す色が嫌いだった」と返してくるのだろうな。他人の好き嫌いに文句を言ってもしょ~がないが、もしE-M1のセンサーがPanasonic製であるなるニュースを知らなかったらきっと「E-M1もE-M5と同じく良い発色だね!」なんて発言していたんじゃねぇか?。
※E-M1の長時間露光時のノイズはE-M5markIIと比較してかなり酷いらしい、それがSonyとPansonicの差か、あるいは像面位相差AFを搭載したせいなのか・・・
そして今度のE-M1markII、これもどこぞの海外のサイトでカメラを分解してSony製だと判明(設計はOlympus?)。おいおい、E-M1の時に「Panasonicの発色が好きだったから安心した」なんて言っていた人はどう感じたのかな?。きっとどうせ「やっぱりSony製の方が安心だね」とか「E-M1markIIに限ってはOlympusの画像処理エンジンとSonyのセンサーがマッチしている」、そんな手のひら返し、バカチン発言でもしちゃうのだろうな。
さて・・・。
E-M1に期待したのはそれまで所有していたPentax K-5と同等以上に使い勝手があり、クオリティのある写真を出力してくれる事。最新のカメラやランクが上のカメラと比較するのでなく、K-5との比較。普通そうでしょう?。今まで使用していたカメラよりも優れているか否か、優れていたら素直に喜ぶべき。上を見たらきりがない。上を見るのならFujifilmのGFX50Sを買えばいいじゃないか!。それで幸せになるでしょう?。
K-5のSony1600万画素センサーは今でも十分に通用する性能を持っている。特にダイナミックレンジは広く、かつK-5はハイライト補正を行うとRAWでもハイライトのレンジが1段広がってくれるのでスーパーダイナミックレンジを持っているカメラ。
だから日中、輝度差の激しい風景を狙うとなるとE-M1は逆立ちしたってK-5に勝てない。K-5は現像処理が楽だったから。ハイライト、シャドー補正するだけで完璧な風景になってくれた。当然E-M1もE-M5markIIもLumixのGX7と言ったm4/3カメラはダイナミックレンジで劣る。
m4/3カメラはISO400になると(場合によってはISO200から)シャドー部にうっすらとノイズが出てくる。通常これはカメラのノイズリダクション処理で見えないのだが、私のようにカメラのノイズリダクションをオフにしていたり、RAWから現像をしようとするとデフォルト像を見て「わぉっ、やっぱりシャドー部汚ねぇな」と感じてしまう。
しかしおおよその風景はLightroom等の汎用現像ソフトででどうにでもなる。LightroomやCapture One Proはブラシなどを利用して部分的にノイズリダクションを掛けたり、RawTherapeeは輝度毎(明るさ毎に)ノイズリダクションの値を変更出来るのでシャドー部だけ綺麗にするなんてお茶の子さいさい。
E-P3の糞センサーでもそんな処理を施して満足しているのだから低感度でのシャドー部に出るノイズはへっちゃら。どのみちA3プリントくらいの大きさだったらそんな処理をしなくても写真として成立している。
そしてE-M1にはK-5にはないものを5つも持っている。
1、小さくて軽い
、これは当たり前。そもそもSony α6000を買ったのは将来α7系カメラと一緒に使う、そんな理由もあったが、旅行でK-5とK-7を持ち歩くなんて馬鹿馬鹿しくて嫌になったんだ。
だから広角~中望遠域をα6000に任せ、望遠域でK-5、これでかなり楽なった。そして今は普段のお散歩写真ならポーチのような小型のバッグで歩けるし、旅行に出てもGX7とのコンビで全く嵩張らない。
2、魅力あるレンズ描写力
上の1番と被るが、これもかなり重要。おもちゃみたいなレンズでもPentax用レンズと同等、もしくはそれ以上の描写力を持っている!。
3、手振れ補正効果
言わずもがな、強力な手振れ補正機能のお陰でK-5でISO3200が必要な風景でもISO800以下の感度が使える点。K-5のISO3200とE-M1のISO800とでは後者の方が優れている。
詳細は後のレビューに譲るがE-M1でも1秒のシャッタースピードが使える目処が立った。K-5の己の限界点は135換算50mmで1/6秒だったので2段半もISO感度を下げられる。被写界深度が2/3段深くなるので、明るいレンズを装着していれば都合3.3段の差となる。そうなると高感度が必要な同じ風景であればE-M1の画質に軍配が上がる。
また、幾らK-5が今でも通用するとは言ってもISO6400になってくると風景を選んでしまう。しかしE-M1はその時でもISO1600以下になる。m4/3では被写界深度も深いのでISO1600を超える風景なんて滅多にお目に掛かれないのだから・・・。
同じくK-5では主にノイズ軽減用のコンポジットで使用していたISO12800、その風景をE-M1ではISO3200で撮れる。E-M1のISO3200は私が好む風景ではおおよそコンポジットも不要だ。仮にコンポジットが必要な風景でもK-5のISO12800からのコンポジットとE-M1のISO3200からのコンポジットでは後者が優れている。
本ブログでは常に成果物にA3~A2プリントを想定しており、特にA3プリントであればK-5のISO12800は風景によっては問題なく使える時がある。
例えば全体にグレー掛かった廃墟、構図は荒れた壁が中心、そんな風景は壁が風化によってザラザラしているのか、ノイズなのか、その程度のプリントだと人の目は馬鹿だからあまり判らない。
つまり、写っているもの全てがスベスベでなく「ザラザラ」していて、かつ比較的近い距離の風景ならばISO12800でも十分に使える写真が出てくる。
4、信頼出来るAF
これもミラーレスカメラ全般に言える事。AFに信頼感がある!。PentaxのカメラはK-3からそこそこ信頼出来るAF性能を持ったようだが、それでも平気で誤測距をする。それが純正レンズじゃなくレンズメーカーのレンズだったらもうどーにもならない。
しかもズームレンズともなると広角、標準、望遠域のいずれかを犠牲にせねばならない。K-5とセットで使っていたSigma 17-70mmF2.8-4(旧タイプ)は被写界深度が深い癖に広角側で前ピンになる。また像面歪曲のせいで周辺の描写が悪い。だから17~24mmくらいを中心に後ピンになるようにピント調節すると今度は70mm側の最短撮影距離ではより後ピンになってしまう。
ある程度広角側に合わせるが、それはF5.6まで絞って被写界深度内に収まっていれば良い、そう考えないと望遠側が使えなくなってしまう。DA17-70mmF4ではそういう事がなかったのでSigmaとPentaxの相性みたいのがあるのだろう。Sigmaには2回調整に出したが満足出来る結果は得られなかった。
また気温や湿度の影響なのか、夏と冬とでもピント位置がずれてしまうような気がしてならなかった。だからだいたい年に2度、初夏と晩秋でピント調節をしていた。17-70mmレンズなら17mm、24mm、35mm、50mm、70mmの5つの焦点距離で、70-300mmレンズでも70mm、135mm、200mm、300mmの4つの焦点距離でテスト。
年にたったの2回であるが、FA28mmF.8、FA50mmF1.4でも調整が必要になったので、全てのAFレンズで調整を行うと平気で数時間を要してしまう。それが煩わしくて・・・。
ミラーレスの場合、それが皆無でしょう!。レンズによってピントの調節をしなくても良い!。これは嬉しい。時折、思った場所と異なるところに誤測距するが、それは一眼レフの比じゃない。なんたってK-5では絶対に合わない遠景の紅葉風景でもミラーレスカメラはバチピンになる!。
5、MF時も安心
ミラーレスだから故のマウントアダプターを介してほぼどんなレンズでも装着が可能で、かつMF操作も像拡大によって一眼レフよりもバチピンになる事。
K-5ではマニュアルレンズのピント合わせには苦労した。当ブログで何度も話題にするのが「Pentaxカメラはファインダーが優れているからMF操作が楽だ」などとほざいているカメラマンがネット上にウヨウヨいた。こいつらどんな目してんだよ?、と思う。
K-1は別にしてAPS-Cの一眼レフカメラ、幾らPentaxのファインダーが優れていると言っても限度がある。50mmF1.4の開放でフォーカスエイド機能(ピントが合った時に知らせてくれる機能)を使わずにバチピンになるか?。フィルム時代、ピントの山がハッキリ見えたPentax LXならなんとかなるものの、ファインダー倍率を考えたらAPS-Cの一眼レフではほぼ無理だろう。
加えてミラーレスは実絞りでの測光なので各種AEが使える。
この5つの長所を考慮するとK-5と比較して唯一の弱点、ダイナミックレンジの狭さは楽に相殺出来る。勿論、E-M1がK-5を上回っているとは言えない。K-5にはK-5の良さもあった。しかしK-5の代替機としてE-M1は十分に納得させる機能、質を持っていた。だからSonyセンサーよりも高感度が弱いのは事実かもしれないし、m4/3のダイナミックレンジの狭さは時折ビックリするが、それらは運用で楽にカバー出来るので気にならないのだった。
本日の写真、毎年ほぼ恒例になっている年度末有給休暇消費の旅にて静岡県を旅した際の1コマ。旅の詳細はいずれ述べるとして、元々は明治9年に岩盤を掘削し、木枠だけをはめたトンネルであったが、明治29年の火事により不通となり、明治37年に新たに開通した煉瓦造りのトンネルだ。
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