2015年11月05日 00:00

Olympus E-P3, 14-42mmF3.5-5.6II R
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Olympusと言っても手元にはE-P3しかないのでE-P3だとこうなんだ!、と言うお話を・・・。E-P3レビュー番外編と考えて頂きたい。
Olympusと言っても手元にはE-P3しかないのでE-P3だとこうなんだ!、と言うお話を・・・。E-P3レビュー番外編と考えて頂きたい。
10月18日の記事にてDxO Markの数値について述べた。
そしてテスト結果を見る限り、Olympusのカメラは実効感度が約1段低いのが判る。これはE-P3に限らずおおよそのOlympusカメラでも同じ結果が出ている。その為、価格.com等でOlympusはISO感度まで粉飾しているのか!、と揶揄される始末。
私もこれに関しては結構不快に思っていたが、最近、まぁそういう手法なのだからそれはそれでいいんじゃねぇか?、と考えるようになった。
実効感度が1段低いと言ってもE-P3でドピーカンで空と山で構成される風景を撮ったらISO200、F8、1/500secだったのが、DxO Markで実効感度がほぼ公称通りのPentax K-5で撮るとISO200、F8、1/1000secになる訳じゃない。
E-P3でISO200、F8、1/500secならK-5でもおおよそ同じ値になる。要するにどのメーカーのカメラでも従来からのF8の法則通りの数値になるんだ(快晴時の適正露出はISO100、F8、1/250secと言う法則)。
ここからは推測でしかないが・・・。
だとするとE-P3はISO200、F8、1/500secで撮影しても実際にはISO100の感度しか出ていないので1段暗い像がセンサーに記録されており、それを画像処理エンジンで1段プラス補正してISO200の明るさにしているんじゃないか?。
E-P3は最低感度のISO200でもシャドー部にノイズが乗る事がある。これは当時のPanasonicの技術力の無さに加えて無理矢理画像処理エンジンで1段明るくしているからなのだろう。高感度域の描写が悪いのもそのせいに違いない。
とは言え、「だからOlympusはISO感度まで粉飾しているんだよ!、E-P3のISO800は本当はISO1600相当なんだ!、ありえねぇ!」ではなく、「E-P3のISO800はISO800でしかなくそれが他社と比較するとISO1600相当に見えているだけ」、そして今はSonyのセンサーを使っているからISO800がISO1600に見えてもそれなりの画質は保っている、そう思うようにしている。
いずれにせよDxO Markの値が正しいのならOlympusだってそれは承知しているだろう。なのに尚も頑なに実効感度を1段低く設定しているのだからそこにはなんらかの理由があるのだろう。そしてその理由を我々ユーザーが問い質したところで真摯な対応をしてくれる筈もない。その何故が解明されない限り、OlympusのISO200はISO200であり、ISO1600はISO1600なんだ。
しかし!。どうしても解せないのがE-P3の画像処理エンジンの「仕上がり」調整について。これはPentaxで言うところのカスタムイメージ。NaturalとかVividとかあり、その中で風景に応じて1枚1枚解析して仕上がりを調整してくれる「i-Finish」なるモードがある。こいつが厄介極まりないんだ。
とその前に自分なりにi-Finishの良い面を・・・。i-Finishで仕上げた写真の大半は彩度が高い。Vividよりも高いんじゃないかと思う程。しかし特に「赤」に対して、Vividだと飽和しそうな赤色がi-Finishにすると反対に彩度(色相や輝度が変化しているかも)を落としてくれるんだ。
また日陰ではVividを使うとなんか作られた絵に見えてしまい、反対にNaturalにすると地味すぎてつまらない、そんな時にVividとNaturalのちょうど中間辺りの発色、コントラストになってくれたりもする。だから何も考えずにほぼ仕上がり調性はi-Finishを使っていた。どのみちその発色が気に食わなかったらOlympus Viewerを使って作り直せば良いだけなのだから。
ところがある時ふと気付いたんだ。それが上の粉飾ISOにちょっと関係してくる。と言うのもi-Finishにしていると撮って出しJPGとRAWファイルの明るさ(明度と言えば良いのかな)が全く異なるんだ。撮って出しJPGで適正だと思った写真をRAWで見るとアンダー、暗い像になっている。
これはOlympus Viewerじゃ判らない。汎用現像ソフトを使って初めて判る事。手持ちのLightroom、DxO Optics Pro、Capture One Pro、RawTherapeeの全てでローキーフォトを見せられる。
つまりE-P3の画像処理エンジンもOlympus ViewerでもRAWをデモザイクした時点でやっぱり1段くらい感度を粉飾しているのだろう。
さらに解せないのが・・・。
「ある時ふと気付いた」と書いたでしょ。これはある時から突然i-FinshとRAWの明度が大きく変化したんだ。E-P3は知り合いから購入したものだが、購入前にも何度か借りて使っており、2012年の春から使い始めている。
本ネタを書くにあたり、2012年、2013年の写真を見返しているが、確かにi-Finishの方が明るく仕上がっている。しかしi-FinishとRAWで大きく明度に差が開いた写真はほとんどない。だから気付かないし、気付いても撮って出しJPGはトーンカーブでミドルを少し上げているのだろうな、程度にしか思わなかった。
ところが2014年の写真を見ると瞬時に判る。RAW像の方が暗い!。写っている風景によってはドアンダーの失敗写真に認定したくなる程なんだ。
全ての写真でのそうなる訳でもないが、輝度差があってシャドーが落ち込んでいるような写真の大半はi-Finishは明るく写る。これがシャドー部だけを持ち上げているのならさほど気にしなくても良いのだが、ミドルからハイライトに掛けても明るくなるんだ。ヒストグラムを見れば一目瞭然。山が全体に右(ハイライト側)に大きくシフトしている。となるとトーンカーブで相当大きな山を作っている事になる。
ここからは推測を通り越して邪推するので悪しからず・・・。
2013年の夏、かなりのコマで、Olympus特有の1/125sec前後のシャッター速度での微ブレ現象に見舞われた。またISO200でもシャドー部がモヤモヤしている。ノイズリダクションをオフにしていても必ずシャドー部がモヤモヤするのに気付いて、「壊れているんじゃねぇか?、とにもかくにも微ブレだけはなんとかせぇ!」とOlympusにカメラを送り付けたんだ。
その辺の話は以前本ブログで書いているが、Olympusから「モヤモヤはノイズリダクションではない、よってモヤモヤは解消出来ない、当社の仕様である、そして微ブレに関しては個々の撮影スタイルもあるだろうし、今回は確認出来なかった」と言う糞過ぎる回答を頂いた。
モヤモヤはしょ~がないとしても不思議とこの時を境に微ブレ現象が今日の今日まで出ていないんだ。言葉では「微ブレは確認出来なかった」と回答していたが、実際には微ブレを確認して部品の交換か、ソフトウェア修正をこっそり行って返却したんじゃないかなぁと思っているんだ。少なくともソフトウェアの解析、そしてリセットはしている筈なんだ。
※ソフトウェアのリセットとは工場出荷状態に戻すと言う意味ではない
もしこの現象がうちのカメラだけだったらその可能性は大いにある。そしてそうでなくどのE-P3でもi-FinishにするとRAWとの明度差が出ると言うのならファームウェアのアップデートで社外に公開出来ないような何らかの変更があったのではなかろうか?。
さらに不思議なのが・・・。
DxO Markのテストを信じるならばISO感度を粉飾しているのは何もOlympusだけじゃない。初夏にSonyから借りたα7も約半段実効感度が低い。しかしである!。α7は撮って出しJPGとLightroom等の汎用現像ソフトのデフォルトのRAW像とで発色やコントラストに違いはあれど明るさに関してはほぼ同じなんだ。
また手持ちのカメラではNikon D90、これもDxO Mark曰く実効感度は半段程低い。しかしJPGとRAWにて大きな明るさの違いは見出せない。
何故だろう?。LightroomもOptics ProもCapture One ProもRawTherapeeも「半段程度なら見逃してやるぜ。JPGに近い濃度にしてやろうじゃないか。でもOlympusはいけねぇな、1段も違っちゃ駄目だよ、悪いけど善処する気はねえな!」って事かいな?。
本日のトップ写真、i-Finishで仕上げた撮って出しJPG。そして下がLightroomのRAWのデフォルト像。ここまで差があると発色の違いとは言えないでしょう?。明らかに明度、もしくはトーンカーブで大きな山を作って明るさをブリブリと上げてしまうのがi-Finish。
撮影中EVFで見えている像はi-Finishで加工されている像だからてっきりそれが正しい露出だと思ってしまう。この時の露出はISO200、F5、1/2000secのEV14.7。これとほぼ同じ写真をFujifilmから借りたX-E2で撮影していて、その値が(点像復元テストをしていたので)ISO200、F16、1/100ecのEV13.7。1段異なる。これをISO200、F5で撮るとシャッタースピードは1/1000sec。
お判りだろうか?。E-P3のi-FinishのEVFで見えている像は1/2000secでなく1/1000secの像なんだ。同じようにここらで撮影した風景でE-P3が1/500secのところX-E2では1/200sec。やはり1段以上の違いがある。でもJPGで出てくる絵はほぼ同じ濃度(明るさ)なんだ。
当然、LightroomのデフォルトRAW像は1/1000secでなく1/2000sec、1/200secでなく1/500secの明るさに準じたものだから撮って出しJPGから1段以上暗くなってしまうんだ。

撮って出しJPGは最初から色空間にsRGBを使っている。そしてこのAdobe Standard像はProPhoto RGBと言う一番広いものが使われる(それの一択しかない)。そして面倒なのでWEBに掲載する際も(WEB上では勝手にsRGBに変更されるで)ProPhoto RGBのままアップロードしている。
LightroomでProPhoto RGBとsRGBや他の色空間でどう見えるかチェックするには「ソフト校正」をオンにして任意の色空間をセットすれば良いのだが、そのソフト校正にバグが潜んでいて、LightroomからPhotoshopへ処理を委ねる際にJPGの色空間がProPhoto RGB、sRGBとでは異なるのか?、そう勘ぐって色々やってみたが、結局は同じだったんだ。
勿論、ProPhoto RGBとsRGBではWEBに掲載して共にsRGBに変換されても若干の差が出るのだが露出が大きく変化する事はない。
このLightroomのソフト校正はパーソナルプリンターでプリントする時にも役立つ。手持ちプリンターのiccプロトコルを指定してやれば発色の傾向がシミュレーション出来るからだ。勿論寸分違わぬ・・・って程ではないが、以前よりも外す事が大きく減り、写真用紙の無駄遣いがなくなった。
そしてE-P3はそうやって無理矢理1段以上も露出を持ち上げているから、ブログに掲載する程度の大きさでは判らないだろうがシャドー部、手前の崩れた壁がモヤモヤして解像感がない。最低感度のISO200、しかもこの程度のシャドー部でさえ大きく加工されちゃっている。LightroomでProPhoto RGBとsRGBや他の色空間でどう見えるかチェックするには「ソフト校正」をオンにして任意の色空間をセットすれば良いのだが、そのソフト校正にバグが潜んでいて、LightroomからPhotoshopへ処理を委ねる際にJPGの色空間がProPhoto RGB、sRGBとでは異なるのか?、そう勘ぐって色々やってみたが、結局は同じだったんだ。
勿論、ProPhoto RGBとsRGBではWEBに掲載して共にsRGBに変換されても若干の差が出るのだが露出が大きく変化する事はない。
このLightroomのソフト校正はパーソナルプリンターでプリントする時にも役立つ。手持ちプリンターのiccプロトコルを指定してやれば発色の傾向がシミュレーション出来るからだ。勿論寸分違わぬ・・・って程ではないが、以前よりも外す事が大きく減り、写真用紙の無駄遣いがなくなった。
Oympusはこれをノイズリダクションではないと言い張っているが、誰がどう考えてもノイズリダクション、もしくはそれと同様の作用をする何かをわざわざ施している。1段も上げる必要ないんだ。半段くらいでちょうど良い筈。半段ならモヤモヤもあまり目立たない。
またE-P3でi-Finishで注意する点は10月2日の記事の通り、アンダーに撮り過ぎるとISO200でもシャドー部に多くノイズが出てしまうので、JPGで適正露出よりもRAWで適正露出の方が補正し易いので輝度差が著しい風景ではEVFで覗いて適正だと思っても半段程必ずプラス補正をするように心掛けている。
まぁこうやって馬鹿にした記事にしているのだから今後はi-Finishを標準設定から弱設定に変えるか、i-Finishを使わずNaturalにするかした方が良いのかもしれない。
いずれにせよi-Finish処理に対してOlympusは絶対的な自信を持っているみたいだが、これを見る限り相当なお馬鹿さんなのは間違いない。E-P3以降のカメラはSonyの優良なセンサーを得てi-Finishも良くなっているのだろう。そう思いたい。

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