2014年08月30日 00:00

Pentax K-7, Sigma AF17-70mmF2.8-4OS HSM
※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。
事ある毎にPentax K-7はPentaxデジタル一眼レフ史上、劣悪、黒歴史であると書いてきたが、意外と気に入っていたりする(笑)。今日はそんなお話を・・・。
事ある毎にPentax K-7はPentaxデジタル一眼レフ史上、劣悪、黒歴史であると書いてきたが、意外と気に入っていたりする(笑)。今日はそんなお話を・・・。
K-7があってこそ今のPentaxカメラがあると言っても良い。
それは視野率約100%の実現とカクカクしたボディデザインへの変更。これが実現出来ていなかったらPentaxブランドが消滅していたかもしれない、非常に重要な位置にいたカメラがK-7だ。本ブログでは自虐的に黒歴史と呼んでいるが、実際には可愛い奴なのだ。
K-7でPentaxユーザーを止めた人間もいるだろう。でも反対にK-7を見て、こんな小さなカメラでも視野率が100%なのか!、フィルム時代のカメラを見ているようなデザインでカッコイイ!、とPentaxユーザーになった人間だっている筈。
生活必需品から車まで、丸っこいデザインが大嫌いなんてタイプだからK-7のそのデザインは一目惚れと言って良いくらいだった。
フィルム時代、Canonの主要な一眼レフはほとんど使ってきた。でも丸っこいデザインのEOS-1NRSよりもワンランク下のEOS-3の多用していたのは単純にEOS-3の方がカクカクしていてカッコ良かった、ただそれだけの理由(不評の視線入力AFが私の目と相性が良く誤測距しなかったのもあるけど)。
K-7が不評だったのは高感度域でのノイズ耐性。他メーカーのカメラがすでにISO3200が当たり前だった時代、K-7はISO1600が限界だったし、人によってはISO800でも駄目、そんな晴天番長であった。
なにしろ同じセンサーを使っていた前モデルのK20Dよりもノイズ耐性がなかったのだから叩かれるのは当たり前。でもここで勘違いしちゃいけない。ノイズ耐性はK20Dよりも悪いんじゃない。変わっていないだけ。
何故K20Dよりも悪く感じるのか?。それはダイナミックレンジをK20Dよりも広くしちゃったから。特にシャドー側が広がったから階調はK20Dよりも出るけど、K20Dでは潰れて見えなかったノイズがそこに見える。ISO800ですでにその状態だからカメラマンの中にはISO800すら使いたくないなんて人が多いのも頷ける。
要するにダイナミックレンジを広げたのにノイズに関してしっかりと仕事が出来なかったPentaxのソフトウェア部門が悪いってお話だ。ただこれも表現を変えれば、K-7時代に苦労したからこそ、K-5のノイズリダクションは同じセンサーを使っている他社のカメラよりも優れていて、この時培った技術がK-5に活きているとも言え、K-7はメーカーとしてターニングポイントの機種なのかもしれない。
今年になってから結構K-7がお散歩写真に出動している。なんでそうなるのか良く判らないのだが、2台同時に使って初めて判った事として、RAWレベルでK-7の像の方がK-5よりもシャープに感じる。
勿論、K-5よりも200万画素少ない分、全く同じセンサー&画像処理エンジンだったら、等倍で見るとシャープに見えるのは当たり前。たかが200万画素と言うなかれ。K-5とK-5IIsを仮に画素数で大雑把に計算するとK-5IIsは1800万画素相当になると言う。たかが200万画素だが、明らかにK-5IIsの方がクリアーに見える。
K-5IIsは1800万画素相当の写真を1600万画素で見ている、それと同じでK-5よりも200万画素少ない分、K-5よりもシャープに見えるのは判る。だったら所詮プリントはA3ノビなのだから、240dpiでプリントすると1420万画素。K-7でいいじゃんってなる(K-7の有効画素数は1460万画素)。
また、K-5をLightroomで現像するとシャープ量に40~70を設定するが、K-7は風景によってはデフォルトの25で良い。これも言い換えると200万画素増えちゃった分シャープさが弱くなり、あとからシャープを掛けるK-5が良いのか、200万画素少ないけどシャープ量を減らせるK-7とどっちが良いのか、と考えても間違いじゃないでしょう?。
※1400万画素がシャープに見える、これは言葉の妙で、言い換えれば、A3ノビ前提で、等倍像でもカリッとさせたいのなら、単にK-5の1600万画素を1400万画素に縮小したらいいだけ
だからと言って現行のK-3やK-5IIsに対抗出来るなんて提灯持ちでも口が裂けてもそんな言葉は吐けない。K-7を使うのなら、それなりの工夫が大切だ。
私自身は特に実感はないが、Pentaxの人曰く、K-7の基礎感度はISO100だから基礎感度が高いK-5系(ISO400だったかISO800だったか)よりもISO100の像に限っては上回る画質になってくれるらしい。とりあえず、これを信用しようではないか!。
※K-7をISO100で使うにはハイライトのダイナミックレンジ拡大をオフにする必要がある
だからまずは手振れ限界までISO100で頑張る、これがルールその1。
焦点距離50mm(135換算75mmくらい)、絞りF5.6でISOオートにセットしたらISO200でシャッタースピードが1/30secを示したとする。Pentaxのカメラは最低でも2段分の手振れ補正はしてくれるから、その値で通常は撮ってしまう。でもそこをISO100の1/15secでも撮っておこう。ブレが怖かったら数枚連写すりゃ1枚はなんとかなる。
そしてこのルールは各感度でも励行しよう。絞りF5.6、ISOオートにセットしたらISO800で1/30secを示した。ならば1段低いISO400の1/15secのコマも数枚連写して押さえておく。
ルールその2はISO800からは迷わずにコンポジット合成用に同じ構図で4枚前後を連写する事。ここで写真合成なんて写真じゃないとか、カメラ内現像でJPGとして出てくる像にしか興味のないなんて方は、K-7を使う資格はないし、そもそもそんな人はフィルムカメラにリバーサルフィルムを通して使っていればいいの。そしてプリントはダイレクトプリントだけ、Photoshopで加工なんて絶対にしないよな。
コンポジットするにはPhotoshopが必要になるが、今はLightroom込みで月々たったの千円でしょ?。それくらいケチらずに買おうぜ!。
経験上、ISO1600未満は4枚の合成で劇的に写真が変化し、ISO1600とISO2200は4~6枚撮っておけばなんとかなる。但し、K-7はISO3200になった途端に像が破綻するので、ISO3200では8枚の合成が望ましい。私なんてシャドーがやたらに多い風景を撮る場合、ISO400でもコンポジット前提で4枚は連写する。
ルール1とルール2を絡め、ISOオートの上限はISO2200で止めておく。ISO3200は余程の事がない限り使わないようにする。そうすれば最高感度でもISO2200なのだから6枚の合成でISO640~ISO800相当の写真に仕上がってくれる。
無駄にダイナミックレンジを広げない、これがルール3だ。要するにダイナミックレンジをK20D相当にしちゃう。これを行うにはコントラスト+1~+2、カスタムイメージのキー-1、コントラストシャドー+2~+4にセットしてやれば良い。そうすればシャドー部は、ディテールがなるなる分、黒く潰れノイズは見え辛くなる。
※冒頭でK-7のISO100の画質はK-5よりも優れている、これ補足事項として、コントラストが強くなり、シャドーが潰れカスタムイメージの「リバーサルフィルム」が最良だとPentaxの人は言っていた、要するにK-7は風景によってISO100でもシャドー部にノイズが見える事もある
これはカスタムイメージと無関係のRAWから現像する場合でも有効だ。現像処理において、コントラストを強め、無駄なシャドー部はトーンカーブ等で勇気を持ってガツンと潰す。シャドー部のディテールに拘るのなら三脚を用いて低ISOで撮影するしかない。なぁに大丈夫、Fujifilm X-E2でもベルビアやネガハイを使えばシャドー部は潰れるのだから・・・。
※K-7のカスタムイメージ中のシャープネスは3種類あるが、ファインシャープネス2が良い
結果、この手のコントラストの高いインパクトのある写真を作るのならK-5やK-3と大差ない写真をK-7でも作れてしまう。当たり前の事だろうが、階調が豊かでダイナミックレンジの広い写真だけが優れているんじゃない。
ルール4はシャドー部に焦点を当てている場合、シャドーを基準に露出を決定せよ!。ハイライトとシャドーの輝度差が高い風景ではたとえISO感度が100や200であってもシャドー基準の露出が望ましい。RAWから現像すればハイライトは白飛びしていても2段近くのアドバンテージがあるが、シャドー側は1段もないと思っていた方が良い。
ノイズ耐性のあるK-5からのカメラは構図の中庸度の露出で撮影し、Lightroom等でハイライトを下げ、シャドーを上げる作業で写真として成立するが、K-7では極力シャドーの輝度は上げない方が良い。
※シャドーのノイズは大きく伸ばせば伸ばす程目立つので、大きくプリントする方は常にこれを念頭に入れて露出を決定する必要があるだろう
だからシャドー部に主になる被写体がある場合、一番楽な方法は測距点連動の分割測光を利用する事だ。そのシャドー部をどの程度の濃度で表現したいか、限りなく黒に近くするのならそれで-2EVの補正をする。
経験上、半段程度の余裕はあるのでそこから0.5EVは持ち上げる事が出来るので、ハイライトとの輝度差が多く、ハイライトもなるべく飛ばしたくない時は-2.5EVの露出補正をすりゃいい。あとはRAWでシャドーを半段持ち上げ、ハイライトをガツンと下げる。
最後のルール。それは「思い込み」だ。中にはノイズ大嫌い!、なんて方もいらっしゃるだろう。私はフィルム時代からISO1600、ISO3200のネガフィルムを愛用していたので、ノイズには結構寛容的だが、最初にK-7、ISO1600のノイズを見た時は、Pentaxを呪ったね。
それでも色々とやっているとフィルム時代を思い出し、まぁなんて言おうかな、下町や場末の町風景なんぞをわざとK-7のISO1600で撮ったりする。このまだ明るい最中のK-7のISO1600のノイズ感ってのはフィルムの粒子感に結構似ていて、良い効果を生む事がある。
そしてこれが森山大道アートになってくれるんだ!。ネイチャーをISO1600で撮れとは言わない。人の生活感がプンプンと臭ってくるような風景を是非K-7のISO1600で撮って欲しい。
そう、森山大道氏をまず好きになる事。今も昔もこれがアートと言われ、正に巨匠、誰も到達出来ない域に達している神のような人。ノイズ、ノイズと煩いカメラマンは、その森山氏を否定している事になり、それは失礼と言うもの。
勿論、この私流の思考を皆さんに押し付ける気はないので、氏をご存じない方はとりあえず1冊の写真を図書館などで借りられてみては如何だろうか?。もし、そこで、これは1冊買っても良いかもしれないとか、己の撮影において何かヒントを得られたらきっと立派なK-7使いになれる、これだけは確証しよう。
※森山氏の作風が生理的に受け付けない、そんなタイプのカメラマンはK-7を使わない方が良い
本日の写真、全てのルールを守って、お盆休みに埼玉県は秩父で廃屋の裏手を撮影したコマ。夕方、しかも雨の中の撮影で、ISO感度2200で5枚を撮影し、それをPhotoshopでコンポジットしたもの。
オリジナルを見るとザラついてはいるが、廃な風景にはこれくらいのザラつきはあっても良いと思うし、A3ノビプリントならそんなザラつきは見えてこないから、この風景ならコンポジットする必要性を感じないが、何事も保険は掛けていた方が良いから・・・。
下にオリジナルとコンポジットしたものを部分的に切り出してみた(クリックで等倍)。またオリジナルはシャープネスが強過ぎると思われるだろうが、コンポジットすると輪郭も失われる時もあるので、わざと強めに掛けている(FS2を+3)。
部分切り出し3枚中、2枚がピンボケているが、これは等倍において被写界深度が外れているだけ。ピントは意図した位置にしっかりと来ている。
それは視野率約100%の実現とカクカクしたボディデザインへの変更。これが実現出来ていなかったらPentaxブランドが消滅していたかもしれない、非常に重要な位置にいたカメラがK-7だ。本ブログでは自虐的に黒歴史と呼んでいるが、実際には可愛い奴なのだ。
K-7でPentaxユーザーを止めた人間もいるだろう。でも反対にK-7を見て、こんな小さなカメラでも視野率が100%なのか!、フィルム時代のカメラを見ているようなデザインでカッコイイ!、とPentaxユーザーになった人間だっている筈。
生活必需品から車まで、丸っこいデザインが大嫌いなんてタイプだからK-7のそのデザインは一目惚れと言って良いくらいだった。
フィルム時代、Canonの主要な一眼レフはほとんど使ってきた。でも丸っこいデザインのEOS-1NRSよりもワンランク下のEOS-3の多用していたのは単純にEOS-3の方がカクカクしていてカッコ良かった、ただそれだけの理由(不評の視線入力AFが私の目と相性が良く誤測距しなかったのもあるけど)。
K-7が不評だったのは高感度域でのノイズ耐性。他メーカーのカメラがすでにISO3200が当たり前だった時代、K-7はISO1600が限界だったし、人によってはISO800でも駄目、そんな晴天番長であった。
なにしろ同じセンサーを使っていた前モデルのK20Dよりもノイズ耐性がなかったのだから叩かれるのは当たり前。でもここで勘違いしちゃいけない。ノイズ耐性はK20Dよりも悪いんじゃない。変わっていないだけ。
何故K20Dよりも悪く感じるのか?。それはダイナミックレンジをK20Dよりも広くしちゃったから。特にシャドー側が広がったから階調はK20Dよりも出るけど、K20Dでは潰れて見えなかったノイズがそこに見える。ISO800ですでにその状態だからカメラマンの中にはISO800すら使いたくないなんて人が多いのも頷ける。
要するにダイナミックレンジを広げたのにノイズに関してしっかりと仕事が出来なかったPentaxのソフトウェア部門が悪いってお話だ。ただこれも表現を変えれば、K-7時代に苦労したからこそ、K-5のノイズリダクションは同じセンサーを使っている他社のカメラよりも優れていて、この時培った技術がK-5に活きているとも言え、K-7はメーカーとしてターニングポイントの機種なのかもしれない。
今年になってから結構K-7がお散歩写真に出動している。なんでそうなるのか良く判らないのだが、2台同時に使って初めて判った事として、RAWレベルでK-7の像の方がK-5よりもシャープに感じる。
勿論、K-5よりも200万画素少ない分、全く同じセンサー&画像処理エンジンだったら、等倍で見るとシャープに見えるのは当たり前。たかが200万画素と言うなかれ。K-5とK-5IIsを仮に画素数で大雑把に計算するとK-5IIsは1800万画素相当になると言う。たかが200万画素だが、明らかにK-5IIsの方がクリアーに見える。
K-5IIsは1800万画素相当の写真を1600万画素で見ている、それと同じでK-5よりも200万画素少ない分、K-5よりもシャープに見えるのは判る。だったら所詮プリントはA3ノビなのだから、240dpiでプリントすると1420万画素。K-7でいいじゃんってなる(K-7の有効画素数は1460万画素)。
また、K-5をLightroomで現像するとシャープ量に40~70を設定するが、K-7は風景によってはデフォルトの25で良い。これも言い換えると200万画素増えちゃった分シャープさが弱くなり、あとからシャープを掛けるK-5が良いのか、200万画素少ないけどシャープ量を減らせるK-7とどっちが良いのか、と考えても間違いじゃないでしょう?。
※1400万画素がシャープに見える、これは言葉の妙で、言い換えれば、A3ノビ前提で、等倍像でもカリッとさせたいのなら、単にK-5の1600万画素を1400万画素に縮小したらいいだけ
シャープネス、解像感はローパスフィルターの質によって大きく変化するから、K-7には高価なローパスフィルターが付いていたり、薄く工夫しているのかもしれないが、HOYA時代だからそんな細かいところまで開発に時間やお金を掛けたとは思えないし、そもそも当時はローパスフィルターなんて言葉すら知らない人ばかりだったから、そんな時代にPentaxがそこに目を向けるなんてあり得ないとは思う。
だからと言って現行のK-3やK-5IIsに対抗出来るなんて提灯持ちでも口が裂けてもそんな言葉は吐けない。K-7を使うのなら、それなりの工夫が大切だ。
私自身は特に実感はないが、Pentaxの人曰く、K-7の基礎感度はISO100だから基礎感度が高いK-5系(ISO400だったかISO800だったか)よりもISO100の像に限っては上回る画質になってくれるらしい。とりあえず、これを信用しようではないか!。
※K-7をISO100で使うにはハイライトのダイナミックレンジ拡大をオフにする必要がある
だからまずは手振れ限界までISO100で頑張る、これがルールその1。
焦点距離50mm(135換算75mmくらい)、絞りF5.6でISOオートにセットしたらISO200でシャッタースピードが1/30secを示したとする。Pentaxのカメラは最低でも2段分の手振れ補正はしてくれるから、その値で通常は撮ってしまう。でもそこをISO100の1/15secでも撮っておこう。ブレが怖かったら数枚連写すりゃ1枚はなんとかなる。
そしてこのルールは各感度でも励行しよう。絞りF5.6、ISOオートにセットしたらISO800で1/30secを示した。ならば1段低いISO400の1/15secのコマも数枚連写して押さえておく。
ルールその2はISO800からは迷わずにコンポジット合成用に同じ構図で4枚前後を連写する事。ここで写真合成なんて写真じゃないとか、カメラ内現像でJPGとして出てくる像にしか興味のないなんて方は、K-7を使う資格はないし、そもそもそんな人はフィルムカメラにリバーサルフィルムを通して使っていればいいの。そしてプリントはダイレクトプリントだけ、Photoshopで加工なんて絶対にしないよな。
コンポジットするにはPhotoshopが必要になるが、今はLightroom込みで月々たったの千円でしょ?。それくらいケチらずに買おうぜ!。
経験上、ISO1600未満は4枚の合成で劇的に写真が変化し、ISO1600とISO2200は4~6枚撮っておけばなんとかなる。但し、K-7はISO3200になった途端に像が破綻するので、ISO3200では8枚の合成が望ましい。私なんてシャドーがやたらに多い風景を撮る場合、ISO400でもコンポジット前提で4枚は連写する。
ルール1とルール2を絡め、ISOオートの上限はISO2200で止めておく。ISO3200は余程の事がない限り使わないようにする。そうすれば最高感度でもISO2200なのだから6枚の合成でISO640~ISO800相当の写真に仕上がってくれる。
無駄にダイナミックレンジを広げない、これがルール3だ。要するにダイナミックレンジをK20D相当にしちゃう。これを行うにはコントラスト+1~+2、カスタムイメージのキー-1、コントラストシャドー+2~+4にセットしてやれば良い。そうすればシャドー部は、ディテールがなるなる分、黒く潰れノイズは見え辛くなる。
※冒頭でK-7のISO100の画質はK-5よりも優れている、これ補足事項として、コントラストが強くなり、シャドーが潰れカスタムイメージの「リバーサルフィルム」が最良だとPentaxの人は言っていた、要するにK-7は風景によってISO100でもシャドー部にノイズが見える事もある
これはカスタムイメージと無関係のRAWから現像する場合でも有効だ。現像処理において、コントラストを強め、無駄なシャドー部はトーンカーブ等で勇気を持ってガツンと潰す。シャドー部のディテールに拘るのなら三脚を用いて低ISOで撮影するしかない。なぁに大丈夫、Fujifilm X-E2でもベルビアやネガハイを使えばシャドー部は潰れるのだから・・・。
※K-7のカスタムイメージ中のシャープネスは3種類あるが、ファインシャープネス2が良い
結果、この手のコントラストの高いインパクトのある写真を作るのならK-5やK-3と大差ない写真をK-7でも作れてしまう。当たり前の事だろうが、階調が豊かでダイナミックレンジの広い写真だけが優れているんじゃない。
ルール4はシャドー部に焦点を当てている場合、シャドーを基準に露出を決定せよ!。ハイライトとシャドーの輝度差が高い風景ではたとえISO感度が100や200であってもシャドー基準の露出が望ましい。RAWから現像すればハイライトは白飛びしていても2段近くのアドバンテージがあるが、シャドー側は1段もないと思っていた方が良い。
ノイズ耐性のあるK-5からのカメラは構図の中庸度の露出で撮影し、Lightroom等でハイライトを下げ、シャドーを上げる作業で写真として成立するが、K-7では極力シャドーの輝度は上げない方が良い。
※シャドーのノイズは大きく伸ばせば伸ばす程目立つので、大きくプリントする方は常にこれを念頭に入れて露出を決定する必要があるだろう
だからシャドー部に主になる被写体がある場合、一番楽な方法は測距点連動の分割測光を利用する事だ。そのシャドー部をどの程度の濃度で表現したいか、限りなく黒に近くするのならそれで-2EVの補正をする。
経験上、半段程度の余裕はあるのでそこから0.5EVは持ち上げる事が出来るので、ハイライトとの輝度差が多く、ハイライトもなるべく飛ばしたくない時は-2.5EVの露出補正をすりゃいい。あとはRAWでシャドーを半段持ち上げ、ハイライトをガツンと下げる。
最後のルール。それは「思い込み」だ。中にはノイズ大嫌い!、なんて方もいらっしゃるだろう。私はフィルム時代からISO1600、ISO3200のネガフィルムを愛用していたので、ノイズには結構寛容的だが、最初にK-7、ISO1600のノイズを見た時は、Pentaxを呪ったね。
それでも色々とやっているとフィルム時代を思い出し、まぁなんて言おうかな、下町や場末の町風景なんぞをわざとK-7のISO1600で撮ったりする。このまだ明るい最中のK-7のISO1600のノイズ感ってのはフィルムの粒子感に結構似ていて、良い効果を生む事がある。
そしてこれが森山大道アートになってくれるんだ!。ネイチャーをISO1600で撮れとは言わない。人の生活感がプンプンと臭ってくるような風景を是非K-7のISO1600で撮って欲しい。
そう、森山大道氏をまず好きになる事。今も昔もこれがアートと言われ、正に巨匠、誰も到達出来ない域に達している神のような人。ノイズ、ノイズと煩いカメラマンは、その森山氏を否定している事になり、それは失礼と言うもの。
勿論、この私流の思考を皆さんに押し付ける気はないので、氏をご存じない方はとりあえず1冊の写真を図書館などで借りられてみては如何だろうか?。もし、そこで、これは1冊買っても良いかもしれないとか、己の撮影において何かヒントを得られたらきっと立派なK-7使いになれる、これだけは確証しよう。
※森山氏の作風が生理的に受け付けない、そんなタイプのカメラマンはK-7を使わない方が良い
本日の写真、全てのルールを守って、お盆休みに埼玉県は秩父で廃屋の裏手を撮影したコマ。夕方、しかも雨の中の撮影で、ISO感度2200で5枚を撮影し、それをPhotoshopでコンポジットしたもの。
オリジナルを見るとザラついてはいるが、廃な風景にはこれくらいのザラつきはあっても良いと思うし、A3ノビプリントならそんなザラつきは見えてこないから、この風景ならコンポジットする必要性を感じないが、何事も保険は掛けていた方が良いから・・・。
下にオリジナルとコンポジットしたものを部分的に切り出してみた(クリックで等倍)。またオリジナルはシャープネスが強過ぎると思われるだろうが、コンポジットすると輪郭も失われる時もあるので、わざと強めに掛けている(FS2を+3)。
部分切り出し3枚中、2枚がピンボケているが、これは等倍において被写界深度が外れているだけ。ピントは意図した位置にしっかりと来ている。
オリジナル | コンポジット |
![]() |
![]() |
オリジナル | コンポジット |
![]() |
![]() |
オリジナル | コンポジット |
![]() |
![]() |
時に、K-7は後継機種のK-5の馬鹿露出現象は起きない。K-5ユーザーが騒いでいるのはこの点。前のモデルで問題が無かったのに何故?、と半ば呆れている状態。しかもそれは現行のK-5IIsも引きずっているのだから、4年以上も放置しているんだ。

にほんブログ村のランキングに参加中です
最新コメント