さて、何故大きな期待をしていたか?。
CP+2015 田中希美男氏セミナー PENTAX一眼レフとGRの未来
上のYouTubeでの動画、10分5秒くらいからの会話を聞いて頂きたい。時間がないからと言う事で詳細は省かれたが、開発者は「良くなった」と言い、「スピードとかバリエーションが多くなった」と明言している。
これを見て、あっ、アホな仕様を改善し、K-S2から搭載された「明瞭度」も設定出来るようになり、さらに待望のエクストラシャープネスも搭載か!?。キャッシュ(サムネイル表示)のトロさも解消されているに違いない!。
ところがどっこい。アップデートファイルのダウンロードページを見ると、K-S2と新発売されるレンズへの対応、それとPentax 645Zのリモートコントロールソフトとの連動くらいしか機能が追加されていないんだ。
まさかねぇ、CP+で「良くなった」と表現しているんだからそんな事はねぇだろとダウンロードして使ってみたところ、果たしてその通り、糞はやっぱり糞でしかない。
「明瞭度」の設定が出来ず、エクストラシャープネスも搭載されていない。またDCU5のファインシャープネスも変化がなく、カメラ搭載のそれとは全く異なる輪郭を出してくる。処理速度も体感した限りでは速くなったとは思えない。何が変わったんだよ?。
※ダウンロードページにも明瞭度値の表示をするようになったとだけしか書かれていないのでK-S2でも出来ない筈
では先ずはおさらい。前バージョンの5.2.1での欠点を書いていこう。
1、シャープネスが駄目
上の通り、ファインシャープネスはPentaxのそれとは異なる輪郭を出すし、エクストラシャープネスは未搭載。
等倍で見る限り、一番写真らしい(デジタルっぽくない)のがノーマルシャープネスだったりする。ファインシャープネスは建物の垂直の線や文字の輪郭が如何にもデジタル処理しました、そんな絵になってしまい、Pentaxのファインシャープネスとは明らかに異なる。
勿論、A3ノビ程度のプリントサイズならさほど気にならないものの、「ファインシャープネス」と名付けるのなら、もっと似せるべきである。
2、ハイライト補正がLightroomよりも範囲が狭い
ハイライト補正って、空が白く飛んでいてもRAWデータに色情報が残っていたら、どんなソフトでもおおよそ同じくらいの性能を持つ筈なのだが(RAWデータに依存しているだけだから)、性能は明らかにLightroomの方が上。
ハイライトが飛んだ写真を救う場合、露出を1EV前後マイナスに振り、それでもハイライトにディテールが出ない時にハイライト補正をする。そして露出を切り詰めた分シャドー部が潰れるので、シャドー部を少しプッシュしてやる。Lightroom等の汎用的な現像ソフトではこれで多くの写真は救われるがDCU5は救えない像も出てきちゃう。
あくまでも私見として、露出補正で-1EVにしてもまだハイライトが飛んでいる像はDCU5のハイライト補正で救える確率はLightroomよりも遥かに劣るように感じている。
加えて、ハイライトとシャドーの輝度差が激しい写真はそのディテールを出す為に露出そのものを切り詰めてからシャドーをプッシュする事から、シャドー部はかなり眠たい絵になってしまう時があり、絶対的に明瞭度の設定が不可欠。
Lightroom等の汎用現像ソフトではシャドーをプッシュしたら、明瞭度でコントラストを確保する、これが当たり前の作業。なのにDCU5の今回のアップデートでは明瞭度設定を追加しなかった。ユーザーに対して嫌がらせをしているとしか思えない。
3、フォルダ内の写真を読み込むのに時間が掛かる
読み込みとキャッシュが上手く行っていないのか?。フリーソフトのRawTherapeeよりも遅く、100枚くらいなら我慢出来るが、300枚を超えると正直イライラする。
また本来ならばキャッシュに溜め込む筈だから一度読み込んだフォルダは次回からは瞬時で表示される筈なのに、そうではない。初回よりも早く表示されるが、ちゃんとキャッシュしていれば瞬時で表示されなくちゃならない。これも他の現像ソフトではあり得ないお粗末仕様。
4、サムネイルサイズを変更すると再び再読み込みを始める
これが判らんの。DCU5はサムネイル表示の大きさを最小、小、中、大、最大と5段階に変更出来るのだが、最小もしくは小から中以上の大きさに変更した瞬間に1枚目から再読み込みを始めるんだ。しかも中以上と設定すると、まぁ遅い、遅い。これは明らかに何らかのバグみたいのが潜んでいる。担当者は気付いていないのか?。
PEFでなくJPGファイルのあるフォルダを読んだ時のみの現象、DCU5をお持ちの方、サムネイルサイズ変更をされてみると良い。「遅い」のレベルが我慢出来ない尋常でない遅さだから!。
確かにRAWは内部の埋め込みJPGを使うから表示が早く、JPGは恐らく画像全体をキャッシュしようとするから、読み込みが遅いのは否めないものの、サムネイルサイズを変更しただけで、再読み込みするっておかしいだろっ!。
5、BrowserモードとLaboratoryモードの連動がおかしい
これは例を挙げないと判りづらいと思う。
フォルダに500枚の写真があったとする。Browserモードで499枚目を選択し、Laboratoryモードへ移行し、現像をする。次に最後の500枚目を現像しようとBrowserモードに戻ると、普通の現像ソフトならサムネイルで499枚目前後が表示されていて、次の写真を選べば良いだけなのに、DCU5はサムネイル表示が1枚目に戻るんだ。
だからわざわざスライダーを一番右に移動してから500枚目を選択する羽目になる。しかもキャッシュが効いている筈なのに、1枚目から再表示を始めるから、500枚目を表示させるのに時間が掛かる。
こんな例も挙げよう。
0001.PEFから始まり0500.PEFまで格納されているフォルダがあり、0384.PEFをLaboratoryモードで編集したとしよう。編集後、その表示タブを消去する。次に0385.PEFを編集しようとしても、もしそこで自分が編集したファイル名0384を覚えていなかったら、上の通り、DCU5はサムネイル表示を1枚目から始めちゃうから、スライダーをゆっくり動かしながら、自分がどのファイルを編集したか探り出さなくちゃならない。
どうして開発者はこれがかなりのお馬鹿仕様であると判らないのだろうか?。開発している市川に力が無いのか、仕切っているPentax/Ricohが無能なのか?。
これら5つの欠点が今回のVer5.3.1でも丸で解消されていない。ガッカリだし、明瞭度の調節が出来ないなんて何事?。K-S2に始まり、今後のPentaxブランドのカメラには恐らく全てで明瞭度項目を付けるんでしょう?。カメラ内現像せよって事かいな。
同じ市川が製作したNikonのCapture NX-Dはアップデートされ、一部の機種に追加された明瞭度の設定が旧機種でも使える(ピクチャーコントロール設定を「最新のピクチャーコントロール」にセットすると可能になる)。この差は何なの?。Pentax/Ricohが市川に支払う金を渋っているの?、それとも市川がPentax/Ricohを馬鹿にしているの?。
また2のハイライト補正もカメラが異なるから断言は出来ないものの、Nikon NX-DのアクティブD-ライティングの方がハイライトのディテールを出せる気がする。
RAWファイルには多くの色情報が残っているのに、DCU5で現像をするとそれを活かせない。そんなのを現像ソフトして我々は認めて良いのか?。
「おまけだからしょ~がないよ」、ユーザーがそう思ったら負け。どのメーカーも「おまけ」だし、DCU5程、ひどい仕様のソフトは見た事がない。またほとんどのメーカーは旧機種を差別せず、最新の現像ソフトが使えているのに、Pentaxは旧機種ユーザーに最新の現像ソフトを使わせないケチっぷり!。
K-5、K-5II系、645D、K-30、K-50オーナーでさえもこのDCU5は使えないんだ!。Rioch/Pentaxの社内で一体誰がGoサインを出さないのかね?。どうしてこれをケチる思考を持ち合わせているのか、そいつの脳味噌を解剖してみたいくらいだ。
このままだと今後もPentax/Ricohのユーザーを馬鹿にする態度は修正されない。だからこそ、それが当たり前にならないように、今、我々が行動を起こさないとならない。
気を取り直して冒頭に書いた「DCU5の画期的な使い方」について述べていこう。
とにかくDCU5を使いたくないと思わせるのがフォルダ内のファイルの読み込み。上の欠点の3、4、5だ。世の中時短の時代なのに、このソフトはユーザーに無駄に時間を使わせる粗悪品。そこで考えたんだ。
フォルダ内の大量の写真を読み込まなければ良いじゃないか!。
1、オプション設定
オプションのホームフォルダー設定で、1つのJPGファイルだけあるフォルダを選択し、起動時のフォルダーをホームフォルダーにセットする。
私は「Photo」と言うフォルダーの中にカメラ別のサブフォルダーがあり、さらにその下のフォルダーで年月日によって写真を分けているので、「Photo」直下に仮のJPGファイルを1枚だけ保存し、そこをホームフォルダーにしている。
これによりDCU5起動時、ホームフォルダー直下にあるたった1枚のJPGファイルしか読み込まない事になる。
このJPGファイルはちゃんとした写真じゃなくて良い。適当に作った100x100ピクセルくらいの画像ファイルで十分。
2、BrowserモードからLaboratoryモードに移行する
これを忘れちゃ駄目。
DCU5が起動したらその1枚だけのJPGファイルをマウスでクリックした後、必ずBroserモードからLaboratoryモードに移行する事。つまり、その仮に置いた100x100ピクセルのJPGファイルを編集するモードにするんだ。
3、他の画像閲覧ソフトを利用して編集したいPEFファイルをドラッグ&ドロップ
私が使っている画像閲覧ソフトはPhotoshopに添付されるBridgeとフリーソフトのFastStone Image Viewerで、それを利用し、DCU5の中央のメインの窓に編集したいファイルをドラッグ&ドロップする。
※極端な話、Windwosのフォルダーやエクスプローラーからでも良い
要するにDCU5のBrowserモードを使わない!。Browserモードで写真を選ばない!。
本当は起動時に最初からLaboratoryモードに行ければ良いのだが、Browserモードで写真を最低1枚選択しない限り、Laboratoryモードに移行出来ない仕組みになっているので、仮のどーでも良いファイルを1枚だけ選択するんだ。
注意点はとにかく上の2。Browserモードで他の画像閲覧ソフトからドラッグ&ドロップすると、そのフォルダ全ての写真を読みに行っちゃうので(結果、時間が掛かる)、必ずLaboratoryモードに移ってからドラッグ&ドロップする事。
Pentaxの悪いところって他のソフトからのドラッグ&ドロップがDCU5で可能な事がヘルプファイルに全く書かれていない。これもユーザーへの嫌がらせだろう?、って思っちゃうでしょう。ホント、Pentax/Ricohがアホなのか市川がアホなのか、両方なんだろうな・・・。
2015/4/22追記
読者の方から有用な情報を頂いた。
どうやらDCU5はBrowserモード時、フォルダを選択した後、(デフォルト表示だと)中央下にフォルダ内のサムネイルが表示される。その時にサムネイルをクリックせずに、そのサムネイルウィンドウのキャプションの帯部分をマウスでクリックするとフォルダ内全ての写真が編集対象になるみたいだ。
※下の画像、クリックすると長辺が1000ピクセルになる
これを行えば「5、BrowserモードとLaboratoryモードの連動がおかしい」、この部分を回避出来る。これは言い換えるとフォルダを選択後、サムネイルウィンドウのサムネイル全てを選択する(CTRL+A)のと同じ動作だ。
なるほど!、こうすればアホな動きを回避出来るんだなぁ。うーん、いやぁ、こんな事が出来るなんて、目からうろこ、全く知らなかった・・・。
本日の写真。DCU5で再現像。カスタムイメージの「銀残し」を使い、彩度+4、コントラスト-2、フィルターをシアンに変更し、ホワイトバランスの微調整をマゼンタ側に2目盛り振った像だ。
デフォルトの銀残しはグリーンフィルターのところをシアンを使うのがミソ。そしてよりエロチックにホワイトバランスでマゼンタに振るんだ。
※本日掲載写真は2014年にRicohから借りたカメラで撮影している
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