子ノ権現までの一般的なルートは吾野駅をスタートし、浅見茶屋経由で子ノ権現、復路は小床集落(こいかと読むらしい)経由で西吾野駅がゴール(もしくはその逆、西吾野スタートでゴールが吾野駅)。
でもあまのじゃく人間はそんなルートを面白いと感じない。と言うのも吾野駅から浅見茶屋まではひたすら平坦な舗装路を1時間掛けて歩かなくちゃならない。以前、吾野の宿場町をお散歩写真した際、せっかくだから浅見茶屋でうどんを頂いた。車で行ったから良かったものの、あの距離をひたすら歩くなんて相当馬鹿馬鹿しい。
またこの日、東郷公園(秩父御嶽神社)の紅葉も鑑賞したかった。残念ながら1週間早く、辺り一面真っ赤!、なる風景は望めなかったものの、ここはある意味登山なんだ。本殿までひたすら階段、もしくは九十九折の参道を上る。当然上ったら下りなくちゃならない。これがやっぱり馬鹿馬鹿しい。
何か良いルートはないか?、東郷公園は諦めるか?、そう思って色々とネットを参照していたら秩父御嶽神社の本殿からそのまま登山道が延びており、子ノ権現まで行けるらしい。なんだ、そのルートでいいじゃん!。
ところがここは破線ルート(しっかりとしたルートが確立されていない、荒れた道や廃道と言ったマイナールート)。超~初心者の我々が歩けるのか?。道に迷ったらおしまい。
ところがインターネットは凄い!。この破線ルートの情報が満載!、とは言えないものの、ド素人の為に「この分岐は右へ行け、あの分岐は左へ行け」などと色々と写真付きで解説してくれている。これを前日までに全て頭に叩き込んだ。また秩父周辺は問題なくインターネットに繋がるので、仮に迷ってもブックマークしたそれらを見れば良い。
ymapやヤマレコには行程、軌跡が共有されるので、それをオフライン地図に取り込み、あとはスマホのGPSを起動させれば先人達の軌跡と現在位置をチェックしていればもし誤った方向に進んでもすぐに復帰出来る。
11月15日の記事の通り、「冒険、探検」、これが面白い。1枚の地図だけを片手に歩けばそりゃ無謀だ。でも上の通り、インターネット、スマホを駆使すれば何とかなるんじゃないか?。もし道そのものが荒れていてド素人には危険だと感じたら戻れば良いだけじゃないか!。
そこでこの破線ルートで子ノ権現を目指したのだった。とその話はまた後日するとして・・・。
前回のトレッキングも今回のトレッキングも旅の雰囲気を大切にしたい。秩父は秘境感がありありの地域だが、東京から電車では意外と近い。池袋駅から吾野駅まで快速急行を利用して1時間ちょっと。
でも敢えて飯能駅まで特急を利用した。飯能までは38分。たかが38分であるが指定席でゆっくりと寛ぐ。こういう旅情を感じたいんだ。実は飯能で乗り換えると次の鈍行電車を10分、20分待たなくちゃならず、池袋から快速急行を利用した方が現地に早く着く。それでも敢えて特急に乗る!。しかも朝に出発する電車は西武鉄道の新型車であるLaviewである!。鉄っちゃんじゃないけど乗りたいよね。
帰りもそうなんだ。西吾野駅で飯能からの特急券を買おうと思ったら駅員さんに「次に出る快速急行の方が池袋に早く着けますよ」と言われたが、「いやいや、特急に乗りたいんです」と・・・。帰りの時間なんでど~でも良いんだ。行きは旅情を楽しむ為に特急を、帰りは飯能から脚をだら~んと投げ出して38分の間、爆睡する為の特急である。池袋~飯能間の特急券は500円、旅情と快適な睡眠を1000円で買う、安いもんだ。
往路。飯能駅からは鈍行列車。この鈍行列車が凄い事になっている。登山列車なんだ。右を向いても左を向いても登山客。車内では老若男女ハイカーによるファッションショーが繰り広げられている。一番多いと感じたのはモンベル。特にオッサン、オバサンのモンベル率は台風を伝えるNHK記者のモンベル率に匹敵する。続いてコロンビア、ノースフェイスが続いて行く。やっぱりこの三社は日本では超メジャーなのだろう(パタゴニアな人は見つけられなかった)。
だとすると一番懐に優しく、ネット上で大反響のワークマンは?。ざっと見渡した限りトップスにワークマンを羽織っているワークマン男子、ワークマン女子はいなかった。果て?、どうしてだろうか?。
オッサン、オバサンはすでにモンベルだのコロンビアだのとウェアを揃えている。それで間に合っている人達は安かろうがわざわざワークマンを買うとは到底思えない。少なくともワークマンには持つ喜びを感じないでしょう?。
加えて思う事がある。やっぱり現段階でワークマンは浸透していないし、ワークマンの存在を登山客が知っていたとしても、ファッションショーが繰り広げられる車内で「ワタクシ、全身ワークマンです!」なんて恥ずかしくて着れないんじゃなかろうか?。
「あっちもこっちも登山客、そんなシチュエーションならば見栄っ張りと言われても有名アウトドアメーカーのウェアを着るべきだよね」
連れともそんな会話をした。「ド素人の癖に・・・」とか「形から入る奴・・・」、なんて言われても平気。むしろド素人だから信頼出来る有名アウトドアメーカーのウェアを着るんじゃなかろうか?。言い換えると何も知らない初心者はワークマンを着ちゃ駄目だと思う。
ワークマンの愛用率が高いのはアスリート系のクライマーかもしれない。本番の2000メートルを超える山を登るのなら信頼のおける有名アウトドアメーカーを着るけど秩父の1000メートル以下の山だったらワークマンで十分、そんなしっかりとした意志を持った山男、山ガールじゃないとこれから登山するのに負け戦に出掛けて行くような心境になってしまう。
株価がうなぎ上りだったり、店舗数がユニクロを上回っているとか確かにブルーカラーな人々以外にアウトドアメーカーとして確立しつつあるのがワークマンのプライベートブランドだろうが、ネット上でこれだけ絶賛されているのは少しおかしい気がしてきた。なんか情報操作されているんじゃないか?。ネット上の記事は鵜呑みにしちゃいけない。
今のワークマンってレンズ交換式デジタルカメラ界参入直後のPanasonicレベルなんじゃなかろうか?。「女流一眼」なるキャッチフレーズでCM展開していて、一定のファンはいたようだが、とにもかくにもセンサーがしょ~もなかったからどうしようもない。
今でも4/3、m4/3は多少高価になっても最初からSonyセンサーを使うべきだった、Panasonicの糞にも満たないセンサーを使ってしまったから結果的に現在のシェアしか取れなかったと確信している。
勿論そんな当時のPanasonicのカメラでも最低限の機能は持っていたから写真は撮れる。でも当時を振り返って、じゃぁ女流一眼のLumix G1を初心者に勧められたか?、と問うとイエスと答える人は少ないと思う。ワークマンもそれと同じでしょう?。アウトドアに参入したばかり。必要最低限の機能は持っているが、少し懐を緩めれば絶対的な信頼を得られているモンベルのウェアを買えるんだ。
ワークマンを否定するつもりはない。購入したレインウェアは今後も使い続ける。でも少なくともそれ以外のアウターは一番目立つから上の理由の通り有名アウトドアメーカーを着用しようと思うし(見栄に加え性能が段違いだ)、ボトムスは私の脚にはピチピチ過ぎて気持ち悪いから買えない。速乾Tシャツと速乾ポロシャツ、防水手袋、今ワークマン商品で気になるのはその三点くらい。
高価な物だけが良いとは決して思わない。だからトレッキングで使用しているボトムスはトップバリュの安パンツ。ボトムスは余程注意深く観察しないとメーカー名なんて判らないし、そんなところにケチケチ星人はお金を使わない。しかもトップバリュのそれはアウトドアウェアではないものの、低山専科には十分な機能があると判断している。だからワークマンで私が好むデザインのトレッキングパンツがあれば喜んで買う。でも現状ないんだな。
憶測でしかないが、私のように注目はしたけど、実際に試着などをして、「あれっ?、これは違うな?」と判断した人が多いんじゃなかろうか?。「ワークマンのアウトドアウェアは全ての商品が重く、キャンプには最適かもしれないが、本格的登山には向かない」、どこかのブログでそんな事も書いてあった。確かに200gのレインウェアを求めている人にワークマンの商品はその条件を全く満たしていない。
先日も述べたがレインパンツに関しても安いから気軽に穿けるとは思うのだが、有名アウトドアメーカーのそれは着脱し易いように膝下がベルクロ(マジックテープ)で開閉する機能があるのにワークマンにはそれがなく、トレッキングシューズを穿いたまま着用しようと思うと面倒だったりする。
モンベルの一番安いレインパンツ、性能は耐水圧20000mm、透湿度8000g/24hとワークマンのそれを上回っており、かつ膝下がベルクロで開閉する。これが5170円である。ワークマンの倍の価格だが、それでもモンベルを推すし、プラス2000円出せば透湿度20000g/24hの性能を持つレインパンツも買える。1万円出せば100gしかないゴアテックス物が買える。
さて、行程を掻い摘んで述べよう。
吾野駅から東郷公園までの道のり。ここは知らないと車の行き交う国道を延々と2Km近く歩く。東京方面に歩くのなら途中から旧道に入ればかつての吾野宿があり、ちょっとした風情のある風景を望めるが、東郷公園方面は秩父方面に向かい、ひたすら国道を歩くだけ。それはつまらない。
たまたま山関連のブログではないが、以前にこの辺りの情報をチェックしていたら線路沿いに歩いていけば遊歩道になり、そのまま東郷公園に行けると書かれていたのを現地でふと思い出した。これが良かった。自然を見られるし、ほぼ一直線で行けるので国道を歩くよりも早く着ける。
東郷公園はやはり残念ながら1週間早かった。ところどころ真っ赤なモミジを見られたが、モミジ祭りが開かれる23日、24日は恐らく山全体が真っ赤だったんじゃなかろうか?。
そしてこの日のメインイベント。東郷公園秩父御嶽神社本殿から子ノ権現までの破線ルート(詳細は後日紹介する)。とにかく面白かった。登りの大半は直登となり、場合によっては両手も使って這い蹲って登る。定期的にスマホで位置情報を確認したり、先人達の残したマーキングを確認しながら行程で冒険、探検そのものだった。
秩父御嶽神社の本殿から子ノ権現まで直線距離で2.3Kmだからこの吉田山、小床ルートは3Kmくらいだろう。この距離もド素人には丁度良い。これが倍の6Kmなら途中でへこたれていたに違いない(と言うよりもこの道を選ばなかったろう)。そして子ノ権現直前で正規の吾野ルートと合流し無事到着。お賽銭にお線香を供え、腰痛お守りを購入。
天気予報では晴天、日中17度であったが、太陽は雲に隠れており、山の頂上に位置するので意外と風が吹いていて体感は結構寒かった。でも大丈夫。風を通さない防寒着を着こんでのお昼ご飯。ついでに茶店で甘酒とまんじゅうを頂く。
正規の吾野ルートから登れば楽勝で昼前に子ノ権現に着く。そこから竹寺へ下りて行くのが定番の登山ルートのようだ。我々も時間に余裕があったら竹寺まで行こうと話していたが、到着が13時、竹寺までは行けそうだが、そこから戻ると日没(竹寺まで行く人はそこから舗装路に出てバスで飯能駅まで帰るそうだ)。当初の予定通り、そのまま西吾野ルートで下山。
西吾野ルートはただひたすら下り道。道そのものはしっかりと整備されているが、何しろ子ノ権現までの破線ルートで脚を使い切っていたのでとにかくスピードが出ない。少し速度を速めようとすると脚がつりそうになる。そこで念の為68番を飲んでおく。シャクヤクカンゾウである。脚はつらなかったが翌日は筋肉痛の洗礼を浴びる。
ジョギングで使う筋肉と登山で使う筋肉って違うんだね。急に走り込むと太ももの中で一番太い筋肉が疲労するが、登山の場合、太ももの内側が結構使われるみたい。また膝の裏の筋みたいなところ、そこが強烈、腿上げに使う時の筋肉だからだろう。
下山してすぐが小床(こいか)集落。ここが巨石信仰であろう神社などがあり風情があった。国道に出て喫茶店で一服、西吾野駅へ・・・。そして上述の通り、飯能駅で特急に乗り換えて38分の爆睡である。
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