まずは手っ取り早く、、、APSをwikiで調べて頂きたい。
アドバンストフォトシステム - Wikipedia
このシステムのフィルムが出た頃、正直こんなシステム、すぐに無くなるだろうと思っていた。実際にフィルムからデジタルへの過渡期でもあった事から、それは事実になり、2012年現在、このシステムは現存しない。
wikiによるとカメラメーカーがAPS用のカメラを作らなくなったのが2002年からと言う事で、それ以降はレンズ付きカメラだけがAPSのフィルムを使っていただけで、実質10年も持たなかったしょ~もない規格である。
何故廃れたのか?。ちょうどデジタルカメラへの移行時期と重なった事もあろうが、従来のフィルムよりも画質が悪い、(プロ、アマチュア含め)カメラマンが満足するカメラをメーカーが発売しなかった、この2つが原因だろう。
記憶が曖昧であるが、かつて、1970年代、ハーフサイズのフィルム、カメラが流行った時期があった。これとAPSは似たような運命を辿る事になるが、ハーフサイズが流行った時期は、日本だけでなく世界中で貧富の差が今以上にあったから、その手のカメラが流行った。
でも世の中はハーフサイズのカメラを必要としないくらい裕福になり、そんな時にわざわざ画質の悪いフィルムを使う馬鹿がどこにいるだろう?。フィルムサイズが小さくなる恩恵としてカメラ、レンズの小型化が挙げられるが、少なくともコンパクトカメラにおいては135フィルム(いわゆる普通のフィルム)との差は僅かしかなく、無理して買うシステムではなかった気がする。
その画質・・・、実際にはどうなんだろう。サイズが小さくなるから当然大きく伸ばした時に余計に倍率を掛けるから悪いのは当たり前だが、では市場の70%以上を占めていたコンパクトカメラユーザーはその画質の悪さに気付いていたのかと言うとそうじゃない気がする。
何しろコンパクトカメラユーザーの大半は大きくプリントして2L程度だからその大きさならばプロでもそれが135フィルムなのかAPSフィルムなのか見極めは難しいと思う。となると、カメラマニア、写真通、つまり私のような人間が周囲に「APSを使うべからず」と吹聴していたのではなかろうか?。
各メーカーの高級一眼レフを使っているような人種は、知識が豊富な為、体験していない事でも、さも自分が体験したかのように語る輩が多い。だから周囲で「APSカメラを買おうかな」なんて相談があったら、すぐにそれを阻止する、ある意味ネガキャンを始めていたに違いない。実際に私がそうだった。記憶にあるだけで2人にAPSカメラなんて買うなとアドバイスしている。
ただ私はその手の輩の中では質の良い方で画質に関しては事実を述べていた。つまり、大きく伸ばさないのであればAPSフィルムも135フィルムも変わらないと。でもそれ以外の長所はことごとく持論を展開してAPSの悪口を言いまくったと記憶している。
フィルムがカートリッジだから装てんミスが無い、確かにこれは長所だろう。でも当時のカメラの大半は装てん時に自動的に1コマ目までフィルムを巻き上げてくれ、普通は失敗しないし、コマを全て撮り終わったら勝手に巻き戻してくれる機種も多かった。
また、撮影途中でもフィルム交換が可能、天候の変化によってISO感度の異なるフィルムやカラーからモノクロフィルムに変更する事が出来る、そんな長所に対しては「普通の写真を撮るのなら皆最初からISO400のフィルムを入れているし、モノクロなんて撮らないでしょう?」と説得。
※この頃はISO800、ISO1600と言う高感度フィルムを使う人はごく一部に限られており、ほとんどがISO100、ISO400しか使わなかったし、ネガフィルムともなれば万能なISO400を使うのが一般的だった
当時、こういた風潮が一部のマニアだけでなく、プロカメラマンや、カメラ店や家電量販店の店員さんの間でもあったんじゃないかと思っている。と言うのも当時の写真、カメラ雑誌もこの新しいシステムに対してかなり懐疑的だったからだ。APSフィルム、カメラを認めていたカメラマン、ライターなんてほとんどいなかったのではなかろうか?。
さらにはカメラメーカーだって懐疑的だった筈だ。上述した通り、カメラマンが納得、満足出来るカメラをラインナップしなかったのだから・・・(どのメーカーも中級機程度の機能のカメラしか造らなかった)。
人間は環境の変化に対応出来る生物ならしい。しかし、心理的には大きな環境の変化は望んでいないんじゃないかと思う。APSと言う基準はカメラマンにとって大きな環境の変化であり、誰もそれを喜んじゃいなかったんだろう。望みもしない事をするなってお話。
さて、本日の写真。流石にAPSフィルムで撮影した写真なんて持っておらず。果てどうしたものか・・・。ならば、フィルムからデジタルになって一番ストレスを感じた事を。それはアスペクト比だ。
私の初期のデジタルカメラ歴は、Canon IXY Digltal 200、Olympus C3040zoom、Canon A710ISと続くが、これらはどれも4:3と言うアスペクト比。今でこそ気持ち悪さを感じなくなったが、当時はこの比率にとっても違和感があった。特に今回のような縦位置はな~んか・・・。
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